包丁の切れ味を悪くするNG行為8つ…その使い方、間違っていませんか?

包丁の切れ味が悪いと料理が進まず、ストレスを感じることも。包丁は使い方や日々のお手入れが大切です。この記事では、やってはいけない使い方や包丁の寿命を縮める行為、正しいお手入れ方法をわかりやすく紹介します。

包丁は使い方で切れ味が変わる

包丁でトマトを切る

包丁は料理に欠かせない道具ですが、間違った使い方をするとすぐに切れ味が落ちてしまいます。切れ味の悪い包丁を無理に使い続けると、余計な力が入ってケガをしやすくなるほか、食材をうまく切れなくなり、料理の仕上がりも悪くなります。

ここでは、やりがちな間違った使い方と、包丁を正しくお手入れして長持ちさせるためのポイントを解説します。

包丁の切れ味を悪くする8つのNG行為

包丁の切れ味が落ちる原因は、意外と日常的な行動にあります。これらの間違いを避ければ、包丁を長く快適に使うことができます。

①包丁を火であぶる

包丁を火であぶると、一時的に食材が切れやすくなると思われがちですが、これは絶対にやってはいけません。包丁は熱を加えると「焼き戻り」という現象が起こり、金属が柔らかくなってしまいます。

その結果、刃の硬度が低下して切れ味が大幅に悪化し、研いでも元に戻りにくくなります。殺菌や温めたい場合は、50~60℃の温水を使うか蒸しタオルを使いましょう。

②水につけっぱなしにする

使った包丁を水につけたまま放置すると、包丁のサビを進行させてしまいます。特に炭素鋼の包丁は錆びやすく、数十分でサビが発生することもあります。

また、ステンレス製でも柄が木製の場合は、水を吸い込んで柄が膨張・収縮を繰り返し、接続部が緩んでしまいます。使った後はすぐに洗って乾燥させることが重要です。

③硬い食材を無理やり切る

冷凍食品やかぼちゃなど、硬いものを無理やり力を込めて切ると刃に過度な負担がかかり、刃こぼれや刃先の変形が起こります。

特に冷凍肉や魚は無理に切ると刃が欠けることもあります。これらの食材は専用の包丁を使ったり、自然解凍やレンジで加熱してから切るのがおすすめです。

④食材以外のものを切る

包丁は食材を切るための道具です。紐やビニール袋、食品パッケージなどを切ると、包丁の刃が摩耗したり粘着物が付着して切れ味が低下します。

また、表面の微細な傷から錆びや腐食が進む場合もあるため、包丁では食材以外のものは切らないようにしましょう。

⑤まな板以外の硬い場所で切る

まな板を使わずに、お皿やキッチン台、ガラス製の板などの上で食材を切るのは避けましょう。これらの硬い表面と包丁が直接触れると、刃こぼれや刃先の微細な欠けが起こりやすくなります。

刃が欠けると切れ味が急激に低下し、修理にも手間がかかります。木製や合成ゴム、柔らかめの樹脂製のまな板を使うと、刃への負担が少なくおすすめです。

⑥包丁で強く叩くように切る

ニンニクのみじん切りやアジのタタキを作る際、包丁を上から強く叩きつけるように使うのはNGです。強い衝撃は包丁の刃先に大きなダメージを与え、刃こぼれやひび割れを引き起こします。

また、この叩き切りの動作は刃先を歪ませる原因にもなります。包丁は前後に静かに動かし、力を入れ過ぎないよう注意しましょう。

⑦刃先で食材を寄せ集める

まな板の上の食材や野菜クズを包丁の刃先で寄せ集めるのは、よくある行為ですが、これも刃を痛める原因です。

刃先がまな板とこすれて摩耗が進み、微細な傷が付くことで切れ味が低下します。食材を集める時は、包丁の背の部分やスクレーパーなど専用の道具を使いましょう。

⑧包丁を食洗機で洗う

食洗機で包丁を洗うのは手軽ですが、包丁の寿命を縮めてしまう行為です。食洗機は高温で洗浄するため、刃が金属疲労を起こして柔らかくなり、切れ味が落ちることがあります。

また、食器や他の刃物とぶつかることで刃が欠けたり、柄の部分の接着剤が弱まって柄が外れる危険性もあります。包丁は必ず手洗いで、ぬるま湯とスポンジを使い丁寧に洗いましょう。

包丁の寿命は素材で変わる

食材と包丁

包丁の寿命は素材や使い方によって大きく変化します。それぞれの素材の特徴を知り、適切なお手入れ方法を行うことで、包丁を長く良い状態で使い続けることができます。

鋼(ハガネ)包丁の特徴と寿命

鋼包丁は切れ味が非常に鋭く、料理人に好まれる素材ですが、サビやすいため注意が必要です。適切なお手入れを行えば数十年と長持ちします。

使用後はすぐに洗って水分を拭き取り、薄く椿油を塗ることでサビを防ぎます。研ぐ頻度は月に1回程度を目安にしましょう。

ステンレス包丁の特徴と寿命

ステンレス包丁は錆びにくくお手入れが簡単で、家庭でよく使われます。寿命は数十年と長く、一生使えるものもありますが、研ぎ直さないと切れ味は低下します。

定期的に研ぐことで鋭さを保ち、長く使い続けることができます。ただし、放置すると錆びることもあるので、水気はしっかり拭き取りましょう。

割り込み包丁の特徴と寿命

割り込み包丁(クラッド包丁)は、鋼を軟鉄やステンレスで挟んだ構造の包丁です。鋼が削れて芯がなくなると寿命となりますが、家庭で適切にお手入れすれば数十年使えます。

刃が摩耗したり欠けた場合は早めに研ぎ直しを行い、柄と刃の接続部分から水が入らないよう注意が必要です。

包丁の正しいお手入れと長持ちさせるコツ

包丁研ぎ

包丁を長く快適に使うためには、日々のお手入れがとても重要です。難しいことはありませんが、細かなポイントを守るだけで切れ味が大きく変わります。

ここでは、包丁のお手入れ方法をわかりやすく説明します。

包丁は使ったらすぐ洗う

包丁を使い終わった後、そのまま放置するのはサビや劣化の原因です。特に、レモンやトマトなど酸の強い食材を切った場合は注意が必要です。

使用後はすぐにぬるま湯と中性洗剤で汚れを落とし、刃と柄を乾いた布で丁寧に拭き上げましょう。柄の部分も忘れずに拭くことで、柄の劣化を防ぐことができます。

水分をしっかり拭き取る

洗った包丁に水分が残ったままだと、サビや雑菌の繁殖の原因になります。洗浄後は必ず乾いた布で刃や柄をしっかり拭き取ります。

特に鋼製の包丁はサビやすいので、刃に水滴が残らないよう注意します。また、濡れた包丁を金属製のシンクなどに放置すると、電蝕という現象でさらに錆びやすくなるので避けましょう。

定期的に包丁を研ぐ

包丁は使い続けるうちに必ず切れ味が落ちます。月に1回程度を目安に砥石を使って定期的に研ぎましょう。

研ぐ時のコツは、砥石に対して刃を15~20°の一定の角度で保ち、均一な力で刃元から刃先まで丁寧に研ぐことです。また、砥石は長期間水につけっぱなしにすると劣化するので、使用後は乾燥させるのがベストです。

砥石の状態にも気をつける

砥石は使い続けると真ん中が凹み、正しく包丁が研げなくなります。定期的に砥石の表面を平らに整える「面直し」をしましょう。

これを怠ると、包丁を研ぐ角度が狂ってしまい、刃先が丸くなって切れ味が回復しなくなります。面直し用の専用砥石を使うと簡単に整えることができます。

正しい方法で保管する

包丁を引き出しなどに無造作にしまうと、刃が他の器具とぶつかって欠けたり傷がついたりします。包丁をしまう時は、専用のナイフブロックや磁石式の包丁ホルダーを使うのがおすすめです。

湿気の多い場所は避け、風通しのよい場所で保管しましょう。長期間使わない場合、炭素鋼の包丁には薄く椿油を塗って新聞紙に包み、湿気を防ぐのも効果的です。

まとめ

包丁は使うたびに洗う

包丁は、日常的な使い方やお手入れ方法によって、何年も長持ちさせることができます。切れ味が良い包丁は料理の質を向上させるだけでなく、安全性も高めます。

少し手間に感じても毎日の丁寧なケアが、将来的な買い替えの手間や費用を節約します。お気に入りの包丁を長く大切に使い続けるためにも、日々のお手入れを心掛けてください。

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