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プラスチック製まな板のお手入れは意外に難しい?
プラスチック製まな板は軽くて扱いやすく、多くの家庭で愛用されています。しかし、木製のまな板と比べると傷がつきやすく、黒ずみや黄ばみが目立つことも。その原因は、意外にも毎日のお手入れ方法が間違っていることにあります。
傷や黒ずみ、カビがついたまな板をそのまま使い続けると、衛生面での危険性が高まります。特に、傷に入り込んだ雑菌が食材を汚染し、食中毒を引き起こすこともあるのです。
そこでこの記事では、プラスチック製まな板を安全に清潔に保つために、ついやってしまいがちなNGお手入れ方法を詳しく解説します。
プラスチック製まな板の間違ったお手入れ方法
プラスチック製まな板のお手入れ方法には、正しいと思っていても実は逆効果なものがあります。特に多くの人が間違いやすい方法を取り上げ、それぞれなぜNGなのかを解説していきます。
①熱湯をいきなりかけて洗う
肉や魚を切った後に、熱湯をいきなりかけるのはやめましょう。
一見、殺菌効果が高く感じられますが、実は熱湯をかけることで、まな板についた肉や魚のたんぱく質が固まってしまいます。その結果、かえって汚れや菌が落ちにくくなります。
また、プラスチック製のまな板は素材によって耐熱温度が異なり、急激な温度変化によって反りや変形が起こることも。最初に洗剤とスポンジでしっかり洗浄し、最後に短時間で熱湯をかけて殺菌する方法なら問題ありません。
②たわしや硬いスポンジでゴシゴシ洗う
汚れや色移りを落とすため、たわしや硬いスポンジで力を入れて洗うのは避けてください。
プラスチックまな板の表面は傷つきやすく、小さな傷に食材のカスや水分が入り込むと、雑菌の温床になってしまいます。
特に黒ずみや黄ばみの正体は、小さな傷の中で繁殖した雑菌です。硬いたわしで洗えば洗うほど傷が増え、ますます汚れが蓄積してしまいます。
汚れが落ちにくい場合は、漂白剤で対応するのが適切です。
③漂白剤につけ置きしすぎる
漂白剤でのつけ置きは有効ですが、長時間漬けるのは逆効果です。長時間のつけ置きはプラスチック表面を劣化させ、黄ばみや傷みの原因になることもあります。
一般的には塩素系漂白剤なら30分程度、酸素系漂白剤なら1時間程度が適切です。適度な時間を守り、漬け置き後はしっかり水で洗い流しましょう。
④直射日光に当てて乾燥させる
まな板の乾燥は重要ですが、日光に直接当てて乾かすのはNGです。
プラスチックは紫外線に弱く、日光にさらされると表面が劣化し、黄ばみやひび割れが起きやすくなります。また、変形して反ったまな板は包丁で切る際に不安定になり、ケガをする危険性もあります。
日陰の風通しの良い場所で自然乾燥させることが望ましい方法です。
⑤食洗機を何も考えずに使う
食洗機での洗浄は便利ですが、プラスチック製のまな板の場合、耐熱温度を超える高温で洗浄すると変形や反りが起こります。特にポリエチレン製は耐熱性が低いため、注意が必要です。
食洗機を使う場合は、必ず製品に表示されている耐熱温度を確認し、その範囲内で使用しましょう。耐熱温度が不明な場合は手洗いが安全です。
プラスチック製まな板の正しいお手入れ方法
間違ったお手入れ方法を理解したところで、ここからはプラスチック製まな板の正しいお手入れ方法を詳しく解説します。基本的な洗い方から、特に汚れが気になる場合の漂白や除菌方法まで、長持ちさせるためのポイントを押さえましょう。
普段の洗い方の基本
プラスチック製まな板は使った後すぐに洗うことが基本です。時間が経つと汚れが落ちにくくなります。
- 食器用洗剤をスポンジにつける
- 柔らかいスポンジで優しく洗う
- 傷の溝やくぼみにも注意し丁寧に洗う
- 洗った後は十分な水ですすぎ、水気を拭き取る
- 風通しの良い日陰に立てかけて自然乾燥させる
毎回のお手入れを丁寧に行うだけで、黒ずみやカビの予防になります。
漂白剤の正しい使い方
黒ずみや色移り、嫌な臭いが気になるときは、漂白剤で除菌・漂白をしましょう。塩素系と酸素系の漂白剤がありますが、それぞれの特徴を理解して使い分けることがポイントです。
- 塩素系漂白剤(ハイターなど):
強力な漂白・殺菌効果がある。生肉や生魚を扱った後に特に有効。 - 酸素系漂白剤(オキシクリーンなど):
臭いが少なく素材に優しい。軽い汚れや黄ばみにおすすめ。
どちらも使用後は30分~1時間程度つけ置きした後、よくすすぎ、水気を拭き取って乾燥させましょう。
アルコール除菌スプレーを活用する
普段の手軽な除菌には、キッチン用アルコールスプレーが便利です。洗浄後、水分を拭き取った後に表面全体にスプレーし、自然乾燥させます。短時間で手軽に除菌ができるため、毎日の習慣にすると衛生的です。
熱湯消毒をする場合の注意点
熱湯消毒をしたい場合は、必ず事前に洗剤で汚れを落としてから行います。熱湯は短時間でさっと表面全体にかける程度にとどめ、耐熱表示が100℃以上あることを確認してください。耐熱温度が低い場合は熱湯消毒を避けましょう。
プラスチック製まな板の交換の目安とは?
プラスチック製まな板には明確な寿命はなく、年数ではなく状態で交換時期を判断する必要があります。以下のような状態が見られた場合、すぐに新しいまな板に取り替えることをおすすめします。
- 表面に深い傷が多く入り、溝の汚れが落ちなくなった
- 黒ずみや黄ばみが漂白しても落ちない
- 表面がざらざらし、削れて細かい粉が出る
- 反りや変形が直らず不安定である
- 嫌な臭いが常に残っている
これらのサインが現れたら衛生的なリスクが高まるため、安全のためにも交換しましょう。
まとめ
プラスチック製まな板のお手入れには、実は細かな注意が必要です。NGなお手入れ方法を避け、正しく扱えば衛生的に長く使えます。
普段の料理で使う食材によっては色移りが避けられないため、野菜用や生肉用など用途別に複数枚を使い分けるのも賢い方法です。また、使用後すぐに洗えない場合は、食品ラップをまな板に敷いてから食材を切ると、汚れが付きにくく衛生面のリスクを下げることができます。