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『思春期の子ども』の特徴とは
思春期とは、一般的に中学生ごろから18歳までの子どもを指すことが多いです。しかし、その定義は曖昧で、子によっては小学生の中学年〜高学年くらいから思春期に差し掛かる子もいます。
思春期は、心が子どもから大人へと移行する成長段階であり、社会や家庭内の影響を受けながら自分を模索する期間です。少しずつ自分の考えを確立していく時期でもあるので、自分の心の変化に本人も戸惑うことが多く、その過程で親と意見が対立することも増えてくるでしょう。
この時期は、「親から自立したい」という思いと「まだ親に甘えていたい」という両極端な思いを抱えている子が多いため、親はその思いを尊重し、寄り添う接し方が求められます。
『思春期の子を持つ親』が注意すべき5つのこと
子どもが思春期に差し掛かったとき、親は接し方でどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。
1.「〜しなさい」などの命令口調はNG
今までは自分で考えて行動する力が不足していた我が子に対して、つい「〜しなさい」と命令口調で指示してしまっていた親は多いでしょう。これまではその指示に疑問を抱かず、素直に従ってくれることも多かったと思います。
しかし、思春期に入ると自分の意思が少しずつ確立されていくため、命令口調で話しかけられると「うざい」「どうして?」と親のその態度に疑問を抱き、反抗的な態度をとることも増えてきます。
親は子どもを「自分の腕の中にいる赤ちゃん」ではなく、「ひとりの人間」として認識することが重要です。
2.過度な口出し、手出しは控える
我が子のことになると心配事が増えてしまい、つい「もうやったの?」「勉強したら?」「最近、どんな子と仲が良いの?」と質問攻めしたくなってしまいますよね。
しかし、これも思春期の子どもからすれば「過度に干渉されている」「信用されていない」と感じてしまい、「自立したい」という意思を否定されているように捉えてしまうのです。
思春期に入ったら、今までのように逐一口出ししたり手出ししたりするのではなく、基本的には見守り姿勢で寄り添ってあげましょう。
3.子どもの考えや思いを頭から否定しない
今までは親の価値観が強い影響を与えていた子どもたちですが、思春期の子は周りの環境から得た情報や知識を自分なりに考え、親とは違った価値観を持ち始めます。
そんな子どもの考えや思いに疑問を抱いたり、理解できないことも増えてくることでしょう。しかし、それは子どもが成長し、自分から自立しようとしている証です。
子どもの考えや思いを真っ向から「それは違う」「それはダメ」と否定ばかりしていると、次第に親に対する信頼が薄れてしまい、会話を嫌がるようになってしまいます。ひとりの人間の考えとして、「あなたはそう考えるんだね」「そんな考えもあるんだ!」と尊重する姿勢を持ちましょう。
4.子どもの話や悩みを聞き流さない
思春期になると、今までとは違い、何でも話してくれるわけではありません。それでも「これは聞いてほしい」「助けてほしい」という場面では、子どもの方から話を振ってくれることもあるでしょう。
思春期の子どもの話や悩みは、親の視点では些細なことでも、本人たちにとっては大きな出来事です。「そんなこと……」と聞き流したり軽視したりせず、しっかり話に耳を傾けて、気持ちに共感し、その上で親としてのアドバイスやできる限りのサポートを約束しましょう。
5.反抗的な態度にも感情的に返さない
思春期の子どもたちは、つい親に対して反抗的な態度をとりがちです。しかし、これは親から自立するために必要なステップの1つであり、子どもが成長しようと試行錯誤している結果でもあります。
今まで素直だった我が子が突然、反抗的な態度や攻撃的な言葉をかけてくると、最初は戸惑い、驚き、そして悲しみや怒りといった感情が生まれてくるでしょう。
しかし、ここで「なんでそんなこと言うの!?」と大声で怒鳴ったり感情的に返したりすると、余計に思春期の子は意固地になってしまいます。感情的にならずに「今はそういう時期なんだ」と客観的に捉えて微笑ましく見守りましょう。
思春期の子どもとうまく付き合うためのコツ
思春期の子どもとうまく付き合うためには、程よい距離感を保つことが何より大切です。
- 基本的には見守り姿勢で接する
- 頼られたときは全力でサポートする
- 何気ない話や悩みをしっかり聞いて気持ちに寄り添う
- 反抗的な態度を取られても冷静に対応する
- 子どもが不安を抱えているときに安心できる居場所になる
- 質問はなるべく機嫌が良さそうなタイミングを見計らう
- 親がストレスを溜めないように適度に発散する方法を身につける
小学生の頃や小さな頃とは違い、これからは我が子が親から自立しようと奮闘している時期です。「手を出しすぎず、いざ子どもが助けを求めてきたら全力でサポートする」という姿勢で付き合いましょう。
基本的に思春期の子どもの意思を尊重して見守ろう
いかがでしたか。思春期の子どもとうまく向き合うためには、子どもの意思を尊重し、見守る姿勢で接することが重要です。あまり過度に干渉しすぎず、子どもからSOSが出たときにはサポートできるように居場所を提供しましょう。