野菜室・冷蔵室・チルド室はどう違う?食材別の最適な保存場所を紹介

冷蔵庫のチルド室・野菜室・冷蔵室の違いをご存じですか?それぞれの温度や湿度の違いを理解して食材を適切に保存すれば、鮮度が長持ちし食品ロスも減ります。わかりやすく整理してご紹介します。

冷蔵庫の構造と温度の基本を理解しよう

冷蔵庫を開ける女性

毎日の食生活を支える冷蔵庫ですが、その内部構造や温度設定をきちんと理解している人は意外と少ないものです。冷蔵庫は「冷蔵室」「チルド室」「冷凍室」「野菜室」の4つの区画に分かれており、それぞれ保存に適した温度と湿度に設定されています。

冷蔵庫が冷える仕組みは、コンプレッサーという装置が冷媒というガスを循環させ、庫内の熱を奪うことで冷やしています。そのため、冷気が出る吹き出し口を食品などで塞がないことが大切です。

また、季節によって外気温が変化するため、夏場は冷蔵庫を「強」、冬場は「弱」設定に調整すると、効率よく庫内温度を保つことができます。

一般的な冷蔵庫の温度設定の目安は以下の通りです。

  • 冷蔵室:2〜6℃
  • チルド室:0〜3℃
  • 冷凍室:-20〜-18℃
  • 野菜室:3〜8℃

この中でも、野菜室と冷蔵室の温度の違いは特に重要です。野菜室は野菜が乾燥しないよう湿度が高く、冷蔵室よりやや高めに設定されています。

一方、チルド室は食品が凍る直前の温度で、生肉や魚など鮮度を保ちたい食材に適しています。

チルド室・野菜室・冷蔵室の温度と湿度の違い

冷蔵庫の3つの部屋の違いを一目で理解できるように、以下の表に整理しました。

冷蔵庫内では、冷蔵室よりもチルド室の方が温度が低く、野菜室の温度は最も高く設定されています。特に野菜室は高湿度で間接冷却方式を採用し、冷気を直接野菜に当てないことで、野菜本来のみずみずしさを保っています。

野菜室に入れるべき食材と入れないほうがいい食材

野菜室は、すべての野菜を入れておけば安心というわけではありません。適した食材を入れることで、鮮度が長持ちします。

野菜室に入れるべき主な食材は次の通りです。

  • 葉物野菜(レタス、キャベツ、ほうれん草、小松菜)
  • 実野菜(トマト、キュウリ、ナス、ピーマン)
  • 根菜類(一部)(にんじん、大根)
  • きのこ類全般
  • いちご、ぶどうなどデリケートな果物

一方、次の食材は野菜室には入れないほうが良い食材です。

  • 芋類(じゃがいも、さつまいも)
  • 玉ねぎ、にんにくなど土物野菜
  • かぼちゃ

これらは湿気に弱く、野菜室の高湿度でカビや芽が出やすくなります。風通しの良い涼しい場所で常温保存しましょう。

夏野菜のトマトやキュウリは野菜室でも冷えすぎて低温障害を起こすことがあるため、新聞紙で包むなどして温度変化を和らげると鮮度が保てます。

チルド室に入れるべき食材と入れてはいけない食材

チルド室は凍らせずに鮮度を保ちたい食材に最適です。

チルド室に向いている食材はこちらです。

  • 肉(牛肉、豚肉、鶏肉)
  • 魚介類(刺身、切り身)
  • ハムやソーセージ、ベーコンなど加工肉
  • チーズ、納豆、味噌など発酵食品
  • バター、生クリーム、ヨーグルトなど乳製品

逆にチルド室に入れてはいけない食材は、

  • 豆腐、こんにゃく(水分が多く凍る恐れがある)
  • ナス、キュウリ、ピーマン(低温障害を起こす)
  • 卵(冷蔵室中段が適している)

特に豆腐やこんにゃくは、凍って食感が悪くなることがあるため冷蔵室で保存しましょう。

チルド室は冷凍した食品をゆっくり解凍する場所としても活用できます。冷凍した肉や魚をチルド室でゆっくり解凍すると、旨味を逃さずに美味しく調理できます。

冷蔵室の食材の正しい保存方法

冷蔵室は、温度が低く細菌の繁殖を抑えるため、多くの食品の保存に適しています。ただし、場所によって温度差があるため、食品を入れる場所には注意が必要です。

冷蔵室に入れるべき主な食材は次の通りです。

  • 卵(中段)
  • 牛乳、ヨーグルト(中段)
  • 調理済みの料理や総菜(上段〜中段)
  • 開封した調味料(ドアポケット)
  • 豆腐、こんにゃく(下段または中段)

冷蔵室内では上段ほど温度が高く、下段ほど温度が低くなるという特徴があります。傷みやすい豆腐や生鮮食品は下段の奥に保存しましょう。また、卵や炭酸飲料をドアポケットに入れると、開閉時に温度が変動して品質が落ちるので注意してください。

また、温かいままの料理を冷蔵庫に入れると庫内温度が上昇し、他の食品の傷みを早めます。食品を保存する際は必ず粗熱を取ってからにしましょう。

食品が長持ちする冷蔵庫収納のコツ

冷蔵庫の中を見る女性

食材を効率よく鮮度よく保存するには、収納方法に工夫が必要です。

冷蔵庫内は7〜8割の収納に抑えることで冷気が循環しやすくなり、食品がより長持ちします。また、冷気の吹き出し口付近は冷えやすいため、食品を置かずスペースを空けておきます。

さらに、野菜室を使う際には、牛乳パックをカットした容器やブックエンドなどで野菜を立てて収納すると場所を効率よく使え、見やすくなり食品ロスが減ります。

最後に、りんごやアボカドなどエチレンガスを多く出す果物は、他の野菜や果物と離して保存することで、鮮度をより長く保つことができます。

まとめ

冷蔵庫内の食材は、ただ冷やせば良いわけではありません。庫内の仕組みを知り、食品ごとに最適な置き場所を選ぶことで、鮮度が保て、より美味しく食べられます。

また、冷蔵庫内の温度を一定に保つためには、実は冷蔵庫の周囲の温度も重要です。冷蔵庫を設置する場所は、壁から適切な距離(5〜10cm程度)を空け、直射日光を避け、風通しの良い場所にすることで節電効果も期待できます。

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