目次
撥水加工がされている衣類の洗濯方法
たたんでネットに入れる
破損を予防するため洗濯機に入れる前にファスナーやボタンはすべて閉めましょう。また、フードはシワにならないように伸ばし、襟に収納するタイプのものは洗う時はフードを出しておきます。
裾についているヒモのドローコードも伸ばしておきましょう。できるだけシワ部分を作らないようにたたんでから大きめの洗濯ネットに入れてください。
専用洗剤か中性洗剤で洗濯する
洗濯機で洗う場合の洗剤は専用洗剤や中性洗剤を使います。
ドライコースや手洗いコースで優しく洗う
洗濯機のコース選びは「ドライコース」「手洗いコース」などデリケート素材用の優しく洗えるコースを選んでください。
しっかりすすいで脱水はしない
洗剤の成分が表面に残らないようにすすぎは十分におこなうこともポイントです。もし洗剤の成分が表面に残ってしまうと、撥水加工の効果が十分に発揮できない可能性もあります。
できたら衣類が傷まないよう脱水はせずに取り出すことがおすすめです。もし脱水をしたとしても軽く行い、決して強く絞ることは避けましょう。
水気を切って陰干しする
ある程度の水分が切れるまでお風呂場などで干したり、分厚いバスタオルを使って衣類を挟むと水分が吸収されますので、優しくタオルで挟むなどして水気を切ります。外に干す場合は風通しの良い場所で陰干しをして下さい。
撥水加工の衣類を洗濯する時に気を付けること
柔軟剤成分が入った洗剤は使わないように
撥水力の低下の原因となるため、柔軟剤成分が含まれている洗剤は使わないようにします。
脱水機を使う場合は細心の注意を
水を吸水しない撥水加工の衣類を脱水機にかけると、ウェアの傷みだけでなく洗濯機にも負担がかかり故障する可能性もありますので覚えておきましょう。
粉洗剤を使う場合も注意が必要
そして粉洗剤を使う場合は、水に溶かして液状にした状態で使うようにして下さい。漂白剤や蛍光増白剤が含まれている洗剤も使用は控えましょう。なお水を切る時はフードやポケット、襟の裏側部分に水が残りやすいため、残らないように気をつけましょう。
撥水加工がされている衣類の手洗い方法
- 洗浄液を用意する
30度以下のぬるま湯と専用洗剤または中性洗剤で洗浄液を作ります。洗剤の量は汚れ具合などをみて適量を入れて下さい。バケツや洗面器、またはシンクを利用しても良いでしょう。 - 優しく押し洗いする
汚れやすい袖、襟、首元を重点的に優しく押し洗いします。汚れがひどい箇所があれば、柔らかい布かスポンジで生地を傷めないよう優しくこすってみましょう。ポケットやフードなども丁寧に洗います。 - すすぎはしっかりと念入りに行う
洗剤の成分が残っていると撥水の機能が低下してしまうため、水を変えてじっくりとすすぎ洗いをします。目安としては洗う時にかけた時間の約2倍の時間をかけてすすぎをおこなうことをおすすめします。回数でいえば最低でも3回はすすぐと安心です。 - 水気を切って陰干しする
すすぎ後はそっと押し出すように水を切りましょう。洗濯機を使う時と同じように、ある程度の水分が切れるまでお風呂場などで干したり、バスタオルで挟んで水分を吸い取ってもよいでしょう。外に干す場合は風通しの良い場所で陰干しをして下さい。
手洗いの時に気を付けること
必ず優しく洗う
手洗いの時は優しく洗うようにして、部分的にも強くこすることはやめましょう。また洗濯機で洗う時と同じように、撥水力の低下の原因となるため柔軟剤成分が含まれている洗剤は使わないようにします。
粉洗剤はしっかりと選んで使う
粉洗剤を使う場合は、水に溶かして液状にした状態で使うようにして、漂白剤や蛍光増白剤が含まれている洗剤も使用は控えます。フードやポケット、襟の裏側部分には水気が残りやすいため水が残らないようにして下さい。
撥水加工がされている衣類の注意点
汚れにより撥水性が下がる
完璧に撥水加工がされている衣類でも、日々の着用によりホコリや汗、皮脂汚れなどによって性能が低下します。素材の表面を覆っている撥水剤の上に付着した汚れによって、水分が吸われてしまうため撥水機能がいかせません。
摩擦が強すぎると撥水性が回復しない場合も
洗濯をすることで汚れが除去され撥水性が回復することもあります。しかし、素材表面の撥水剤が摩擦などによって削り落ちてしまうと撥水性の回復は難しい場合もあります。
撥水と言っても完璧に水を防ぐわけではない
撥水加工は水滴を弾きやすくした機能のため、水圧には耐えられません。長時間雨にあたっていると水が浸入してきますので覚えておきましょう。
撥水加工と防水加工の違い
撥水加工の特徴
撥水加工は、生地表面をシリコンコーティングして、水が転がり落ちるような作用で水をはじく加工です。繊維の表面をコーティングしているため、生地を構成する糸や折り目などの隙間があるため、霧雨のような細かい水滴や強い雨には生地の中まで浸透してしまうこともあります。
完全に水を撥水することはできず、防水加工と比較しても水を防ぐ力は劣っています。メリットは完全にコーティングがされていない分、空気が通り抜けることができるため蒸れにくいことです。
防水加工の特徴
一方防水加工は、撥水加工のような表面だけのコーティングではないため生地の裏側まで水を通さない機能となっています。生地の素材そのものが塩化ビニルや合成ゴムでできていて、生地の隙間を埋めるためのコーティングも施されています。
そのため強い雨でも水の濡れから完全に防ぐことができますが、空気や水蒸気も通さないため蒸れやすいというデメリットがあります。
撥水加工効果が洗濯により弱まった時の対策
熱を加える
撥水性は洗濯を重ねるうちに弱まってきます。洗濯をした後はできるだけ熱処理を行い、撥水性が回復するようにしましょう。
乾燥機が手軽でおすすめ
熱処理の方法は、乾燥機で行う方法があります。このとき生地やパーツの傷みが気になる場合は、保護のためにネットに入れてください。大きめのネットのほうが風が当たりやすいためおすすめです。
アイロンやドライヤーでも可能
乾燥機以外ではアイロンを使う方法とドライヤーを使う方法もあります。アイロンで行う場合は80度から120度の低温設定にして、当て布をしてから行ってください。
当て布をしないと生地が傷みやすくなりますので気をつけましょう。時間が無い時に熱処理をしたい場合はドライヤーの温風を当てる方法もあります。
市販の撥水スプレーを使う
洗濯の後に熱処理をしても撥水機能が回復しない時は、市販の撥水剤や撥水スプレーを使用します。加えて撥水剤の処理後にさらに熱処理を行うとさらに効果的です。撥水剤の使い方は商品によって異なるため、説明書を確認してから使い始めて下さい。
また生地が変色しないか目立たない箇所でチェックすることも忘れずに行いましょう。スプレータイプを上手に使うコツは、近づけすぎるとムラになってしまうため衣類から少し離して使用すると良いです。
まとめ:間違った洗い方で撥水性を落とさないように!
撥水加工の衣類を適切な方法で洗濯をして、熱処理や撥水剤を使うことで、少しでも長く撥水加工の性能を保つことができます。
しかし、きちんとした洗濯をしていたり、あまり使っていなくても、時間の経過で撥水機能が劣化することは避けられません。撥水加工は永久的なものではないということも念頭に置いておきましょう。