正しい箸の置き方!箸置きが無い時の方法から割りばしの場合まで

箸置き

わたしたち日本人は、ランチ、会食、飲み会などの場で「お箸」を使うことが多いですよね。お箸はとても身近な道具ですが、みなさんは、ふだんから「箸の置き方」に気を遣っていますか? お箸の「持ち方」には見た目の問題もあり、なにかと意識される方もいるでしょうが、意外にも「置き方」には無頓着な方が多かったりします。事実、家族や友人同士など、気の許せる人たちと食事をする場合にはあまり気を遣わずに済んでしまうので、めったなことでは「箸の置き方」を意識することはないかもしれません。ところが、グレードの高い料理店に行ったり、周りが目上の人だらけで多少とも緊張感のある場で食事をする機会に携わるようになると、「そういえば、箸には“正しい”置き方ってあるのかな?」なんて考えるようになります。気心の知れた人たちと食事をするような軽い気持ちで適当に箸を置くと、マナーの悪さを指摘されそうで尻込みしてしまいますよね。これでは、せっかくの美味しい料理もゆっくり味わうこともできません。そこで今回は、みなさんに「正しい箸の置き方」をご紹介したいと思います。この記事を参考に役立てていただければ幸いです。

あなたの箸の置き方、それで合っていますか?

縦置きの箸

みなさんも一度、仲間や知り合いと飲み会に行ったとき、自分をふくめてみんなの「箸の置き方」を観察してみるとよいかもしれません。いろいろな気づきや発見があると思います。

たとえば、みんなの「箸先」はどんな方向に向いているでしょうか?「箸先」というのは、食べ物を掴む部分のことです。人によって、けっこう向きが違ったりします。箸先が正面席の人の方向に向いてしまっていると、それはとてもお行儀が悪いです。口をつけた部分を人様に向けてしまうわけですからね。

もしかすると、この記事を読んでいるみなさんのなかにも、こうした箸の置き方をする方もいるかもしれません。くれぐれも気をつけましょう。

箸先は左側に向けるのが基本!

基本的に、箸先は「左側」に向けるのがマナーです。箸置きはふつう、左側に置かれていますよね。だから、箸先はそちらの方向に向ければ間違いありません。たとえ箸置きのない場面でも、「左側」を意識するようにしましょう。

飲み会でお酒が入り、気分が高揚して楽しくなってくると、ついつい“悪い癖”がでてしまいます。冠婚葬祭の場面で箸先が正面席側に向かぬように注意しましょう。

箸は「箸置き」に戻すのが正しい

箸置きヨコアングル

当たり前ですが、料理を食べ始めてからの「箸置き場所」は、「箸置き」に戻すのが正しいです。箸置きが用意されている場面では、基本的に箸置きに戻すように心がければ、マナーから逸脱することがないので安心ですよね。

箸置きが無い場合の箸の置き方

箸袋

箸を縦置きにしてはいけない

箸置きがあれば、箸の戻す場所には困りません。しかし、お店によっては箸置きが存在しないケースも多々あります。そういうときは、どうすればいいのでしょうか?

「かなりラフな雰囲気のある大衆料理店だから、箸置きもないことだし、適当に置いちゃえ」と考えるのはもちろんご法度です。食事をする相手が目上の人なら、こういうときこそ、余計にマナーは大切するべきです。

マナーとは、時と場所に関係なく作法を一貫して守るからマナーなのです。うっかり油断してお箸を正面席側の縦向きに置くようなことのないようにしましょう。さきほども説明しましたが、口をつけた箸先を相手に向けることは、かなり失礼な行為にあたります。

箸袋を箸置きに使う

たとえ箸置きのないような会食でも、目上の人と食事をするときには、箸を置くマナーはきちんと守りたいですよね。でも、箸置きがないときには、いったいどのようにして箸を置けばいいのでしょう?

「左側」に箸先を向けるようにすればいいとは言っても、テーブルの上にそのまま置くというのも、なんだかヘンな話ですよね。しかし心配ありません。箸置きが無い場合は、自分でつくればいいのです。

箸置きがないような場面でも、たとえばそれが割り箸なら、8割方「箸袋」があるはずです。それを箸置きにして使いましょう。ふたつに畳んだり、細長く折り曲げて立てるようにすれば、立派な箸置きとなります。

箸袋もない場合の置き方

箸袋があれば、それを箸置きに見立てて置けば問題は解決します。けれど、それはあくまで食事が「割り箸」である場合に限られます。お店によっては、割り箸ではなく、「箸入れ」に入っているお箸をお客がおのおの使用する形式をとる場合もありますよね。

そういうとき、いったいどうすればいいのでしょうか? 気心の知れた仲間内での食事なら、そこまで神経過敏になることもないでしょうが、目上の人との食事では、下手なことはできません。箸置きも箸袋もないときの「正しい箸の置き方」…じつは解決方法はちゃんとあります。

お盆のふちを箸置き代わりにする

まずひとつは、料理の「お盆のふち」を箸置きにする、という方法です。どうしても箸休めをしたくなったときには、「お盆のふち」を箸置きに見立てて置けばよいのです。ただし、「左側のふち」を利用しましょう。理由はすでにおわかりいただけているかと思います。

そう、もともと箸置きは、自分の左側に配置されていましたよね。だから「お盆のふち」を箸置きに使う場合にも、基本的な箸置きの配置を意識することがマナー的には正しいのです。

お盆も無ければ紙ナプキンなどで対応

しかし、「お盆」すらないような状況ではどうすれば…? これがもっとも困った状況ですよね。箸置きなし、箸袋なし、そしてお盆なし。箸を置く場所がいよいよなくなってきたように思えます。でも、そんなときも焦らずに対処してください。テーブルの上に、「紙ナプキン」などはありませんか?

飲食店には、まず間違いなく、テーブルの上に「紙ナプキン」が常備されているはずです。ですから、それを一枚取り出してある程度のコンパクトサイズにまで折り曲げ、簡易的な箸置きをつくりましょう。これで問題なく箸を置くことができるようになります。

「割りばし」の置き方やマナーは?

わりばし

割り箸を折ってはいけない

料理を食べ終えたときは、もうお箸を使うことがなくなるので、最後の「箸置き」をすることになります。人によっては、そのさいに割り箸をパッキリふたつに折ってしまう人がいます。

「もう料理を食べ終えたよ」という意味を込めたつもりなのかもしれませんが、それは行儀が良くないのでやめましょう。料理を食べ終えたあとの割り箸は、箸先の部分に箸袋をかぶせておけば大丈夫です。

正面席側に箸先を向けない

何度も繰り返し言いますが、もっとも行儀悪くみえる箸の置き方は、正面席側に箸先を向ける「縦置き」です。この置き方、けっこう無意識にやっている人が多く見受けられます。みなさんはどうでしょうか? 友人や家族と食事をする際に、気づけば「縦置き」をやっていませんか?

もしそうだとしたら、まずはこの悪い習慣を意識的に改善していく必要があります。大切な会食の場面で、うっかりその癖が出てしまう恐れがあるからです。

お酒が入って楽しくなってくると、どうしても無意識にマナーの良くない置き方をしてしまいがちなので、くれぐれも気をつけましょう。

対面に人がいなければ大丈夫?

また、「箸先を正面席側に向けなければ、ケースバイケースで縦置きも許されるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、箸先を相手に向けようが向けまいが、基本的に「縦置き」はNGです。

その理由の根拠は、「箸置きが左側に配置されている」ことに見出されます。古くから日本では、箸置きが「左側」に置かれていました。

「縦」方向に配置された箸置きなんて、見たことがないですよね? つまりそういうことなのです。箸を置く場合は、箸置き・箸袋・お盆のふちに関係なく、箸先は必ず「左側」を向かなければなりません。

箸を持つ時や置く時もマナーに注意

箸をもつ手

箸を持つ手順

お箸の「正しい置き方」というのは、もともと「正しい持ち方」と密接につながっています。考えてみれば当たり前ですが、お箸を置くには、そのまえにお箸を持っている状態からスタートしなければなりませんよね。ここがポイントなのです。

お箸のマナーは、食前からはじまり、食後で終わる一連のプロセスで完結するものなのです。まずは「お箸の正しい持ち方」すなわち「箸置きに置かれたお箸を持つ」という所作があり、そのあとに「お箸の正しい置き方(戻し方)」があるわけです。

では、お箸の正しい持ち方とは、どのようなやり方なのでしょうか?

  1. 箸置きのお箸を「右手」で上からつかんでとる
    お箸をとるときは、指を開かずに揃えるようにしましょう。つかむ場所は、中央からすこし右側です。
  2. お箸をとったら「左手」で箸の下を添える
  3. 右手をすぐさま箸を持つポジションに滑らせるようにもっていく

箸を置く手順

お箸を箸置きに戻す場合は、お箸を持った時の逆を実行すればOKです。

  1. 左手でお箸の下を支える
  2. 右手を中央にすべらせる
  3. 左手を離してそのまま箸置きに戻す

その他の守るべきお箸マナー

いただきます

人と話をするときは、必ず箸休めをする

今回のテーマは「正しいお箸の置き方」ですが、そもそも「箸を置く(箸休めする)タイミング」ってどんなときなのでしょうか? 基本的に箸を置くときは、「飲み物に口をつけるとき」や「人と話をするとき」です。

箸を持ったままそれらの動作をするのは、とても行儀が悪くみえてしまいます。とくに、「人と話をするときに箸休めをする」というのは、「自分は箸のマナーがちゃんとできている」と自負している人でさえ守れていないことが多く見受けられます。

友人や家族と一緒にいるときは、楽しくワイワイしゃべりながら食事をするため、どうしても「人と話をするときは箸休めをする」というマナーは意識しにくいので、仕方ないといえば仕方ありません。しかし、目上の人と食事をするさいには、この点を強く意識しておきましょう。

左利きでも、まずは右利きの作法に従う

これはなかなか難しい問題なのですが、基本的にお箸のマナーは、「右利き」が前提になっています。そうなってくると、「左利き」の人はかなり困りますよね。昨今では、昔とくらべて「左利き」の人口が増えてきているとも言われています。

なおのこと、お箸のマナーにおける利き手の問題は関心をそそります。ここでアドバイスできるのは、たとえあなたが左利きであったとしても、まずは基本的なお箸のマナーに従うということです。

つまり、「右利き」が前提になっているもろもろのルールにのっとってお箸を取ったり戻したりするのが適切な対処の仕方なのです。

もちろん、食事をするときは利き手で食べてくださいね。近年では、左利きの方への配慮がなされるようになってきているので、利き手の事情を説明して、箸置きの配置を逆にしたりする工夫もできるようになっています。状況に応じて、そうした判断をするとよいでしょう。

NG!やってはいけない箸の置き方

おわんの上に箸

箸の縦置きはしない

箸の置く向きは、箸置きの置いてある左側が基本です。この根本的な部分をしっかりと頭に入れておきましょう。

お椀に置いてはいけない

箸の置く場所に困って、仕方なく「お椀」に置いてしまった…こういう経験のある人は、けっこういるのではないでしょうか。箸先を左側に向けているからといって、その箸を「お椀」にのせるのはNGです。なんだかマナーの知らない小さな子供みたいで、見た目がとても悪いですよね。

くれぐれも「お椀」の上にお箸をのせないように気をつけてください。箸置きがなく、箸袋もないような状況でどうやって箸を置けばいいのかについては、先述したとおりです。

まとめ:箸の置き方ひとつで品のある女性に

もみじとおぼんと箸置き

さて、みなさんいかがでしょうか。お箸の「持ち方」に気を遣う人はたくさんいるけれど、じつは案外、「置き方」に注意を払う人がそこまで多くなかったりします。

この記事を読んで、みなさんも今日から、お箸の「置き方」の所作を美しく磨いていっていただければ幸いです。品のある所作が、女性としての魅力を高めてくれるのです。

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