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便座カバーは使うべき?使わないほうがいい?
便座カバーを使ったほうがいいのか、使わないほうがいいのか、一度は悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。
便座カバーを使えば衛生面で問題があるという意見がある一方で、使わないと座った時に冷たいという意見もあります。実際のところは、生活スタイルや家族の構成によって答えが変わります。
便座カバーを使う場合も使わない場合も、重要なのは適切な手入れや掃除を行うことです。メリットとデメリットを詳しく知ることで、自分にとって最適な選択が見つかるでしょう。
便座カバーを使うメリット
便座カバーを使うとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、その主な理由を順番に詳しく紹介します。
①座った時の冷たさが気にならなくなる
便座カバーの最大のメリットは、座ったときの冷たい不快感を防ぐことです。特に冬の時期や暖房機能がない便座の場合は、直接肌に触れる冷たさが不快に感じられます。
便座カバーがあれば、肌に触れる際にクッションとなり、温かみが感じられて快適になります。冷たい便座は、高齢者や血圧が高い人には急激な温度変化で体調が悪くなる可能性もあります。便座カバーで冷えを防げることは、大きなメリットといえるでしょう。
②肌触りがよく安心感がある
便座カバーは柔らかい素材で作られているものが多く、肌触りが優しく快適です。特に小さな子どもがいる家庭では、便座に直接座る際の抵抗感を和らげるため、安心感を与えます。
カバーを付けることで子どものトイレトレーニングがスムーズに進む場合もあります。また、大人でも便座に肌が直接触れることに抵抗がある人は少なくありません。心理的な安心感というメリットも、見逃せないポイントです。
③便座を汚れや傷から守れる
便座は毎日使うため、汚れや傷がつきやすい場所です。便座カバーをつけることで便座の表面が直接汚れるのを防ぎ、傷つきにくくなります。
特に男性が立って用を足す場合や、小さい子どもがトイレを使用する際には尿が飛び散りやすく、便座に汚れが付着しやすくなります。便座カバーをしていれば、その汚れはカバーで止まるため、便座自体の掃除やメンテナンスが楽になります。
④トイレ空間をおしゃれに演出できる
便座カバーはさまざまな色やデザインのものが販売されており、トイレ空間を明るく楽しい雰囲気に変えることができます。
トイレマットやペーパーホルダーなどとデザインを合わせることで統一感が生まれ、空間全体の印象がアップします。トイレは来客が使う場所でもあり、カバーを使うことでおしゃれな印象を与えることが可能です。
⑤汚れの飛び散りを防ぎ掃除が楽になる
便座カバーがあると、尿や便器内の水の飛び散りを防ぎやすくなります。特に子どもが使用する場合、便座や床への飛び散りが気になることが多いですが、便座カバーを併用すると周囲の汚れを軽減できます。掃除の負担が減り、日常の家事が楽になります。
便座カバーを使うデメリット
一方で、便座カバーにはデメリットもあります。これらをよく理解することで、本当に自分にとって必要かどうかが判断できます。
①洗濯の手間が増える
便座カバーは直接肌に触れ、汚れが付着しやすいものです。そのため、こまめな洗濯が必要となります。
洗濯頻度の目安としては、家族が多い場合は週1回、一人暮らしであれば2週間に1回程度が推奨されますが、小さな子どもがいる家庭ではさらに頻繁に洗濯する必要があります。洗濯の回数が増えることは、家事の負担を増やす要素となります。
②メーカーの保証対象外になる可能性がある
温水洗浄便座を使用している場合、便座カバーを取り付けることでメーカー保証が受けられなくなるケースがあります。
特に厚手のカバーや貼るタイプのカバーは着座センサーや便座の自動開閉機能を妨げる原因となり、故障のリスクを高めることがあります。カバーを使いたい場合は、このリスクを理解して慎重に検討する必要があります。
③カバー自体が不衛生になりやすい
便座カバーは汚れが付着しやすく、また湿気がこもりやすいため、不衛生になりやすいのが欠点です。汚れたまま放置すると雑菌やカビが繁殖し、衛生環境を損なう可能性があります。衛生状態を保つためには、定期的な洗濯と交換が不可欠であり、それが負担になる場合があります。
④掃除のときに手間がかかる場合がある
便座カバーを装着していると、便座とカバーの間に細かな汚れやホコリが溜まりやすくなります。そのため、掃除をする際は便座カバーを一度取り外して、便座の隅々まで丁寧に掃除しなければなりません。
カバーの脱着作業が増えることで、掃除にかける手間が増えると感じる人も少なくありません。便座カバーを使う場合には、こまめに掃除する習慣をつける必要があります。
⑤定期的な買い替えによるコストがかかる
便座カバーは消耗品です。洗濯を繰り返すと、生地が劣化して薄くなったり、色が落ちたりします。衛生的に保つためには定期的な買い替えが必要であり、年間を通して一定の費用がかかります。
家族の人数が多いほど汚れる頻度も高くなり、より頻繁に買い替える必要があるため、経済的な負担を感じる人もいます。
便座カバーを清潔に使うための洗い方と注意点
便座カバーを衛生的に使用するには、洗い方や洗濯頻度に注意が必要です。便座カバーを清潔に保つためのポイントを順番に解説します。
便座カバーを洗う頻度の目安
便座カバーを清潔に保つためには、適切な洗濯頻度が重要です。以下が目安となります。
- 一人暮らし:1~2週間に1回
- 家族世帯:週に1回
- 幼い子どもがいる家庭:2~3日に1回、または汚れたら即座に
この頻度を守ることで、衛生的な環境を維持できます。
便座カバーの正しい洗い方
便座カバーを洗濯するときには、以下のようなポイントを守ると、生地が傷みにくく、清潔に仕上がります。
- 洗濯ネットを使い、型崩れや生地の傷みを防ぐ
- 洗濯表示を確認し、中性洗剤で優しく押し洗い
- ワイヤー入りの場合は必ずワイヤーを外す
- ひどい汚れの場合は酸素系漂白剤でつけ置きする
- 乾燥機は使わず、風通しの良い場所で陰干しをする
これらを守ることで便座カバーを長持ちさせ、衛生的に使い続けられます。
便座カバーを使わない場合の掃除方法
便座カバーを使わない選択をする場合、清潔なトイレ環境を保つためには日常的なこまめな掃除が必要です。具体的にどのようなことをすればよいのかを詳しく解説します。
毎日の簡単な掃除を習慣にする
便座カバーを使わない場合は、便座に汚れが直接つきやすくなります。毎日、トイレ使用後にトイレ用の除菌シートやトイレットペーパーで便座をさっと拭く習慣をつけましょう。毎日の簡単な習慣で汚れが蓄積するのを防ぎ、清潔感を保てます。
便座やトイレの汚れに合わせて洗剤を使い分ける
便座には尿や水垢、皮脂などさまざまな汚れが付着します。汚れの種類に応じて洗剤を使い分けることで効果的に清掃できます。
尿汚れや黄ばみにはクエン酸系の洗剤、水垢にはお酢や専用の洗剤、黒ずみには塩素系漂白剤が効果的です。洗剤を使った後は必ずしっかりと拭き取りましょう。
見えない場所の掃除も忘れない
便座の裏側や便器のフチ裏など、見えにくい場所には汚れや雑菌が溜まりやすいです。週に1回程度は、便座を上げて裏側を掃除し、便器のフチ裏も専用ブラシで丁寧に洗浄しましょう。見えない場所の汚れを定期的に掃除することで、嫌な臭いやカビの発生を防げます。
失敗しない便座カバーの選び方
便座カバーを使うことを決めたら、実際にどのようなカバーを選べばいいのでしょうか。ここでは便座カバー選びのポイントを詳しく説明します。
自宅の便座の形状を確認する
まずは自宅のトイレに合った形の便座カバーを選ぶ必要があります。便座の形状は大きく分けて以下の3つがあります。
- O型(円形の便座)
- U型(前方が切れている便座)
- 洗浄暖房便座型(ウォシュレットタイプ)
形が合っていないとカバーがずれやすくなり、衛生面でも問題が起きやすくなります。購入前に必ず便座のタイプを確認しましょう。
抗菌・防臭機能や速乾性のある素材を選ぶ
衛生的に使うためには、抗菌・防臭効果がある素材を選ぶことをおすすめします。銀イオンや抗菌加工が施された便座カバーは、雑菌の繁殖を抑えてくれるため、汚れや臭いが気になりにくくなります。また、速乾性の素材を選ぶと、洗濯後も短時間で乾き、家事の手間が軽減されます。
取り付け方法をチェックする
便座カバーには、便座に貼り付けるタイプやフックやホックで留めるタイプなど、いくつかの取り付け方法があります。貼り付けるタイプは取り付けが簡単ですが、使っているうちにずれることがあります。
また、センサーに干渉してしまう場合もあるので注意が必要です。しっかり固定したいならフックやホックタイプが安心です。
厚さにも注意が必要
便座カバーは厚手の方が座り心地が良く感じられますが、厚すぎると便座のフタが閉まりにくくなります。自動開閉タイプの便座を使っている場合は、カバーが厚いとフタが浮いて開閉部分に負荷がかかり、故障することもあります。薄手のタイプか、温水洗浄便座用の薄く設計されたカバーを選ぶようにしましょう。
トイレ空間に合ったデザインを選ぶ
便座カバーはインテリアの一部としても重要です。トイレの壁紙や床の色、トイレマットなどの小物と色やデザインを合わせることで、トイレがまとまりのある空間になります。自宅のトイレ空間に合ったデザインを選ぶことで、毎日の暮らしが少し楽しくなります。
まとめ
便座カバーを使うか使わないかは、衛生面や快適性など自分のライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
実は、最近の研究では、トイレの便座よりもドアノブやスマホのほうが雑菌が多いことが明らかになっています。過度な不安を持つよりも、手軽にできる除菌シートの活用や手洗い習慣を徹底するほうが効果的です。また、便座カバーを使うことで掃除や洗濯の手間が増える面もありますが、それが心理的な安心や快適性につながるならば、手間以上のメリットとなります。
自分と家族にとって、より気持ちよく使える方法を見つけることが、トイレ環境を快適にするための最良の方法といえるでしょう。