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家計の水道代、4割がお風呂に消えているって本当?
日本人は世界の中でも特にお風呂好きと言われます。最新の調査によると、実際に日本人の約75%は毎日お風呂に入っています。一方、欧米ではシャワーで済ませる人がほとんどで、週に数回しか浴槽に入らないというのが一般的です。
お風呂に入ることでリラックス効果や疲労回復が期待できますが、毎日お湯をためると、水道代やガス代といった費用も気になるところです。家計調査によると、家庭で使う水の約40%は浴室で消費されています。
お風呂好きな日本人だからこそ、水道代についても正確に理解し、無駄なコストを抑えたいものです。
お風呂に1回お湯をためると水道代はいくら?
お風呂に1回お湯をためる場合、一般的な浴槽では約200リットルの水が必要となります。水道料金は地域によって差がありますが、全国の平均単価は1リットルあたり0.14〜0.30円です。
つまり、浴槽に200リットルのお湯をためた場合、1回あたり25〜60円が水道代としてかかります。
地域ごとのお風呂1回の水道代の目安
- 東京都23区:約25円(1リットルあたり約0.13円)
- 大阪市:約46円(1リットルあたり約0.23円)
- 北海道の一部地域:約60円(1リットルあたり約0.30円)
このように、同じ量の水を使っていても住む地域によって費用に倍以上の差があることが分かります。あなたの自宅の地域単価を確認し、ぜひご自身で一度計算してみてください。
また、水道代に加えて忘れてはならないのがガス代です。浴槽にお湯をためるには、水道水を適切な温度(約40℃)まで温めるためのガスが必要になります。
毎日の入浴では、このガス代が家計の大きな負担になっていることがあります。
お風呂1回のガス代はどれくらい?都市ガスとプロパンで比較
浴槽のお湯を200リットル、一般的な水温(約15℃)から入浴に適した40℃まで温める場合、ガス代は平均すると1回100〜180円程度かかります。ただし、都市ガスかプロパンガスかによって、この金額に大きな差が出ます。
ガス種別のお風呂1回あたりのガス代目安
- 都市ガス:100〜130円
- プロパンガス:160〜180円
プロパンガスは都市ガスに比べ、一般的に約1.5倍ほど高くなります。そのため、プロパンガスを使っている家庭では、お風呂にお湯をためるたびにコストがかさみやすいことを知っておく必要があります。
また、人数別に毎日お風呂に入った場合の、水道代とガス代の月額をシミュレーションしてみましょう。
家族の人数別・お風呂の月額費用シミュレーション
- 一人暮らし(都市ガス):3,900〜4,800円/月
- 二人暮らし(都市ガス):4,500〜5,500円/月
- 四人家族(都市ガス):5,500〜7,000円/月
- 四人家族(プロパンガス):8,000〜10,000円/月
家族の人数が多くなるほど、お風呂にかかる費用は当然増えていきます。家計管理をしっかり行うには、こうした費用を事前に計算しておくと安心です。
お風呂の水道代とガス代を節約する5つの方法
毎日お風呂に入りたいけれど、水道代やガス代が気になるという人に向けて、家庭で手軽に実践できる節約法を5つ紹介します。それぞれの節約法の効果やコストも一緒に見ていきましょう。
① 節水シャワーヘッドを使う
通常のシャワーは1分間に10〜14リットルの水を使いますが、節水シャワーヘッドなら6〜8リットルで済みます。これにより、年間で水道代を3,000円程度節約できます。初期費用は約5,000円で、約2年以内に元が取れます。
② 浴槽に保温シートや断熱ふろふたを使う
お湯の温度が下がりにくくなり、追い焚きの回数が減ることでガス代の節約になります。保温シートなら1,000円程度で購入でき、年間で約1,200円の節約が可能です。断熱ふろふたは5,000円程度で、年間約3,000円の節約が期待できます。
③ 半身浴でお湯の量を減らす
全身浴では約200リットルのお湯が必要ですが、半身浴なら約120リットル程度でも快適に入浴できます。お湯の量を約40%節約でき、年間の水道・ガス代を合計で8,000〜10,000円抑えることも可能です。
④ 残り湯を洗濯に再利用(ただし洗いのみ)
お風呂の残り湯を洗濯機の「洗い」の工程だけに再利用すると、1ヶ月あたり約200円程度の節約になります。衛生面を考慮し、「すすぎ」には必ず水道水を使用しましょう。
⑤ 入浴剤を使って追い焚き回数を減らす
保温効果のある入浴剤を使用すると、お湯が冷めにくくなり追い焚き回数を減らせます。追い焚き1回につき約70円のガス代がかかるため、月に10回追い焚きを減らせば約700円の節約になります。
まとめ
お風呂にかかる水道代やガス代は、一度計算して把握すると家計管理に役立ちます。とはいえ、無理な節約は毎日の生活を窮屈にします。お湯の量や温度を少し工夫するだけでも、無理なく自然に節約できるでしょう。
世界的に水資源が貴重になっている今、「快適さ」と「節約」を両立した入浴方法は、環境保護にもつながります。ぜひ、ご家庭に合った方法を見つけて、気持ちよく入浴を楽しんでください。