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桃は食べる直前に冷やすとさらにおいしくなる
桃は冷やしすぎると甘みが感じにくくなります。通常は常温で保存し、食べる直前に冷やすと桃の甘みや香りを最大限に引き出せます。硬めの桃も常温で数日おくと甘くなります。
食べる直前の冷やし方として以下の方法がおすすめです。
- 食べる15分前に氷水につける(果肉が引き締まり、皮がむきやすくなる)
- 食べる2~3時間前に冷蔵庫の野菜室で冷やす
- 食前に冷凍庫で30分ほど冷やし、半解凍でシャーベット状にする
冷やしすぎてしまった場合は、常温で10~30分ほど置くことで、香りや甘みが戻ります。
桃が腐りやすくなるNG行為6つ
桃はとてもデリケートな果物なので、ちょっとした行動が腐敗の原因になります。なぜその行動が桃を腐らせやすくするのかを解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
1.桃を指で強く押す、触りすぎる
桃は非常に柔らかく傷つきやすい果物です。強く押すと表面が傷つき、そこから雑菌が入りやすくなります。指で頻繁に触ると、指先の雑菌が桃に付着して腐敗が進みます。また、一度ついた傷は時間が経つほど深く広がり、味や見た目を損ねてしまいます。
桃を扱うときは、以下の方法を心がけましょう。
- 指先ではなく手のひら全体でやさしく包む
- パックや箱入りの桃は片手で端を持たず、底を両手で支える
- フルーツキャップがついていればそのまま使う
2.直射日光が当たる場所に置く
桃は温度変化や湿気に敏感です。直射日光が当たる場所では高温になり、桃が蒸れてしまいます。その結果、表面が傷みやすくなり、内部が腐敗します。特に夏場は短時間でも日差しにさらすと劣化が早まります。
適切な場所での保管を意識しましょう。
- 涼しく風通しの良い場所を選ぶ
- キッチンペーパーや新聞紙で包む
- 常温保存なら2~3日以内を目安にする
3.冷蔵庫やエアコンの風が直接当たる場所に置く
桃は乾燥に非常に弱く、風にさらされるとすぐに水分が奪われてしまいます。冷蔵庫の冷気やエアコン、扇風機などの風が直接当たると、桃の表面が乾燥して傷みが進み、風味も劣化します。
乾燥対策として、以下のような方法をとると良いでしょう。
- 新聞紙やキッチンペーパーで桃を包む
- 包んだ桃をさらに保存袋やポリ袋で密閉し乾燥を防ぐ
- 冷蔵庫の場合は野菜室を使い、直接冷気が当たらないようにする
4.冷蔵庫で長く保存しすぎる
桃は寒さに弱く、長期間冷蔵庫に入れると「チリング障害」という現象が起きます。チリング障害とは、低温が続くことで桃の香りや甘さを感じる成分が減少し、味が劣化してしまう状態です。また、野菜室でも保存期間が長くなると桃が乾燥しやすくなり、表面がシワシワになってしまいます。
冷蔵庫で桃を保存するときの目安は以下の通りです。
- 野菜室での保存期間は3〜7日を目安にする
- 桃を一つずつ新聞紙で包み、さらに保存袋に入れて密閉する
- 冷蔵庫から取り出したら5〜20分ほど常温に置き、香りを戻してから食べる
5.冷蔵庫から取り出して常温に長く置く
冷蔵庫で冷やした桃を食べずにそのまま常温に置くと、急激な温度差によって桃の表面に結露ができます。この水分が雑菌の繁殖を促し、腐敗の原因となります。特に夏場は短時間でも湿度が高くなりやすく、桃が傷みやすくなります。
桃を冷蔵庫から取り出したら、以下を心がけてください。
- 常温に戻す場合は10〜30分以内にとどめる
- 一度冷やした桃はなるべく早めに食べきる
- 再び冷蔵庫に戻すのは避ける
6.エチレンガスを出す果物と一緒に保存する
桃はリンゴやバナナなどが出す「エチレンガス」の影響を非常に受けやすい果物です。エチレンガスとは、果物が成熟を早めるために出す気体で、一緒に保存すると桃が急速に柔らかくなり、腐敗が進んでしまいます。
桃の保存場所を決める際は以下のポイントに注意しましょう。
- リンゴやバナナ、メロン、トマトとは別に保管する
- 密閉空間に桃とエチレンガスを出す果物を一緒にしない
- 追熟させたい場合のみリンゴと同じ袋に入れ、短期間だけにする
桃の正しい保存方法
桃を美味しく食べるためには、正しい方法で保存することが重要です。常温、冷蔵、冷凍、それぞれの保存方法を解説しますので、状況に合わせて使い分けてください。
常温での保存方法(基本)
桃は通常、常温で保存しますが、置く場所と方法を工夫することで傷みにくくなります。基本的な保存方法は以下の通りです。
- 桃を一つずつキッチンペーパーや新聞紙で包む
- 風通しの良い涼しい場所で保存(直射日光やエアコンの風を避ける)
- フルーツキャップがついていれば外さずに使う
- 常温での保存期間は2〜3日が目安
冷蔵庫での保存方法
すぐに食べきれない桃は冷蔵庫で保存すると長持ちします。ただし、冷やしすぎに注意して以下の方法を実践しましょう。
- 桃を一つずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、その上から保存袋やポリ袋に入れて密閉する
- 冷蔵庫の野菜室を使い、冷気が直接当たらないようにする
- 保存期間は最大で1週間程度と考える
冷凍庫での保存方法(長期間保存)
桃を長期間保存したいときは、冷凍保存が最適です。食感は少し変わりますが、冷凍することで新しいおいしさを楽しむこともできます。丸ごと冷凍する方法と、カットして冷凍する方法の2種類があります。
【丸ごと冷凍する場合】
- 桃をやさしく洗い、水分をしっかり拭き取る
- 桃を1個ずつラップで包む
- 冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、冷凍庫で保存する(保存期間は1ヶ月程度)
食べるときは、流水をかけながら皮をむき、半解凍状態でシャーベットのように楽しむ。
【カットして冷凍する場合】
- 桃の皮をむき、食べやすい大きさにカットする
- レモン水(水200mlにレモン汁小さじ1)か1%塩水(水200mlに塩2g)に数分浸し、変色を防ぐ
- 水分をよく拭き取り、砂糖を少量(桃の重量の約5%)まぶす
- カットした桃をラップで包み、冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫で保存する(保存期間は約1ヶ月)
解凍する際は半解凍で食べるのがおすすめ。スムージーやヨーグルトのトッピングにも便利に使える。
桃が食べられない状態の見分け方
桃は傷みやすく、状態を見極めることがとても重要です。以下に「食べられない桃のサイン」をまとめましたので、参考にしてください。
- 桃全体に白や黒のカビが発生している
- 異臭やアルコール臭、発酵臭がする
- 表面や切り口から茶色や黒っぽい汁が出ている
- 指で押すと柔らかくへこんだままで、酸っぱいにおいがある
- 果肉が明らかに黒ずんでいたり、溶けたような状態になっている
これらの状態が一つでも当てはまったら、健康のために食べずに廃棄しましょう。
なお、「少し柔らかい」「ぶよぶよしている」場合でも、異臭や汁漏れがなく、果汁が透明で甘い香りがあれば、過熟状態である可能性が高く、加熱調理(コンポートやジャムなど)でおいしく食べられます。
熟しすぎた桃をおいしく食べる簡単レシピ
桃が熟しすぎて柔らかくなり、生で食べるのが難しい場合でも、簡単においしく楽しめる方法があります。電子レンジで手軽に作れる桃のコンポートを紹介します。
【桃の簡単コンポートの作り方】
- 桃を皮付きのまま半分に切り、種を取る
- 耐熱皿に桃を並べ、桃1個につき砂糖を大さじ1、レモン汁を小さじ1ふりかける
- ラップを軽くかけて電子レンジで600W・2分間加熱する
- そのまま粗熱を取って完成(冷蔵庫で冷やしてもおいしい)
加熱することで皮がむきやすくなり、風味も凝縮されます。ヨーグルトやアイスクリームに添えても絶品です。
まとめ
桃の美味しさを守るには、何よりも丁寧な取り扱いが大切です。桃を包む際は、新聞紙の代わりに紙袋やペーパーナプキンを使っても問題ありません。
また、桃の甘さをさらに引き立てるには、食べるときに少しの塩を振ってみるのもおすすめ。塩が甘さを際立たせ、味わいを深めます。桃の特徴をよく理解し、自分なりの食べ方や保存方法を工夫することで、より一層季節の恵みを楽しめるようになるでしょう。