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昔のやり方で後輩を指導すると、パワハラになるかも
昔は先輩や上司から、かなり厳しい言葉で指導された思い出を持つ人は、現役世代にも多くいます。だからこそ気をつけなければならないのが、若い世代に対する指導方法です。自分たちが受けてきた教育方法を若い人にしてしまうと、指導ではなくパワハラと言われる可能性があります。
『パワハラ』と『指導』の違い
パワハラと指導には、以下のような違いがあります。
故意に相手を傷つける行動や言動の有無
相手が新人でも後輩でも、誰であっても、故意に傷つける行動や言動があった場合はパワハラになります。
- 自分の常識を相手に押し付け、相手を否定する
- 相手の人格を否定
- 今話している内容と関係なく、相手個人が持っている所有物に対して文句を言う
- 長時間の叱責
- 仲間外れにする
- 職場内全員での集団無視など
相手を叱咤激励し、成長を促すために少し過激なことを言ったとしても、それが相手のプラスになるとは限りません。過激な言葉を言われてショックを受け、精神的な苦痛を受けて仕事に行けなくなったとなると、指導の域を超えています。
仕事と関係ないことをさせたか
業務内容と関係ない雑用をやらせるのも、パワハラにつながります。
- 上司の私的な郵便物を提出させる、業務と関係ない買い物に行かせるなどの、使い走り行為
- 業務と全く関係のない事しかさせないなど
例えば来客に対する接待や案内、お茶出しは仕事の中に組み込まれており、最低限度のことを身に着けるのは社会人としてのマナーです。求人に書いていなかったため業務ではないことをさせたパワハラではなく、一般教養の範疇であることが多いといえます。
部下や後輩に対する適切な評価ができているか
部下や後輩に対する評価が適切でない場合も、パワハラと認定されます。
- 絶対に消化できない量の仕事を押し付け、できない場合叱責する
- 新人には難しい仕事をいくつもやらせ、ミスの度厳しく叱責する
- 部下に全く仕事を与えない…精神的に追い込むことを目的としている
その人に合った仕事を任せたり、相手のスキルアップを目指して少し難しい業務を任せるのが、上司のすべき仕事です。自分の仕事を後輩に押し付けたり、能力に合わない仕事を押し付けミスをしたらすべての仕事を取り上げるなどの不適切な評価に伴う行動はNG。
後輩などにどうやって接すればトラブルにならずに済む?
後輩にどう接すれば、パワハラなどのトラブルに発展せずに指導できるのかをまとめました。
- 大きなミスをして甚大な被害が出た場合は、強い指導を行う…ダラダラ説教しない
- どういった点を修正すべきなのかを指摘する
- 自分の気分や感情を、後輩にぶつけてストレス発散のつてにしない
- できているところはほめる
- 暴力は絶対に避ける
- 相手の人格や性格を否定しない
- 私的なことは自分でこなす
何度も同じミスを繰り返す後輩に対し、「何度教えたら覚えるの」という言葉をかけること自体はパワハラではありません。しかし、その言葉に続いて「馬鹿」「お前なんかいらない」など相手の存在を否定するような言葉を付け加えるのはNGです。
まとめ
始動と思い込んでいることがパワハラとされてしまうと、指導する人も気が気ではありません。どういった言葉や態度がパワハラになるのかを正しく認識して、後輩の指導に当たりましょう。