子どもが「パパ嫌い」になるのはなぜ?7つの原因から読み解く親子の距離

子どもから「パパ嫌い!」と言われてショックを受けているパパは多いのではないでしょうか。子どもがパパを嫌がる理由は年齢や発達段階によって異なります。その原因を理解し、親子の関係を改善する方法を紹介します。

子どもがパパを嫌いになるのは自然なこと?

我が子から「パパ嫌い!ママがいい!」などと言われると、父親はショックを受けてしまいますよね。しかし、子どもがパパを嫌がるのは必ずしもパパ自身に原因があるわけではありません。

実は、子どもの成長の途中で自然に起こる現象の一つであり、パパのことを本当に嫌っているわけではない場合も多いのです。子どもは自分の気持ちをうまく表現できないため、「嫌い」という言葉を使って気持ちを伝えているだけなのかもしれません。

実際、子どもの成長過程では、「パパ嫌い」という表現が出る時期がいくつかあります。それぞれの時期には、子どもの心の中にさまざまな理由や気持ちが隠されています。

年齢ごとに見る「パパ嫌い」の特徴

子どもの年齢や成長段階によって、パパを嫌がる行動は変化していきます。

  • 0歳~1歳:「パパ見知り」でママとの違いに戸惑う
  • 2歳前後:「イヤイヤ期」で自分の意思を主張したい
  • 3歳~5歳:「パパイヤ期」で自己主張が強まり反発
  • 小学生以降:パパの価値観や厳しさへの抵抗感
  • 思春期:自立したい気持ちが強まり、親への反発が増える

例えば、生後7か月頃になると赤ちゃんに「パパ見知り」という現象が起きることがあります。この頃の赤ちゃんは、ママとパパをしっかり区別できるようになり、パパを避けたり、泣いて嫌がったりすることが多くなります。しかしこれは認知能力が発達した証拠であり、決して悪いことではありません。

次に、2歳前後の「イヤイヤ期」と呼ばれる時期には、自我が芽生え、自分の意思を強く主張したくなります。この時期に「パパ嫌い」という言葉が出てくるのは、自分の気持ちをパパにぶつけているだけで、実はパパに甘えている証拠とも言えます。

さらに、幼稚園児になる3〜5歳頃には「パパイヤ期」という時期があります。この時期の子どもは自分で考え、行動することが増えます。そのため、パパが関わろうとすると反発を感じ、嫌がるようになることがあります。

そして思春期を迎えると、子どもは自立心が強くなり、自分の価値観や意見を尊重してほしいと強く感じるようになります。特に、父親が子どもに対して強く自分の価値観を押し付けたり、厳しく接したりすると、反抗的になり、父親を避ける傾向が強まるのです。

それでは、子どもがパパを嫌がる具体的な原因について見ていきましょう。

子どもがパパを嫌いになる原因

子どもがパパを嫌いになる原因はさまざまですが、多くの場合、子どもにとって「嫌だな」と感じる行動や態度をパパが無意識にとっていることがあります。それぞれの原因について、なぜそうなってしまうのかを詳しく解説します。

①大きな声や怒鳴る声が怖いから

子どもは大人よりも耳が敏感で、小さな音や大きな音に対して強く反応します。特にパパの声は低く、大きく響きやすいため、無意識に怖さや威圧感を与えてしまうことがあります。

また、叱るときに大きな声で怒鳴ってしまうと、子どもは恐怖を感じ、パパに対して萎縮したり避けたりするようになります。一度大きな声で怒られると、その記憶が子どもの心に深く刻まれてしまうため、パパに対する抵抗感が生まれてしまうこともあります。

②困ったときに助けてくれないと感じているから

子どもは困ったときや不安を感じたときに、身近な大人に助けを求めます。そのときにパパが忙しかったり、子どもの話を軽く受け流したりすると、「パパは自分のことを大切に思っていない」と感じてしまうのです。

例えば、子どもが何か手伝ってほしいと声をかけても「今は忙しいから後で」「ママに聞いて」と何度も繰り返していると、子どもの心がパパから離れてしまいます。

③遊び方が乱暴で怖いから

パパは子どもと遊ぶとき、楽しませようとして「高い高い」をしたり、くすぐったりします。しかし、子どもにとってはそれが怖かったり、苦しかったりすることもあります。

特に小さい子どもは、少しでも乱暴な動きや急な動きに対して敏感で、遊びのつもりが逆に怖い思いをさせてしまい、結果としてパパを嫌がるようになります。パパは子どもが本当に楽しんでいるか、きちんと観察しながら遊ぶ必要があります。

④パパと一緒にいる時間が少ないから

普段、仕事で忙しくしているパパは子どもとの時間がなかなか取れないことがあります。そのため、子どもにとってパパは「たまに会う知らない人」のように感じられてしまい、親しみを持ちにくくなります。

一緒にいる時間が少ないと、子どもはパパのことをよく理解できず、不安や距離を感じてしまいます。子どもにとって親との安心できる時間が非常に重要であるため、短くても毎日少しずつ一緒に過ごす工夫が必要になります。

⑤ママがパパを悪く言っているのを聞いているから

子どもは両親の言動をよく観察しています。ママが何気なくパパのことを悪く言ったり、不満を口にしたりしていると、子どもはその言葉を真に受けてしまい、「パパは悪い人だ」と感じてしまうことがあります。

両親間の関係が悪い場合、子どもは自分の立場を守ろうとして、一方の親(特に母親)の味方になろうとします。その結果、パパに対する否定的な感情を持ってしまうことがあるのです。

⑥パパが子どもに厳しすぎるから

子どものしつけや教育に熱心なパパほど、子どもに厳しく接しすぎてしまうことがあります。パパは子どもの将来を思って「もっと頑張れ」「こうしなさい」と強い口調で指導をすることがありますが、それが続くと子どもは息苦しくなり、パパから距離を置きたくなります。

特に、自分の考えを尊重してほしいという気持ちが強くなる小学校高学年以降や思春期の子どもに対して厳しすぎると、強い反抗心や嫌悪感が生まれてしまう場合があります。

⑦育児や家事を全然しないから

子どもは自分に対してよく関わり、身近なことを一緒にしてくれる人に親しみを感じます。パパが育児や家事をほとんどせず、ママに任せきりにしていると、子どもはパパの存在を身近に感じにくくなります。

また、子どもはパパを「頼れる存在」だと思えなくなり、結果としてパパを嫌がったり遠ざけたりするようになってしまいます。

子どもから好かれるために今日からできること

幸せな家族

子どもがパパを嫌いになる原因を理解した上で、今度は子どもとの関係を良くする方法を紹介します。今日からでもすぐに実践できる簡単な方法ばかりです。ちょっとした工夫を重ねていくことで、子どもとの距離は確実に縮まっていきます。

子どもと優しく話すことを心がける

子どもと話すときは、穏やかな声で優しく話しかけるようにしましょう。叱る場合でも、声を張り上げるのではなく、子どもの目線に合わせて静かにゆっくりと伝えます。

子どもに恐怖心を与えないことで、パパに対する安心感が育ちます。笑顔を忘れずに、表情や態度でも安心させることを意識してください。

子どもが話しかけてきたらすぐに応える

子どもが何かを話しかけてきたり、助けを求めたりした時には、可能な限りすぐに応じましょう。「後で」「忙しい」という言葉を使わずに、まずは子どもの話を聞く姿勢を示します。パパがすぐに対応することで、子どもは自分が大切にされていると感じ、信頼感が高まります。

子どもの好きな遊びを一緒に楽しむ

パパはつい自分のやり方で遊びたくなりますが、子どもにとっては自分のペースや遊び方を尊重されることが大切です。子どもが楽しいと思う遊びを一緒に見つけ、子どもが楽しんでいることを確認しながら遊ぶようにしましょう。無理な遊びや怖がるような遊びは避け、子どもの気持ちを最優先にします。

短くても毎日子どもと時間を過ごす

仕事が忙しくてなかなか時間が取れなくても、毎日少しだけでも子どもと過ごす時間を作りましょう。例えば、夜寝る前に一緒に絵本を読んだり、短い会話を交わしたりするだけでも、子どもにとってパパは身近な存在になります。毎日小さな積み重ねを続けることが重要です。

ママと協力して家庭を明るくする

夫婦間の関係が良好であることは子どもに大きな安心感を与えます。ママと協力して家庭の雰囲気を明るく穏やかに保つよう努めましょう。

お互いを尊重し、子どもの前で夫婦が仲良くしている姿を見せることで、子どもは自然とパパにも心を開くようになります。ママに協力をお願いし、パパの良いところを子どもに伝えてもらうのも効果的です。

パパから子どもへの愛情をはっきり伝える

子どもに直接、愛情をはっきりと伝えることも大切です。「パパはいつも君が大好きだよ」「いつでも君の味方だよ」と言葉で繰り返し伝えましょう。子どもは言葉で明確に伝えられることで、自分が愛されていると確信し、パパに対する安心感や信頼感が強まります。

まとめ

子どもから「パパ嫌い」と言われても、それは子どもが成長の途中で発する一時的な言葉かもしれません。大切なのは、子どもの気持ちを落ち着いて受け止めることです。父親自身が焦りや落ち込みを感じるのは自然なことですが、子どもとの関係改善は日々の小さな積み重ねから始まります。

また、子どもからの拒否が長期間続いたり、パパ自身が強い不安や悩みを抱えている場合は、一人で抱え込まず、地域の子育て支援センターなどに相談しましょう。家族全体が心穏やかに過ごせることが、何より子どもにとって幸せな環境になります。

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