目次
アガーが固まらない時の対処方法
アガーが固まらないときはどうすればいいのか、その対処法を確認しておきましょう。
砂糖を加える
アガーを入れても上手く固まらない、そんな事態を防ぐために、アガーを使うときはまず砂糖としっかり混ぜておき、そこに水分を加えて加熱するようにしましょう。
というのも、アガーは非常にダマになりやすいという特徴があるからです。ダマになってしまうと温めても完全に溶けなくなるので、上手く固まらなくなってしまうのです。
後から砂糖を入れると、結合作用が働いてムラができやすくなり、余計に固まり辛くなってしまいます。アガーは糖分と結合することで凝固作用を発揮しやすくなるという特徴があるので、砂糖を使うレシピでは先に合わせておくようにしましょう。
砂糖を加えない
では牛乳やジュースに直接混ぜるときなど、砂糖を使わないときはどうすればいいのでしょうか。大切なのはアガーを一気に混ぜ込まないことです。ダマになりやすいという特徴を忘れず、液体を泡だて器などで混ぜながら少しずつアガーを加えて溶かし、その後加熱するようにします。
加熱の際は弱火からスタートし、完全に溶けるまで加熱するのがポイントです。
アガーが固まらない原因
アガーが固まらない理由はいくつか考えられます。よくある失敗を確認しておきましょう。
しっかり溶かすことが大切
まずアガーは完全に液体に溶けないと固まり辛いという性質があります。液に均等にアガーが行き渡るよう気を配ることはもちろん、一気に入れず少しずつ混ぜることが大切です。また、アガーを混ぜる液は常温にしておきましょう。
冷たいまま加えるとその場で固まってしまい、全体が固まらなくなることがあります。少し温めてから使うようにしましょう。少量の水を加熱しておき、そこにアガーを入れてしっかり溶かしてから、ジュースなどに混ぜるという使い方もおすすめです。
やりがちな失敗は?
アガーを使うときは液を加熱することになりますが、このときの火加減には注意しましょう。完全に溶かすことは重要ですが、完全に沸騰させてしまうと固める力が弱くなってしまうからです。
アガーはダマになりやすく、それも固まらない原因になります。一度ダマになってしまうと加熱しても上手く溶けなくなるので、結局固まらなくなります。砂糖を使うときは最初に合わせてから、使わないときは液体を攪拌しながら少しずつ加えることを忘れないようにしましょう。
また、アガーを混ぜたものは常温で固まり始めます。このとき途中で揺らしたりしてしまうと、それが凝固の邪魔になってしまうこともあるので、出来上がりが気になっても静かに置いておくようにしましょう。
アガーの特徴と注意点
お菓子の凝固剤には、寒天やゼラチンがよく使われます。アガーという材料を知らない人も多いのではないでしょうか。その特徴を確認しましょう。
特徴
アガーは寒天やゼラチンよりも透明度が高い上無色透明に仕上がるため、素材の色を活かすことができるという特徴があります。光沢も美しく、お菓子の見栄えをアップさせることも可能です。
常温でも固まり、常温のまま置いておいても溶けないので、お土産など持ち運ぶお菓子にも便利です。食感は寒天とゼラチンの間くらいで、ぷるっとした独特の感触を持っています。無色透明なことに加えて無味無臭なので、他の材料の風味を損なうこともありません。
注意点
アガーはダマになりやすいという特徴があります。ダマになると固まり辛くなり仕上がりにも影響が出るため、扱いには注意するようにしましょう。砂糖と合わせると凝固作用が強くなる性質があるため、最初からブドウ糖が添加されている商品も販売されています。
しっかりと溶かすためには加熱が必要ですが、ダマになると加熱しても完全には溶けなくなるため、少しずつ加えるなどして工夫する必要があります。また、アガーには酸に弱いという弱点があります。
酸味が強いレモン果汁などは一緒に煮立たせても固まらないことがあるので、そんなときは先に水とアガーを合わせて加熱して溶かしておき、そこに果汁を入れるようにするといいでしょう。このとき、果汁は常温にしたものを使うようにしてください。
アガーとゼラチンの違い
アガーとゼラチン、寒天の違いを確認しましょう。
アガー
アガーは海藻やマメ科の種子からできています。主な原料はカラギーナンやローカストビーンガムという多糖類です。カラギーナンは、スギノリやツノマタなど紅藻類に属する海藻から抽出されます。
ローカストビーンガムは比較的気温の高いヨーロッパに生える、常緑植物のカロブという樹の種子から抽出されます。カロブから取れる種子は、日本ではイナゴマメやカロブ豆という名で呼ばれていますが、そうした抽出物を混合したゲル化剤が、アガーなのです。
アガーは90度以上に加熱することで溶解し、30~40度の常温でも固まるという性質を持っています。早く固めたいときは冷蔵庫に入れると、凝固を早めることが可能です。常温で置いておいても型崩れせず、60度以上に再加熱することで溶解します。
ゼラチン
ゼラチンは、牛や豚といった家畜の骨や皮に含まれているコラーゲンが原料です。コラーゲンはタンパク質の一種で、肌にいい栄養素としても注目されています。弾力性と粘り気に富み、プルンとした食感が特徴です。ゼラチンには粉ゼラチンと板ゼラチンの2種類があります。
粉ゼラチンは必要な分だけ使えて手早く調理するのに向いており、板ゼラチンは仕上がりが美しく食感も滑らかに仕上がります。ゼラチンが溶けるのは50~60度という比較的低い温度です。これを20度以下に冷やすことで固まります。
一度固まったものは25度以上で溶解してしまいます。常温では固まらないため、冷やす時は冷蔵庫を使う必要があり、また常温で放置していると溶けてしまいます。しかし、この溶けやすさが口どけの良さの理由でもあるのです。
寒天
寒天は海藻が原料です。紅藻類のテングサやオゴノリといった海藻を用いて作られます。アガーやゼラチンに比べて凝固作用に優れており、少量の寒天で大量の液体を固めることが可能です。反面弾力性があまりなく、口に入れると柔らかい食感と共に崩れていくような感覚になります。
寒天は90度以上で溶け、40~50度で固まります。常温でも固まり溶け出すことがないので、アガーと同様に持ち運びにも便利です。一度固まったものは70度以上で溶け出します。
まとめ
凝固剤の中でも、アガーは特に見た目の美しさに特徴があります。透明感のあるゼリーは美しく、見ているだけでも楽しいもの。ただダマになりやすいという特徴があるため、自宅でお菓子作りに使用する際はその特徴や注意点を予め確認しておき、失敗を予防するようにしましょう。
アガーを活用して、美しく美味しいお菓子作りにチャレンジしてみてください。