キルト芯とは?芯の種類や使い道、上手な付け方まで

綿全体

裁縫や手芸をする人なら、キルト芯という言葉を耳にしたことがありますよね。貼り付けたり縫い付けたりするだけで、好みの生地に厚みを持たせることができるアイテムですが、「難しそうだ」と敬遠している人も多いでしょう。そこで、これからキルト芯を使ってみたいという人のために、キルト芯にどんな種類があるのか、また上手な付け方についてわかりやすくご紹介しましょう。

キルト芯とは

綿アップ

キルト芯とは別名「キルト綿」と呼ばれることもある、キルティング地に挟まっている中綿のこと。ショップで販売されているキルティング地はキルト芯が生地に挟まれ、縫い合わさった状態で販売されています。

しかし、キルト芯を使えば自分の好みの生地を使い、ハンドメイドでふわふわと厚みのある生地が作れるのです。キルト芯には

  • 「中厚で目が詰まったタイプ」
  • 「ふわふわしたタイプ」
  • 「薄手のタイプ」

などがあるため、用途に合わせた使い分けが可能です。また、一般的に使用されるのは中厚のキルト芯で、タペストリーやベッドカバーのほか、鍋つかみやマットなど幅広い用途があります。

キルト芯の種類と用途

綿3種類

キルト芯には色々な種類がありますが、それぞれの特徴や用途についてご紹介しましょう。

接着の種類

キルト芯の接着は、以下の3種類に分けられます。

  • 接着なしのタイプ
  • 片面接着のタイプ
  • 両面接着のタイプ

「接着なしのタイプ」は、市販のキルティング生地のように格子状に縫いとめて使用するもので、少し難易度が高くなります。「片面接着」と「両面接着のタイプ」は、片面もしくは両面に糊が付いておりアイロンで簡単に接着できるのが特徴的。

また「両面接着のタイプ」は、一度に表地と裏地をつけられるので便利ですが、両面をきれいに貼るのにはコツが必要となります。

生地の種類

キルト芯に使用される生地には、以下の分類があります。

  • 難燃タイプ
  • 綿100%タイプ
  • 黒タイプ
  • 吸湿・発熱タイプ

異なる種類があり、それぞれの特徴をご紹介します。「難燃タイプ」は燃えにくく火に強いという性質があり、「綿100%タイプ」は天然素材の風合いがあり素材的にも安心ですが少し値段が高めです。

「黒タイプ」はダークなカラーの生地に使用するのに向いており、「吸湿・発熱タイプ」は温かさを保ちながら湿気は放出できるという特徴を持っています。

用途・使い道

「片面接着タイプ」はもっとも扱いやすいキルト芯といわれ、バッグを制作するのに向いています。鍋つかみや防災頭巾など、火に近づくことを想定したアイテムは「難燃タイプ」を使用するのがよいでしょう。また、「吸湿・発熱タイプ」はベストやベッドカバーにおすすめです。

購入単位の種類

キルト芯を購入する単位も大きく3種類に分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

売り切りタイプ

「切り売りタイプ」は、手芸店で好きな大きさにカットしてもらいます。一般的に手芸店で販売されているサイズは1メートル幅なので、それより大きなものを作るときは幅を縫い広げて使います。

カットタイプ

「カットタイプ」はあらかじめ適当な大きさにカットされているので、用途に合わせてサイズを選ぶことが可能です。ベッドカバーなど大きなものを作るときも、縫い合わせる必要がなく便利です。

巻きタイプ

「巻きタイプ」は20メートル巻きや10メートル巻きなどがあり、値段的にもお得なので頻繁に手芸する人に向いています。

接着キルト芯の上手な付け方

アイロンがけ

初心者でも扱いやすいのが接着キルト芯ですが、失敗しにくい上手な付け方のポイントをご紹介しましょう。

アイロンは生地側から当てる

初めてキルト芯を使う時はどちら側からアイロンを当てるのか迷ってしまいますが、生地側から当てるのが正解です。キルト芯を綿が下、接着面が上の状態でアイロン台の上に置き、その上に生地をのせてアイロンをかけます。

接着面の見分け方は、キラキラしている方が接着面だと覚えておくとよいでしょう。きれいにつけるためには、事前に生地のしわを無くしておくことも大切です。

また、直接生地にアイロンをかけたくない場合は、薄い当て布をするとよいでしょう。生地を直接的な熱にさらさず接着することができます。

アイロンを動かさないで上から押さえる

キルト芯を付けるときはアイロンを前後に動かしたりせず、上から押さえるのが上手につけるポイントとなります。ちょうど、ワイシャツをアイロンがけする要領です。中温で10秒ほど押し当て、少しずつアイロンを移動させながら生地に密着させていきます。

中央から外側へ向かい、空気を外へ押し出すように移動させるのがコツです。また、キルト芯をつぶさないように優しく押さえるようにしましょう。霧吹きで軽く濡らしながら行うと、弱い力でも接着しやすくなります。

完全に冷めるまで動かさない

キルト芯は、しっかりと冷ますことで生地に密着させることができます。そのため、完全に冷めるまで動かさないようにしましょう。貼り付けに失敗した場合は、熱いうちにアイロンで再び熱を加えれば剥がしてやり直すことも可能です。

事前に試し貼りをする

片面接着キルト芯はアイロンを当てることで縮みやすいため、事前にハギレを使って試し貼りするようにしましょう。10センチ角ほどのハギレで元の大きさを確認した後キルト芯を試し貼りし、元のサイズよりも小さくなっていた場合は縮みやすいということです。

アイロンを浮かせた状態でキルト芯をたるませアイロンの下に置き、スチームをかけあらかじめ縮ませてから貼り付けるとよいでしょう。

キルト芯とドミット芯の違い

木皿の綿を持つ人

キルト芯と同じような形状のドミット芯がありますが、どのような違いがあるのでしょう。

ごく普通の綿状の芯

一般的に販売されているキルト芯は、薄いものや厚いもの、ポリエステルのもの、コットンのものなど色々な種類があります。ドミット芯よりもふんわりとした仕上がりになるのが特徴です。

ドミット芯

バイリーン ドミットタイプ キルト芯 厚手 96cm×100cm KSP-120A

ドミット芯はキルト芯を圧縮したあと、裏にネットをつけたものです。ヨレにくく伸びにくいという特徴があります。そのため、バッグの持ち手やミシンでプレストキルトを作るときなどに使用されます。

また、キルト芯よりもパリっとした仕上がりになるのが特徴です。伸びにくいのでキルト芯よりも扱いやすく、仕上がりの肌触りをそれほど気にしないのであれば、キルト芯の代わりとしても十分に使えます。

接着芯

コスモ 高級接着芯 【厚手】100㎝×2M

接着芯は簡単に言えばキルト芯の薄いバージョンで、薄い生地を使いバッグやポーチを作るときに張りを出すことができます。

ニット生地に貼り付けて伸びにくくしたり、ボタン穴やポケット穴の補強にも使えたりします。キルト芯と同じようにアイロンで接着できるタイプとシールタイプがあり、簡単につけられるのが特徴です。

固さは、ハードタイプと普通タイプ、ソフトタイプがあり、用途に合わせて使い分けることができます。キルト芯の代用品として活用することもできますが、ふわふわ感は出すことができません。

まとめ:キルト芯で素敵な作品を作ろう

木皿の綿

キルト芯の種類や上手な付け方のコツをご紹介しましたが、ポイントさえ押さえれば初めてでも上手につけられそうですね。生地の質感を自在に変えられるので、作品の幅も広がります。

フワフワした厚手のタイプ、しっかりとした中厚タイプ、扱いやすい薄手のタイプなどがあるので、用途に合ったものを選び素敵な作品を作ってみてはいかがでしょう。

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