車のブレーキが効かなくなる『絶対NG行為』5選!普段の習慣が招くリスクとは

走行中にブレーキの効きが甘い、突然効かなくなったと感じたことはありませんか?ブレーキは車の安全を支える大切な装置。普段の運転習慣や整備が不十分だと、大事故に繋がる危険性があります。今回はブレーキを効かなくする原因や、その前兆、緊急時の対処法を解説します。

走行中のブレーキトラブルは決して珍しくない

車のブレーキとアクセル

運転中、ブレーキペダルを踏んだ際に圧力が伝わらず、ふわっとした違和感を覚えた経験はないでしょうか。このような現象は決して稀ではなく、多くのドライバーが一度は遭遇する可能性のある危険なトラブルです。

しかしよくある現象だからといって、そのまま放置してしまうのは非常に危険です。突然ブレーキが効かなくなって大事故に発展する可能性もあるため、異常を感じた時点で直ちに安全な場所に停車し、速やかに点検や適切な対処を行うことが重要です。

ブレーキトラブルは日常のちょっとした習慣や不適切な整備によって引き起こされることがあります。そのため、自分の行動がトラブルにつながるかもしれないという認識を持つことが大切です。

ブレーキ故障の原因となる5つの危険な行為

ブレーキトラブルを未然に防ぐためには、どのような行動が原因となるのかを把握することが欠かせません。

意外と知られていない「絶対にやってはいけない危険行為」を紹介しますので、自分自身の日頃の運転やメンテナンス方法を見直してみてください。

1. 劣化したブレーキフルードの使用を続ける

ブレーキフルードは経年とともに劣化し、徐々に沸点が低下します。劣化したブレーキフルードを使い続けると、走行中にブレーキ熱によって気泡が発生する「ベーパーロック現象」が起きやすくなります。

これが起きると、ペダルを踏んでも圧が伝わらず、ブレーキが全く効かなくなる恐れがあります。一般的にブレーキフルードの交換目安は2年ごとと言われており、少なくとも2年を目処に定期交換を心がけましょう。

2. ブレーキフルード交換時に十分なエア抜きを行わない

ブレーキフルードを交換する際にしっかりエア抜きを行わないと、「エア噛み」という現象を引き起こします。エア噛みが発生すると、ブレーキペダルを踏んでも十分な油圧がかからず、ブレーキの効きが極端に悪くなります。

場合によっては完全に効かなくなる恐れもあるため、ブレーキフルードの交換作業は慎重に行い、エア抜きを完全に終えたことを必ず確認しましょう。作業に自信がない場合は専門業者に依頼することが推奨されます。

3. 不必要なブレーキの連続使用

坂道やカーブなど、ブレーキを踏み続ける場面がありますが、不必要に長時間ブレーキを使い続けると、熱によってブレーキパッドやローターが過熱し、「フェード現象」が起こるリスクが高まります。

フェード現象が起こると、摩擦力が低下してブレーキが効きにくくなります。坂道やカーブに差しかかる前に事前にスピードを調整し、できるだけ連続してブレーキを踏み続ける状況を避けることが重要です。

4. 雨天時や水溜りでの高速走行

雨の日や道路に水溜りがある状態でスピードを出すと、タイヤと路面の間に水膜ができることで「ハイドロプレーニング現象」が発生します。

この現象に陥るとタイヤのグリップ力が大幅に低下し、ブレーキが正常に作動しなくなります。雨天時は速度を控えめにし、急な操作を避けてタイヤの路面への接地を保つことを心がけましょう。

5. 急ブレーキの頻繁な繰り返し

頻繁に急ブレーキを繰り返す運転習慣があると、ブレーキパッドやローターが急速に摩耗し、ブレーキ性能が著しく低下します。

さらにブレーキ系統全体に負荷が蓄積され、突然ブレーキが効かなくなるという危険性が高まります。日常的に急ブレーキを避け、車間距離を十分に確保しながら余裕をもった減速を意識することで、ブレーキ装置への負荷を最小限に抑えることができます。

ここまでブレーキトラブルを引き起こす行動を紹介しましたが、ブレーキが不調になる前には特有の前兆やサインがあります。

見逃してはいけないブレーキトラブルの前兆と対策

ブレーキが突然効かなくなる前には、何らかの前兆や異常なサインが現れることが多くあります。普段からこれらの症状に注意を払うことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。

万が一、運転中にトラブルが発生した際に慌てないよう、いざという時にすぐに実践できる対処法も知っておくと安心です。

ブレーキに異常が発生したときの危険なサインとは?

ブレーキに異常が起きた際、次のようなサインが現れます。

  • ブレーキペダルを踏んだ際に通常より抵抗感が少なく、踏み込みが軽すぎる
  • ペダルが床まで簡単に踏み込めてしまい、明らかに制動力が弱い
  • ブレーキフルードが濁り、茶色や黒っぽく変色している
  • ブレーキ操作時に「ギィー」「キー」というような異音が頻繁に聞こえる

こうしたサインが一つでも現れたら放置せず、早急に整備工場やディーラーで点検や修理を受ける必要があります。特にブレーキフルードの変色や異音は重大なトラブルの前兆であるため、専門家による確認を怠らないよう注意しましょう。

突然ブレーキが効かなくなった際の対処法

もし運転中に突然ブレーキの効きが悪くなった場合、パニックになることは危険です。冷静に次のような方法で対処しましょう。

  • 安全な場所を見つけてすぐに停車し、ブレーキ系統の温度が下がるまで待機する
  • 徐々にエンジンブレーキを活用し、シフトを一段ずつ落として車を減速させる
  • サイドブレーキ(パーキングブレーキ)を少しずつ引きながら速度を落とす

まずは安全な場所に速やかに停車し、ブレーキフルードの温度が下がるのを待ちましょう。特にベーパーロックやフェード現象が原因の場合は、一定時間待つことでブレーキ機能が回復する場合があります。

運転中に突然ブレーキが効かなくなったときは、慌てずエンジンブレーキやサイドブレーキを駆使して減速・停車を行い、状況が改善したとしてもすぐに点検を受けてください。

ブレーキトラブルは重大事故につながる可能性が高いため、日常的に点検を怠らず、早期発見と予防に努めることが何より重要です。

車の安全はブレーキから!定期点検とメンテナンスの重要性

ブレーキは、車を安全に運転するうえで最も重要なパーツの一つです。しかしその重要性にもかかわらず、多くのドライバーがブレーキの定期的な点検やメンテナンスをおろそかにしてしまいがちです。
日常的な運転習慣の見直しや、適切な時期のブレーキフルード交換、プロによる定期的な整備点検を徹底することで、突然のブレーキトラブルを大幅に防ぐことができます。たとえ目に見える異常がなくても、プロの整備士に診断を依頼することで潜在的な問題点を発見でき、安全運転につながります。

また、運転時の異音や違和感といった小さなサインも見逃さず、早めにプロに相談しましょう。日頃のちょっとした心がけが、あなた自身と同乗者、さらには周囲の人々の安全を守ることにつながるのです。

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