身内が亡くなった時『避けるべきNG行為』5選 忌中・喪中の正しいマナー

家族や親戚など身近な人が亡くなると、忌中や喪中の期間に入ります。この期間には控えるべき行動が多くあります。最新の状況をふまえ、忌中・喪中期間に避けるべき行動や近年変化しているマナーについて、具体的に解説します。

「忌中」と「喪中」の違いとは?

家族や親族などの身近な人が亡くなった場合、遺族は忌中期間に入ります。忌中期間とは一般的に、四十九日の法要を終えるまでの期間のことを指します。これに対し喪中期間は、一周忌の法要が終了するまでの期間を指しています。

忌中と喪中は期間の違いだけでなく、過ごし方や考え方にも大きな違いがあります。忌中は遺族が他人に穢れ(けがれ)を移さぬよう、外出を控えるべき期間です。一方、喪中は故人を偲びながら徐々に日常生活に戻っていく準備期間とされています。そのため、忌中の方がより行動に制約がある期間と言えるでしょう。

これらの違いを理解したうえで、期間中に避けるべき行為について知ることは非常に重要です。具体的にどのような行動がNGなのかを確認していきましょう。

忌中・喪中の期間に避けるべき5つのNG行為

喪服姿の男性

忌中や喪中の期間には、伝統的に避けるべきとされている行為があります。とくに代表的なNG行為として挙げられるものを5つ紹介します。

1. 結婚式や七五三などのお祝い事への参加

忌中期間は、結婚式や七五三などの華やかなお祝い事は避けるのが一般的です。忌中は「穢れ」を外部に持ち出さないように配慮する期間であり、また故人を静かに偲ぶべき時期でもあるためです。
しかし、喪中期間については近年考え方が多様化しています。大多数の人は一周忌までお祝い事を控えますが、七五三のように年齢が限定されている行事に関しては、忌明け後に実施する人も増えています。近年では事前に周囲の理解を得て、慎重に判断するケースが一般的となっています。

2. 知人や友人のお祝い事への参列

忌中期間は知人や友人のお祝いの席への出席も避けるべきでしょう。特に結婚式のような場は、穢れを持ち込まないために参加を控えるのが礼儀とされています。

一方で喪中期間中の場合、忌明け後であれば相手側から理解や了承を得たうえで、出席する人も少なくありません。参列を迷った際には、相手方に状況を説明して、出席の可否を確認するのがよいでしょう。近年はメールやSNSなどで丁寧に事情を伝え、返信不要と添えるなどの配慮も一般化しています。

3. 神社への参拝や初詣

忌中期間は神社への参拝を避けるべきとされています。神社は穢れを嫌う場所であり、この期間の参拝は神様に対して失礼にあたると考えられているからです。そのため、通常の参拝に加えて、初詣なども控えなければなりません。

喪中期間に関しては、人によって考え方が分かれますが、多くの人は忌明け後であれば参拝に問題はないとしています。最近では、忌明け後に参拝を行うケースが定着しています。七五三のように時期が限られている祈祷を受ける場合には、忌明け後に行うよう注意しましょう。

4. 宴会やパーティー、ライブなど華やかな場所への出席

忌中期間は、宴会やパーティー、ライブなど華やかな催しへの参加も控えるのが適切とされています。この期間は故人を静かに偲ぶ時期であり、華やかな場に参加することは故人や周囲に対しても不適切とされるためです。

しかし、忌明け(四十九日後)を過ぎれば状況は変わります。忌明け後の喪中期間は、故人を思いながら日常に戻る準備期間として認識されているため、華やかな場への出席は一定の配慮をしたうえで許容されるようになっています。

最近では周囲も理解が進み、「元気付けのための飲み会」など、故人を偲びつつ前向きに過ごすための催しも行われるようになっています。忌明け後は周囲の配慮を受けながら、徐々に通常の生活に戻ることが望ましいとされています。

5. 正月の祝い行事や挨拶

喪中期間中、特に一周忌が終了するまでは、正月のお祝い行事や「あけましておめでとうございます」といった新年の挨拶は控えるべきとされています。年賀状を送付する代わりに、喪中はがき(年賀欠礼状)を事前に送り、新年の挨拶を控える旨を周囲に伝えるのが一般的です。

近年は、SNSやメールで新年の挨拶を交わすことも増えていますが、喪中の旨を事前に相手方に伝えておくことが大切です。年賀欠礼の連絡は12月初旬頃までに済ませておくと、相手側に余裕を持って対応してもらうことができます。喪中はがきに加え、SNSやメールを使った欠礼の伝え方も浸透してきています。

身近な人が亡くなった際の手続きと葬儀事情

死亡届

大切な人が亡くなると、悲しみの中でもさまざまな手続きや準備が必要です。近年は制度や方法が変わってきているため、最新の情報を知っておくことが大切です。

期限内に必要な主な手続き

身近な人が亡くなった場合、まず死亡届を死亡を知った日から7日以内に役所へ提出します。また、2024年12月以降、健康保険証がマイナ保険証へと切り替わるため、返納手続きにも注意が必要です。

銀行口座の解約や準確定申告(故人の所得申告)も期限が決まっているので、忘れないよう早めに進めましょう。最近増えている仮想通貨やスマホのデータ(デジタル遺品)の管理も、生前から家族で確認しておくと安心です。

オンライン葬儀とキャッシュレス香典の普及

新型コロナの影響で、遠方の親戚や知人が参列しやすいオンライン葬儀やライブ配信が広がっています。また、葬儀場ではキャッシュレス決済で香典を受け付けるところも増えてきています。

ただし、現金での香典を希望する方も多くいるため、両方に対応するのが望ましいでしょう。新しいスタイルを取り入れながらも、参列者の気持ちを大切にすることが求められています。

忌中・喪中に気をつけたいこと

忌中・喪中の期間は、故人を静かに偲ぶ大切な時期です。この期間に避けるべき行動を理解し、周囲へ配慮を欠かさないことが重要です。

忌明け後には徐々に日常生活に戻りますが、行動を再開する際は、伝統的な考え方と最新のマナーの両方を意識し、慎重に判断するようにしましょう。

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