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便座の「暖房機能」が多くの家庭で利用される理由
寒い季節には、トイレの便座が冷たくて座るのが嫌になってしまうこともあるでしょう。以前は我慢するしかありませんでしたが、近年では温水洗浄便座が一般的になり、暖房機能が広く普及しました。
暖房機能は特に冬の間に快適さをもたらしてくれます。しかし、春先になって気温が徐々に上昇してくると、「暖房機能はまだ必要?」と考え始める方も少なくありません。また、「つけっぱなしでも大丈夫かな?」「電気代が無駄になっているのでは?」という疑問も生じてきます。
そこで、便座の暖房機能はどのくらい電力を使い、月にどれほどの電気代が発生しているのかを具体的に確認しておきましょう。
便座の暖房機能の電気代は家庭の総使用量の約2%
暖房機能付き便座が消費する電力は、一般家庭全体の電気使用量の約2%程度を占めています。この数字だけ見ると小さいように感じるかもしれませんが、実際には冷蔵庫やエアコン、テレビといった主要な家電に次ぐ使用量で、意外に電気代を押し上げる要因になっています。
春になって暖かくなるにつれ、エアコンなど大型家電の使用は減少しますが、便座の暖房機能を無意識のうちにつけっぱなしにしていると、節約できるはずの電気代がムダに消費されている可能性があります。
具体的にどのくらいの電気代がかかるのか、最新のデータに基づいて月ごとの電気料金を見ていきましょう。
便座の暖房機能にかかる月々の電気代は?最新データで解説
便座の暖房機能を日常的に使用した場合、具体的にどのくらいの電気代がかかるのかを最新の情報を元に確認しましょう。
1ヶ月の電気代は約150円~300円、年間では最大3,650円ほど
便座の暖房機能による電気代は、メーカーや便座のタイプ、設定温度によって差がありますが、1ヶ月あたり平均して150円〜300円程度です。特に従来型の「貯湯式」では年間3,650円前後かかる一方、使用時のみ温める「瞬間式」なら年間1,570円ほどで済むことがわかっています。
月ごとに考えれば小さな額ですが、年間で見ると意外に大きな出費です。春以降は徐々に暖房便座をオフにしたり、設定温度を下げたりすることで、年間を通して大幅な節約が期待できます。
一方、設定温度が高い場合には電気代がどのように変動するのか、詳しく見ていきましょう。
温度設定が高めだと電気代も比例してアップする
便座の暖房機能にかかる月々の電気代150円~300円というのはあくまでも平均的な目安であり、設定温度によって差が出てきます。温度を高く設定するほど電気の使用量が増え、結果として電気代も高くなります。
特に春になり暖かくなってきた場合は、暖房便座の設定温度を高いままにしていると、必要以上に電力を消費してしまう恐れがあります。春から夏にかけては暖房機能をオフにするか、低い温度設定にすることをおすすめします。これだけでも、年間の電気代が数百円単位で変わってくるため、見直す価値は十分あります。
暖房便座のつけっぱなし自体は安全上の問題はありませんが、経済的な面では注意したほうが良いでしょう。つけっぱなしに関してさらに詳しく確認しておきます。
暖房機能のつけっぱなしは安全性に問題なし、しかし節電意識を
便座の暖房機能を常時オンにしていること自体には、火災など安全面での危険はありません。ただ、つけっぱなしだと当然ながら電気を消費し続けるため、節約意識を持つことが大切です。
春先から暖かくなるにつれ、つけっぱなしの暖房機能が「無駄な出費」につながる可能性も高まります。そのため、家族が頻繁にトイレを利用する朝夕の時間帯のみオンにしたり、気温が高い日中はオフにしたりするなど、ライフスタイルに合わせて使用するのがおすすめです。
特に夏に向けて気温が上がっていく中では、暖房機能自体が不要になるため、完全にオフにしておくと無駄な出費を抑えることができます。
暖房便座は電気代を節約しながらも快適に使える方法がいくつかあります。具体的な節約のコツを紹介しましょう。
暖房便座の電気代を抑えるための効果的な節約方法
快適な暮らしを維持しながらも電気代を抑えたい場合、暖房便座の使い方を工夫するのがポイントです。以下の方法をぜひ取り入れてみてください。
- 使わない時間帯はタイマー機能を活用して電源をオフにする
- 長期間使わない場合はプラグをコンセントから抜く
- 使用後は便座のフタを毎回閉めて、熱の放出を防ぐ
- 気温に合わせて便座の温度設定を下げる
特に便座のフタを閉めるだけでも、年間約1,080円の節約効果があると経済産業省も発表しています。さらに温度設定を中程度から弱に変更するだけでも年間約820円の節約が可能です。
また最近では、自動的に節電モードへ切り替わるタイプや、使用時だけ瞬間的に温めるタイプなど、省エネ機能が充実した製品も増えています。買い替えを検とする場合は、これらの省エネ機能がついたタイプを選ぶと、長期的には大きな節約につながるでしょう。
暖房便座は便利ですが、必要に応じて電源を切るという意識を持つだけでも、十分な節電効果が得られます。
暖房機能付き便座の使い方を見直して節約しよう
便座の暖房機能は冬場を中心に、私たちの日常を快適にしてくれる便利な機能です。一方で、気温が暖かくなってきたら、設定温度を下げたり機能自体を切ったりするなどの工夫が必要になってきます。
特に春から夏にかけては、暖房機能をつけっぱなしにしていると無駄な電気代がかかってしまうことも。電気代を節約しながらも快適さを保つためには、季節や気温に応じて適切な使い方を心掛けることが大切です。ご家庭に合った方法で、賢く電気代をコントロールしていきましょう。