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冬の脇は夏よりも温度湿度が高い
冬は保温性のある厚手の生地の服を着たり、何枚も重ね着をするので、温かさは確保できますが、通気性や吸収性は悪くなります。そのため、熱気がこもって汗をかきやすくなり、汗が蒸発できずに、湿度も高く蒸れた状態になってしまいます。
外が寒い時期は、防寒対策をして外を歩きます。しかし、建物の中に入ったり電車に乗ったりすると、屋内や車内は暖房機能で温められているため、同じ格好のままでいると、だんだんと熱がこもり、蒸れた汗をかいてしまいます。
冬の汗が臭う原因
雑菌が繁殖して悪臭になる
汗に皮脂などの汚れや老廃物が混ざると、雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌は着ている衣服に付着していることも多く、厚着によって蒸発できない汗が、衣服についている雑菌によってさらに繁殖して、悪臭となります。
特に冬物の衣服は、家庭で洗濯できない素材の物が多いというのも原因です。厚着は汗をかきやすくするだけでなく、汗が蒸発するのを妨げ、雑菌を増やしていくことになるのです。
汗腺が衰えてベトベトな臭う汗になる
汗は皮膚にある「汗腺」という器官から出てきます。運動不足などで発汗が少なかったり、暖房機能が常に保たれ自然と汗をかくことが少ないと、汗腺の機能が衰えてしまいます。
本来、体にとって大切なミネラル分は、血液中に再吸収さ、水分だけが汗腺から出てきますが、汗腺の機能が鈍ることで、ミネラルの吸収が血液中で行われず、水分と一緒に汗となって出てきます。
水分だけのサラッとした汗とは違い、老廃物など混ざったベトベトした汗は、ミネラルやアンモニアなどの濃度が高い汗のため臭う汗となります。
体臭の原因となる「アポクリン腺」
汗腺には、いい汗である「エクリン腺」の汗といい汗ではない「アポクリン腺」の汗の2種類があります。
エクリン腺の汗はほとんどが水分で臭わないサラサラした汗に対し、アポクリン腺の汗は、タンパク質やミネラルなどのにおい成分を含んでいて濃度の高い汗です。
そして、アポクリン腺は脇の下などに集中しています。全身から汗をかく夏と違い、冬は湿度が高くなった脇から汗をかくことが多くなるため、脇のアポクリン腺から、におい成分の強い汗が出て汗臭くなってしまうのです。
体臭がきつくなる食生活
動物性のタンパク質や油、アルコールを摂り過ぎると体臭がきつくなります。タンパク質の消化にはエネルギーを使うため、体温が上がり汗がかきやすくなると言われています。
また野菜不足とタンパク質の摂り過ぎにより腸内環境が悪化して、悪玉菌から発生するアンモニアなどの臭いのきつい成分が、血液に吸収されて汗と一緒に出てくるので、体臭がきつくなります。
活性酸素を増やさないことも体臭対策には重要なため、過度な飲酒や喫煙なども体臭の原因となります。
冬は夏より基礎代謝がアップする
寒い時期は暑い時期に比べて、体温を保とうと代謝が活発になり基礎代謝が高くなっています。そのため、少し体を動かしたり、温暖差の変化など、ちょっとしたことでも汗をかきやすくなっています。
汗臭くならないための対策
水分摂取と適度な運動を心がける
冬の寒い季節は水分摂取量が減り、水分が減ることで、汗の塩分濃度が高くなると言われています。また水分不足は便秘をまねくこともあり、便秘になると腸内の便や発酵ガスが体中を巡って、汗や皮脂から臭いが出てしまうこともあるそうです。
体の中の巡りをよくしてサラサラとしたいい汗を出すために、冬でも水分補給を忘れずに行いましょう。また、汗をかくことで、体の老廃物が排出できます。
運動不足などで普段汗をかかないと、暖房の暑さや重ね着などの蒸れた湿度の高い汗になり、雑菌が繁殖して汗臭くなります。適度な運動で汗をかく習慣もつけてください。
食生活にも気を配る
体臭の原因となるタンパク質を多く摂るときは、ビタミンやカテキン、ポリフェノールが含まれる緑黄色野菜や緑茶などを積極的に摂るように心がけましょう。
タンパク質や脂質の酸化を抑え、酸化臭を防いでくれます。また、抗酸化作用のあるビタミンC、Eを積極的に取り入れて下さい。
ビタミンCの多い食品
キウイ、グレープフルーツ、レモン、ピーマン、トマト、ブロッコリーなど
ビタミンEの多い食品
オリーブオイル、ナッツ類、ほうれん草などの量黄色野菜、イワシ、など
お酢や梅干し、海藻類なども体内の乳酸がでるのを抑え、臭いを抑制してくれるのでおすすめです。
制汗剤やデオドラント剤、汗ふきシートを使う
汗臭さを抑えるためには、制汗剤やデオドラント剤を利用するのもおすすめです。デオドラント剤とは、雑菌の繁殖を防いで汗の臭いを抑えてくれます。
制汗剤は、汗を一時的に減らすもので、汗の多い人には制汗成分が含まれるものがよいでしょう。特に汗臭さが気になる人は、無香料タイプを使うと、汗の臭いと香りが気になりません。
スプレータイプは冷却効果がありますが、塗りこむタイプのほうがより長く効果が持続できます。ベタつきが気になる人は、パウダータイプがよいでしょう。
体温調節のできる服装や防寒アイテムを使う
寒さ対策として、重ね着したり着込んだりすると、汗を閉じ込めて体臭の原因になり、体も体温調節ができなくなります。
できるだけ、インナーには綿や麻などの吸水性や通気性のよい素材のものを着て、その上から温かい服を着るようにしましょう。
そして、寒さ対策をすることと体温調節を両立させるためには、寒さを感じるところを部分的に防寒するようにします。
腹巻やマフラー、ブランケットなどを利用して、必要以上に重ね着をしないようにしましょう。また、カーディガンなど脱いだり着たりしやすい服装を選ぶのもおすすめです。
汗わきパッド、防臭効果の下着を身に着ける
脇の汗は、額などの汗と違ってすぐにふき取ることが難しいです。そのままにしておくと、臭いの原因にもなりますが、衣服が黄色くなってしまいます。
汗わきパットを使うと、こまめに脇の下を拭き取るのと同じ効果があるので、脇の汗からの臭いを最小限に抑えられ、衣服につく汗のシミも防ぐことができます。
また、抗菌タイプや防臭効果のある下着やインナーは、菌の増殖が抑えられる加工がしてあるので、汗で下着が湿っても、臭いの原因となる細菌の増殖を抑えることができます。
消臭効果のある洗剤を使う
消臭効果や除菌効果のある洗剤を使のも、汗の臭い対策には効果的です。衣類に雑菌が残っていると、汗をかいたときに雑菌と汗で汗臭さが発生します。汚れだけでなく、汗や体臭をしっかりと消臭して、除菌効果のある洗剤を使いましょう。
また、洗濯だけでは落としきれない臭いは、酸素系漂白剤を40度以上のお湯で溶かして、1、2時間ほど浸け置きしてからいつも通りの洗濯をしてみて下さい。
朝のシャワーを習慣化、外出時はこまめに汗を拭き取る
夜に入浴をしてきれいに体を洗っても、睡眠中に分泌される汗や皮脂で体は汚れています。汗や皮脂をそのままにしていると、汗臭くなりますので、朝や出かける前にシャワーを浴びて、寝ている間にかいた汗や皮脂を洗い流しましょう。
シャワーを浴びて外出しても、帰宅までの間に汗をかいてしまいます。汗が細菌に分解され、臭いがでるまで1、2時間ほどかかりますので、こまめに汗を拭き取ることで、汗からの臭いを抑えることができます。
疲れやストレスをため込みすぎないようにする
ストレスによる汗は、アンモニア臭に近いツンとした臭いを発します。ストレスやそれに伴う睡眠不足で、血中のアンモニア濃度が高くなり、分泌されると汗を混ざってしまうからです。
日ごろから疲れやストレスをため込みすぎないよう、適度な息抜きを心がけましょう。
医師に相談してみる
いろいろな対策をしても、日常生活で多くの汗が出る場合「多汗症」の可能性もあります。体質で汗が多いという人もいますが、人の目が気になるほどの汗が出る人は、一般的な汗対策では効果がありません。
多汗症は、脇の下以外にも、手のひらや足の裏、額など汗腺が密集しているところに症状がでやすいそうです。一般的な汗対策に効果が感じられない場合や、日常生活で困るほどの汗がでる人は、医師に相談してみましょう。
まとめ
冬の汗は夏の汗と違って、濃度が濃い汗のため、ベトベトしたり臭いが気になったりするのですね。特に脇の下などは保温性の衣服などで蒸れやすくなっているので、雑菌が繁殖しやすいです。
そしてベトベトの汗が雑菌と混ざり合って、より臭いがきつくなるという悪循環が起こっています。汗臭くならないための対策を、できるだけ取り入れてみて下さい!