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蚊は冬の前にいなくなるけど…実は冬も活動できる!
冬になると、蚊は姿を消します。夏だけしか活動しない生き物として親しみがあるセミと同じ原理で考えると、冬の寒さに耐えられず死んでしまうのではないかと思う人も少なくないでしょう。しかし、蚊はセミのように夏限定の生き物ではありません。なんと蚊は、こっそり冬を越します。
冬の間、蚊どうやって過ごしているのか
冬の間、蚊はどこで何をして過ごしているのでしょうか?蚊の知られざる冬の過ごし方を、ご紹介します。日本で吸血して生息している3種類の蚊、それぞれ越冬方法が異なっているので、その点にも注目です。
卵の状態で休眠し、気温が上がって孵化
卵の状態で休眠して冬を越すのは、ヒトスジシマカです。
- 通常の繁殖期間(主に5~10月)…通常通り繁殖し、孵化して吸血し卵を産む
- 冬の成虫…成虫は寒さに弱く、気温が下がったら休眠卵を産み冬を越さず、日照時間が短くなったら休眠卵を産む
- 冬の間の休眠卵…5℃以下の気温で一定以上過ごさないと孵化しない越冬専用の卵で、乾燥に強く、わずかな水もしくは水が溜まっていない干上がってしまった場所でも越冬可能
休眠卵は、乾燥に非常に強いのが最大の特徴です。ある程度乾燥していても冬を越し、春先に雨るなどして水が卵に供給されたら孵化する仕組みになっています。孵化後は通常通り成長し、成虫になり人間の血を吸って栄養を蓄え産卵する流れです。
人間の居住空間で越冬
人間の居住空間で越冬するのは、アカイエカです。
- 越冬できるのはメスのみ
- 基本的に屋内で越冬…倉庫や押し入れの中、下駄箱の中など
- 屋外の場合は、風邪が通りにくく温度がある程度一定している場所…下水道や家の軒下など
- 春先になると越冬から目覚め、吸血後産卵
まだ蚊が出るにはちょっと早いかな?という時期に蚊に刺されている場合、アカイエカによる吸血の可能性があります。
地下で繁殖し、人間の血を吸って冬を越す
地下で繁殖し、年中人間の血を吸って繁殖するのが、チカイエカです。
- ビルの地下や地下鉄などが通っている、温かい場所に産卵し孵化
- 水さえあれば繁殖可能なうえ、最初の産卵は吸血していなくても可能
- 最初の産卵後は栄養補給をするため、人間の居住空間に侵入して吸血
冬の寒い時期に蚊に刺されたような跡があるけど、冬は蚊がいないのになぜ…と思っている場合は、チカイエカの仕業かもしれません。基本的に温暖な土地でであれば年中みられていましたが、現代は温暖化に加えてビルが多く地下開発も進んでいるため、全国どこでも見られやすい蚊といえます。
まとめ
吸血する蚊は、種類によってさまざまな越冬方法を実践しています。それぞれの特徴を把握し、冬の時期でもある程度の蚊に対する対策を練っておきましょう。