ベルベット素材の特徴とお手入れ方法

ベルベット 素材

表面に光沢があり、上品でラグジュアリーな印象を与えるベルベット。なめらかで柔らかい手触りが特徴で、ドレスやスーツなどのフォーマルなファッションの素材としてよく使用されています。この記事ではベルベット素材の特徴とお手入れ方法について、さらにベロアや別珍などの素材とベルベットとの違いについてまとめました。是非参考にして下さい。

ベルベット素材の特徴

ベルベット 素材

ベルベット素材は上品な光沢感があり、非常に柔らかくて肌触りがいいのが特徴です。また、表面が起毛していることから保温性にも優れているため、ジャケットやコートなど主に秋から冬にかけて着るファッションの素材としてベルベット素材が選ばれています。

その他ドレスやスーツなど、カジュアルよりもフォーマルなファッションアイテムとして使われることが多く、表面の上品な光沢感を活かしたバッグなども販売されています。

一方でベルベットは非常に繊細な素材のため、水に濡らしたり汗をかいたりしてしまうと表面の起毛が傷んでしまう性質があります。起毛が傷むと寝た状態になってしまい、手触りが悪くなるのはもちろんのこと表面のツヤが失われてしまいます。

また、湿気の多いクローゼットに入れたままにするとカビが生えることもありますので、湿気の少ない風通しのいいところで保管するようにして下さい。水に弱いという特徴がありますので、スチームアイロンなどの使用は避け、自宅で洗濯せずにドライクリーニングに出すようにしましょう。

ベルベット素材のお手入れ方法

ベルベット 素材

着用後のベルベット素材は、こまめなお手入れをすることでいつまでも光沢と柔らかい肌触りをキープすることができます。ここでは主なお手入れ方法をまとめました。

ブラシを使う

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ベルベットのお手入れでおすすめのアイテムは洋服用の柔らかいブラシです。ブラシでベルベットの起毛を一定の方向に沿ってとかすと、起毛がきちんと整った状態に戻ります。

またブラシは表面についたゴミや埃を取り除き、表面をなめらかにしてベルベットの美しい光沢を保つ効果が期待できるのも嬉しいポイント。

ブラッシングをするときは、袖口やひじ・お尻の部分など、起毛が乱れやすいところは特に念入りに行いましょう。ブラッシング後は埃よけのカバーをすることで、効果を保つことができます。

スチームアイロンを使う

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ベルベット素材の特徴により、長時間座ったままでいると起毛が乱れてシワの原因になります。しかし、シワになったからと言ってスチームアイロンを表面に直接あてると起毛を傷めたり、テカリの原因になったりするので避けて下さい。

起毛の乱れを直したい時は、乱れが気になる部分を裏返しにしてアイロンをかけるのがベスト。裏側からスチームアイロンを使うことで寝てしまった起毛を立ち上がらせることが可能です。

シワだけを取りたい場合は、ベルベットをハンガーなどでつるし、スチームアイロンを2cm〜3cmほどの距離からあてるときれいに取れます。

スチームアイロンがない場合は、入浴後のお風呂場に一晩つるすのも効果的。湿気がスチームアイロンの役目を果たし、シワを取り除いてくれます。しかし、浴室を使う場合はくれぐれも水に濡れないよう気をつけて下さい。

濡れた場合は乾いた布を

先に述べたように、ベルベット素材は水分に非常に弱い素材。そのため雨の日に着用することはなるべく避けましょう。ベルベットが雨に濡れるとシミができてしまったり、表面の起毛が抜けたり寝てしまう可能性があります。

万が一濡れてしまった場合は、なるべく早めに乾いたタオルやハンカチなどの布で優しく叩くようにして水分を吸い取ることが大切です。

拭くときに注意したいのは表面をゴシゴシこすらないこと。ベルベットの表面はデリケートなので、ポンポンと軽めに叩くようにして丁寧に水分を取り除いて下さい。

ベルベット素材とベロア・ビロード・別珍との違い

ベルベット 素材

ファッションでおなじみのベロアやビロード、別珍などの素材。これらはベルベットとどのように異なるのか、その違いについてまとめました。

ベロア生地との違い

ベロア生地はベルベットと名称も似ているために混同されますが、全く異なる素材です。大きな違いは作り方にあり、ベルベットがパイルとカットして作られる織物であるのに対し、ベロアはストレッチ性のあるニット素材を使用した編物。

そのためベルベットに比べて伸び縮みがしやすく、表面の起毛も長めになっています。

ビロードとの違い

ビロードはベルベットの別名で、素材としてはまったく同じものです。ベルベットが英語を基にしているのに対し、ビロードはポルトガル語を基にしています。

ベルベットが日本で使用され始めたはっきりとした時代は不明ですが、戦国時代から安土桃山時代にかけて当時日本と交易が盛んだったポルトガル人によって輸入され紹介されたと言われています。

日本で「ベルベット」という名称より、「ビロード」の方がなじみがあることもポルトガル由来であることを裏付けているようですね。その他にもベルベットは漢字で「天鵞絨」と書き、「てんがじゅう」または「ビロード」の当て字として使用されています。

織田信長や豊臣秀吉などの名だたる戦国武将たちも、ビロードで作られたマントを好んで着用していました。このことからもベルベットは長い間日本人に愛され続けている素材であることがわかりますね。

別珍生地との違い

別珍とベルベットは一見よく似ていますが製法が異なります。別珍とベルベットはパイル織物の一種と分類されているものの、二つの織物を同時に作って間に糸を組み合わせるベルベットに対し、別珍は生地の表面に出ているループした繊維をカットして起毛状態にして作られます。

そのため別珍の肌触りはベルベットよりも硬くなり、光沢感もベルベットほどはありません。しかし一方で、ベルベットよりも水に強いという利点もあります。

別珍はフォーマルなファッションとしてはベルベットよりもくだけたイメージがあるため、カジュアルファッションにも取り入れられる素材です。

ベルベット素材とは

ベルベット 素材

ベルベット素材はタオルや別珍、コーデュロイのようにパイル織物の一種ですが、これらの素材と違ってベルベットの製法は非常に独特です。ベルベットは同時に作られた二枚の布の間にパイル糸を織り込み、最終的に間に織り込んだ糸をカット。

糸をカットすることで二枚の布の表面に短い起毛が出来上がり、ベルベット素材として完成します。つまり、ベルベットは一度に二枚の布ができる製法なのです。表面のパイルをループ状ではなくカットした状態にしているため、カットパイルの織物に分類されます。

ベルベットを作るときに選ばれる生地の種類は、シルクなどの天然素材やレーヨン、アセテートなどの化学繊維があります。これらの生地に共通しているのは、表面がつややかで肌触りがいいことです。

化学繊維がなくベルベットがシルクで作られていた時代は、ベルベットは超高級品として権力者が好んでつける素材でした。現在でもカジュアルよりもフォーマルウェアに取り入れられることから、高級感を感じる素材であることに変わりはないようです。

まとめ

ベルベット 素材

ベルベットは水や湿気に弱い素材ですが、使用後は丁寧にブラッシングをし、水や湿気を避け風通しのいいところで保管することで美しさを長く保つことができます。上品な雰囲気があり、ひとつワードローブに取り入れるだけでラグジュアリー感がぐっと増すでしょう。

それだけでなく肌触りもとても心地いい素材ですので、適切なお手入れをして長く大切に使ってあげましょう。

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