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掛け布団を洗濯するべき理由
普段お使いの掛け布団に、目立った汚れや臭いがついていなければ洗濯しなくても大丈夫だと思っていませんか?その考えは間違っています。
既にご存知の方も多いと思いますが、人は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくと言われています。それだけではなく毎日使う掛け布団には、汗の他にも主にアカなどの皮脂やフケなど、広範囲にわたり汚れが付着しています。
この皮脂やフケを栄養素にして増殖するダニやカビは、喘息やアトピーといったアレルギーの元になってしまいます。ダニやカビにとって、掛け布団は程よい湿度と温度があり、いつのまにか目には見えない汚れがたくさん溜まってしまいます。この状態を、そのまま放置しておくことで、喘息やアトピーが悪化し、肺炎や気管支炎などを起こす原因にもなってしまうのです。
気持ちのよい睡眠を確保するためだけではなく、特に小さなお子様のいるご家庭では、健康維持のためにもお持ちの掛け布団に合った洗濯方法を選んで、定期的に洗うことがとても重要なのです。
掛け布団の洗濯する前に確認すること
掛け布団は洗える素材とそうでない素材があります。まずは、掛け布団の端に縫い付けてある洗濯表示タグの内容をしっかりチェックして、洗濯できるものかどうかを確認してみましょう。
自宅の洗濯機で洗えるのかどうか、もしくは手洗いできるかどうかを確認しておくことにより、正しい方法で掛け布団を劣化させることなく、きれいに洗い上げることができます。
例えば、ポリエステルの掛け布団は洗濯機、手洗いとどちらの方法でも簡単にできますし、羽毛素材の掛け布団は手洗いマークや洗濯機マークが付いている場合のみ、洗うことが可能です。
また、綿や真綿はご家庭での洗濯が出来ないことが多いようです。手洗いマークや洗濯機マークにバツ印が付いていたら、その布団は自宅で洗濯できません。洗濯不可の場合は、お布団のクリーニングを取り扱っているクリーニング店に出すようにしてください。
このように、掛け布団の種類によって洗濯できるものとできないものがありますので、まずは絵表示をしっかり確認しておくことが大切です。
自宅で掛け布団を洗濯する方法
洗濯機で洗う場合
容量が7kg以上のファミリーサイズの洗濯機なら、掛け布団を入れて洗うことが可能です。
掛け布団を洗濯する際には布団カバーを外した状態で洗うようにしましょう。その際、掛け布団本体と取り外した布団カバーを同時に洗っても大丈夫です。
メリット
- 費用が電気代と水道代、洗剤(おしゃれ着洗い用の中性洗剤)で済む。
- お天気に恵まれた日を選んでいつでも気軽にできる。
デメリット
- 洗濯機の容量によっては洗えない布団もある。
- 天気予報を確認しながら洗濯日の予定を立てる必要がある。
- 乾かすのに時間がかかり、しっかり乾燥させるには数日かかることも。
- 布団サイズの洗濯ネットがない場合は事前に準備が必要。
費用の目安
電気代・水道代の他に、洗剤や洗濯ネットがない場合、その購入代金が費用となる。
注意すること
必ず洗濯ネットを使用しましょう
布団が入るサイズの洗濯ネットに、掛け布団を小さく折りたたんで入れます。ここで注意しておきたい点は、布団を洗濯機に入れる前にある程度水を張っておき、洗濯洗剤を入れて、しっかり溶かしておくことです。
布団に洗剤を直接かけてしまうとムラになってしまうので、布団を入れる前によく溶かして水に馴じませておきましょう。使用する洗剤はおしゃれ着洗い用の中性洗剤を使うことをおすすめします。
乾燥機の容量に注意しましょう
衣類の場合、洗濯した後にそのまま乾燥機にかけることがあっても、布団の場合は乾燥機の容量不足や、素材による温度調整、所要時間の調整が難しい為、乾燥機を使えない可能性が高いです。また、ほとんどの場合、取扱説明書に、布団の乾燥は出来ませんと記載されているようです。
自宅の浴槽を使って踏み洗いをする場合
洗濯機のサイズが小さく、入りきらない場合は浴室で浴槽を使って洗う方法がありますので、自宅の浴槽を使って踏み洗いをしてみましょう。
手順とコツ
- 浴槽にぬるま湯を張り、洗剤(おしゃれ着洗い用の中性洗剤)をよく混ぜてしっかり溶かしておきます。こちらでも洗濯ネットを使用しましょう。そうすることで、掛け布団が広がるのを防ぎ、足で踏み込みやすくなります。その際、洗濯ネットのジッパーで足の裏を傷つけないよう、注意してください。
- 洗濯ネットに折りたたんで入れた掛け布団を、足でしっかり踏み洗いをしていきます。
- 濁った水が出てきますので、すすぎも入念にします。様子を見ながら2~3回行いましょう。
- 濯ぎの水を流し終わってから、軽く足で踏みこんで、ある程度水分を出しておきます。
- 水を吸収した掛け布団はたいへん重くなっていますので、浴槽のふちに布団を置いたまま1~2時間ほど水切りをしましょう。
メリット
- 洗濯機に入らない大きな布団を洗える。
- 費用が水道代と洗剤のみで済む。
デメリット
- 洗濯後に濡れた布団を移動させる時、重くて大変。
- 脱水がきちんとできない為、乾燥に数日かかる。
- 天気予報を確認しながら洗濯をする日の予定を立てなくてはいけない。
費用の目安
水道代と洗剤のみ。洗濯ネットがない場合、その購入代金が費用となる。
注意すること
- おしゃれ着洗い用の中性洗剤を使用します。
- 洗い終わった掛け布団を移動させる時、吸収した水分が室内に滴り落ちることもありますので転倒しないよう気を付けましょう。
- 結構な労力を必要としますので、手順を事前に考えておいてから取り組みましょう。
- 羽毛布団の洗濯は洗濯が可能であっても細心の注意が必要です。
- 綿や羊毛100%の布団は洗濯表示に従い専門のクリーニング店に依頼した方が無難です。
コインランドリーで掛け布団を洗濯する方法
手順とコツ
洗濯機に布団を入れた時にドラムが90%程度埋まる容量の洗濯機を選びましょう。洗濯機のサイズが大きすぎても小さすぎてもいけません。
生地にキルティング加工がしてある掛け布団であれば、そのまま洗濯機に入れても布団の中身が偏ってしまうことはありませんが、偏りが気になる場合はロール状に丸めて紐でしばってからドラムに入れる方法と、布団用洗濯ネットを使用する方法があります。
布団を洗濯機に入れたら、オシャレ着用中性洗剤をセットして、正しくお金を投入し、スタートさせます。あとは洗濯から脱水まで、洗濯機にお任せしましょう。
洗濯直後の掛け布団は小さくしぼんでいるため、乾燥機は小さいサイズで済むと勘違いしがちです。掛け布団は乾燥するとふわふわに膨らみますので、乾燥機のサイズには気を付けなければいけません。洗った後の掛け布団を入れた時に、乾燥機の3分の1以下になっているのが目安と考えてください。
そして、掛け布団の表面がしっかり乾燥していても、中は完全に乾いていない場合もありますので、乾燥機を使用する所要時間は最低でも1時間を目安に、しっかりとかけることをおすすめします。また、自宅で洗濯する時と同様に、洗濯表示をしっかり確認し、洗濯機だけでなく乾燥機も使用できるのかどうかをチェックしておくことが大切です。
メリット
- 洗濯機の容量を心配しなくてよい。
- まるごと洗ってしっかり乾燥できる。
- 洗って乾燥させたその日に使える。
- 天気の心配が要らない。
デメリット
- 布団を持っていく手段の確保。
- 失敗すると布団がダメージを受ける。
- 途中で停止してしまうという機械のトラブルが発生することもある。
- 返金ができない店舗が多い。
費用の目安
布団1枚2,000円程度。コインランドリーにより異なる。
クリーニング店に掛け布団の洗濯を依頼する方法
綿や羊毛など、自宅やコインランドリーで洗濯ができない素材の掛け布団でもクリーニング店に依頼することで、簡単に洗濯してもらうことができます。
最近ではコインランドリーに持って行って洗う時間もないし、近所のクリーニング店に持って行くのも面倒…と考える方が増えつつあります。確かに掛け布団は大きくて持ち運ぶのが大変ですよね。そんな時、とても気軽に掛け布団の洗濯をお願いすることができるのが宅配のクリーニングです。
宅配クリーニングとは、自宅まで業者が布団を引き取りに来て、クリーニング後の綺麗になった掛け布団を自宅まで届けてくれるサービスですので、車を持っていない方や時間のない方にとってはとても便利なサービスです。
また、月単位で保管サービスを提供しているお店もありますので、ご家庭の収納スペースを有効活用したいという方にはとてもありがたいサービスです。数か月後に受け取った時にはクリーニング後の清潔で快適な布団が戻ってきます。
「アレルゲンを大幅に除去できます」とうたっているクリーニング店もありますので、経験豊富で信頼できるクリーニング店であれば、相談にのってくれるでしょう。また、ムートン素材や電気毛布、生地や中綿にシルクが含まれる布団は専門業者でも難しい場合がありますので、その点を頭に入れたうえで相談してみましょう。
メリット
- 布団洗いの経験豊富なクリーニング店であれば、乾燥まで安心して任せられる。
- 天気の心配が要らない。
- アレルゲン対策や保管サービスを提供している店舗もある。
- 引き取りに来てくれるサービスを利用することで手間をかけずにできる。
デメリット
- 自宅やコインランドリーを利用する場合より料金がかかる。
- 仕上がるまでの日数は、お店によって異なる。
費用の目安
1枚3,000円〜5,000円程度
掛け布団の干し方
自宅で洗濯した場合、ほとんどは天日干しをすることになります。掛け布団は一度洗うとなかなか乾きません。天日干しにするのであれば少なくとも2日以上かかります。そのため、事前に晴れが続く日をあらかじめ天気予報で確認しておきましょう。
洗濯表示に「陰干し」のマークがなければ、風通しが良い外干しでしっかり日に当て、乾かしていきます。干すときのポイントとして、物干し竿2本を使い、掛け布団の真ん中をたるませるようにして「M字型」に干すと、布団の間を風が通るので乾きが早まります。
夜になったら一度取り込んで部屋干しにします。一晩中、外に出したままにしておくと、せっかくきれいに洗った掛け布団が夜露で濡れてしまいます。
そして翌日もう一度、外に出して天日干しすることでカラッと乾かすことができます。午前中の早い時間から干し始めて、時間をかけて芯までしっかり乾かさないと、中の綿がカビや臭いの原因になってしまいますので、乾燥不足にならによう十分気をつけましょう
乾かすときだけコインランドリーの乾燥機を活用するのもおすすめですよ。
掛け布団の洗濯の頻度
カバーをこまめに洗ったり、ときどき天日干しをしたりすることで、ある程度清潔に保つ事ができますので、2〜3年にごとに丸洗いをする程度で十分といわれています。清潔な状態を常に維持していたい方や、アレルギーをお持ちの方は半年に1度、季節の変わり目に布団を入れ替えるタイミングでの洗濯をされてはいかがでしょうか。
まとめ
重要なポイントとして収納後も湿気対策を怠らないことが大切です。布団を収納した押し入れは、天気の良い日に開けっ放しにして風を通すようにしましょう。シーズンオフの間も、定期的に布団を干したり、布団乾燥機を使うことにより、臭いの発生や湿気を防ぐことができます。
健康維持だけではなく、掛け布団を気持ちの良い状態で長持ちさせるためにも是非、取り組んでみてくださいね。