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モラハラ(モラルハラスメント)とは
昨今、耳にする機会が増えたハラスメント行為。その中でもモラハラとはモラルハラスメントの略語であり、職場や学校だけでなく夫婦間や家族間でも問題が指摘される行為です。
モラハラは、相手に対して一方的に暴言を浴びせて精神的に傷つけるだけでなく、仲間外れにするなどの態度面も該当する行為を指します。
モラハラの特徴は、物理的な暴力ではなく言葉や態度による精神的な攻撃であるため、外から見えにくいという点です。そのため、被害者自身も自分が被害を受けているという自覚がない場合もあります。また、加害者も自分の行動がモラハラだと気づいていないこともあるのです。
問題視されているからこそ、モラハラの特徴を知っておくことが大切です。自分の言動を振り返り、無意識のうちにモラハラ行動をとっていないか、チェックしてみましょう。
モラハラの7つの特徴!あなたは大丈夫?
モラハラの特徴には、以下の言動が該当します。ひとつひとつ確認していきましょう。
1. 相手の人格を否定する
相手の人格を全否定するのは、モラハラの典型的な行動です。
《具体例》
- 相手に対して「ゴミ」「クズ」などの暴言を浴びせる
- 複数人で話していて、特定の人が何か発言したとき「あなたには聞いてないから」「黙ってて」と、発言したことそのものを否定する
- 相手の出身地を聞いて「地元じゃないならわからない」「よそ者」と、村八分の対象にする
- 出身学校や学歴、職歴に対して「ないわ」「ダサい」「嘘つき」と、根拠のない否定をする
相手の過去から現在に至るまでのすべてを否定し、相手の人格まで否定するような発言や行動は絶対に避けるべきです。
《自己チェックポイント》
- □ 相手の意見や考えを全否定することがある
- □ 相手の経歴や背景を理由に、その人の価値を決めつけてしまう
2. 無害な相手に対して舌打ちなど陰湿ないじめをする
相手が特に何もしていない状況で、陰湿ないじめを繰り返す行動はモラハラにつながります。
《具体例》
- すれ違うときに舌打ちをする
- 目を合わせてもいないのに睨んでくる
- 目が合うと周囲の人とひそひそ露骨に話し始める
- 特定の人にだけ必要な配布物を意図的に渡さない
モラハラ気質の人は、被害を受けたわけではなくても、相手が気に入らないと感じた場合に陰湿ないじめを行うことが特徴です。
《自己チェックポイント》
- □ 特定の人に対して、理由もなく不快感を示すことがある
- □ 嫌いな人を無視したり、露骨に避けたりすることがある
3. 自分の非は認めず、標的の人のミスは異常なまでに責める
モラハラ気質な人は、自分のミスはかたくなに認めません。なんとか理由をつけて仕方なかったことにしようとします。そのため、他人に責任を押し付けたり、無理な理由で自己正当化を図ります。
しかし、周囲や目をつけた人のミスは決して許さず、大声で相手を叱りつけたり、いつまでも同じミスを蒸し返すことで、相手を追い詰めることがあります。
《自己チェックポイント》
- □ 自分のミスを認めるのが苦手で、言い訳をしてしまう
- □ 他人のミスに対して、必要以上に厳しく指摘してしまう
4. 世間体がよく、周囲の人には人当たりがいい
モラハラ気質の人は、標的にしている人以外には人当たりが良いことが多いです。モラハラが周囲にバレないよう配慮しているため、周囲の人からは「あんなにいい人が…?」と驚かれることがあります。それほど、周囲とは良好な関係を築いています。
《自己チェックポイント》
- □ 特定の人にだけ冷たい態度をとることがある
- □ 周囲の評価を気にして、表面的な良い関係作りに執着する
5. 相手を束縛・監視する
モラハラの特徴として、相手の行動を過度に制限したり、常に監視しようとする傾向があります。これは相手への不信感や支配欲から生じることが多いです。
《具体例》
- 相手のスマートフォンをチェックする
- 外出先や帰宅時間を細かく報告させる
- 友人関係や趣味活動を制限する
《自己チェックポイント》
- □ 相手の行動を細かくチェックしたくなる
- □ 相手の私生活にまで口出しをしてしまう
6. 自分の感情や機嫌を相手に押し付ける
モラハラ気質の人は、自分の感情や機分を相手に押し付けることがあります。特に、自分の機嫌が悪い時に、周囲の人に当たり散らしたり、相手に合わせることを強要したりします。
《具体例》
- 自分の機嫌が悪いときに、周囲の人に当たり散らす
- 「俺が怒っているんだから、お前も怒れ」と感情の同調を強要する
- 自分の気分次第で急に態度を変える
《自己チェックポイント》
- □ 自分の感情をコントロールできず、周囲に影響を与えてしまう
- □ 相手の気持ちを考えずに、自分の感情を優先してしまう
7. 相手の成功や喜びを素直に喜べない
モラハラ気質の人は、相手の成功や喜びを素直に喜べないことがあります。むしろ、相手の成功を妬んだり、貶めたりすることで自分の優位性を保とうとします。
《具体例》
- 相手の成功を聞いても、「運が良かっただけだ」と言う
- 相手の喜びを「大したことない」と軽視する
- 相手の成功話を聞くと、すぐに自分の話題に切り替える
《自己チェックポイント》
- □ 他人の成功を素直に喜べず、つい批判的になってしまう
- □ 相手の良いところよりも、欠点を探してしまう
以上の特徴は、モラハラ行動の代表的なものです。これらの特徴に心当たりがある場合、自分の言動を見直す必要があるかもしれません。
自分がモラハラをしていないかチェックする重要性
モラハラは、時として無意識のうちに行ってしまうこともあります。自分では気づかないうちに、相手を傷つけてしまっている可能性もあるのです。そのため、定期的に自分の言動を振り返り、モラハラ行為をしていないかチェックすることが重要です。
自己チェックの方法として、以下のようなことを心がけましょう。
- 日々の会話や行動を振り返る
- 相手の反応や表情に注意を払う
- 自分の言動が相手にどのような影響を与えているか想像してみる
- 信頼できる人に自分の言動について率直な意見を求める
もし自分の言動にモラハラの傾向があることに気づいたら、まずは謝罪し、改善する努力をすることが大切です。必要に応じて、カウンセリングなどの専門的なサポートを受けることも検討しましょう。
モラハラ気質の人への対処法
自分自身のモラハラ傾向をチェックすることも大切ですが、周囲にモラハラ気質の人がいる場合の対処法も知っておくことが重要です。以下に、モラハラ気質の人との付き合い方のポイントをまとめました。
《境界線を明確に設定する》
- 受け入れられない言動があれば、はっきりと伝える
- 自分の価値観や感情を大切にし、相手に振り回されないようにする
《感情的にならず、冷静に対応する》
- モラハラ行為に対して感情的に反応すると、状況が悪化する可能性がある
- できるだけ客観的な事実に基づいて話し合う
《証拠を記録する》
- モラハラ行為があった日時や具体的な内容を記録しておく
- 後々の対応や相談の際に役立つ
《サポートネットワークを構築する》
- 信頼できる友人や家族に状況を相談する
- 必要に応じて専門家(カウンセラーや弁護士など)のアドバイスを受ける
《自己肯定感を高める努力をする》
- モラハラは相手の自尊心を低下させる行為なので、自分を大切にする習慣をつける
- 趣味や自己啓発活動を通じて、自信を取り戻す
《場合によっては距離を置く》
- 改善の見込みがない場合は、関係を見直すことも検討する
- 職場の場合は、異動や転職も選択肢の一つとして考える
モラハラ気質の人との関係は精神的に消耗することが多いため、自分の心身の健康を最優先に考えることが大切です。一人で抱え込まず、周囲のサポートを積極的に求めていくことをおすすめします。
モラハラ気質の人とはなるべく距離をおくのが吉
モラハラ気質の人は、どこにでも存在します。万が一、相手に目をつけられてしまったら、できる限り距離を置いたり、周囲に相談するなど早めの対処を心がけてください。
また、自分自身がモラハラ行為をしていないか、常に意識することも重要です。相手の気持ちを考え、互いを尊重し合える関係性を築くことが、モラハラのない健全な人間関係につながります。
モラハラは、加害者も被害者も気づきにくい特徴があります。しかし、この記事で紹介した特徴や自己チェックポイントを参考に、自分の言動を見直すきっかけにしていただければ幸いです。
健全な人間関係は、お互いを尊重し、相手の気持ちを理解しようとする姿勢から始まります。今日から、自分の周りの人たちとの関係性を見直してみませんか?