目次
ワインの正しい保存方法
暗い場所で保存
ワインは暗い場所を好み、光に当たり続けると劣化が進み、還元臭の原因となります。還元臭とは、ワインのアルコール発酵中に生育されるもので、酸素不足になることで硫化水素、つまり硫黄のようなニオイを発生します。
オーガニックで酸化防止剤が入っていないワインによくあることで別名「ビオ臭」とも言われています。直射日光はもちろん、蛍光灯の光も避けて、暗い場所で保存しましょう。光から守るために、ワインボトルを新聞紙などにくるんでおくのもおすすめです。
涼しくて温度変化がない場所で保存
ワインの保存には温度も大切なポイントです。比較的涼しく、温度変化がない場所が適しているため、目安の温度は13~15度が適切です。また、30度以上などの高温は、暑さにより劣化が進みます。逆に、寒い場所に長期間保存していると、味のバランスが崩れ熟成できずに、美味しさが損なわれると言われています。
湿度が高めの場所で保存
光と温度の他に、もう1つワインの保存で重要なのが、湿度です。理想的な湿度は65~80%と比較的高い湿度が適していると言われています。その理由は、乾燥しているとコルクが乾燥で縮み、その隙間から空気が入り、ワインが酸化してしまうからです。また、振動を与えることもワインには影響もありますので覚えておきましょう。
家庭でのワインの保存場所
床下の冷暗所
ワインセラーが無い場合は、自宅の中で冷暗所として適したスペースは、床下の収納スペースです。
床下収納は、比較的一定の温度が保たれていて、光も入りません。また、頻繁に開け閉めする場所でないため、温度変化の心配も少ないです。ただし、夏場などは、床下であっても温度が上がるため、低い温度が保たれているか頻繁にチェックが必要です。
おすすめの保管場所ではありますが、現在の住宅事情では、キッチンに床下収納スペースが無いという家庭も多いと思います。また、ぬか漬けを置く場所として使っていると、臭いが気になるなどのデメリットもあります。
北向きの部屋の押し入れ
ワインセラーも床下収納も無い場合や、床下収納にぬか漬けを置くスペースとして使っている場合は、北向きの部屋の押し入れや収納スペースでもよいでしょう。
北向きの収納スペースは、他の場所と比べ温度が上がりにくいというメリットはありますが、梅雨の季節は湿度に注意しましょう。また、暑い季節はエアコンを使うことで乾燥して、ワインに適した湿度が保てないという注意点もあります。
冷蔵庫の野菜室
ワインの保存は季節によっては、冷蔵庫の野菜室が最も適しています。
温度が低すぎず、ドアの開け閉めも少ないことで温度変化が起こりにくいためです。冷蔵庫の野菜室で保存する時は、コルクの乾燥を少しでも防ぐため、キャップシール部分にラップを巻きましょう。そして、新聞紙でワインボトルを包みます。
ただし、ワインは振動にも弱いため、少ないとはいえ開け閉めのたびにワインに振動が起こります。長期保存する場合は、床下の冷暗所や北向きの収納スペースを保管場所とし、季節によって野菜室を活用するのがおすすめです。若くて丈夫なワインは、短期保管としては野菜室でも良いでしょう。
開封したワインは冷蔵庫で立てて保存
一度開封したワインは、フタをして冷蔵庫で立てて保存がおすすめです。立てて保存することで、急激に劣化してしまうのを防ぐことができます。冷蔵庫内のニオイが移るのが気になる時は、ニオイ移りを抑えるために、ラップでフタをくるんでおくとよいでしょう。
開封したワインを長持ちさせる方法
2~3日の保存はコルクをはめなおして使う
開封して飲み残したワインの保存には、コルクをはめ直して使えます。この時、コルクにはスクリューで穴が空いていたり、ボトルとコルクの隙間も生じるため、コルクにラップを巻き付けてボトルに差し込むことをおすすめします。
空いた小さなボトルにうつす
余ったワインを長持ちさせるため、空いている小さなガラス瓶などのボトルを利用しましょう。飲み始める前から、半量くらいしか飲まないだろうという時は、開栓してすぐに空いているボトルに移しておくと、より鮮度が保てるのでおすすめです。
この時、空き瓶のボトルはできるだけ小さなもので、残すワインがピッタリ入るくらいの大きさが良いでしょう。空きボトルの口ぎりぎりまで満たして入れると、容器内の空気が少なくワインの酸化がより防げます。
ワインストッパーと真空ポンプを使って密閉する
2、3日以上保存する予定の時は、ワインストッパーを使ってしっかりと密閉しましょう。ワインの保存にあると便利なものが、ワイン用の「真空ポンプ」です。空気を吸い出して真空状態にできるため、ワインの酸化を防ぎながら保存できます。
vacu vin バキュバン ストッパー
酸化を防ぐアイテムを使う
開封後のワインの酸化を防ぐためのアイテムとして「アンチ・オックス」という商品があります。これは、ワインボトルにかぶせるだけで、酸化防止やワインの香りを維持することが出来る優れたアイテムです。
ポンプ式で酸素を抜く保存器具と違い、ボトルにかぶせるだけなので手間がかかりません。ワインボトルにかぶせると、内蔵されている酸化防止カーボンフィルが、酸化の原因となる成分を抑えてくれるそうです。
アンチ・オックス TEX092BK
コルクを抜かずにワインを注ぐアイテムを使う
コルクを抜くことなくワインを注ぐことができる、画期的なアイテム「コラヴァン」という商品があります。コラヴァンを使うと、ニードルと呼ばれる細い針がコルクに差し込むことで、コルクを抜かずにワインが注げます。
そしてこのアイテムは、純度99%の窒素ガスが、ワインを注ぐときにワインボトルに注入されるため、ボトルの中のワインが空気に触れることなく、長期間ワインが保存できます。加えて、ボトル内で自然に醸成を続けることができるため、何日たっても同じ味を堪能できるそうです。
個人で使用するには少々高額ではありますが、高級ワインを少量楽しみたいという人には、長期保存ができるのでおすすめです。
CORAVINモデルワインシステム ブラック
開封したワインの味が変わる理由
ワインは栓を開け、空気に触れるとその瞬間から酸化が始まると言われています。
ワインの成分は、空気に含まれる酸素の影響で変化しやすく、酸素に触れることで香や味が変化します。酸化が進むことで、果実味が失われたり、枯れた香りやバランスの悪い味わいになってしまいます。
未開栓のワインの飲み頃
未開栓のワインは、ワインの種類や、手頃なワインか高級ワインかなどによっても飲み頃が変わってきます。
例えば、軽めの白ワインは1~2年以内、コクのある白ワインは3~5年、赤ワインは種類によって変わりますので3~10年くらいと言われています。また、スパークリングワインやお手頃価格のワインなどは、購入してすぐに飲むのがベストのようです。
一部の高級ワインは、熟成させて飲んだほうが、味わいがよくなるものもあります。中には10年以上寝かせないと、本来の美味しさを味わえないというワインもあるそうです。
まとめ
ワインは開栓しなければ保存できるものですが、保存方法には注意が必要なのですね。光と温度と湿度に気をつけないと、劣化したり酸化が進んでしまいます。温度と湿度は季節によって変わってくるため、長い期間保存する時は、季節によって保存場所を変えてあげるとよいでしょう。