リヨセルのしわや縮みの原因を知って失敗しない洗濯をしよう!

リヨセル

上品な光沢と柔らかさでおしゃれ着には欠かせないリヨセル。この季節、至る所の店先で目につくようになりましたね。美しいシルエットを作り出すアイテムでありながら、縮みやシワがつきやすいという一面も。ご家庭での洗濯後の簡単なケアをすることで、シルクのような風合いと着心地のよさを、季節を問わず思いっきり楽しみましょう!

リヨセルとは

リヨセル
ソフトな着心地と美しいシルエットで人気急上昇の新素材「リヨセル」。ひと工夫することでご家庭の洗濯機でも手軽に洗うことができます。

新しい素材ですので、お洗濯方法やアイロンのかけ方など、まだまだ分からないことだらけの繊維でもありますが、暑い夏の季節、気軽に何回も繰り返して洗いながら、安心してコーディネートを楽しみましょう。

リヨセルという名前を聞いても、馴染みのない方がほとんどかもしれません。一般的には指定外繊維のうちのひとつであり、ナイロンやポリエステルの化学繊維ではなく、木のパルプからできた繊維です。

ちなみに「リヨセル」と「テンセル」は、同じものです。商標の違いで名前が異なりますが、総称してリヨセルと呼ばれています。

コアラの食材として有名なユーカリという木材を溶剤で溶かして繊維にしたもので、ナイロンやポリエステルのように石油を原料としていません。また製法中に排出された溶剤は回収して繰り返し使うことができるため、環境に優しいエコな再生繊維として注目されています。

適度に光沢がありシルクのよう光沢としなやかさで、美しいドレープ性(トロンとした落ち感)を演出できる優れものですので、夏の定番である綿に混ざってよく使われている繊維なのです。

もともと強い繊維なので、生地に弾力性がある他、吸湿性が高い為、静電気が起きにくいというありがたい素材で、年々それを使った製品が増えています。肌触りにこだわる方の寝具の素材としても、人気上昇中です。

その半面、摩擦によって衣類が部分的に白く変色してしまったり(白化すると言います)取扱いを間違うと、しわや縮みが出やすい素材でもある為、自宅での洗濯は不安だという方も多く、クリーニング店にお願いすることが多いデリケートな素材なのです。

新素材のリヨセルの特徴を把握できれば、ご家庭の洗濯機でも手洗いでも洗濯することが可能ですし、家庭で洗いやすい素材でもあります。

リヨセルのしわの取り方と注意点

アイロン
優れた素材なのですが、吸水性が無いという点で、綿と比べて扱いは少々デリケートなところがあるリヨセル。シワになりにくいと言われていますが、それ以外の素材が含まれている生地はしわができやすい可能性があるので注意が必要です。

しわを取る場合はアイロンを使います。しわだけに限らず、水に濡れることにより、硬くなってしまった状態でも、アイロンをかけることで、簡単に解決できます。水には多少弱い反面、熱には強いので、アイロンの温度を140~160℃の中温に設定して使用します。

シワが伸びにくいときは、霧吹きで水をかけ湿らせた状態で伸ばしながら当てます。このときに必ず当て布をして生地を引っ張りながらアイロンをあててしわを取っていきます。アイロンは往復させずに一方向にかけてください。

霧吹きで水をかけながらでも十分きれいに出来上がりますが、スチームアイロンを使用することにより、アイロンをかける時間を短縮できます。

リヨセルの失敗しない洗濯の方法

手洗い洗濯
お伝えしましたように、リヨセルは摩擦と水分に弱いという性質を持っています。なので洗濯の方法を間違ってしまうとシワが残ったり縮んだりし、また白く変色をしてしまう場合があります。

重要なポイントは「リヨセルの洗濯のコツは摩擦を避ける」ことなのです。

基本的には手洗いをおすすめしますが、「手洗いコース」がある洗濯機をお持ちの場合は弱い水流でていねいに洗い上げる「手洗いコース」や「ドライコース」を設定して利用できます。

手洗いをする場合

洗濯機の「手洗いコース」を使って洗う場合に限らず、手洗いの場合も洗濯する衣類は裏返しにして、丁寧にたたんでください。なぜかと言うと、摩擦に弱いので洗濯中の擦れ防止の予防になるからです。汚れがひどい部分がありましたら、その部分を表面に出るように折りたたみます。洗面器に30℃以下の水をたっぷりと張り、水量に合わせて中性洗剤を溶かします。

洗面所のシンクを使う場合は、シンク自体に汚れが付着していないかを確認してから使いましょう。リヨセルを洗濯する場合、アルカリ性の洗濯洗剤では洗浄力が強すぎます。中性の洗濯洗剤で洗濯することによって、繊維の傷みを軽減できます。アクロンやエマールなどのおしゃれ着洗い専門の中性の洗剤を使うようにしましょう。洗濯表示にあるとおりの規定の量を入れてよく溶かします。

ぐちゃぐちゃに押し洗いをしたり、ねじったりという洗い方をしないように気を付けながら、30回ほど押したり浮かせたりして洗います。汚れがあっても決してゴシゴシしたりせず、少し漬け置きしてみましょう。

すすぎ洗いも同じです。すすぎ残しがないように多めの水で3回以上はすすぎ洗いをしてください。洗濯の時間も短めにして衣類が擦れ合わないようにしましょう。

リヨセル特有のやわらかい風合いを保つために、柔軟剤の使用をおすすめします。脱水はたたんだままの状態で、乾いたタオルの間に挿み、軽く抑えるようにして水分を取り除きます。決して強く絞ったりしないように気をつけましょう。30秒以内であれば、洗濯ネットに入れて洗濯機の脱水コースを使用することもできます。

乾燥は日陰干しです。日陰でパンツやスカートなら吊り干しにし、ニットや型崩れしやすいものは平干ししましょう。乾燥機は厳禁です!高温によって縮んでしまう素材であるうえに、乾燥機の中で回転することで素材そのものを傷めてしまいます。縮みやダメージを出さないためにも乾燥機の使用は絶対にやめてください。

仕上げのアイロンは、当て布をしてから中温でスチームアイロンを少しずつ引っ張りながらかけていきましょう。柔らかくて光沢がありシルクのような風合いが特徴のリヨセルですが、濡らすことにより、柔らかさや光沢が落ちてしまいます。これはアイロンをかけるて乾いた状態になると、元の状態に戻るので心配いりません。

洗濯機を使って洗う場合

手洗いの時と同様に、洗濯機の「手洗いコース」を設定して洗う場合も、洗濯する衣類は裏返しにして、丁寧にたたみ、洗濯ネットに入れます。必ず「手洗いコース」を選択してください。手洗いの場合と同様、できればおしゃれ着専門の洗濯洗剤と、風合いを保つために柔軟剤を使い、陰干しするという手順ですすめましょう。脱水をしすぎたり、洗う時間が長すぎたりすると生地が傷みます。

リヨセルの良い点・悪い点

リヨセル素材のスカート
最後にもう一度、リヨセルの優れた面とそうでない面をまとめてみましょう。

リヨセルの良い点

  • ソフトな風合いとシルクのような美しい光沢感がある
  • 繊維が柔らかいのでドレープ性があり、しなやかでシルエットがきれい。
  • 湿気による縮みが少ない。
  • 吸湿性が高いので静電気が起きにくい。
  • 速乾性に優れている。
  • 繊維が強いので張りやコシがあるので強度が落ちにくい。

リヨセルの悪い点

  • 湿気が高い状態のときにこすれるとダメージを受けやすい。
  • 水洗いで若干縮みやすい。
  • 摩擦に弱く擦れると毛羽立ちしやすく白く変色してしまうことがある。
  • 脱水をしすぎたり、洗う時間が長すぎたりすると生地が傷んでしまう。

まとめ

リヨセル素材の服
リヨセル素材のお洗濯はむずかしいことはありません。「摩擦をいかに避けるか」これだけを念頭において、短い時間で洗ってあげましょう。素材の特徴を把握することにより、大切な洋服でも自宅で気軽にお洗濯ができ、ひと工夫することで長持ちさせられます。正しい洗濯方法でシワ・縮みのないきれいな状態で思いっきりファッションを楽しみましょう。

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よくある質問

  • コットン(綿)素材の洗い方は?

    1、たたんで洗濯ネットに入れる
    2、柔軟剤と洗剤を入れる
    3、通常の洗濯コースを選ぶ
    4、スイッチを押して完了

    表示で洗濯マークが付いている場合は通常のコースで洗ってしまって大丈夫です。手洗いマークがついている場合は手洗いするようにしましょう。

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  • ポリエステル素材の洗い方は?

    1、洗濯用ネットに入れる
    2、弱アルカリ性洗剤、柔軟剤、酸素系漂白剤(汚れ・黄ばみがある場合)を入れる。
    3、洗濯絵表示に合った洗濯コースで洗濯機を動かす。

    洗濯表示が水洗いマークのポリエステル製品は洗濯機を使って洗濯することができます。
    ポリエステルは乾きやすい素材です。洗濯の際、脱水時間は30秒~1分で止めて問題ありません。

    >> 詳しくはこちら

  • ナイロン素材の洗い方は?

    1、洗濯機に洗剤を入れます。アルカリ性洗剤または着用洗剤をお好みで使います。柔軟剤の使用もOKです。ただし、漂白剤はNGです。色落ちしてしまいます。
    2、所定の洗剤を投入したら、あとはいつも通り洗濯機をかけます。他の衣類とまとめて洗うなら、洗濯ネットを使うのも手です。
    3、洗濯後は、ナイロン生地の衣類を陰干しします。

    ナイロン素材のインナー、手袋、ニット、レインコートなどを洗う場合は、直接洗濯機にかけても問題はないです。型崩れの心配もほとんどありません。

    >> 詳しくはこちら

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