目次
野菜別の洗い方
野菜は、種類によって洗い方が異なります。そこで、野菜の種類別に正しい洗い方をご説明しましょう。
イボやヘタのあるもの
きゅうりやトマトのように「イボ」や「ヘタ」のある野菜は、その部分に土や汚れ、細菌などがたまりやすくなっています。そのため、イボやヘタの周りを指先で丁寧に洗うのがポイントです。細菌を除去するためにも、流水で30秒以上洗うようにしましょう。
重なりのある野菜
白菜やレタス、キャベツなどの葉が重なり合った野菜は、外側の汚れた葉を取り外し、使う分を1枚ずつバラバラにはがして洗います。
大きめのボウルに水を張り、その中にはがした葉を入れて振り洗いしますが、最初のうちはゴミや汚れがボウルの底にたまります。水を変えながら何度か振り洗いを繰り返し、ボウルの底にゴミや汚れがたまらなくなったら完了です。
根元が密集している野菜
ほうれん草や水菜など根元が密集している野菜は、根や茎の部分に汚れがたまりやすくなっています。根を使わない場合はあらかじめ切り落としてから、根元に流水を当てながら茎の間を広げるように丁寧に洗いましょう。
房になっている野菜
ブロッコリーやカリフラワーなどの房になった野菜は、小分けにしてから洗うと汚れを落としやすくなります。まずは野菜を丸ごとサッと洗った後、小房に切り分けて水を張ったボウルに入れ流水を当てながら洗うとよいでしょう。
根菜
ジャガイモやニンジンのような根菜は、くぼみの部分に泥がたまりやすくなっています。たわしやブラシでこすり洗いすると、きれいに落とすことができるでしょう。食器用のたわしやブラシを使用するのではなく、衛生上専用のものを用意するのが賢明です。
発芽野菜
かいわれ大根やスプラウトなどスポンジのついた発芽野菜は、スポンジ部分は取り外さずに逆さにし、水を張ったボウルに食べる部分をつけて振り洗いします。少量しか使わない場合は、食べる分だけスポンジから取り外し、根元を持ってボウルにつけて振り洗いしましょう。
野菜の残留農薬を落とす洗い方
健康的な食生活のために野菜を食べるのに、残留農薬が残っていては本末転倒ですよね。では、残留農薬を落とすにはどのような洗い方をすればよいのか見てみましょう。
野菜洗浄液
残留農薬を落とすには、野菜専用の洗浄スプレーを使う方法があります。
野菜には農薬を取れにくくするための展着剤も付着しているため、水で洗っただけでは農薬を落としにくくなっています。しかし、野菜洗浄液は農薬だけでなく展着剤も除去できるので、残留農薬をほぼ完全に落とすことができます。
体に安全な成分で作られているうえに、除菌効果もあるので生野菜として食べる場合におすすめです。
酢
酢には強い殺菌効果があるため、酢と水を1対3で薄めた酢水に野菜を浸けたり、洗ったりすると細菌や残留農薬が除去できます。ただし、酢には野菜の色を変色させる作用もあるため、長時間浸けるのは禁物です。変色するだけでなくビタミンも溶けだしてしまうので、1分以内で取り出すようにしましょう。
重曹
料理や掃除に使用される重曹も、残留農薬や病原菌を取り除くことができます。
ボウルに一つまみの重曹と水を入れた中に野菜を浸けた後、流水で洗い流します。重曹は残留農薬を取れやすくするため、水洗いするだけで落とせるようになるのです。浸ける時間は1分程が基本ですが、皮の厚い野菜は10分ほど浸ける方がよいでしょう。
下茹で
生野菜として食べるには向いていない方法ですが、下茹ですると残留農薬を落とすことができます。農薬や細菌は熱に弱いという特性があるため、軽く下茹ですると除去できるのです。食感も変わってしまうため、煮込み料理の時におすすめの方法です。
お湯で洗う
50℃前後のお湯で野菜を洗うのも、残留農薬を落とす方法です。
葉野菜なら、2分から3分で残留農薬を落としたり、細菌を死滅させたりすることができます。ヒートショック現象により野菜の鮮度を取り戻すこともでき、一石二鳥です。しかし、43℃以下は雑菌が増殖しやすくなるなど温度管理が難しいのが難点です。
きのこ類の洗い方
きのこ類は水で洗うと風味が落ちるため、基本的には水洗いしません。
シイタケやシメジなどは汚れやホコリが気になるなら湿らせたキッチンペーパーで拭き取るのがよいでしょう。なめこのようにヌメリのあるものは、流水でサッと洗うのがおすすめです。生キクラゲやハナビラタケは、水に濡れても風味があまり変わらないので洗ってもOKです。
また、きのこ類を洗う時は使う直前に洗い、ため水ではなく流水で洗うのが鉄則となります。ゴシゴシ洗わず、サッと洗い流すだけで完了させましょう。
野菜洗いに洗剤を使う時の洗い方と注意点
食器用洗剤の中には、野菜洗いに使用できるものもあります。では、食器用洗剤での野菜の洗い方や注意点についてみてみましょう。
洗い方
食器洗剤で野菜を洗う方法は、水を張ったボウルに洗剤を一滴たらし、浸けおき洗いするというものです。ボウルから取り出したら、野菜を流水で洗い完了です。
注意点
食器洗剤で野菜を洗う時の注意は、浸けおきは5分以内に止めることです。流水で流す時も、30秒以上は水にさらすようにしましょう。
お皿を洗う時に水にさらすのは5秒で良いので、やはり野菜は口に入れるため体内に入らないように細心の注意を払う必要があるのです。完全に洗剤を洗い流すことが大切になります。
また、食器用洗剤には、野菜が洗えるものと洗えないものがあります。見分け方は、成分表の用途の欄に野菜・果物と記載されているか否かです。記載されていれば野菜を洗うのに使用でき、記載されていなければ使用できません。野菜を洗う前に、確認するようにしましょう。
野菜が洗える洗剤と洗えない洗剤の違い
同じ食器洗剤でも野菜が洗えるか洗えないかの違いは、食品衛生法に準じているかどうかです。
一般的には「中性洗剤であるかどうか」が大きく関係しているほか、ヒ素や重金属、メタノール、酵素や漂白剤を含まないことが条件となります。基本的には、野菜を洗える洗剤は中性洗剤です。また、まれに弱酸性でも野菜が洗える洗剤がありますが、成分にクエン酸が配合されているものが野菜を洗うのに使用できます。
まとめ
野菜の洗い方や残留農薬の落とし方をご紹介しましたが、少し手間をかければ家にあるもので簡単に落とせますね。料理の効率を上げるには、野菜洗浄液や酢、重曹を使った洗い方がよさそうです。
残留農薬はアレルギーの原因になるとも言われており、特に妊婦さんや小さな子供が口に入れるのがはばかられます。しっかりと落とし、食の安全を守りましょう。