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低反発枕が洗濯禁止な理由
一般的に低反発枕は洗濯できません。低反発枕は「ウレタン」という素材が使われていますが、ウレタンは「水に弱い」「乾かない」特徴がありますので、低反発枕を洗濯するとボロボロになって崩れてしまいますので注意しましょう。
ウレタンは水に弱い
ウレタンは水に濡れると加水分解という化学反応が起こり、低反発枕はボロボロと砕けて形が崩れてしまいます。低反発枕のウレタンは洗濯で大量に水を吸ってしまうと固くなり元には戻りません。
乾かしても少しの衝撃でスポンジはボロボロになります。水を含んだ低反発枕を持ち上げるとちぎれてしまうこともありますので水で濡らさないよう注意しましょう。
ウレタンは乾かない
ウレタンは硬いスポンジ状になっているのですが、強度が高くしっかり膜が張っていて水が通らない作りになっています。でも水が通らないといっても、生地には染み込みますので、ウレタンの内部のスポンジ状の空洞に水が溜まり、乾かなくなります。乾かなければ洗濯はできませんよね。
ウレタンは直射日光に弱い
ウレタンは紫外線に弱く直射日光に当てると品質が劣化しますので注意しましょう。
低反発枕の汚れを落とす方法
ウレタンの低反発枕が洗濯できないと言っても枕のついた汗や皮脂や目につく汚れだけでも落としたいですよね。そんな時は表面だけの部分洗いをすれば綺麗になります。
用意するもの
- エマールなどのおしゃれ着用の中性洗剤
- 布巾:2枚ほど
- 洗面器などの容器
手順
- カバーを外す
枕カバーを使用していたら外します。 - 洗剤液を作る
水を入れた洗面器などに、洗剤を通常使用する量の1/4ほど入れて溶かします。 - 布巾に洗剤液を含ませる
布巾に洗剤液を含ませてしっかり絞ります。 - 汚れを叩く
洗剤液をよく絞った布巾で低反発枕の汚れを叩きながら拭き取ります。 - 水拭きする
布巾をしっかりすすいで洗剤を落とし、洗剤で叩いた部分を綺麗に水拭きします。 - 乾拭きする
洗剤をつけた布巾とは別の布巾で水分を残さないようしっかり乾拭きします。 - 干す
直射日光の当たらない風通しの良い場所でしっかり乾燥させます。
まれに汚れや臭いが低反発枕の奥まで染み込んで取れないこともありますが、ほとんどの汚れは部分洗いで綺麗になりますので試してみてください。
低反発枕の臭いを取る方法
低反発枕から汗や皮脂の臭いを消す方法をご紹介いたします。洗う時間はないけど臭いはすぐ取りたい場合にやってみてください。
枕カバーを取り替える
まずは新しい枕カバーに取り替えましょう。基本的な方法ではありますが頭に一番密着している枕カバーには汗や皮脂やフケがかなり付着しています。
消臭スプレーを使う
枕カバーを外しても枕が臭うようでしたらファブリーズなどの消臭スプレーを使って低反発枕の臭いを取ります。
布用の消臭剤は除菌作用がついているものも多いので、低反発枕に利用するのに向いています。
ただし布用消臭剤を効果的に使うためには、対象物が濡れるほどにたっぷりかけてそれが乾くときに臭いの素を一緒に包んで蒸発するという特性を持っています。
そのため消臭スプレーをたっぷりふきかけたら、扇風機の風を直接当てるなどして早く乾かすようにこころがけましょう。
用意するもの
- ファブリーズなどの消臭スプレー
手順
- 枕カバーを外し、枕に直接ファブリーズまたは消臭スプレーを吹きかけます。吹きかけ過ぎると乾きにくくなりますので注意しましょう。
- スプレーした後は風通しの良い日陰で干します。吊るすタイプのネットや通気性の良い洗濯かごの上に枕をのせて1日~3日ほど放置します。天候や濡れ具合によって差がでます。完全に乾いたら消臭完了です。
一度で臭いが取れないようでしたら、再度ファブリーズまたは消臭スプレーを吹きかけて日陰干しを繰り返しましょう。
低反発枕の干し方とコツ
風通しの良い場所に日陰干し
低反発枕のウレタンは紫外線に弱く、長く当てるとカチカチに硬くなり劣化しますので必ず日陰干しするよう注意しましょう。
通気性の良いものにのせて干す
枕専用カバーや吊るすタイプのネット、通気性の良い洗濯カゴの上などに置いて乾かしましょう。また、針金ハンガー2本を上下に伸ばして枕を置けるスペースを作り、その中に枕を置いて干す方法もあります。
位置を変える
干している低反発枕をひんぱんに上下にひっくり返して低反発枕が少しでも早く乾くように工夫しましょう。
夜は取り込む
低反発枕が空気中の湿気を吸収しないために、夜にいったん干している低反発枕を室内に取り込んで翌日また外で日陰干しします。
完全に乾くまで取り込まない
低反発枕に水分が残っているとカビや雑菌が繁殖して臭いの原因になりますので注意しましょう。
低反発枕の中まで水が浸透すると完全に乾燥するまでに1週間以上かかります。
また、低反発枕の表面が湿った程度の場合でも乾燥するまで早くて2日~3日ほどかかりますので乾燥日数の目安にしましょう。低反発枕についた水分量や位置や天候などで乾燥するまでの日数が変わります。
低反発枕をキレイに保つ方法
低反発枕は洗濯できませんので、日ごろから汚れをためないようお手入れしましょう。
水分を飛ばす
寝汗を吸った低反発枕は湿気でジメッとしています。そのままお手入れせずに放置していると寝汗や頭皮の皮脂などが酸化してクサイ臭いを発生させますので、最低週に一回は枕カバーを新しく取り替え、定期的に直射日光の当たらない風通しの良い場所に干しましょう。
枕カバーを交換する
低反発枕の枕カバーはこまめに洗濯しましょう。低反発枕の枕カバーは肌に密着していますので汗や皮脂で一番汚れています。最低でも一週間に1回は洗濯しましょう。
枕カバーの上にタオルを置く
低反発枕の枕カバーの上からタオルやバスタオルを巻いておくと汗を吸ってくれますので黄ばみを防ぐことができます。タオルやバスタオルは毎日取り替えることをおすすめします。
除菌スプレーをする
低反発枕は洗濯できないため、雑菌だけでなくダニも繁殖しやすくなっています。一度発生すると完全に死滅させることができませんので、定期的に除菌スプレーを使ってダニ防止をしましょう。
低反発枕を洗濯してしまったときの対処法
低反発枕をうっかり洗濯してしまったときの対処法をご紹介します。
手順
- カバーをつける
低反発枕のウレタンに水を含ませるとボロボロになってきますので、崩れないためにカバーをつけます。カバーをつける際、力を入れすぎないよう注意しましょう。 - 水分を押し出す
低反発枕を上からゆっくり揉んで水を押し出します。水を押し出す際は低反発枕をねじらない、叩かない、強く押さない、こすらないよう注意しましょう。 - 日陰で干す
低反発枕のウレタンは一度水に濡れると、乾燥するまでに1週間以上かかります。枕専用ハンガーや吊るすタイプのネットなどに低反発枕を置いて直射日光の当たらない風通しの良い場所に1週間~10日干しましょう。
低反発枕はクリーニングに出せる?
ウレタン性の低反発枕はほとんどのクリーニング店で断られます。断られる理由はドライクリーニングで使う洗剤と相性が悪くボロボロになる可能性があるからですが、低反発枕の洗濯を扱っているクリーニング店もありますのでお住まいの地域のクリーニング店に問い合わせてみましょう。またインターネットでも低反発枕を洗濯してくれるクリーニング店や業者を探すことができます。
洗える低反発枕も存在する
洗える低反発枕も販売されており、ウレタンフォームを洗える中綿で包んだタイプの枕が人気のようです。枕を購入時に注意書きをよく読んで確認してみましょう。
まとめ
低反発枕が洗濯できなくても、表面の部分洗いでほとんどの汚れが取れますので枕カバーの交換の際掃除してみてください。低反発枕から臭いがしたら消臭スプレーをかける方法は効果的ですが、応急処置としてバスタオルを敷く・巻きましょう。
さらにバスタオルの上から消臭スプレーをかけると臭い予防になります。消臭スプレーは除菌やダニ予防の効果があるものがおすすめです。低反発枕は顔に密着するものですのでいつも清潔にしておきたいですね。心地よく眠るために早速お手入れしてみましょう。
低反発枕は毎日長時間使うという性質上、汚れだけでなく、どうしても形が崩れてしまいます。形が崩れた枕を使うことは快眠の妨げにもなりますし、首への負担をかける原因にもなりかねません。
ある程度の期間使ったら、思い切って買い替えるのも一つの手です。それによって快眠を得られるのであれば必要な出費と考えてよいのではないでしょうか。
家事アドバイザー・節約アドバイザーとしてテレビ・講演・コラム連載などで活動。頭を使って賢くスマートに、時間とお金をバランスよく使う暮らし方を提唱。著書に「シンプルライフの節約リスト」(講談社)などがある。
そのため低反発枕を洗わなくて済むように、大前提として枕カバーは必須です。さらには枕カバーだけでは汗は簡単に通してしまうので、枕カバーをした上をバスタオルで巻くなどして枕カバーも汚れないというほどの状態にして使うようにしましょう。