保冷剤の再利用術を完全マスター!生活を楽にする方法5選

保冷剤と消臭効果

ケーキや生菓子を買うとついてくる保冷剤ですが、使う時は便利なのですが、捨てないでいると、冷凍庫の中でたまっていく一方ですよね。そんな保冷剤ですが、意外なことに再利用ができるのをご存知でしょうか。上手に活用すると、保冷以外にも便利なアイテムとして使えるので、参考にしてみて下さい。また、注意点もあるのでチェックしてくださいね。

保冷材が再利用できる理由

青い保冷剤

保冷剤の成分は「水」と「高吸収性ポリマー」

日本で出回っているほとんどの保冷材の中身は、約98パーセントの水と高吸収性ポリマーという成分、防腐剤と形状安定剤が含まれています。高吸収性ポリマーというのは、水を吸収して固める特質があり、紙オムツやペット用トイレシートの吸水で使われているものと同じ成分です。

また、災害のときに使われる土嚢にも、高分子ポリマーが使われているなど、様々な分野で活用されているものです。ですので、触るだけでは特に害のないもののため、注意点を守れば再利用ができます。

温度持続性を有効活用

保冷剤はその名の通り、ものを「冷やす」ことに優れています。この性質を利用すれば、食材以外のものを冷やす用途で再利用できますよ。

そしてあまり知られていませんが、保冷剤で「温める」ことも可能なんです。というのも、保冷剤はそもそも温度が変わりにくいという特性を活かしたものだから。湯せんで温めれば、何かを温める用途としても再利用できます。

吸水・保水性を有効活用

保冷剤の成分である「高吸収性ポリマー」は、水を吸水して固める特質があります。この特質を利用すれば、災害時のトイレなど高い吸水を求めるシーンに再利用可能です。吸水するときにニオイも吸ってくれるので、消臭剤として再利用することもできますよ。

また、保冷剤の水分が時間とともに蒸発していく特質を利用して、芳香剤や水やりに使うことも可能です。

研磨効果を有効活用

保冷剤の中身をよく見ると、細かな凹凸があることが分かります。つまり保冷剤には、研磨する力もあるということ。この特質を利用して、家の掃除に使うこともできますよ。

《 ポイント 》

  • 保冷剤の成分は水と高吸収性ポリマーで、人体に無害
  • 保冷剤には温度持続性があるため、冷やしたり温めたりできる
  • 高吸収性ポリマーには吸水性と保水性がある
  • 保冷剤から蒸発する水分を利用できる
  • 保冷剤には細かい凹凸があり、研磨力がある

保冷剤の再利用方法5選

保冷剤の「温度持続性」「吸水性」「研磨性」といった性質を利用して、食材を冷やす以外の用途に使用できます。毎日の生活に役立つものや、美容、災害時とさまざまなシーンで再利用できますよ。どんな再利用方法があるのか、いくつか紹介します。

①保冷剤の再利用方法【生活】

【消臭剤】
保冷材に含まれている高吸収性ポリマーは、におい成分も吸着できると言われています。市販の消臭剤に使われていることもあり、再利用には消臭剤として活用できます。

保冷材を常温に戻しておいて、袋の端をハサミでカットします。中身をお好きな容器に移すだけで、保冷材を再利用した消臭剤の完成です。

容器は使わなくなった空き瓶を利用したり、お気に入りの容器や100円ショップで購入できる器などを使えばインテリアとしても楽しめます。トイレ、玄関、シューズボックスなど臭いの気になるところで活躍できます。乾燥して水分がなくなってきたら交換の時期となります。

【芳香剤】
消臭剤として利用できる保冷材に、せっかくであれば、アロマオイルで香りづけをすると、芳香剤としても使えます。消臭剤と同じ手順で容器に入れ、好きなアロマオイルを3~5滴たらしてみましょう。

香りが無くなってきたと感じたら、繰り返しアロマオイルを足して使えます。臭いが気になる場所には柑橘系やウッディの香り、寝室などはリラックスできる香り、など置く場所によってアロマオイルを使い分けると良いですね。

【虫よけ対策】
保冷材の中身だけを、お皿などに置いておくと、水分が蒸発して数日すると乾燥してきます。この水分が蒸発するという性質を利用して、虫よけ効果のあるアロマオイルを一緒に使うと、虫よけ対策にも使えます。

消臭剤と同じように保冷材の中身を瓶などに入れ、そこへ、虫よけ効果が期待できるミント系のアロマオイルを5滴くらいたらします。水分と一緒に虫よけ効果のあるミント系の成分が、蒸発することで虫よけ対策ができます。

【植物の水やりやオアシス代わり】
解凍した保冷材を袋から出し、鉢植えや植物の周りに置き、その上に土をかぶせておきます。すると、水を含んでいる吸収性ポリマーから、徐々に水分が土の中に溶けていき、保水材のような役割をしてくれます。

2,3日は乾燥から植物が守られるため、1泊2泊の外泊時などに便利な活用法です。砂漠を緑化する活動でも、これと似た方法がとられていることもあり、植物の成長にダメージが与えられることはないそうです。

また、切り花でつくるフラワーアレンジメントで使う緑色の吸水スポンンジ、オアシスのように使うこともできます。お好きな容器に入れた保冷剤の中身に、切り花をさしてください。保冷材は時間が経つと乾いてくるため、オアシスと同じようお水を足しながら使ってください。

【扇風機を簡易クーラーに!】
扇風機の前面に保冷剤を張り付けると、クーラーのような冷たい風に。コストをかけず部屋の温度を下げられる上に、環境に優しいのも嬉しいポイントです。一説によると、保冷剤を付けるだけで-3℃も体感温度が下がるそうですよ。

また最近では、保冷剤を入れるためのポケットが付属した扇風機も登場しています。中には100円ショップで買えるミニ扇風機もあるので、トイレや洗面所など、クーラーがない場所に設置するのもおすすめです。

保冷剤の水分が滴ることもあるので、薄手のガーゼを巻くなどして対策してくださいね。クーラーで体調を崩しやすい方は、体に負担をかけない簡易クーラーをぜひ試してみてください。

【カイロ代わり】
保冷剤を40度のお湯に3分程度浸すと、ポカポカ温かなカイロになります。冷たい保冷剤がカイロになるなんて驚きですね。温かいのは30分程度なので、お子さんの送り迎えや庭いじりの時に再利用してみましょう。

ただし不織布の保冷剤は使えないので、要注意。また温めすぎたり、電子レンジを使用したりすると、中身が破裂する場合があるため、温めすぎないように気を付けてくださいね。

【センサリーバッグ】
保冷剤は、センサリーバッグという赤ちゃんの知育おもちゃにもなります。センサリーバッグとは、透明のバッグの中にジェル状の液体を入れて、さらにビーズやホログラムを入れたおもちゃのこと。プニプニの感触や不規則なビーズの動きで、赤ちゃんの五感を刺激します。

まずはジップロックに保冷剤の中身を入れて、さらにビーズを入れましょう。ビーズは赤ちゃんが指で触れられるくらい厚みのあるものや、視覚的に刺激のあるラメパウダーなどがおすすめです。全部入れたらジップロックの四隅をテープで二重に留めて、出来上がりです。

ただし誤飲の可能性があるので、100円ショップで売っているようなシングルジップ&薄手の袋はおすすめできません。ダブルジップで破れにくい袋を使いましょう。

②保冷剤の再利用方法【掃除】

【シンクの掃除】
保冷剤の中身を少量出してキッチンダスターに付ければ、シンクの掃除に再利用できます。保冷剤には、前述のように細かな凹凸があります。

この部分に汚れが入り込むので、掃除にはもってこいというわけです。しかも高吸収性ポリマーには消臭効果もあるので、キッチンの嫌なニオイにも有効です。

実はこの方法は、工業用としてもよく知られています。汚れが溜まりやすい蛇口部分も、保冷剤ならキレイに掃除できますよ。

【鏡の掃除】
鏡に付いた水垢も、保冷剤でピカピカにしてみましょう。やり方はキッチンと同じように、保冷剤の中身を出してクロスで拭くだけです。うろこ状になった水垢はとても落としにくいですが、保冷剤の研磨力のおかげで、力を入れなくてもキレイに磨けます。

【窓・サッシの掃除】
窓やサッシは面積が広い分、洗剤のニオイが気になりますよね。保冷剤は無臭なので、窓掃除にはもってこいです。

またサッシは通常、水をかけたりして掃除すると思いますが、保冷剤はジェル状なので飛び散ることがありません。細かな隙間のゴミも取りやすく、ストレスフリーに掃除できます。

③保冷剤の再利用方法【美容】

【毛穴の引き締めに】
保冷剤の冷える効果を利用して、毛穴を引き締めるケアをしてみましょう。洗顔後にいつも通りのスキンケアをしたら、仕上げに保冷剤を顔に当てるだけです。肌が冷えすぎないよう、柔らかいガーゼを巻いてくださいね。

【ホットパック】
袋のまま40度くらいのお湯で湯煎すると保冷剤が温まり、顔のホットパックとして使えます。温度は自分の肌にあてた時に、気持ちが良いと感じられる程度にして、やけどには注意しましょう。

同じ温め方で、肩や腰など凝りがひどい場所にあてるのもおすすめです。じんわりと温まり、とても気持ちがいいですよ。

【アイマスク】
保冷剤を好きな温度にして、アイマスクにしてもいいですね。冷やして使えばクールタイプのアイマスクに、温めればホットアイマスクになります。柔らかい布で包んでから、目にあてて使用してくださいね。

保冷剤を入れられるアイマスクカバーもあるので、眼精疲労にお悩みの方はぜひ日課にしてみてください。

④保冷剤の再利用方法【災害時】

【簡易トイレ】
高吸収性ポリマーはおむつやペット用トイレシートに使われていると前述しましたが、同じ仕組みで災害時のトイレにも使えます。

保冷剤から水分を取り除き、高吸収性ポリマーだけを容器に入れて用を足すという方法です。保冷剤がトイレになるなんて意外ですが、警視庁の公式Twitterでも提案されている方法なんですよ。

保冷剤から高吸収性ポリマーだけを抽出するには、キッチンペーパーの上に保冷剤の中身を出して、塩をふりかけます。そうすると、1日程度で高吸収性ポリマーだけがキッチンペーパーに乗っています。これをトイレとして活用するというわけです。

あまりカラカラに乾燥させると水分を吸わなくなってしまうので、ろ過は1日に留めましょう。

【停電したときの冷蔵庫の保冷】
停電すると冷蔵庫が止まりますが、温度が上がると食材が傷んでしまいますね。そうなる前に保冷剤をたくさん入れて、温度の上昇を防ぎましょう。冷たい空気は上から下へと移動するので、冷蔵庫の一番上の棚に保冷剤を入れるのがおすすめです。

⑤保冷剤の再利用方法【その他】

【海外へ寄付】
NPO団体を通して、保冷剤を海外へ寄付できることをご存知でしょうか?実は日本の保冷剤は非常に性能が良いので、海外で重宝されているんです。食材を冷やすだけでなく、医療現場でも利用されているそうですよ。たくさんの保冷剤があまっている方は、寄付という手も考えてみてください。

【店舗へ寄付】
使い終わった保冷剤を回収して、リユースしている企業もあります。例えば有名なところでは、無印良品が2021年から保冷剤の回収を始めました。回収できるのはビニールタイプのみで、不織布タイプは対象外になるようです。

基本的には、チルドや冷凍食品の取り扱いがある店舗でのみ回収しているとのこと。近所の店舗が回収可能かどうか、チェックしてみてはいかがでしょうか。

【フリマサイトに出品】
まとまった数の保冷剤は、フリマサイトで売ることもできます。捨てるだけの保冷剤がお金になるなんて信じられませんが、フリマサイトでは実にさまざまなものが出品されていますよね。大量の保冷剤は、スポーツサークルや団体で運動をするとき、キャンプなどで使いたい方がいるようですよ。

またキャラクターイラストの保冷剤であれば、単品で売れる可能性も。とくに店舗限定や期間限定のものは売れる可能性が高いです。キャラクターのファンがコレクションしていることがあるので、ゴミにせずに出品してみてもいいでしょう。

《 ポイント 》

  • 消臭剤、芳香剤、虫よけ、植物の水やりに、保冷剤を再利用できる
  • シンクや鏡、窓の掃除に、保冷剤を再利用できる
  • 肌の保湿やアイマスクに、保冷剤を再利用できる
  • 簡易トイレや冷蔵庫の保冷に、保冷剤を再利用できる
  • 海外寄付や店舗へのリサイクルに、保冷剤を再利用できる

保冷剤を再利用する際は誤飲に注意

大きめの保冷剤

誤飲に注意

少量の誤飲であれば自然に排出されるとのことですが、多量な誤飲は水分を吸収し喉に詰まって窒息することもあります。特に小さなお子さんやペットのいるご家庭は、気を付けて下さい。

排水溝などに流さないようにする

水を吸収する特質により、排水溝に流してしまい、排水溝の中に保冷材の中身がとどまってしまうと、水を流すたびに高吸収性ポリマーが水を吸ってしまいます。

膨張して排水溝が詰まる可能性があるため、排水溝や水場などで、中身をそのまま流したりするのはやめましょう。

エチレングリコール入りの保冷剤は使わない

日本製の保冷材にはほとんど使われていないようですが、高吸収性ポリマーの中で「エチレングリコール」という有毒物質が使われている製品もあったようです。

この成分を誤飲すると、嘔吐や吐き気、意識障害、過呼吸、腎不全などの症状のでる危険がありますので、誤飲には十分に注意してください。

《 ポイント 》

  • 保冷剤の誤飲には注意が必要で、特に子供やペットがいる家庭は気を付ける
  • 使用後の保冷剤は絶対に排水溝などに流さないこと
  • 保冷剤の中身は決して飲まないようにすること
  • 保冷剤の中身は口に入れないよう、十分な管理が必要
  • エチレングリコール入りの保冷剤は有害なので使用しないこと

まとめ

保冷剤と消臭効果

保冷剤の中身で、消臭剤が作れたり、植物の水やりの代用ができたりするのは意外ですね。アロマオイルを使えば、好みの香りの芳香剤が簡単に作れますし、旅行の時の水やりにも便利です。

捨ててしまうのであれば、いろいろ活用したいですね。ただし、誤飲には十分気を付けて使いましょう。また、捨てる際も排水溝などには決して流さないよう注意して下さいね。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る