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冷蔵庫の設定温度は「弱」「中」「強」に切り替え可能
冷蔵庫は生活家電の中でも上位に入るほど高い電気代がかかる大型家電です。特に他の家電とは違い、24時間365日常に稼働している状態なので、かかる電気代も高くなる傾向にあります。
しかし、一方で冷蔵庫の消費電力を抑え節電すれば、世帯全体の電気代を大幅に節約することにつながりやすいとも考えられます。
冷蔵庫には設定温度機能が搭載されており、一般的に数字で表されていたり、「弱」「中」「強」に切り替えることが可能です。この設定温度を上手く活用することで、電気代を少しでも節約することにつながると注目されています。
冷蔵庫の『弱・中・強』の電気代はどれくらい違うの?
ここでは冷蔵庫の設定温度ごとに電気代がどのくらい違うのか見ていきましょう。基本的な電気代計算方法は「消費電力(kW)×使用時間(h)×新電気料金目安単価31円/1kWh」です。これを踏まえた上で計算していきます。
冷蔵庫の設定温度『強』の電気代は?
ファミリー家庭の一般的な冷蔵庫の場合、設定温度を『強』にした場合の消費電力は、1時間あたり166W(0.166kW)とされています。
計算式に当てはめると、1日の電気代は「0.166kW×24h×31円=123.504円」となり、1ヵ月あたり約3,700円ほど冷蔵庫が占めることになります。これだけ電気代が高くなってしまうのは、電気代が高騰したことも1つの要因なのでしょう。
ただし、これはあくまでファミリー世帯用のある特定の製品を参考にした数値なので、機種によって消費電力量が大きく変動することをご了承ください。
冷蔵庫の設定温度『中』の電気代は?
経済産業省資源エネルギー庁による調査では、冷蔵庫の設定温度を『強』から『中』に切り替えたところ、年間61.72kWh節約することができるとの情報が公開されています。
電気代として換算すると、1年間で約1,913円、1ヵ月あたり約160円ほどの節約が見込めるとの計算になります。1ヵ月160円と聞くと安く感じてしまうかもしれませんが、1年間で約1,913円、10年間で約2万円もの節約になると考えると節約意識に繋がりませんか。
また、冷蔵庫の機種によっても消費電力量は大きく変動します。容量の大きい冷蔵庫を使っている場合は、より高い節約効果が見込めると考えられます。
冷蔵庫の設定温度を『弱』にした場合の電気代
そして冷蔵庫の設定温度を最も低い『弱』にした場合、電気代はどのくらい変わるのでしょうか。あるファミリー世帯用の冷蔵庫の『弱』にかかる消費電力は、1時間あたり112.5Wとされています。
計算すると、1日あたりの電気代は「0.1125kW×24h×31円=83.7円」となります。1ヵ月30日として計算すると、1ヵ月あたりの電気代は「83.7円×30d=2,511円」です。
改めて設定温度の違いで電気代を比較すると…?
では、ここまで計算してきた設定温度ごとの電気代を比較してみましょう。1ヵ月に換算した場合、以下のような電気代が計算によって導き出されました。
- 設定温度を『強』にした場合は約3,700円
- 設定温度を『中』にした場合は約3,500円
- 設定温度を『弱』にした場合は約2,500円
設定温度『中』に関しては、特定の機種ではなく、日本の全体的な平均値を使用しているため、実際に同じ機種の設定温度『中』で計算した場合は、『強』と『弱』の中間くらいの電気代がかかると考えてください。
また、機種によって消費電力が大幅に異なるため、電気代が大きく変動することをご了承ください。
これらを踏まえた上で見てみると、設定温度『強』から『弱』に切り替えると約1,200円の節約が見込めることがわかります。割合で換算すると、設定温度『強』から『弱』に切り替えることで、約32%もの電気代節約が見込めることになります。
今後、ますます電気代が高騰することを考えると、生活家電の中でも電気代がかかりやすい冷蔵庫で約32%も節約が見込めることは、家計の希望となりそうです。
夏場に冷蔵庫『弱』設定で大丈夫?最適な設定や使い方は?
冷蔵庫の設定温度を『弱』にすることで、大幅に電気代が節約できることがわかりました。しかし、暑い夏場に設定温度を『弱』にしてしまうと、中に入っている食材が傷んでしまうのでは…と不安になる方も多いでしょう。
実際、夏場に冷蔵庫の設定温度を『弱』に切り替えても、すぐに食材が傷んでしまう可能性は低いと考えられます。ただし、元々冷蔵庫の中でも温度が高めの野菜室などは、野菜が傷みやすくなる恐れがあるため、扉の開閉回数や時間を減らすことを意識した方が良さそうです。
また、すでに購入から7年以上が経過している冷蔵庫の場合、送り込まれる冷気の威力が弱まっている可能性があります。
その場合、『弱』に設定してしまうと冷蔵庫の中が冷えなくなる恐れがあるので、まずは『強』から『中』に切り替え、その後1〜3日ほど『弱』で様子を見るなど、段階的に設定温度を切り替えることをおすすめします。
また、冷蔵庫の設定温度を『弱』にした場合、熱い料理をそのまま冷蔵庫に入れて冷ますことは避けてください。送り込まれている冷気の威力が弱いため、他の食材が冷えずに傷んでしまうリスクが高まります。
節電を意識するなら冷蔵庫の設定を『弱』に!使い方にも注意を
いかがでしたか。電気代が高騰することが不安視されている中、冷蔵庫の設定温度を『強』から『中』、あるいは『弱』に切り替えるだけで、大幅な節約効果が見込めます。ぜひご家庭の冷蔵庫の設定温度をチェックし、『強』になっている場合は切り替えてみましょう。