料理酒の代用品12選!料理に使う役割と代用する際の注意点

お酒ズラリ

みなさんは、どんな「料理酒」を使っているでしょうか? もしかすると、あまり使っていない方もいるかもしれません。今回はみなさんに、「料理酒」の代用品を紹介していきたいと思います!「料理酒」にはあまり関心がなくとも、身近にある代用品を利用することで、これまでとは一味も二味も違う料理を楽しむことができるはずです。特に「肉じゃが」などの代表的な日本料理では、「料理酒」を使ったほうがより美味しく作れるので、ぜひともこの記事を参考にして役立ててみてくださいね。

料理酒の代用品8選!

日本酒

①日本酒

まず1つ目ひとつめの料理酒の代用品は、やはり「日本酒」が挙げられるでしょう。

もともと「料理酒」は、日本酒に塩分が添加されたものです。飲めないくらいに塩分を添加することで、酒税がかからないようにしています。つまり、塩分はあくまで「お酒」ではなく「食品」として販売するための措置というわけです。

なので「日本酒」は「料理酒」の代用品としては、もっともふさわしいと言えるでしょう。「日本酒」は食材独特の臭みをとったり、料理の仕上がりを早めてくれるので、大変重宝します。ぜひ利用してください。

ちなみに日本酒の中でも、料理酒の代用におすすめなのが純米酒です。コク・うまみがあるので、醸造酒よりも料理に向いています。

②本みりん

みりんもまた、料理酒の代用品としてよく知られています。料理酒と同じように、うまみを出す、食材の臭いを消すという役割を果たしてくれます。

しかし注意が必要です。「みりん風調味料」にはアルコールが含まれていませんので、「日本酒」のように料理や食材の臭みを消したりすることができません。臭みを消すために料理酒を使う予定であれば、アルコールが含まれる「本みりん」を選びましょう。

またみりんは糖分が多いので、料理酒と同じ感覚で使うと料理の味が変わってしまいます。入れすぎて焦げることもあるので、代用するときは使う量に気をつけてください。

③ワイン

ワイン

ワインもまた、料理酒の代名詞です。「白ワイン」や「赤ワイン」は、西洋料理で大活躍しますよね。「白ワイン」はたとえば魚料理などでよく用いられます。一方の「赤ワイン」は肉料理で活躍します。

このように、西洋料理では常連のワインですが、じつは「和食の料理酒」としての代用を考えるときは注意が必要です。ワインは白・赤問わず「酸味」と「渋み」のあるお酒です。日本酒はコックリ甘味が強みのお酒。

その点で考えると、ワインは和食と相性が悪いケースが多いのです。自分がこれから作る和食料理と代用料理酒としてのワインが、どれほど相性が合うかを事前に見定める必要がありますね。

④焼酎

「焼酎」は、一見すると料理酒の代用品にふさわしいイメージを持っている人もいますが、じつはそこまで向いていません。基本的に「焼酎」は、非常にクセの強い蒸留酒です。とくに芋焼酎は、焼酎の中でも最も料理酒の代用に向きません。

そもそも焼酎には糖質が入っていないので、うまみを付ける、コクを出すという働きをしないのです。これを料理に使ってしまうと、かえって「焼酎」の風味が主張しすぎて、料理そのものの風味をおかしくしてしまうこともあります。

ただし、アルコール成分で臭みを消すことは可能です。魚の臭み消しや、肉をやわらかくするのであれば焼酎でも問題なく使えるでしょう。その際には、米焼酎や麦焼酎がクセが少なくておすすめです。

⑤ビール

すでに知っている方もいるかもしれませんが、「ビール」は意外に料理と相性がいいお酒です。とくに「肉料理」と相性は抜群。「手羽先のビール煮」や「豚の角煮のビール煮」などがその代表例ですね。

料理酒の代用として「ビール」を使うと、お肉がやわらかくなって深いコクがでるのです。食材独特の風味を打ち消す作用もあるので、臭みのある肉料理などで重宝します。

ただし風味が強く後味が残りやすいので、薄味の料理や繊細な料理にはあまりおすすめしません。レシピさえ考慮すれば、料理酒の代用として使えるでしょう。

⑥果実酒

ホワイトリカー

みなさんも大好き「果実酒」。はたしてこれは、料理酒の代用として使えるのでしょうか? 結論を言うと、かなりキビシイです。なにしろ甘味も風味も主張が激しいですからね。

これを料理酒の代用品として使うのは、やや無理があるでしょう。しかし、果実酒に火をかけてアルコール分を飛ばし、他の調味料と混ぜ合わせて「ソース」を作ることは可能です。

⑦ウイスキー

ウイスキーは、香り付けやうまみを出すために料理酒の代用にしたり、臭みを消すことができます。ウイスキーの香りは、特に洋食と好相性です。ステーキやビーフシチューなど、味の濃い料理やフランベには打ってつけといえるでしょう。

ただしウイスキーは風味が非常に強いので、和食や薄味の料理には向きません。例えばチキンをあっさり蒸すレシピでも、ウイスキーの味がしっかりと残ってしまいます。レシピにさえ合えば、料理酒の代用として問題なく使えるでしょう。

⑧梅酒

梅酒の飲み頃

梅酒も料理酒の代用として使えますが、かなり甘さが強いため調整が必要です。砂糖を減らすなど、他の調味料でバランスを取りましょう。

梅酒の甘みを利用して、魚の煮物や照り焼きソースの代用にするのがおすすめです。こっくりと深い味わいになります。そのほかには、肉じゃがの料理酒・みりんを梅酒に代えるとジューシーな仕上がりになります。隠し味としてあえて梅酒を選ぶのもいいでしょう。

料理酒の役割

肉じゃが

ここでもう一度「料理酒」の基礎知識を確認しましょう。「料理酒」には、さまざまな役割があります。

食材の臭みを消す

食材によっては、独特の臭みを持ったものがありますよね。生魚や肉がその典型です。これをそのまま調理すると、料理全体がそれら食材の臭みを伴ってしまい、味も風味も台無しになってしまう恐れがあります。

そんなときに、料理酒が活躍するわけです。アルコールが揮発するときに、食材に含まれる揮発性の高い成分も一緒に取り払ってくれます。つまり、料理酒のアルコール分が臭みを打ち消してくれる働きをしてくれるのです。

コクをうみだす

お酒には「うまみ成分」がもともと含まれています。西洋料理のワイン、日本料理の日本酒、中華料理の紹興酒は、それら料理の良さを存分に引き出しつつ「うまみ」を演出する大切な役割があるのです。

料理酒を使う場合は、十分に火をかけてうまみと香りだけを残すように注意してください。中途半端な火力で調理すると、味がヘンになってしまいます。アルコール濃度は10%~15%。それを80℃ほどの熱で数分火にかけましょう。

食材をやわらかくして味のしみ込みを促進する

とくに「肉料理」は、料理酒なくして語れません。料理酒は、お肉などの食材をやわらかくしてくれます。ではなぜ料理酒は、食材(特に肉)をやわらかくしてくれるのでしょう?

じつはアルコールには、肉の筋繊維に入り込んでほぐす効果があるのです。だから料理酒が肉をやわらかくしてくれるわけですね。

また料理酒は、味のしみ込みをよくする働きもあります。そもそもアルコールは水と比べて、食材に浸透しやすいのです。このときに糖分や塩分もまとめてしみ込ませるので、味付けが無駄なく行われるというわけです。

煮崩れを防ぐ

あまり知られていませんが、料理酒には煮崩れを防ぐ役割もあります。これは、「ペクチン」と呼ばれる食物繊維が溶けだすのを、アルコールが阻止するためです。

例えばいも類は煮崩れしやすいですが、その理由はペクチンが加熱により溶けてしまうからです。ペクチンは細胞と細胞のつなぎ目となっているのですが、これが溶けることでいも類が崩れてしまうのです。

このように料理酒にはペクチンの溶出を防止する効果があるため、野菜やいも類を煮込むときにも使うことがあります。

照りを付ける

照りを付けるためにみりんや砂糖を使いますが、実は料理酒にも照り付けの効果があります。これは、アルコールと糖分が食材に薄いコーティングを張るためです。また糖分とアミノ酸により、焼き色をキレイにする役割も担っています。

料理の味だけでなく見栄えをよくするためにも、料理酒が使われているのです。

料理の保存性を良くする

料理酒を使った料理は、日持ちが良くなります。アルコール成分が腐敗を遅らせてくれるからです。たくさん作って何日も楽しむような料理(たとえば煮物など)は、積極的に料理酒を使うようにしましょう。

また料理酒は酸性で、殺菌効果があることも知られています。料理酒には水素イオンが含まれているのですが、この水素イオンが細菌を死滅させるのです。食材の殺菌のためにアルコールを使用するわけなので、海外でもワインや紹興酒など、その土地になじみのあるお酒が使われています。

料理酒のアルコール以外の代用品4選!

①蜂蜜で旨みを出す

はちみつ

蜂蜜は、じつは料理酒の代用品として応用の効く万能食材です。というのも、蜂蜜を入れるとうまみやコクがぐっと増します。これは、料理酒に含まれる糖分やうまみ成分と同じ働きです。つまり、コクを付けるために料理酒を使う予定だったなら、蜂蜜で十分代用できるというわけです。

ただし蜂蜜は、知っての通り非常に甘いお味となっています。お酒と同じ分量で入れると味が変わってしまうので、代用する場合は少量で済ませましょう。

ちなみに蜂蜜は、砂糖やみりんの代用としても使えます。

②出汁を使って旨みを出す

煮込み中の昆布

料理のうまみを出すのは、料理酒や蜂蜜だけではありません。料理の出汁もまた、ときには料理酒の代用として活躍できます。昆布や鰹の出汁は食材のうまみを引き出すので、料理酒と同じように味を整えることができるのです。

出汁はなんといっても、「うまみ成分」のカタマリみたいなものですからね。そのまま捨てるのはじつにもったいない。ぜひとも「うまみ」を引き立たせる演出として出汁を積極的に使っていきましょう。

少し物足りないと感じたら、出汁の量を多くしてみて下さい。

③玉ねぎのすりおろしで肉を軟らかくする

料理酒は、肉料理の下処理に使うこともありますね。肉をやわらかくするという意味では、「玉ねぎ」もまたいい活躍をしてくれます。玉ねぎにはタンパク質を分解する働きがあるので、お肉をやわらかくできるというわけです。

玉ねぎをたっぷりすりおろし、料理酒の代わりに肉につけこみましょう。30分程度置くと、うまい具合にやわらかくなりますのでオススメです。また玉ねぎは栄養価も高いので、料理酒の代用として積極的に使ってくださいね。

④ヨーグルトで肉を軟らかくする

ヨーグルトと木製スプーン

肉をやわらかくするなら、ヨーグルトもオススメです。例えば唐揚げの下味として使う料理酒がなかったら、ヨーグルトで代用することができますよ。ヨーグルトを一時間ほど肉につけると、ジューシーでやわらかい肉になります。

これは、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が肉の繊維をほぐすためです。ですので牛乳を料理酒の代用にしてもかまいません。またヨーグルトにはアルコールは含まれませんが、吸臭作用があるので臭み消し効果も期待できます。

⑤ニンニクや生姜で臭みを消す

白背景にニンニク

臭み消しの名人といえば「ニンニク」や「生姜」ですよね。単純に食材の臭みを消したいだけなら、料理酒を使わなくとも「ニンニク」や「生姜」で十分です。そもそもこれらの食材自体が料理のアクセントとして有能です。

ニンニクや生姜は、わざわざすりおろす必要はありません。チューブタイプのもので手軽に代用しても、臭み消し効果を発揮してくれます。

料理酒の代用品の注意点

赤ワイン

塩分量に注意する

料理酒はもともと、3%程度の塩分が入っています。ですので、料理酒ではないもので代用するときは、塩分量を調整する必要があります。例えば料理酒より塩分量が少ない日本酒を代用とするときは、塩分を足さなければなりません。

アルコール度数に注意する

料理酒の代用品を使うときは、アルコール度数にも気を付けましょう。例えば焼酎のアルコール度数は20~25%なので、度数13%程度の料理酒よりもかなり高いです。料理の際にはしっかりとアルコール分を飛ばして、余分な味や香りが残らないようにしましょう。

何のために使うのかを意識する

料理酒の代用品をピックアップしましたが、料理によって合う合わないがあります。料理酒がないと気が付いたら、まずは何のために料理酒を使うのかを整理しましょう。目的に合わせて代用品を選ぶと失敗しません。

例えば臭み消しをしたいのなら焼酎やビール、コクを出したいなら日本酒やワインなどが適しています。

最後に

豚の角煮

さてみなさん、いかがでしょうか。料理酒の代用品って、なかなか奥が深いんですよね。もしも、「じつはこれまで料理酒を使ってこなかった」というのであれば、今度からは積極的に料理酒を取り入れて料理してみてください。

コクや風味、料理の仕上がりに明らかな違いがみられるはずですよ。料理は一味も二味も変わるので、モチベーションも上がるはずです。料理酒を使ったレシピを覚えると、幅が広がりますよ。

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