目次
餞別の意味とその相場
餞別は、職場を離れる上司や同僚に渡すお別れのしるしです。このような餞別には、相手との別れを惜しむ気持ちや今後の無事を祈る気持ちが込められています。「はなむけ」とも呼ばれることがあるように、餞別は贈る側の心の現れでもあります。
餞別には現金を贈ることが多いですが、花束や記念になる品物、寄せ書きなどを贈るケースもあります。餞別の相場は、相手との付き合いの深さや状況によってさまざまです。職場によっても餞別の相場は変わってきますので、その都度確認をして金額を考える必要があるでしょう。
職場で贈る場合は、部署のメンバーがお金を出し合って餞別を用意するのが一般的です。この場合の相場は、1人1千円から5千円前後と言われています。個人で贈るときには、だいたい3千円から5千円前後が相場です。
餞別の金額相場・退職の場合
上司
上役などが定年退職するときに、部下が個人で餞別を贈るのは失礼なことと考えられています。このような場合は、職場の人と一緒に部署名で餞別を贈るのがマナーです。ちなみに、定年退職をする人に贈る餞別の相場は、1人当たり1千円から5千円前後。
どのくらいの金額をだすかは、立場によっても変わってきます。例えば、管理職などについている人は5千円前後の少し多い金額をだすことが多いです。新入社員やアルバイトのスタッフなどは、1千円から3千円前後が相場です。
同僚
退職する同僚に餞別を用意するときにも、基本的には部署全体で贈る形をとります。ただ、同僚の場合は個人で餞別を贈ってもとくに失礼になるということはありません。部署でお金を取りまとめて贈るときの相場は、1人1千円から5千円ほど。同僚の場合も、やはり自身の立場や相手との付き合いの深さで適した金額が異なります。
個人で贈る場合は、3千円から5千円前後が相場と言われています。ただ、同僚にこのような餞別を贈る場合、相手が退職後に直面する苦難を気遣っているという説もあります。相手の気分を害さないよう、転職のときなどは送別会を餞別代わりに行うケースも少なくありません。
部下
部下が退職する場合も、贈り方や金額は同僚のときとほぼ同じです。職場の慣例などにしたがって、1人当たり1千円から5千円前後の金額を出し合います。部下の退職のときにも、あえて金品は贈らず、花束や送別会をはなむけにすることが多いです。
餞別の金額相場・転勤や異動の場合
もし転勤や異動となった場合はどうすればいいか、会社の人や家族に分けてご紹介します。
上司
上司が転勤や異動をする際にも、退職のときと同じく、部署でお金を取りまとめて餞別を用意します。1人当たりの相場は、1千円から3千円前後です。転勤や異動のときには、定年退職の場合よりもやや贈る金額が少なくなることが多いようです。
同僚
転勤や異動する同僚に渡す餞別も、1人当たりの相場は1千円から3千円前後。個人で贈るときには、3千円から5千円程度の金額で餞別を整えます。
友人
友人が転勤、異動するときは、個人で餞別を贈るケースが多いです。個人の場合は、3千円から5千円が相場です。ほかの友人と一緒に餞別を用意する場合は、1人当たり1千円から3千円前後が相場と言えるでしょう。
親
転勤や異動をする親に餞別を贈る場合は、自分1人で、もしくは兄弟姉妹とお金を出し合って用意するのが一般的です。このようなときには、現金にかぎらず花束や思い出になるような品物を贈るケースも多く、相場の金額も明確に決まっていません。1人で贈るときには、だいたい3千円から5千円前後で餞別を用意する人が多いです。
その他の身内
兄弟姉妹や親戚の転勤、異動の餞別の相場も、ケースバイケースです。弟や妹、甥や姪など、自分より年下の身内に贈る場合は、やや多めの金額をだすのが一般的と言えます。1人で贈るか、ほかの身内と割り勘にするかも状況次第です。
餞別の金額相場・旅行の場合
餞別は、新婚旅行や海外旅行に行く相手に贈る場合もあります。旅行の餞別は、旅先での無事を祈る気持ちだけでなく、旅費やお土産の費用に充ててほしいという気持ちも込められています。そのため、子供や兄弟姉妹などの身内に贈るときには、品物ではなく現金を贈る人も少なくありません。
兄弟姉妹であれば、5千円から1万円前後が相場。立場によっては、3万円以上の金額を贈るケースも見られます。旅行に行く同僚などに餞別を渡すときには、職場単位で用意することが多いです。ちなみに、1人当たりの金額の相場は1千円から5千円ほど。
余り多い金額を包んでしまうと相手を恐縮させてしまう可能性があるため、部下の場合は2千円から3千円前後の金額にする人もいます。現金の代わりに、旅行で使うアイテムなどをプレゼントするケースもあります。
その他の餞別の金額相場
海外赴任の人に贈る餞別は、職場であれば1人当たり1千円から5千円前後が相場です。個人で贈るときには、5千円から1万円前後の金額を用意することもあります。
友人や知人の海外赴任の場合は、相手との付き合いや関係によって金額を決めます。この場合も個人で贈るときは、5千円から1万円前後が相場と言えるでしょう。
海外出張の餞別も、相場は海外赴任の場合とほぼ同じです。ただ、数日程度の短い海外出張などは、とくに餞別を贈らないケースも増えています。
また、長期間の海外留学の場合も餞別を贈ることがあります。同僚などが留学するときの餞別の相場は、1人当たり1千円から3千円前後。個人で贈るときには、3千円から5千円ほどです。
餞別のマナーとのし袋
餞別の用意や渡し方
餞別は、状況によって何を贈ればよいかが変わります。中途退職や留学など、これからお金がかかりそうな場合は現金を贈ることが多いですが、定年退職や栄転、転職などの際には、花束や記念品を用意するケースも多々あります。品物には、贈り主の名前や簡単なメッセージなどを入れることもあります。
職場の場合、お別れの挨拶の後や送別会のときなどに餞別を渡すケースが多いようです。品物を贈るときは、その場にいる人の前で披露をし、本人に渡すのがマナーです。友人や知人、身内に個人で餞別を贈る場合は、出発前の都合のよいタイミングを選んで渡します。
お返しのマナー
餞別には、お返しが必要ないと言われています。少し時間を置いてから、はがきや手紙などでお礼と近況報告をすればとくに問題はありません。海外赴任や旅行、留学などの場合は、現地からはがきを送ったり名産品を贈ったりするのも1つのお礼になります。職場を離れたときには、折を見て差し入れをするのもよい方法です。
のし袋の選び方や表書きの書き方
餞別を入れるのし袋は、紅白の水引がついたものを選びます。餞別のようにお祝いの気持ちを込める場合は、蝶結びの水引を選ぶのがマナー。表書きの上段には「御餞別」と書くのが一般的ですが、上司などの目上の人に贈る場合は「御礼」や「おはなむけ」と記入します。水引の下には、贈り主の名前を書き入れます。4名以上で贈るときには、個人名を書かずに「営業部一同」のようにまとめて記入しましょう。
餞別の相場やマナーを知っていればいざという時にも安心
餞別は、いつ必要になるかわかりません。身内や友人といった職場の人以外に渡すケースもあるため、のし袋の選び方や表書きの書き方などの基本的なマナーは、日頃からチェックしておいたほうがよいでしょう。餞別の品や相場の金額は必ずしも一様ではありませんので、ご紹介した基本的なスタイルを参考にして、臨機応変に対応していきましょう。