目次
フローリングの傷を自分で補修する方法
フローリングの傷は傷の状態によってその方法は変わるので傷の状態を確認してから補修しましょう。
傷の状態によって違うフローリングの補修方法
浅い傷の補修方法
フローリングの傷が比較的浅いなら、補修は簡単に済ませることができます。椅子やキャスターを引いた跡やペットの爪痕などが、これに当たります。
この手の傷はクレヨン型やペン型の補修剤がオススメです。かなり安価に入手できます。今どきは100均でも販売されているので、すぐに対処可能です。修復したいフローリングの色と近い補修剤を選びましょう。
ちょうどいい色が無さそうなら、配色して工夫しましょう。クレヨン型の補修剤の使い方はシンプル。傷ついたフローリング表面を塗りつぶすようにしてください。クレヨンを動かす方向は傷に対して直角にして、たっぷり目に塗ってあげましょう。色が目立たなくなったら、軽く雑巾などでふき取って完了です。
このクレヨン型の補修剤は何かと活躍する機会があるので、大切に保管しておきましょう。
ペン型の補修剤の場合は、ペン先を傷に当てて、フローリングの木目を“新しく描く” つもりでなぞってください。雑巾などで、周りの木目となじませながら傷に色が着いて分からなくなるまで繰り返します。最後にハンドクリームを塗っておくとツヤが出ますよ。
ワックスの傷の補修方法
フローリングに浅い傷が付いているように見えて、ワックス部分だけが傷ついていることもあります。そのような場合にはカラーワックスを使うと、傷が目立たなくなります。補修用のフローリングワックスが市販されているので、そちらを使いましょう。通常のワックスと違って色が付いているので、ご自宅のフローリングに近い色を選んでくださいね。
まずはスポンジにカラーワックスを付け、力を入れずに塗り込みましょう。木目に沿って手を動かすと、キレイに仕上がります。1度塗りで傷が隠れなければ、何度か重ねて塗っても構いません。最後に傷周辺を含めた全体にカラーワックスを塗ってなじませたら完成です。
ちなみに合板フローリングではなく天然木の場合、通常通りワックスがけするだけでかなり傷が目立ちにくくなります。天然木はさまざまな素材を層で重ねている合板と違い、どこまで削れてもすべて「木」です。そのためたとえ傷が付いたとしても、傷に見えにくいという特徴があるのです。
深い傷の補修方法
フローリングの深い傷は、さすがにクレヨン型の補修剤ではどうすることもできません。こうした傷は、他の補修剤で対応しましょう。
深い傷を修復する場合は、たいてい「埋め込み」タイプのものが多いです。パテと呼ばれる柔らかい素材を傷に塗り込み、埋めていきます。もちろんこの手の補修剤を使用する時も、フローリングの色と近いものを選びましょう。パテを使った床補修専用キットであれば、初心者でも簡単に作業できます。
まずはささくれている部分をカッターで切り取り、傷部分に温かくしたパテを埋め込みます。ヘラを使ってはみ出たパテを取り除いたら、木目を描いて完成です。ささくれを切り取った後に傷周辺をマスキングテープで囲んでおくと、パテがキレイに入りますよ。
へこみやくぼみ
重たいものを落としたりぶつけたりして、フローリングに出来てしまったへこみやくぼみ。一見すると、自分では修復が難しいように思われるかもしれません。
しかしまだ諦めるには早すぎます。こうした厄介な傷も、自分で直すことができる可能性があります。フローリングが木材を使用しているなら、かなり改善できます。
ポイントは、木材の性質の利用です。まず、スチームアイロンを用意しましょう。そして、アイロンから放出されるスチームをフローリングのへこみやくぼみに当てます。しばらく経つと、フローリングが水分を吸い込むことによって膨張します。
すると、以前よりもかなり状態が改善していることに気づくはずです。完全には直せないかもしれませんが、へこみやくぼみが少しでも目立たなくなるならチャレンジする価値は十分あるでしょう。
身近なもので補修する方法
ドライヤーと画鋲で補修する方法
賃貸でよく見られるのが、クッションフローリングです。かなり意外に思われるかもしれませんが、「ドライヤー」と「画鋲」はフローリング修理を行う上で役立つアイテム。先ほど紹介した「スチーム」でへこみやくぼみを直す方法の際に利用します。
まず、アイロンのスチームを傷に当てる前に、画鋲で穴を開けましょう。なぜそんなことをするのかというと、フローリングに水分が浸透しやすくするためです。ちょっととまどうかもしれませんが、画鋲程度の小さな穴なら、そこまで気になりません。
へこみやくぼみを改善すると思って、腹を括りましょう。穴をいくつか開けたら、後は上述したようにアイロンのスチームを傷部分に当てましょう。膨張度がより大きくなります。
アイロンで補修する方法
アイロンのスチームでもへこみやくぼみが改善されない場合は、アイロンを直接フローリングに当ててみましょう。まず、水で湿らせたタオルをフローリングの傷部分に被せます。
そしてその上からアイロンを慎重に当てます。3~5秒ほど当てて一旦離すのがコツです。これを3~4回ほど繰り返します。
濡れタオルで補修する方法
天然木の場合は、濡れタオルで簡単に傷を補修できる場合があります。濡らしたタオルやハンカチを傷の上に乗せて、3時間ほど放置するだけです。天然木は水分を含むと膨らむので、それによって傷が目立たなくなるという仕組みです。
タオルを置いている間は周辺が滑りやすくなっている可能性があるので、家族がうっかり滑らないように注意してくださいね。
瞬間接着剤で補修する方法
天然木のフローリングがへこんだときは、瞬間接着剤を使って補修できます。まずはへこみの中のゴミやホコリをキレイに出して、瞬間接着剤を流し込みましょう。
接着剤が固まるまでの間に傷周辺をサンドペーパーで削り、木くずを作ります。この木くずをへこみ部分に入れて、傷を埋めてしまうというわけです。
仕上げに全体をサンドペーパーで慣らしてフラットにすれば、簡単にへこみが直せます。
ハンドクリームで補修する方法
これまた意外な身近なグッズ「ハンドクリーム」。これもまた、フローリングの傷修復(傷消し)に役立ちます。ただしハンドクリームを使う場合は、浅い傷に限ります。フローリングに出来てしまった浅い傷に、ハンドクリームをすり込みましょう。結構目立たなくなります。
サンドペーパーで補修する方法
フローリングの傷は、削って目立たなくするという方法もあります。まずは粗目のサンドペーパーで傷を削り、それよりも細かめなサンドペーパーで仕上げ磨きをしてワックスをかけます。傷がまるごとなくなるわけなので、浅い傷であれば最もカバー力に期待できるかもしれません。
ただし当然のことながら削り過ぎると傷部分だけへこんでしまうので、全体を見ながら作業するようにしましょう。またサンドペーパーの粗さは、床材によって使い分けるのがおすすめです。
補修テープで補修する方法
フローリングの傷が広範囲にわたる場合、木目調の補修テープを貼って隠すというのもおすすめです。テープを貼るだけなので簡単ですし、それ以上傷つくのを防ぐこともできます。
市販されている補修テープの木目とご自宅のフローリングの柄が合っている必要がありますが、それさえクリアすれば非常に簡単に、且つキレイに補修できるでしょう。
フローリングの傷を防止する便利グッズ
チェアマット ずれない フローリング 保護マット
フローリングの傷防止と吸音を兼ねたフロアマットです。机のイスの下に敷いたり、家具を置いたりして傷を防ぎます。
物の落下のような突然の事故の他にも、イスの移動や家具の重みで徐々に傷やへこみが出来てしまう場合があります。部屋の中でもよく作業を行う場所や、生活動線となる場所には、あらかじめこのようなフロアマットを敷いておくのがおすすめです。
Tenn Well 家具保護パッド
好みの形に切って家具の足に張り付けることのできる便利なフェルトパッド。洋服箪笥やピアノの底面に貼ってもいいですし、もちろんテーブルや四つ足のイスにも応用できます。
使い勝手抜群でしかも安価。フローリングではなく家具そのものに貼って対策できる保護パッドは、かなり重宝します。
おくだけ消臭吸着カーペット 洗えるタイルマット
ペットを飼っている方にとっても、フローリングの傷は悩ましい問題のひとつですよね。ワンちゃんやネコちゃんの爪が傷の原因になるからです。そんな方にはペット専用のカーペットが必須です。
また、小さな子供のいる家庭でも重宝します。おもちゃによるフローリングの傷を予防できるので、子供の遊びスペースに使ってみてください。
賃貸物件のフローリングの傷の対処
アパートやマンションなどの賃貸物件に住んでいる場合、フローリングの傷補修はたとえ自分で修復しても退去時の費用が発生しない(あるいは抑えられる)とは限りません。査定は厳密に行われるので、素人仕込みのフローリング補修はすぐに見破られます。
一般的にはフローリングの全体的な傷は「経年劣化」、一部分のみ大きな傷が付いているという場合は「故意な傷」とみなされることが多いようです。ただし、その判断は管理会社により差があることもあり、経年劣化と思っていても補修費用を請求される場合もあります。
その点に関しては、正直なところ、諦めるしかないでしょう。どんなに注意して生活していても、傷が出来るときは出来てしまいます。フローリングの傷が出来ないようにするには、やはりマットや絨毯を敷くなりして事前対策を徹底することが肝心です。
フローリングの補修を業者に依頼した場合の相場
何らかの事情により、自分ではとてもフォローしきれないような深刻な傷がフローリングに出来てしまった時は、業者に依頼した方がいいでしょう。深刻な傷は、放置するとさらに酷くなる可能性がありますので、なるべく早めに対処することを推奨します。
では、業者にフローリング修理を依頼すると、どれだけの費用がかかるのでしょうか? 費用はフローリング修理の面積や補修内容(どんな修理を施したか)によってピンキリですが、平均相場的には、最低価格で3千円から始まり、最多価格で2万円~5万円と考えるのが妥当です。
ちなみにフローリングの傷があまりにひどい場合、張り替えを行うのもひとつの手です。費用を抑えたいのであれば重ね張りといって、現在のフローリングの上に新しいフローリングを重ねて張るという方法もあります。
ただし、業者によるフローリング修理の相場はあくまで目安です。実際に業者に依頼する際は、複数に見積もりを出して費用を比べて判断することをオススメします。
最後に
どんなに注意をしていても生活をしている限りはフローリングに何らかの傷がついてしまうものです。しかし、専門業者に補修依頼をしなくても、自分でフローリングの傷を目立たなくさせることはある程度可能です。
浅い傷と深い傷では補修方法が異なりますし、天然木か合板かでもおすすめの補修が異なるので、ご自宅のフローリングに合った補修を行うことが大切です。
いずれにしても傷補修は決して力仕事ではないので女性一人でも簡単にできます。「傷が目立ってかっこ悪いな」と思ったら、ぜひ自分での修理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。