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ミントの種類で使い方も異なる
近年様々な用途で注目が集まっているハーブ。その中でも、特に皆さんが目にすることが多いのはミントだと思います。ミントは季節に関係なく出回っており、料理やハーブティー、カクテルなどに用いられています。
そんなミントですが、その種類は3000種以上あると言われています。ここでは、ミントの中でも見かけることの多い代表的な品種について説明していきます。
主要なミントは「ペパーミント」と「スペアミント」
ミントはハッカ属の植物になります。その特徴として、自然交雑が起こりやすい植物なので、厳密に区分することは難しいと言われるほど多くの種類が存在しています。
しかし、特性から考えた際、日常的に使われている可能性の高いミントは「ペパーミント系」と「スペアミント系」に大別されます。
実際に、スーパーなどで購入することができるミントの大半は、ペパーミントかスペアミントであり、この2種類のことを把握していれば料理やドリンク、その他の用途で使う際にも応用できます。
ペパーミント
ペパーミントは、メントールという成分を多く含んでおり、これが独特な香りの要因になります。歯磨き粉やガムなどに使われていることが多く、メントールが含まれたガムを噛んだり、歯磨き粉で歯を磨いたりといった経験がある方は多いと思います。
また、医療品にも用いられることやストレス解消に見込みがあること、殺菌・防虫効果に優れていることから、飲食以外の生活用品など分野にも利用されています。特にメントールは非常に強い清涼感がある成分なので、冷たさやスーッとした刺激を感じることができます。
スペアミントと比べると強い刺激があり、味や香りも独特なので人によっては好き嫌いが分かれるミントです。
スペアミント
スペアミントは、ミントと呼ばれるハーブの中で最も古い歴史を持つと考えられています。また、スペアミントの葉が槍(スピア/スペア)のように見えることから、この名前がつけられました。主要成分にカルボンやリモネンといった成分が含まれており、柑橘系のような爽やかな香りや甘い香りを放つのが特徴です。
ペパーミントと比べると刺激が少なく、穏やかな香りなので料理やお菓子、ドリンクなどに使用されることが多いです。
ニホンハッカ
上記でペパーミントとスペアミントを主要なミントの品種として紹介しましたが、ニホンハッカもそれらに並ぶぐらい有名なものになります。
ニホンハッカは海外でワシュハッカとも呼ばれ、大正時代から日本が独自に改良を重ねてきた品種になります。別名クールミントとも呼ばれ、ペパーミントを超えるメントールを含み、強い爽快感が特徴です。
その他のミント
一般的に皆さんが目にするミントは、ペパーミントとスペアミントですが、最近ではハーブのブームなどに伴い、珍しい種類の流通が増えてきました。なので様々な種類のミントが販売・栽培されるようになってきています。
例えば、アップルミントと呼ばれる種類のミントは、ペパーミントやスペアミントに次いで見られる機会が増えてきています。アップルミントが人気になった理由は、その香りにあります。
青りんごのような爽やかな香気成分が含まれているので、フルーティーな香りがします。スペアミントよりも全体的に優しい風味なので、サラダやハーブティーに使われることがあります。
他にも、紅茶のアールグレイの香り付けに使われるベルガモットミントや、可愛らしい花を咲かせることで家庭菜園にも人気が高いペニーロイヤル、ペパーミントの元となったウォーターミントなど様々な種類のミントがあります。
ミントの使い方!効果的に使い分けよう
ミントの葉は爽快感や清涼感を与えるため、ハーブとして料理やカクテル、お菓子などの材料に用いられることが多くあります。しかし、飲食物以外にもその成分を利用して、様々なものに活用されています。ここではミントの使い方を5通り紹介していきましょう。
1.料理に使う
イタリアンやフレンチのレストランに行った際に味わったことがあるかもしませんが、ミントはサラダやマリネだけでなく、ソースにも使われています。清涼感が高いペパーミントは、香り付けに使われる程度のことが一般的です。
料理に使うミントとしては、スペアミントやフルーツ系のものを使うと相性が良いでしょう。また、ミントは生の葉で使うと香りが強く出てしまうので、おかずをメインにしたい場合は、フルーツ系ミントの方がバランスは取りやすいでしょう。
料理でのミントの使い方
ペパーミント | ガムやお菓子、料理の香り付け |
スペアミント | 砂糖を使ったお菓子、肉料理、野菜料理 |
フルーツ系ミント | サラダ、肉料理、魚料理、ビネガー、ソース |
このほかにもほのかに生姜の香りが漂うジンジャーミントと呼ばれるミントがあります。食材の風味を損なわない香りなので料理にとの相性も抜群です。
2.ドリンクに使う
ミントをドリンクに使うと、爽やかさや清涼感が楽しめるだけでなく、リフレッシュ効果や健胃作用も期待できます。さらにミントはハーブティーにしたり、モヒートにしたりとその香りを活かしたドリンクレシピが数多くあります。以下がハーブを使った主なドリンクです。ぜひ一度ご自宅で試してみてください。
ミントの種類別のおすすめドリンク
ペパーミント | ミントウォーター |
スペアミント | モヒート、フレッシュハーブティー |
フルーツ系ミント | ハーブティー |
3.虫除けに使う
ミントに含まれているメントールは虫の嫌がる成分が含まれているため、忌避効果が期待できます。中でもミントを虫除けに使う場合、メントールが多く含まれているペパーミントがおすすめです。ただ鉢植えを置くよりも、手作りのミントスプレーなどを使うと、高い効果が得られると言われています。
4.消臭に使う
庭で育てているミントを収穫し、その葉を煮出して作ったものをスプレーするだけで虫除けだけでなく消臭効果もあります。ミントの種類としては、ペパーミントやスペアミントがおすすめです。
5.入浴剤に使うミント
ミントを入浴剤として使用することによって、様々な効果が期待できます。
- 疲労回復
- 血行促進
- リラックス効果
- 保温効果
上記以外にも多くの効能があります。使用するミントは香りがメインになるのでペパーミントかスペアミントがおすすめです。入浴剤に使うミントは、フレッシュミントでも乾燥させたものどちらでも良いです。
ミントを育てる方法とコツ
ミントは繁殖力が強く、家庭菜園をしたことがない初心者の方でも比較的簡単に育てることができます。しかし、あまりにも繁殖力が強いので庭植えはおすすめできません。スペースが区切られている鉢植えなどに入れて、育てるのがいいでしょう。
また、ミントは交雑しやすいので他の種類のミントと同じ鉢植えで育てるのはやめましょう。交雑してしまうとあまり香りがよくないミントが出来上がってしまいます。
ミントの正しい保存方法
ミントを栽培していても、収穫量が多いため使い切れなかったりしますが、実際に保存するとなったときにどうするか分からない方も多くいるでしょう。ミントの保存方法としては、以下の6つが挙げられます。
※カッコ内は保存期限
- 乾燥(6ヶ月)
- 冷蔵庫(3~4日間)
- 冷凍(6ヶ月)
- 調味料としてオイル漬け(蓋開けなければ6ヶ月、開けてから2週間)
- 氷にする(6ヶ月)
- 常温保存(水に挿して1ヶ月)
まとめ
ミントはすっきりとした香りや味が特徴的です。また、繁殖力が強いので家庭菜園を今までやったことがない方でもとても育てやすいです。皆さんもご自身で育ててみて、料理へのアレンジやオリジナルティーを楽しんでみてはいかがでしょうか。