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炊飯器をしっかり掃除しないと雑菌の温床になる
炊飯器は毎日しっかり掃除をしていますか?おいしいご飯を炊いてくれる炊飯器は、どこの家庭にもある家電製品の一つになっていますね。毎日のように使うものなので、炊飯器を簡単な掃除で済ませている方も多いのではないでしょうか。
炊飯器の掃除として、ほこりを拭き取るだけでなく、時には炊飯器の見えないところまでしっかり掃除をする必要があります。
炊飯器の汚れの原因1:お米のでんぷん質と水蒸気の影響
炊飯器が汚れる原因は、炊飯の際に発生するお米のでんぷん質と高温の水蒸気です。
炊飯中に出たでんぷん質と水蒸気が混ざってできた汚れは、乾くと通気口や内ぶたの裏側など炊飯器のあらゆる部分にべったり付いて取りづらくなってしまいます。
このでんぷん質は湿度が高いと雑菌が繁殖しやすくなり、それが嫌な臭いの原因にもなるので、その都度掃除を手掛けるように習慣つけておくのが理想です。
これらを放置すると衛生面に良くないだけでなく、炊飯器の性能が低下し故障の原因にもなりますので、汚れはしっかりと取り除く必要があるのです。
炊飯器の汚れの原因2:高温多湿
高温多湿であることも、炊飯器が汚れやすい原因です。炊飯器はその特性から、高温多湿になりやすいという面があるためです。高温多湿状態が長く続けば続くほど、雑菌の温床になりやすくなります。
とくに、夕飯の残ったご飯を翌日にそのまま持ち越している場合は注意が必要です。一晩中高温多湿が続いた炊飯器には雑菌が繁殖し、普段触らないパーツにまで影響を与えます。単に汚れるだけでなく臭いも発するので、こまめに掃除をする必要があるのです。
炊飯器の掃除方法
炊飯器を掃除するタイミングは、炊飯直後がおすすめです。ある程度湿度が残っているので汚れが浮きやすく、掃除もしやすいためです。
とはいえ炊飯直後は内釜が熱いので、手で触れるほどに冷ましてからがいいでしょう。炊飯器の掃除に取り掛かる前に用意しておくものは以下の通りです。
《必要なもの》
- 清潔な布巾かペーパータオル
- 歯ブラシや綿棒
《あれば役立つもの》
- エタノール
- 重曹
- ナイロンたわしかスポンジ
掃除の手順①:炊飯器の外側を掃除する
ホコリが舞い散らないように、硬く絞った清潔なふきんかペーパータオルで全体を拭きます。汚れがついている場合は、ふきんにエタノールをしみこませたもので軽く擦りながら拭いてみましょう。
そのほかにもセスキ水やアルカリ電解水など、アルカリ性の洗剤も使用できます。拭き終わったら、乾いたタオルで拭いて水分を取り除きましょう。
掃除の手順②:底についているファンの通気口の掃除
底裏にあるファンの通気口 にはホコリがたまりやすいので、ふきんで拭いた後、歯ブラシや綿棒を使ってホコリをかき出してください。ホコリがひどい場合は掃除機を使っても大丈夫ですが、掃除機で油は取れないので、ふきんで拭く作業は不可欠です。
掃除の手順③:蒸気キャップを掃除する
炊飯器の蓋についているのは水蒸気キャップです。これはデンプンを含んだ水蒸気が通る場所なので、汚れやすくなっています。
突起や溝が多い部分ですが、デンプン汚れは水で簡単に落ちますので、分解してひとつひとつ取り外して洗うと簡単にキレイになります。
白米を炊いた時は食器用洗剤を使う必要はありません。汚れがこびりついて固まっている場合は、ぬるま湯に付けてふやかしてから、スポンジと流水で流し、溝の汚れはハブラシを使ってしっかりと掃除します。
掃除の手順④:内釜と内ぶたの掃除をする
内釜を洗うときはフッ素加工が剥がれないように、柔らかいスポンジを使ってやさしく洗います。時短で掃除したいからといって、メラミンスポンジで洗うようなことはしてはいけません。
どうしても汚れが落ちにくいときは、ぬるま湯に浸してからスポンジで洗いましょう。底に焦げが付着している場合も、ぬるま湯を浸すと落としやすくなります。
内ぶたのパッキンの中は汚れがたまりやすいので、ゴムを軽く持ち上げながら、ブラシや綿棒を使って隙間の汚れまでていねいに掃除してください。
お米特有のネバネバがひどい時や、炊き込みご飯の時の油がついていたりする場合には、食器用洗剤を使って洗うようにしてください。
内釜、内ぶたともに、洗ったあとは綺麗な布で拭いてしっかりと乾かしましょう。
掃除の手順⑤:炊飯器の内側を掃除する
内側は水がつくと故障の原因にもなりますので、拭くときのふきんは必ず固く絞った状態のものを使ってください。特につゆ受けの部分は、でんぷんを多く含んだ水やごはん粒が入り込んでいますので、入念に掃除をしなくてはいけません。
内釜を入れるところには、温感センサーが設置されている為、その部分が汚れているとスムーズに機能しなくなる可能性がありますので、しっかりと拭くようにしてください。
また内側の底に焦げが付いてしまっている場合は、中性洗剤や重曹で掃除します。焦げの度合いが軽ければ、洗剤とふきんで優しく拭いて落とします。
それでも落とせなければ、ふきんではなくナイロンたわしやスポンジでこすり落としてみましょう。
炊飯器の掃除で臭いがとれないときの対処法
白米をたく時と違って、炊き込みご飯などを作った後の炊飯器は、臭いが残ってしまいしばらく取れないことがあります。それを防ぐためには、炊飯後はできるだけ早く炊飯器を洗うように心がけることで解決できます。
台所用中性洗剤をつけて洗う
お釜、内蓋や蒸気キャップは、取り外して台所用中性洗剤をつけてスポンジで洗います。外して洗える部品全てをていねいに洗うことで臭いが取れるのですが、それでも臭いが落ちないときには、炊飯機能を使って全体をキレイにできる方法があります。
炊飯器の機能を使って掃除する
炊飯器に水だけを入れて炊飯のスタートボタンを押し、蒸気で汚れをふやかすことで落ちやすくなります。煮沸と同じ仕組みで、炊飯器の頑固な汚れや臭いを掃除するのにオススメです。
ただし注意しなくてはいけないこととして、炊き終わったら手でさわれるくらいに冷めてから取り扱ってくださいね。
レモンを入れて掃除する
上記と同じ要領で、さらにレモンを入れる方法があります。輪切りにしたレモンをいくつか水に入れ、炊飯ボタンを押しましょう。レモンはきのこや野菜の臭いをやわらげる効果があるとされ、炊飯器の嫌な臭いが軽減される可能性があります。
重曹を入れて掃除する
レモンではなく重曹を入れるのも、炊飯器の臭いが気になるときにオススメです。弱アルカリ性の重曹が、酸性の臭いを中和してくれるためです。大さじ1程度の重曹を水に入れ、炊飯を始めましょう。終わったら洗剤でしっかり洗い、ふきんで拭いて乾かします。
炊飯器のお手入れ機能を使って掃除する
一部の炊飯器ではお手入れ機能が搭載されており、自動で掃除できるものもあります。内ぶたや蒸気口など隅々まで掃除してくれるので、臭いが取れやすいです。炊飯器にこのような機能がある場合は、試してみるといいでしょう。
鍋で煮沸消毒する
どうしても臭いが消えない場合は、ちょっと大がかりになりますが煮沸消毒も効果的です。
大きい鍋に内釜や内ぶたを入れて煮沸するのですが、臭いを取りたい場合は塩を入れて行います。濃度1%程度の塩水で煮沸することで、殺菌消毒効果を期待できるのです。15分程煮沸したらそのまま冷まし、水気を拭いて乾かしましょう。
炊飯器の臭いを消すクエン酸の使い方
クエン酸を常備しておくと、家中のありとあらゆる場所をきれいにできるのでとても便利です。では、そのクエン酸を使用して炊飯器の臭いをとる掃除をしてみましょう。
用意するもの
- クエン酸(なければレモンか重曹)
- 使わなくなった歯ブラシ
- スポンジ
- ゴム手袋
- 食器用中性洗剤
掃除の手順
- ゴム手袋をする
手が荒れやすい方は、ゴム手袋をして作業した方がよいでしょう。 - クエン酸を投入する
炊飯器の内釜に、水を7〜8分目まで入れたところに、クエン酸20gを投入します。臭いがひどい場合は、水よりも38℃前後のお湯を使うと効果がより一層期待できます。 - 炊飯をスタート
白米メニューを選択したら、炊飯ボタンを押してスタートさせます。炊飯が終わったら保温を切り、火傷をしないように炊飯器の熱を冷まします。 - パーツを掃除
内釜、内蓋、蒸気キャップを取り外し、食器用の中性洗剤をスポンジにつけて各部品を掃除します。スポンジできれいに洗えない部分は、使用済みの使わなくなった歯ブラシを使って、奥にたまった汚れをきれいに落としていきます。 - 乾燥させる
歯ブラシなどで掃除し終わった炊飯器の部品は水できれいに洗い流し、風通しの良い場所に置いて自然乾燥させてください。 - 部品を取り付ける
各部品が完全に乾いたら炊飯器に取り付けて臭い取りの掃除は完了です。クエン酸は消臭・殺菌効果に優れていますので、ご飯への臭い移りを防ぐためにも定期的に行うとよいでしょう。
クエン酸が手元にない場合は、重曹、もしくはスライスしたレモン数枚で代用できます。重曹は防臭効果があるだけでなく、茶渋などの汚れを落とす効果もあります。
炊飯器を清潔に保つための掃除の頻度
使うたびに掃除が必要な部分
炊飯器の内釜はもちろん、内側のフタとつゆ受けは使うたびに掃除をしてください。特にお米が直接触れる可能性がある場所は、清潔に保つ必要があります。
週に1度掃除が必要な部分
炊飯器の外側の拭き掃除や、蒸気キャップは最低でも週に1度は掃除をするようにします。使用するたびに全てを掃除するというのはなかなか大変なことなので、週に一回程度を目安に行うようにしましょう。
月に1度掃除が必要な部分
炊飯器の底の通気口の掃除は月に1度で行いましょう。炊飯器をひっくり返さなければ見えないのであまり気にしない方も多いかもしれませんが、非常に汚れやすい部分でもあります。というのも、キッチンの油汚れなどを一緒に吸い込み、ホコリがたまりやすいからです。
頻度の低い掃除は忘れがちになってしまいますが、「月初めにする」など月に一度の日程を定着させておくなどして、漏れがないようにしてください。
炊飯器を清潔に保つためのコツ
炊飯器を掃除をすることはとても大切なことですが、きれいな状態を保ちつづけるのも同じく重要なことです。それができれば、定期的な掃除が短時間で済み、とても楽になります。
内釜で強く米を研がない
炊飯器の内釜にはフッ素加工がされているので、内釜でお米を強く研がないようにしましょう。
内釜でお米を研ぐこと自体はさほど問題ありませんが、強く擦るとフッ素コーティングが傷つき、汚れがたまる原因になります。お米を研ぐときは優しく洗うか、面倒でなければボウルを使いましょう。
使用しないときはカバーをかける
使用しない時はホコリがつかないように、炊飯器を完全に覆うことができる大きさのふきんやカバーを掛けておきましょう。市販の炊飯器カバーでもいいですし、使わない布を利用してもかまいません。ホコリがつかないようにするだけで、掃除が楽になります。
ご飯を残したまま放置しない
炊飯器の中に長い時間、お米を放置したままでいると嫌な臭いがしてくることがあります。その原因はカビと雑菌です。
炊飯器の中は、餌となるでんぷんの他に湿気も多いので、お米だけでなく、炊飯器自体にもカビや雑菌がつきやすくなっているのです。ですので、なるべく炊飯器にご飯を残したまま放置しないように注意しましょう。
理想を言えば、残ったお米は早めに冷凍庫に入れ、すぐに炊飯器の掃除をするようにします。そうすることで、内部がいつでもカラッと乾燥した状態を保つことができるので、カビや細菌が繁殖することなく、炊飯器を常にキレイに保つことができるのです。
シンプルな構造の炊飯器を使用する
余計なパーツがないシンプルな炊飯器は、その分掃除が簡単です。細かなパーツの掃除や頻繁な掃除が面倒であれば、シンプルな構造の炊飯器で手間を減らしてもいいでしょう。
最後に
炊飯器の掃除と聞くと一見面倒臭く感じるかもしれませんが、炊飯器自体、複雑な構造をしていませんので、慣れてしまえば分解や取り付けがスムーズにできるようになり手間がかかりません。
毎回炊飯器全体を丸ごときれいに掃除する必要はなく、簡単なお手入れで済むので、清潔感のある安全なお米を炊くためにも、ぜひ炊飯器の掃除を習慣づけるよう心がけてくださいね。
また、クエン酸や重曹などの洗剤類は、メーカーによっては使用を推奨していない場合もあります。洗剤類を使って掃除したいときは、説明書をよく確認しましょう。