なぜ貧乏ゆすりをするのか?原因や心理から止める方法、意外な効果まで

膝を気にする女性

縦揺れや横揺れなど無意識にやってしまう貧乏ゆすりですが、原因や心理についてはあまり知られていません。また、貧乏ゆすりはストレスが溜まっているように見えることなどから、男性・女性ともに良い印象を持たれるものではありません。ただ、貧乏ゆすりには、鬱血を起こして血栓が生じるのを防いでくれるなどの効果もあるため、詳しく見ていきましょう。

貧乏ゆすりはなぜ起こるのか

三人の足

一般的に、貧乏ゆすりをしている人を見ると、「イライラしている」や「落ち着きがない」などの印象を持つ場合がほとんどです。貧乏ゆすりをする原因としては、どのようなことがあるのでしょうか。

緊張や不安が原因となっている場合

貧乏ゆすりをしている人の多くが、足などの体の一部を小刻みに横揺れさせるなどして動かしているという特徴が見られ、無意識のうちに行っているケースがほとんどです。

実は、貧乏ゆすりの原因は、あまりはっきりとわかってはいません。ただ、貧乏ゆすりのように一定のリズムで体を揺らすことによって、セロトニンの分泌が低下するのを防げるといわれています。

セロトニンとは、情緒の安定にかかわる脳内物質です。人間はイライラしたり、不安な気持ちで過ごしたりしていると、セロトニンの分泌が低下してしまいます。

そのため、ストレスが溜まっているときや、気持ちが不安定なときなどには「気持ちを落ち着けよう」という心理から、貧乏ゆすりをしてしまうのです。

身体的な理由が原因となっている場合

デスクワークする女性

デスクワーク中心の生活を送っていると、下半身の血流が滞ってしまいがちです。そのため、無意識のうちに貧乏ゆすりをして体を動かしているケースがあります。ほかに、冷え性で貧乏ゆすりをしている人の場合も、血行を良くするために体の一部を揺らせている可能性があります。

日頃から貧乏ゆすりをしている人は要注意

ストレスや緊張などが原因で、まれに貧乏ゆすりをしてしまうという人はそれほど心配がありません。しかし、日頃から貧乏ゆすりをしている人の場合は、「レストレスレッグス症候群」という疾患である可能性があります。

この症状は気持ちがそわそわとしているときに起こり、体を動かしたいという衝動を抑えることができません。また、レストレスレッグス症候群は約20人に1人に起こり、女性は男性の約2倍多いといわれています。

やめたい!貧乏ゆすりを止める方法

足を気にしている女性

周囲の人から貧乏ゆすりを指摘されると、「恥ずかしい」と感じるものです。貧乏ゆすりを止める方法を知っておき、もしものときに役立てましょう。

日頃の生活を見直す

規則正しい生活を続けていると、貧乏ゆすりが止まる可能性があります。たとえば、タバコを吸ったり、アルコールを摂取したりしている場合は、量を減らすだけでも貧乏ゆすりをする頻度が減るでしょう。加えて、規則正しい睡眠を心がけることでも、貧乏ゆすりは治るといわれています。

ストレッチを試す

足先などの冷えが原因で貧乏ゆすりをしている場合は、ストレッチやマッサージをしてみるとよいでしょう。たとえば、お風呂に入ったときなどに足をマッサージすると、血流がよくなります。

立ち上がるだけでも貧乏ゆすりは止められる

そわそわしていることが原因で貧乏ゆすりをしているのであれば、一度椅子から立ちあがってみましょう。すると、そわそわとした気持ちを落ち着かせることができます。

たとえば、飛行機や新幹線、映画館など、長時間座った状態で過ごすことが予想される場合には、通路側の座先を予約しておくことがポイントです。通路側であれば気になったときに立ちあがって、体を動かすことができるでしょう。

なぜ貧乏ゆすりは悪いと言われるのか?

電車内

貧乏ゆすりには悪い印象を持っている人が多くいます。貧乏ゆすりが悪いといわれる理由を知っておきましょう。

不快感を与えてしまう

他者が貧乏ゆすりをしていると気になるものです。特に、普段あまり貧乏ゆすりをしない人の場合、他者の貧乏ゆすりが視界に入ってしまうと「イライラする」や「鬱陶しい」など、不愉快に感じてしまうでしょう。

さらに、職場の上司など目上の人が貧乏ゆすりをしている場合には、注意をしづらいという問題もあります。職場や取引先などで貧乏ゆすりをしてしまうと、仕事の結果に影響を及ぼす可能性さえあるでしょう。

これらのことから、「貧乏ゆすりイコール迷惑行為」と考えている人が多いことも、貧乏ゆすりが視界に入るだけでうっとうしいと思われる理由のひとつといえます。

行儀が悪い

貧乏ゆすりをしていて、「やめなさい」と注意された経験がある人も多いでしょう。一般的に、貧乏ゆすりは行儀が悪いものとして知られています。

それは、「貧乏ゆすり」という言葉の由来にあるようです。貧乏ゆすりという言葉は、貧乏な人が寒くて震えている様を表しているといわれています。

ほかにも、江戸時代には、貧乏ゆすりをしていると、貧乏神に取りつかれるといわれていました。これらのことから、「貧乏ゆすりはいけないこと」や「行儀が悪い」など、ネガティブな捉え方をされるに至ったのです。

貧乏ゆすりに隠された意外な効果

体重測定

日本では、貧乏ゆすりはネガティブなイメージが持たれがちです。しかし、欧米などでは、貧乏ゆすりは健康によいことといわれています。ここでは、貧乏ゆすりが健康面にどのような効果をもたらすかを知っておきましょう。

ダイエットになる

貧乏ゆすりは足を小刻みに動かすケースが多いことから、足痩せに役立つといわれています。貧乏ゆすりを1時間すると、約40kcalもカロリーを消費します。

これは、20~30分程度ゆっくりとウォーキングをしたときと同程度のカロリー消費です。さらに、貧乏ゆすりをすると血流もよくなることから、冷え性の改善や、むくみの防止も期待できます。

冷え性もむくみも血のめぐりが悪いことが原因となって起こっています。そのため、自宅で貧乏ゆすりをしてみると血行がよくなり、冷え性・むくみを和らげることができるでしょう。

エコノミークラス症候群の予防

飛行機や車のなか、デスクワークなど、長時間に渡って同じ姿勢で座りっぱなしの状態を続けると、エコノミークラス症候群を引き起こす恐れがあります。

長い時間座っていることによって下肢が圧迫されると、血流が悪くなって鬱血を起こし、血栓ができてしまうのです。貧乏ゆすりをして足を揺らしていると、血流が滞るのを防ぐことができます。

「エコノミークラス症候群が気になるけれど、すぐに立ちあがるのは難しい」などの場合には、貧乏ゆすりをして足を動かして、血のめぐりをよくしましょう。

悪いことばかりではない!貧乏ゆすりは健康維持に役立つ

エコノミー症候群イメージ

貧乏ゆすりは行儀が悪いものとして捉えられがちです。しかし、ストレスを和らげたり、エコノミークラス症候群を防いだりするなど、健康面での効果も期待できます。

ただし、職場などで、貧乏ゆすりをしてはいけない場面も多々あります。健康を意識して貧乏ゆすりを取り入れる場合には、場面や状況を選んで行うことが大切です。

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