目次
メレンゲが泡立たない理由
泡がしっかりと立ったメレンゲは、ムースやケーキの生地に混ぜたり、フリッターの衣に加えて使うのが一般的です。
卵白に砂糖を入れて泡立てた後、泡立て器を持ち上げたときにしっかりと泡が立ったままで、ボウルを逆さにしても泡が落ちない状態が完成したメレンゲです。
ところが、どんなに卵白を泡立てても、きれいなメレンゲにならないことも…。どうして泡立たないのか、その理由として次のようなことが考えられます。
砂糖を一気に入れてしまった
砂糖は泡立ちを抑えてしまうため、砂糖を加えるのが早ければ早いほどメレンゲのボリュームが出にくくなります。そのため、砂糖を加える前にあらかじめ泡立てておくことをおすすめします。
砂糖の分量が間違っている
メレンゲ作りでは砂糖の分量が重要なポイントになります。メレンゲのきめを細かくし、安定した泡立ちをキープするなどの働きがある反面、砂糖の量が多くなるにつれ卵白の泡立ちが悪くなってしまいます。
しっかり泡立てるためにはより強い力が必要です。卵白の同量以上の砂糖を使用する場合は、手動でなくお菓子づくり用のミキサーを使ったほうがラクかもしれませんね。
ボウルに水分などが付いている
水分や汚れなどがついているボウルや泡だて器を使って卵白を泡立てていませんか?器具に水分や汚れなどがあると、卵白の泡立ちが極端に落ちてしまいます。
泡立てるかくはん力が足りない
泡立ちにくくなる原因として、泡立てるスピード、そして卵白に空気を含ませる泡立て方が足りないことも考えられます。例え長時間泡立てたとしても、かくはんする力が足りないとボリューム感のないメレンゲになってしまいます。
反対にゆっくりしすぎても卵白に空気が含まれないのでメレンゲ状にはなりません。なので、空気を含ませることを意識しながら泡だて器を素早く動かすのが重要なポイントでしょう。
スピードだけでなく、泡だて器のサイズやワイヤーの数、持ち方によってもメレンゲの仕上がりに違いが表われます。
黄身が混ざっている
卵黄には結構な量の脂質が含まれています。この脂質である油脂分は気泡を壊してしまう性質があるため、卵白の中に少しでも卵黄が含まれていると泡立ちにくくなってしまいます。
少量でも卵黄が混じってしまうと空気を取り込むのを妨げて、泡立ちが抑えられてしまうというわけです。
よって、ボウルの中で割卵して分ける方法は避け、面倒でも小さめのカップに一つずつ割卵するようにして、卵白に卵黄が混ざらないように気を付けましょう。
《 ポイント 》
- 砂糖は泡立ちを抑えるため、砂糖を加える前にあらかじめ泡立てておく
- 卵白の同量以上の砂糖を使用する場合は、より強い力が必要
- ボウルや泡だて器に水分や汚れなどがあると泡立ちが極端に落ちてしまう
- 攪拌する力が足りないとボリューム感のないメレンゲになる
- 卵白の中に少しでも卵黄が混じっていると泡立ちにくい
メレンゲが泡立たないときの対処法
メレンゲがうまく泡立たなかった場合、一工夫加えることで復活させることができるかもしれません。復活させるには、泡立たなかった卵白を冷蔵庫に入れて冷やすか、氷水などで温度を下げてみましょう。
まずは、一度冷蔵庫に入れて30分ほど冷やします。卵白は温まると膨らまない性質があり、冷蔵庫に入れるか氷水などで冷やしてからもう一度泡立てると復活することも珍しくありません。
もし、水分や卵黄が入ってしまったことが原因で泡立たなくなってしまったのであれば、冷蔵庫や氷水で冷やしたとしても復活させるのは難しいでしょう。
《 ポイント 》
- 冷蔵庫や氷水で冷やしてからもう一度泡立ててみる
- 水分や卵黄が入ってしまったことが原因であれば復活させるのは難しい
メレンゲが泡立たないとき再利用できる?
何度もメレンゲ作りをして慣れたと思っていてもなぜか失敗することがあります。砂糖が入っているので、料理に再利用するには甘すぎますよね。
そんな時の活用方法として、泡が少ないメレンゲを他のお菓子に切り替えて再利用することができますよ。それでは、以下に失敗したメレンゲの活用術をご紹介しますね!
クッキー
アーモンドスライスやチョコチップをたっぷり混ぜ込んだクッキーに再利用してみましょう。身近にある材料で手早く作れ、泡のすくないメレンゲでも美味しくリメイクできます。
ラングドシャ
全卵を使ったクッキーよりも軽い口当たりで、サクサク感のある ラングドシャは、失敗したメレンゲをリメイクするうえで作りやすいお菓子です。
ガトーショコラ
ガトーショコラを作る場合、メレンゲをきれいに仕上げる必要がありますが、泡立てなくても作れるレシピもあります。
メレンゲが泡立たずに失敗したと思ったらこちらのレシピに切り替えてみましょう。
マドレーヌ
振るった小麦粉とベーキングパウダーをメレンゲに混ぜたら、バニラエッセンスを入れて香りをつけます。ケースに流して、170~180℃に熱したオーブンで12~15分間焼くと完成です。
パウンドケーキ
スポンジケーキなどのふわっとしたお菓子に使うことはできませんが、泡立ちが少ないメレンゲでも美味しく出来るお菓子は意外に多いので、めげずにトライしてみましょう!抹茶風味や、さつまいもやバナナなどを入れても美味しいですよ。
マカロン
見た目もかわいくおいしいマカロン。泡が少ないメレンゲをしっとりしたマカロンに再利用してみましょう。生地の混ぜ具合が大切なポイントです。
《 ポイント 》
- 泡のすくないメレンゲでも美味しく再利用できる
- クッキー、ラングドシャ、ガトーショコラ、マドレーヌ、パウンドケーキ、マカロンなどに切り替える
メレンゲをしっかり泡立てるためのコツ
しっかり泡立てるためのコツ
メレンゲを上手に仕上げるために知っておくと重宝するポイントを紹介しましょう。
良く冷やした卵白を使う
新鮮な卵を用意して、卵白を冷蔵庫に入れるか氷水で良く冷やしてから使います。または、冷凍庫に入れて10~15分ほど凍らしてシャーベット状にしてから泡立ててみましょう。
冷凍すると泡立て器だけで早く泡立てられきれいなツノが立ちやすいです。生地を作るなど、他の段取りをしている間に冷やしておくと時間を無駄にしないで済みますよ。
砂糖は数回に分けて入れる
砂糖を加える前にあらかじめ泡立てておき、その後、3回くらいに分けて砂糖を卵白に加えます。
砂糖による泡立ちを抑える働きがないうちに空気を含ませておくと、泡立ちやすくボリューム感のあるメレンゲを作ることができるでしょう。
それから、砂糖を少量ずつ複数回に分けて加えながらしっかりと泡立てることが大切です。
水気や汚れのないきれいなボウルを使用する
使用するボウルや泡立て器の水気はしっかりと拭き取ります。少しぐらい大丈夫だろうと思うのは大間違い!
メレンゲに水滴が入ると泡立たない原因になるので、ボウルと泡だて器はきれいに洗った後、水分をていねいにとふき取るようにしましょう。
特に泡だて器は水分を拭き取りにくい形状をしているので念入りにおこない、水分がついていないかどうかをしっかり確認しましょう。
ペットボトルを使って卵黄と卵白に分ける
ペットボトルは炭酸飲料などが入っていた弾力性のあるものを準備します。きれいに洗った清潔なペットボトルを、一滴の水分もないように完全に乾燥させてから使います。
卵を容器に割り入れたら、指で少し凹ましたペットボトルの口を卵黄につけて指をパッと放すと卵黄だけがペットボトルの中にスッと入ります。少しの吸引で卵黄だけを吸い上げ、簡単に卵黄と卵白に分けられます。
ビニール袋を使ってメレンゲを作る
ビニール袋に卵白と砂糖を入れて、泡が立ちやすいようにいろいろな角度でシャカシャカ振り続けると、ふわふわのメレンゲが完成します。
ずっと振り続けるので手が疲れてしまいますが、泡だて器を使った時のような腕全体の疲れは感じられません。何よりうれしいのは、使用後のビニール袋をそのままポイっと捨てるだけなので片付けがとってもラクです!
手順
- ビニール袋に卵白と砂糖を入れる
- 1を外から手で揉んで、卵白が固まっていない状態にしておく
- ビニール袋の中に空気を入れて漏れないように輪ゴムでしばる
- 漏れないように手で持ちながら、卵1個あたり3分程度シャカシャカ振る
泡だて器でメレンゲを作る
泡だて器を使って上手にメレンゲを作る裏技をご紹介します。
準備するもの
- 卵白 2個
- 砂糖 40~50g
- 泡立て器
- ボウル
作り方
- 新鮮な卵を卵黄と卵白に分ける
- 卵白を10~15分ほど冷凍庫に入れて、表面と周りが固くなるシャーベット状になるまで冷やす
- 冷凍庫から出して軽くほぐす
- ボウルを斜めに持ち、泡立て器で空気を取込むように一定方向に一気に混ぜる
- 砂糖を1/3を入れて混ぜてトロトロしてきたら砂糖2/3を入れてクリーム状なるまで混ぜる
- 10分前後混ぜて、残りの砂糖3/3を入れてかき混ぜ、角がきれいに立ったら完成
《 ポイント 》
- 卵白を冷蔵庫に入れるか氷水で良く冷やしてから使う
- 卵白を泡立ててから、3回くらいに分けて砂糖を卵白に加える
- 使用するボウルや泡立て器の水気はしっかりと拭き取る
- 弾力性のあるペットボトルを使って卵黄と卵白に分ける
- ビニール袋に卵白と砂糖を入れて振り続けると、ふわふわのメレンゲができる
最後に
メレンゲが泡立たない理由と、失敗した時の復活方法や再利用方法についてご紹介しました。
お菓子の生地を作る際の重要な役割を果たすメレンゲですが、その原因さえわかれば次回からはもう大丈夫!失敗しても再利用できるので捨てずに他のお菓子作りに活用してみましょう!