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ステンレスはオーブンに使える?
ケーキを焼く場合など、ステンレス製のボウルや容器をオーブンに使っても大丈夫なのか、耐熱性があるのか気になりますよね。
結論から言えば、ステンレスのボウルやトレイなどをオーブンに入れて使っても特に問題はありません。熱に強いステンレスは直火にも耐えられる材質なため、オーブンでの調理が可能なのです。
使ってはいけないと思っていた人にとっては意外ですよね。
使えるタイプと使えないタイプのステンレスがある
熱に強く錆びにくいステンレスはオーブンで使えるとはいえ、加熱温度によって使えるタイプのステンレスと使えないタイプのステンレスに分けられます。
オーブンで使用できないものには必ず「オーブン不可」「直火不可」などと記載されているはずです。一方で使用できるものには「オーブン可」「直火OK」などの記載があります。
もし記載のない容器がありましたら、その使い方についてメーカーに問い合わせて確認するようにしましょう。
《 ポイント 》
- 熱に強いステンレスは直火にも耐えられる。
- 「オーブン不可」「直火不可」「オーブン可」「直火OK」など容器に記載されている。
ステンレスを電子レンジに使うのは絶対NG
一般的にステンレスはオーブンと違って電子レンジでの使用はNG、アルミホイルなども電子レンジにかけると火花が散って危険だと言われていますよね。
オーブンOKのステンレス製のボウルやマグカップなどを電子レンジに入れて使用すると、どうなるのかについて解説します。
金属類は電子レンジNG!
ステンレスを含む金属製の容器は電子レンジで使用することはできません。
その理由は、ステンレス製品を電子レンジで加熱するとステンレス表面に電圧が生じて火花が発生し、火災や爆発が起きてしまうからです。
また、電子レンジにはマグネトロンと呼ばれる電磁管が内蔵されています。ステンレスはこのマグネトロンのマイクロ波を反射させるため、マグネトロンを含め電子レンジ内部の機器にダメージを与え、故障の原因になってしまうのです。
例えわずか数秒であっても危険には変わりないので、ステンレスを電子レンジに入れるのは絶対に避けてください。
ちなみに、アルミホイルやアルミ皿も金属なのでステンレスと同じく「電子レンジ不可」です。金属製の容器は電波を反射してしまい、肝心な内部の食品に電波が届かず温めることができません。
電子レンジに使ってはいけない素材
耐熱性のないガラス製品
ガラス製品はそれぞれ耐熱温度が異なります。耐熱温度が120℃以下のガラス製品は割れる危険性があるので、電子レンジに入れて使うことができません。
「電子レンジ可」か「電子レンジ不可」であるかは、製品の表示を見て確認することができます。
耐熱温度が低いシリコン製の容器
シリコン製品は「電子レンジ可」と表示されているものが多い中、耐熱温度が140℃以下のものは、電子レンジで使用できません。こちらもガラス製品と同様にレンジの使用に関する表示を確認する必要があります。
水分が含まれている素材もの
水分が含まれている素材、「竹」「漆」「木」などで作られた容器も電子レンジを使用できません。
電子レンジのマイクロ波は食品の中にある水分子に反応して温度を上昇させるのですが、水分が含まれている素材だと、容器自体の温度が上昇してしまい、燃えたり破損する原因になってしまいます。
紙コップ
紙コップも電子レンジで使用することはできません。水分が浸み込んで紙コップが崩れるのを防ぐために、表面をポリエチレンでコーティングしています。
ポリエチレンは高温になると溶ける性質を持っていますので、紙コップを電子レンジに入れて加熱すると、変形や破損を引き起こしてしまいます。
陶器
最近の陶器の多くは電子レンジで使用できるようになりました。ただし、金属加工が施されている陶器製品は、火花が発生し火災やレンジの故障に繋がるので、使用することができません。また、ヒビや傷のある陶器は割れる可能性があるので、これも使用不可となります。
プラスチック容器
耐熱温度が製品によってバラバラであるのに、よく使われているのがプラスチック容器です。
耐熱温度の低いプラスチック容器は温度上昇に耐えられないので、「電子レンジ不可」と表示されています。プラスチック製品も電子レンジで使用できるかどうか、事前に表示を確認しましょう。
《 ポイント 》
- 耐熱温度が120℃以下のガラス製品。
- 耐熱温度が140℃以下のシリコン製の容器。
- 紙コップを加熱すると変形や破損を引き起こす。
- 「竹」「漆」「木」など水分が含まれている素材で作られたもの。
- 金属加工が施されている陶器は火花が発生する。
- 「電子レンジ不可」と表示されているプラスチック容器。
ステンレスをオーブンで使う時の注意点
ステンレスは直火にも耐えられるので、オーブンに入れて使ってもOKですが、使う際の注意点をご紹介します。
焼き色がつきにくいなどのデメリットがある
鉄製の調理器具と比べて、ステンレスは熱伝導率が良いとは言えないので、熱が伝わりにくく容器の中の食品温度が上がりきりません。
そのため、ケーキなどを焼くと容器に生地がこびりつきやすい、焼き色がつきにくい、というデメリットがあるんです。
その対策として、ステンレスの容器に油やバターを塗って焼き上がった後に生地と容器が簡単に離れるようにしておきましょう。
ステンレス焼けを起こす
ステンレスの容器は、高熱に当てると「ステンレス焼け」を起こすことがあります。
ステンレス焼けを起こすと、容器の表面にシミのような変色が出てくるのですが、ホームセンターなどで売っている専用クリーナーを使ってていねいに磨けばきれいになります。
絶対に空焚きしない
ステンレスの容器を直火にかける時は、空っぽの容器のまま空焚きしないようにしましょう。
また、ステンレス容器はケーキ型やボウルなど持ち手の部分がないことが多いので、直火にかける時には必ずミトンや布巾を使って支え、直に触らないように注意してください。
《 ポイント 》
- 容器に生地がこびりつきやすい、焼き色がつきにくい。
- 表面にシミのようなステンレス焼けができる。
- 空焚きしない、直に触らないように注意する。
オーブンに使えるもの使えないもの
ステンレス以外に、オーブンで使える素材や、オーブンで使えない素材をまとめました。
オーブンに使える素材
- ステンレス
- アルミ・ホーロなどの金属
- 耐熱ガラス
- 耐熱陶器
- アルミホイル
オーブンに使えない素材
- プラスチック
- 陶器・磁気※耐熱性でないもの
- ガラス※耐熱性でないもの
- 木・竹
- 紙
- シリコン
注意点
耐熱性でも急激な温度変化はNG
ガラスや陶器でも耐熱性であればオーブンで使えますが、急激な温度変化で割れることもありますので注意しましょう。たとえば、200℃になった耐熱ガラスをいきなり-10℃の水に浸けるなど。
耐熱性の容器の見分け方
ガラスや陶器でも耐熱性のものであればオーブンで使うことができますが、家にあるガラスや陶器が耐熱性なのか分からないものもあると思います。
製造元や販売先などに問い合わせするのが確実ですが、使うためにラベルなどを外してしまうと製造元や販売先が分からないものがほとんどだと思います。
そこで、参考までに耐熱性の特徴をあげてみました。ただし、あくまでも参考ですので耐熱性の素材が全て同じ特徴があるわけではありません。
基本的に耐熱性か耐熱性でないかの判断がつかないものはオーブンで使用しないことをおすすめします。もし使用する時は自己責任でお願いします。
耐熱ガラスの特徴
- 耐熱ガラスであるというラベルまたは刻印がついている。
- 色や模様が無く、無色透明。
- ガラス内に気泡が無い。
などの特徴があります。
耐熱性陶器の特徴
- 陶器に金色などの装飾が無い。
- 形がシンプル。複雑な形や曲線があり形のものは耐熱性では無い。
- 陶器の表面がつるつるして水を吸いにくい。
などの特徴があります。
《 ポイント 》
- オーブンに使える素材は、ステンレス・アルミ・ホーロなどの金属・耐熱ガラス・耐熱陶器・アルミホイル。
- オーブンに使えない素材は、プラスチック・陶器・磁気(※耐熱性でないもの)・ガラス(※耐熱性でないもの)・木・竹・紙・シリコン。
最後に
ステンレスにはオーブンに「使えるもの」と「NGなもの」がある!について解説しました。いかがでしたでしょうか?
「オーブン使用可」「直火OK」などと記載されているステンレス製の容器はオーブンに入れてOKです。
ただし、ケーキなどを焼く場合、生地がこびりつきやすくなるので、あらかじめバターや油を内側に塗っておくなど、ひと手間プラスしてください。また、電子レンジにステンレスを入れると火花が発生し出火する可能性があるのでとても危険です。
ステンレス以外にも、耐熱温度の低いものや熱によって変化する性質の素材で作られた製品も、同様に使用できません。このようにいくつか注意点はありますが、熱に強く錆びにくいステンレスは活用次第でとても重宝する調理器具なのです。
以上のことを踏まえて、使用可能な製品なのかそうでないのかを事前に確認するようにしましょう!