目次
梅シロップの氷砂糖が溶けない7つの原因
梅シロップの氷砂糖がなかなか溶けないのは、どのような原因が考えられるのでしょうか?溶けない原因がいくつか考えられますので、ひとつずつ見ていきましょう。
氷砂糖の量が多すぎた
氷砂糖の量が多すぎるのも溶けない原因の一つです。多すぎるとそれだけで溶けにくくなってしまいます。梅の実が十分にシワシワになっていたら、梅の美味しいエキスがシロップに移った目安です。
それ以上、梅からエキスが抽出されることはありませんので、氷砂糖の量が多くて溶け残っていたとしても梅シロップの完成と思って大丈夫です。
氷砂糖の量が少なすぎた
氷砂糖の量が多すぎるのと逆に、氷砂糖の量が少なすぎてもうまくいきません。少ないと梅からエキスが十分引き出されず、氷砂糖が溶けにくくなってしまいます。
甘さを控えめにしようとして氷砂糖の量を極端に減らしてしまうと、梅から水分が出にくくなります。その結果、発酵が進み泡が発生してしまう可能性があります。
梅シロップのビンをゆする回数が足りなかった
美味しい梅シロップを作るためには、少なくても1日1〜3回毎日容器をゆする必要があります。
これは容器の底に沈澱している砂糖を全体に行き渡らせて、梅の水分を出やすくするために一番大事な工程です。
レシピによっては「1日に1回ゆすりましょう」と書いているものもありますが、1日に1回では足りません。回数は多ければ多いほど、早く砂糖が溶けて梅のエキスが引き出されやすくなりますよ。
梅そのものに原因がある
レシピ通りに作っても氷砂糖がなかなか溶けない原因は、使った梅にあるかもしれません。梅は自然のものなので水分量が多いものがあれば少ないものもあります。
大粒の梅は果肉部分が多く、豊富な水分がたっぷり出て砂糖が溶けやすくなるのですが、果肉部分が小さい小粒の梅は水分が少なく、梅からの出るエキスの量も少なめです。
そういう意味でも、水分が少なめの小粒の梅は梅シロップ作りには不向きなのです。
冷蔵庫に入れるなど温度が低すぎた
冷蔵庫など低温の環境で保存していたとしたらどうでしょうか?冷たい水に砂糖を入れるとなかなか溶けませんよね。
それと同じように、梅シロップの容器を冷蔵庫などの温度が低い場所で保管していると砂糖は溶けにくくなってしまいます。
期間が短い
梅シロップの氷砂糖が溶けきるには10日〜2週間ほどかかりますので、その期間は気長に待つ必要があります。
梅シロップに入れた氷砂糖の高い浸透圧によって梅のエキスが引き出され、そのエキスで氷砂糖が溶けるという原理なので、梅が大粒であればそれだけ氷砂糖に触れる面が大きくエキスが出やすくなります。
逆に氷砂糖が溶けないからと言って、必要以上に長い期間放置していると、発酵して泡が発生してしまいます。そうなる前に砂糖を早めに溶かして梅のエキスを十分に引き出すようにしましょう。
砂糖には溶けやすいものと溶けにくいものがある
もし今年砂糖が溶けなかった場合、使う砂糖について知っておいてほしいことがあります。梅シロップは氷砂糖だけに限らず、基本的にどんな砂糖を使っても作ることができます。
ただし、以下のように砂糖の種類によって溶けやすさに違いがあります。
- 溶けやすい砂糖:氷砂糖・はちみつ・メープルシロップ
- 溶けにくい砂糖:グラニュー糖・上白糖・黒糖・きび糖・てんさい糖
砂糖の中で一番溶けやすいのは、トロトロした「はちみつ」と「メープルシロップ」です。
一見、溶けにくいように思われる「氷砂糖」は、塊が大きいので溶けやすく、ゆっくり溶けながらじっくりと梅のエキスを引き出します。
逆に、さらさらした「グラニュー糖」や「上白糖」は溶けにくく、ゆらしても容器の底に沈殿してしまいます。また、黒糖やてんさい糖、きび砂糖なども溶けにくい部類に入ります。
《 ポイント 》
- 砂糖の量が多すぎても少なすぎても溶けにくい。
- 少なくても1日1〜3回毎日容器をゆする。
- 小粒の梅は梅シロップ作りに不向き。
- 温度が低い場所で保管していると溶けにくい。
- 完成するまで10日〜2週間、気長に待つ。
- 塊が大きい氷砂糖はゆっくり溶けるが、グラニュー糖や上白糖は沈殿して溶けにくい。
梅シロップの氷砂糖が溶けない時の対処法
ここまでは、梅シロップの氷砂糖が溶けない原因を解説してきました。次は、氷砂糖が溶けないときの対処法をご紹介しましょう。
氷砂糖の量が多すぎた分を取り出す
氷砂糖の量が多くて溶け残っていたとしても、梅の実に深いしわが寄っていればそれ以上エキスが抽出されることはないので、梅シロップの完成と思って大丈夫です。
10日〜2週間経っていれば、多すぎて溶けきらなかった氷砂糖を取り除いてしまいましょう。ちなみに、梅と砂糖は1:1の分量を目安に作ると十分甘くて美味しい梅シロップになりますよ。
砂糖の量が少なすぎたら加える
砂糖の量が少なすぎて梅からエキスが十分引き出されないと砂糖が溶けずに沈殿したままです。砂糖が足りなかったら今からでもいいので足してみてください。
一気に梅の水分が出てシロップの量が増えるので砂糖が溶けてきますよ。
ビンをゆする回数、かき混ぜる回数を増やす
梅シロップの氷砂糖がどうしても溶けない時にはビンをゆする回数を増やしてみましょう。砂糖が全体に行き渡るようにするとより効果的です。
密閉性のある保存容器を使用しているとは思いますが、念のためふたが閉まっていて漏れていないことを確認してから行ってくださいね。
また、ビンの底に砂糖が大量にたまっている場合には、煮沸消毒した清潔な菜箸を使って沈殿している砂糖の塊を砕いてかき混ぜてみましょう。
雑菌の侵入防止と梅の実を傷つけてしまうのを防ぐためにも、この方法をとるのは1〜2回程度にしておいたほうが無難です。
1日おきに容器の上下を置き換える
容器の大きさや梅の量によっては、容器をゆするだけでは氷砂糖が溶けないこともあるようです。
そんなときには密閉性のあるビンを逆さまにして1日置き、翌日元に戻してまた1日置くという方法を繰り返してみましょう。
これによって下にたまった砂糖がビン全体に行き渡り、溶けやすくなります。
冷蔵庫の中に入れて保存していた
冷蔵庫など低温の環境で保存していると砂糖が溶けずに残ってしまいます。冷蔵庫から出して直射日光が当たらない常温に置いて様子を見てください。
梅シロップを加熱する
梅シロップは一定期間漬けておくことで梅から十分エキスが出るはずですが、もし、2週間過ぎても氷砂糖が溶けない場合は、加熱して溶かす方法を試してみましょう。
この方法は、梅のエキスがしっかり出て梅の実がシワシワになったにも関わらず、砂糖が溶け残っている場合の最終手段と考えてくださいね。
〈手順〉
- 梅の実を取り除いた後のシロップと溶け残って沈殿している砂糖を鍋に入れる。
- 弱火で15分ほど加熱する。
- アクが出なくなるまでアクを取りながら温める。
注意する点
ここで気をつけなければいけないのは、加熱する「温度」と「鍋の素材」です。
沸騰しすぎると梅の香りや風味が逃げてしまいますので、沸騰させないように注意しながら砂糖が溶けきった時点で火から下ろします。
また、梅シロップは酸が強いため、アルミ鍋や鉄鍋だとさびてしまいます。梅シロップも変色してしまいますので、ホーロー鍋や土鍋を使用してくださいね。
《 ポイント 》
- 氷砂糖の量を途中からでも調整する。
- 砂糖が全体に行き渡るようにビンをゆするかかき混ぜる。
- 1日おきに容器を上下逆さまに置く。
- 最終手段として、温度と鍋の素材に注意して加熱して溶かす。
梅シロップの氷砂糖が溶ける期間と毎日すべきこと
梅シロップの出来上がりの目安は10日~2週間くらいでしたね。この期間内に氷砂糖が完全に溶けているのが理想なのですが、溶けきっていない場合には毎日こまめにゆするかかき混ぜるなどして、できるだけ早く砂糖を溶かします。
容器をゆすって全体にシロップを行き渡らせ、上の方にある梅にかかるようにすればカビが発生しにくくなります。氷砂糖はグラニュー糖や上白糖と違って容器の底に沈殿しにくいため、梅シロップを作るのにぴったりな砂糖です。
それでも溶けた氷砂糖はどうしても下にたまりますから、2週間毎日容器をゆすって素早く砂糖を溶かすようにするのがポイントですよ。
《 ポイント 》
- 2週間毎日こまめに容器をゆすって素早く砂糖を溶かす。
- シロップをゆすって上の方の梅にかかるようにするとカビにくくなる。
梅シロップの出来上がりのサイン
梅シロップが完成したと判断できる基準は何だと思いますか?
梅シロップの出来上がりは、基本的には2週間経って氷砂糖が全部溶けていればできたと判断して良いでしょう。
また、完熟した青梅の実は梅シロップにすると見事にシワシワになるので、これが出来上がりの一番の目安になるでしょう。
要は、シワシワになればそれだけ梅のエキスがシロップに出たということなので、例え砂糖が残っていたとしても完成したサインです。
そこからさらに2~3日置いておいたほうが、梅のエキスがよりシロップに移って美味しくなるという意見もあります。
一方で、漬けてから最低でも1ヶ月以上置いた方が美味しいという意見もあるようです。これらのことを踏まえて、味見をしながらお好みの味に近づけてくださいね。
《 ポイント 》
- 一番のサインは梅の実がワシワになっていること。
- 2週間経って氷砂糖が全部溶けていれば出来上がりと判断する。
- 1ヶ月以上経過したほうが美味しいという意見もある。
最後に
梅シロップの氷砂糖が溶けない7つの原因とその対処法について、いかがでしたでしょうか?
砂糖が溶けずに沈殿するのを防ぐためにも、2週間、毎日容器をゆすって砂糖を溶かすようにしましょう。
また次回からは氷砂糖がうまく溶けるように、梅の選び方にもこだわってみてください。自分で作った梅シロップは美味しさもひとしおです。
梅から上手にエキスを抽出して、美味しい梅シロップを完成させてくださいね!