目次
あさりの豆知識と効果効能
あさりに含まれている栄養素とその量、どのような症状に効くのかを具体的に見ていきましょう。
含まれている栄養素
あさりには、ビタミン・ミネラル・タウリン・亜鉛・鉄分が多く含まれていると言われています。あさりはとても小さな身ですが、その中には驚くほどの栄養素がたっぷりと含まれているのです。
鉄分は100gあたりに約7mgも含まれており、1日の推奨量6~6.5mgを補う事ができます。ビタミンB12は、貝類の中で1番の含有量であると言われています。このビタミンB12は、むき身1個で1日の推奨量を超えるほど豊富なのです。
期待できる効果
上記のような栄養素をたっぷりと含んだあさりには、たくさんの効果があります。ビタミンや鉄分で疲労回復や貧血予防効果があり、ミネラルや亜鉛で免疫力の低下を防ぐ事ができると言われています。
タウリンは、血液をサラサラにしたり中性脂肪の改善・二日酔い防止の効果があり、さらに血圧を正常に保ったり肝機能の増進、糖尿病の防止にも効果的である等、たくさんの効果が期待されています。
あさりエキスが含まれたパウダーや缶詰の栄養素
最近はあさりのエキスが含まれた出汁やパウダーなどが多く販売されています。これらには、大量のあさりの栄養素をたっぷりと濃縮させてあるので、生のあさりと効果効能は変わらずに1度でたくさんの栄養素を取り入れる事ができます。缶詰に関しては旬な状態で加工され、さらに水煮にする事で鉄分は生のものと比べて8倍近くを摂取する事ができます。
冷凍あさりの栄養素
冷凍で販売されているあさりや潮干狩りで採ったあさりを冷凍させた場合などは、生のものに比べると全体的に多少栄養素が少なくなってしまいます。しかし、あさりの味は濃く感じられて美味しく食べられます。
薬膳の効果
薬膳として用いられるあさりには熱を下げたり、咳や痰、喉の渇きを止めたりという効能があります。また、利尿効果があるので浮腫みを解消するといった効能もあります。
あさりの栄養を効率的に摂取する方法
あさりは加熱する事で出てくる水分の中に栄養素がたくさん詰まっています。ですので、栄養素をしっかりと無駄にせずに摂取するには、酒蒸しやみそ汁などの汁物で煮汁を一緒に取れる調理法がオススメです。
汁物以外では、炊き込みご飯なら栄養を捨てる事なく摂取でき、子供も食べやすいのでオススメです。また、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける効果があるので、きのことあさりのスープなどで効率よく摂取しましょう。
エキスを効率的に摂取する食べ方
エキスの場合は汁物に混ぜて汁もしっかりと飲む、缶詰の場合は、汁にも栄養素が溶け込んでいるので捨てずに使うとしっかりと栄養素を取り入れる事ができます。
生のあさりに比べて8倍近くにもなった鉄分、ビタミンCはこの鉄分の吸収を助けてくれるので、レタスなどを入れたクラムチャウダーや、トマトを入れたアクアパッツァなどがオススメです。
冷凍あさりの栄養素を逃さない食べ方
冷凍のあさりの場合は、冷凍した事で多少の栄養素は減ってしまっているので、これ以上減らないようにスープごと摂取できるようなメニューにするのが良いでしょう。
それに加え、前述したようにビタミンDやビタミンCであさりの栄養素の吸収を助ける効果のある食材をプラスするのがオススメです。さらに、乳製品に含まれるたんぱく質も鉄分やカルシウムの吸収を助けてくれるので、一緒に取り入れると効果がアップします。
デトックスに良い薬膳スープ
薬膳料理では、古くから薬用食材と言われているキャベツや血行を増進する玉ねぎを使ったスープがオススメです。浮腫みや滋養強壮に効果的で、こちらも生のあさりと同様に栄養素を逃さないスープなどの汁物での摂取が良いでしょう。低カロリーで体も温まり、毒素も輩出できるのでダイエット中にもオススメです。
あさりの適切な摂取量と注意したい食べ方
以上のようにとても栄養価の高いあさりですが、注意しなければならない点もあります。
食べ方のポイント
あさりには砂以外にもヘドロなどの不純物やガラス片などが含まれている可能性があります。体に害が出ない為にも、しっかりと砂抜きをしましょう。
さらに、砂抜き中に異臭を感じるあさりや死んでいるものを見つけたら必ず取り除きましょう。決して生では食べないで、しっかりと加熱調理をする事が大事です。
砂抜きで出しきれなかった細菌などがいた場合にしっかり加熱調理をしなければ食中毒を起こす可能性があるので、殻が開くまでしっかりと火を通しましょう。
エキスや缶詰に関してはこれらの心配はありません。冷凍の場合は加熱に時間がかかるので、注意しながらじっくりと加熱しましょう。
正しい摂取量
次に摂取量についてですが、やはり食べ過ぎは逆効果になってしまいます。あさりに含まれる鉄分の過剰摂取により、肝細胞が破壊されやすくなってしまったり、老化の元となる活性酵素を生み出したりする事があるので注意が必要です。
さらに、砂抜きが不十分であったあさりを過剰に摂取し、嘔吐下痢など消化器官への悪影響を起こす事があります。成人男性で約190g、成人女性で約280gのあさりを摂取するとこれらの危険性が出るので注意しましょう。
しかしこれは、あさりの可食部で大体20〜50個くらいなので、過剰摂取量を超えることはほとんどないでしょう。また、普段鉄分などのサプリメントを飲んでいる人も注意が必要です。
薬膳料理などでは、一見健康的でたくさん食べても大丈夫と思いがちですが、あさりだけでなくどんな食材や栄養素でも過剰な摂取は危険なので気をつけましょう。
子供が食べる際の注意点
子供に食べさせる場合は、酒蒸しはアルコールを飛ばしているとはいえ完全に消えているとは限らないので、避けたほうが良いでしょう。
また、貝アレルギーの心配もあるので、初めて食べさせる場合は少量から与えましょう。基本的には、離乳食後期や完了期から食べる事ができます。
子供は大人に比べて体が未熟なので、しっかりと加熱する事が大切です。もちろん過剰摂取も危険なので、子供用のお椀でみそ汁1杯くらいが良いでしょう。
栄養価の高いあさりを上手に食べよう!
薬膳料理にも使われているあさり、最近ではエキスや缶詰などとても手軽に食べられるものがたくさん販売されています。小さな子供がいて加熱に不安がある場合や時間がない時にはとても便利ですね。
栄養素は落ちるものの、旨味は変わらずに食べられるので潮干狩りでたくさん採ったら冷凍するのも良いですね。また、他の食材の栄養素からあさりの栄養素の吸収がアップするのも魅力的です。うまく組み合わせて美味しく健康になれるなんて一石二鳥!ぜひ試してみてください。