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スナップボタンがゆるくなる理由
スナップボタンは、凸と凹のホックを指でパチンと押して留めるボタンで出っ張っている凸を「オス」へこんでいる凹を「メス」と呼びます。
スナップボタンがゆるいと凸凹がしっかりはまらず、すぐ外れてしまい留め金としての役が立ちませんよね。特にお財布のスナップボタンがゆるいとお金が落ちてしまうのではないかと心配してしまいます。
スナップボタンがゆるいのは凸凹の隙間
スナップボタンがゆるいのは、凸と凹の間に隙間ができるからです。通常は凸凹がぴったりはまってボタンになるのですが、長く使っていて付けたり外したりしているうちに凸凹のかみ合い部分が消耗してゆるくなるのでしっかりはまらなくなってきます。
革製品のスナップボタンは消耗品
革の財布や革のキーホルダーなど革製品についているスナップボタンは消耗品だと考えられていますので、ゆるいスナップボタンは新しく交換するのが良いとされています。
とは言え、交換したり修理ができない場合は、応急処置をしましょう。
スナップボタンが壊れたときにやりがちなNG行動3選
ついついやりがちなNG行動をご紹介します。
1.接着剤で付ける
スナップボタンが壊れてしまった際に、接着剤を使ってしまうのはNGです。
スナップボタンは、反射板というパーツと凹パーツで本体の革や生地を挟み込み、打ち具という棒状の道具を使って反射板の筒をつぶして固定されています。
その為、接着剤で反射板と凹パーツをくっつけたとしても、スナップボタンとして機能できるほど強度を保つことができないのです。
また、瞬間接着剤を使用した場合、付けた周囲の革や生地が白くなり、硬くなるので見た目も汚くなってしまいます。接着剤を使うのはやめましょう。
2.そのまま放置する
スナップボタンが取れそうになっていても「まだ使えるから大丈夫!」と思って、そのまま使い続けてしまっていませんか?
そのまま使い続けることで凹パーツが取れるだけでなく、パーツが取れた際の勢いでパーツ周りの革や生地に傷がついてしまうことがあります。
凹パーツや反射板は金属でできており、パーツの縁はギザギザして鋭利なため、革や生地を簡単に傷つけてしまいます。
パーツが取れてしまうだけでなく、二次被害を招くことになりますので、そのまま放置せず取れそうになっている時点で修理業者や購入したブランド店へ相談するのがおすすめです。
3.取れてしまったパーツを捨ててしまう
取れてしまったパーツを捨ててしまうのはNGです。
通常、修理業者にスナップボタンの交換をお願いすると、市販のスナップボタンの中から色や形が似ているパーツに変わってしまいます。
ブランドロゴの入ったパーツは、ブランド直営店のみの取り扱いとなるため、一般の修理業者は取り扱えないようです。取れてしまったパーツは捨てずに、修理業者に再生可能か相談するのがおすすめです。
スナップボタンがゆるい時の応急処置法
スナップボタンの間にビニール袋を噛ませる
用意するものは、スーパーでもらったレジ袋などのビニール袋があればOKです。ビニール袋をスナップボタンの直径よりほんのちょっと大きめに切ってスナップボタンの上にのせてからパチンと留めるだけです。
ボタンから大きくはみ出たビニールは、見えないようにはさみでカットしましょう。何度も開けたり閉じたりしているとビニールがずれてきますが、応急処置としては十分ですのでやってみてください。しっかり留まっていることが分かると思いますよ。
スナップボタンが壊れた時の対処法
スナップボタンの凹(メス)の向きを回転する
用意するものはラジオペンチだけです。凹(メス)をラジオペンチで挟み、ゆっくり半回転させます。この時、革を傷つけないよう注意しましょう。こうすることで、凸(オス)と凹(メス)のかみ合わせの位置をずらすことができます。
凹(メス)が回転しない場合やラジオペンチで挟みにくい場合は、凸(オス)の向きを回転させます。凸(オス)の頭をペンチで挟みゆっくり半回転させます。ペンチでスナップボタンを挟む際は、革を傷つけないよう当て布をしましょう。
スナップボタンの凹(メス)の幅を調整する
用意するものは小さいマイナスのドライバーです。凹(メス)の中をのぞいてみてください。端に2本のピンがありますのでピンの隙間にマイナスドライバーを差し込みましょう。少し隙間を作ることで凸(オス)と凹(メス)のかみ合わせの隙間を広げることができます。
スナップボタンがゆるい時や壊れた時に修理できるところ
ゆるいスナップボタンを完全に復活させたい場合や新しいスナップボタンに交換したい場合は、プロに依頼することをおすすめします。特に「ブランド物」「一点もの」は自分で修理しないほうが安全です。
修理は洋服やバックなどの修理を扱うリペアショップや、ボタンの取付けを扱っているクリーニング店などに依頼しましょう。
リペアショップ
リペアショップは、バッグ、靴、時計、鍵、かさなど、あらゆるものを修理してくれるお店です。
ミスターミニット
日本で300店舗、海外も6ヶ国で600店舗ある大手リペアショップです。カバン・バッグの修理以外に、靴、時計、スマホ、傘、などさまざまな修理や、合鍵、印鑑の制作などもしています。また、クリーニングまで受けていますのでクリーニングと一緒に依頼するのもいいですね。
レッツリフォーム
場所は浜松ですが、日本全国からの宅配も受けていますので相談してみましょう。
クリーニング店
衣類や布製品の場合、クリーニング店でもスナップボタンの取替えをしてくれるところがあります。
取替え費用は1個当たり50円~200円(ボタン代金は別)というお手ごろ価格で取り替えてくれるところもあります。いつも利用しているクリーニング店やお近くのお店に確認してみましょう。
宅配クリーニングでボタンの取替えをしてくれるところをいくつか紹介します。クリーニングに出した衣類だけの対応になりますので注意しましょう。
ホワイト急便
ホワイト急便は日本全国に6,000店舗ある大手クリーニング店です。店舗によってボタン付けや修繕を受けているところがあるようですので問い合わせてみましょう。ご近所にあるようでしたら直接持っていって相談してみましょう。
リナビス
リナビスは「おせっかい」をキャッチフレーズにしているだけあって丁寧で高品質のサービスを提供してくれる宅配クリーニングです。
せんたく便
せんたく便は宅配クリーニングの老舗です。取れてしまったボタンや取れそうなボタンを修繕してくれます。
ブランド財布のスナップボタンがゆるい時はどうする?
ブランド財布のスナップボタンがゆるい場合は、正規店・直営店に依頼することをおすすめします。
リペアショップの中にはブランド物の修繕を受けているリペアショップもありますが、正規店で修理してもらうメリットは「ブランドのパーツ」で修理してもらえることです。
ブランドのロゴの入ったスナップボタンの場合は正規店・直営店に依頼しましょう。
特にこだわりのない方はブランド物を受け付けているリペアショップに依頼しましょう。ブランド物の正規店・直営店より安く交換や修理をしてもらえると思います。事前に見積りをとりましょう。
ルイ・ヴィトン直営店に依頼する場合
全国のルイ・ヴィトン ストアで、スナップボタンの修理依頼を受けています。
修理の流れ
- 持込
修理する製品をルイ・ヴィトン ストアへ持ち込みましょう - 見積り
製品を確認後、見積り金額を提示してもらえます - 作業
修理を開始します - 検品
修理完了後、品質チェックをしてもらいます - 支払い
製品引き取り時に修理代金を支払います
リペアショップにルイ・ヴィトン製品を依頼する場合
革修正どっとコム
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の財布の修理を受け付けてくれます。場所は福井ですが、国からの宅配を受けています。修繕に出す前に見積りをしてもらいましょう。
直営店と修理専門店のメリット・デメリット
スナップボタンの修理をお願いする際、購入したブランド直営店と修理専門店のどちらに依頼するのがいいのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
直営店で修理するメリット
正規パーツを使用して修理してくれる
最大のメリットは、用意できる限り正規パーツを使用して修理してくれます。ブランド品のパーツは、ロゴが入っていたりオリジナルデザインの場合も多い為、正規パーツを使用して修理することで見た目が買った当時と同じ状態になります。
保証期間など、場合により無償で修理できる
家電などと同様、ブランド品も品質保証期間があります。各ブランドによって期間や保証内容は異なりますが、縫い目がほつれてしまったなど、内容が軽い場合は無償で修理してくれるブランドが多いようです。
ただし、直営店の場合は「正規品である」という証明ができないと修理を受け付けてくれないことが大半で、海外で購入した商品も対象外の場合が多いといいます。まずは自分の商品が保証対象がどうか、各ブランドのカスタマーセンター等に問い合わせしてみましょう。
直営店で修理するデメリット
修理時間がかかる
直営店は正規のパーツ使用して修理するため、「パーツを本国から取り寄せる」「本国に商品自体を送る」「納品前の検品」などで時間がかかります。
平均で数ヶ月~半年、長い場合は1年かかる場合もあるようです。すぐにでも修理して使いたい方には、デメリットになってしまいます。
修理費用が高額になる
直営店での修理は、一般的に高額になる可能性があります。使用する正規パーツ代、人件費や送料など、良い品質を提供するブランドポリシーが高額設定になる理由かもしれません。高い場合、購入金額の5割程になるケースもあるようです。
新品が買えてしまうくらいの修理費用なので、即決で依頼に踏み切るには抵抗を感じてしまう方も少なくないかもしれませんね。
修理専門店で修理するメリット
修理料金が明確で修理が早い
専門店の修理料金は、各店舗の看板に明記してあったり、サイトに料金表が掲載されているので、費用の予測が可能です。
本来修理しようとしていた箇所のみなら直営店より安く済むことは間違いありません。予算に余裕があれば、他の箇所も合わせてメンテナンスをお願いするなどもできますね。
また、直営店に比べて納期が短いのもメリットです。店舗に持ち込みは最短ならその場で、郵送の場合でも長くて3週間程度がほとんどです。
直営店で断られた修理も受付け可能な場合も
商品の状態や長く使用してたり、正規品の確認が取れない場合、直営店で修理を受け付けてくれない場合があります。
そんな時、専門店ではさまざまなブランド品を扱っていたり、各商品の構造や修理のコツを熟知していることが多いので、一度相談するのがおすすめです。
修理実績をサイトで確認できる
修理専門店のウェブサイトでは、修理実績を掲載しているところがあります。修理前、修理後の画像比較や、そのブランドに関する知識なども。各サイトによってさまざまなので、修理に出す前に事前にチェックしてみましょう。
修理専門店で修理するデメリット
正規のパーツは使えない
修理専門店は、ブランドの正規パーツの在庫が無く、使うことができません。持ち込んだブランドのロゴ入りっパーツが折れたり、割れてしまっていて付けても完全に機能させることが難しい場合は、直営店へ相談するのがいいかもしれません。
専門店によって職人のレベルが異なる
「料金の安さに惹かれて修理専門店に依頼したら、思っていた仕上がりとは違った」などというトラブルがあります。専門店によって職人のレベルやクオリティの低さも良しとする店も存在するのが現実ようです。依頼する前にサイトや口コミなどのチェックをするのがおすすめです。
最後に
スナップボタンがゆるい財布を捨てていた方や、使わずに放置していた方は、修正や交換してみるのもいかがでしょうか。
お財布やバッグなど頻繁に開け閉めするものなら、自宅でペンチや金づちを使ってかみ合わせをよくするか、直営店や専門店に修理に出すのがおすすめです。
それぞれのメリットやデメリットを踏まえ、事前に見積りや修理可能か相談することをおすすめします。