目次
お風呂で寝る危険性
お風呂で寝るのはとても危険です!自分ではお風呂で寝ていたと思っても実際は「失神」していた可能性があります。入浴中、疲れがどっと出てついウトウト…でもお風呂で寝ると余計疲れを感じることがありませんか?
「お風呂で寝ると溜まった疲れが出てくる」と勘違いされる方が多いようですが、そのウトウトは失神寸前の危険信号なんです。「いつの間にか寝ていた」のでは無く、「いつの間にか失神していた」ということです。
ウトウトは失神寸前の危険信号
お風呂に肩まで浸かって長く入浴していると、水圧で心臓が押されるため血圧が下がる、熱さで血管が拡張して血流が悪くなる、脳に十分な酸素を送れない、脳が酸欠状態になり脳神経が働かなくなるために失神寸前になるそうです。
失神までのプロセス
お風呂に入る
↓
お湯の熱で血管が拡張する
↓
血管の拡張で急激に血圧が下がる
↓
水圧で心臓が押されて血圧が下がる
↓
血流が悪くなり頭に酸素を送れなくなる
↓
脳が酸欠状態になる
↓
脳の神経が働かなくなる
↓
ウトウトしてくる
↓
失神する
↓
失神したままバスタブに沈む
↓
溺死
怖いですね。お風呂で寝るのではなく気を失っている可能性があることを忘れないでください。
長風呂が危険な理由3つ
①急激な血圧の変化
基本的に寒い場所から暖かい場所に移ると体がぽかぽかして血圧も上がってきます。それと同じに温かいお風呂に入ると体が温かくなって血圧も上がりますが、実は長時間入浴していると急に血圧は下がってくるんです。
この「急に血圧が下がる」状態がとても危険で、血圧が低くなったため貧血を起こして意識障害をおこす可能性があります。意識障害でそのまま失神するとバスタブで溺れてしまう事故につながります。
また、血圧が下がることで脳に酸素を送るために必要な血流が少なくなり、脳が酸欠状態になってお風呂で寝る・失神することもあります。
②心臓への負担
お風呂に入ると水圧で心臓が押されます。短時間なら問題はありませんが15分以上肩までお湯に浸かっていると心臓の圧迫が大きくなり心臓や内臓がダメージを受けて白血球が少なくなります。白血球が少なくなることで免疫力が低下しますので、お風呂に入ったために体が悪くなる可能性もあります。
また、心臓に負担をかけることで急激に血圧を下げ血流が悪くなります。血流が悪くなると脳に十分な酸素を送ることができずに脳が酸欠状態になるためにお風呂で寝る感じで失神することがあります。
③血液がドロドロになる
お風呂に長く浸かっていると大量の汗をかきますので水分が不足し脱水症状を起こします。脱水症状がおきると血液がドロドロになって血管が詰まりやすくなり脳血栓を起こしやすい状態になります。また血圧が低下することで血流が悪くなり心筋梗塞や脳梗塞をおこすリスク高くなります。
お風呂で寝るのを防ぐ方法
お風呂で寝ない方法をいくつかご紹介しますが、基本的に、睡眠不足で眠い時にはお風呂で寝る可能性がありますので入らないでください。
- 長湯をしない(入浴は15分以内)
- 食事の前にお風呂に入る
- 歯磨きをしながら入る
- マッサージする
- 手足を適度に動かす
- こっている箇所をもみほぐす
- 半身浴にする
- タイマーのアラームをセットする
※手の指と足の指を閉じたり開いたりしてみましょう。お風呂で寝るのを防ぐだけでなく血行促進の効果がありますのでおすすめです。
他に「本を読む」「スマホを見る」「動画を見る」などの方法もありますが、夢中になって時間がたつのを忘れる可能性がある方はやめましょう。長い時間入っていると眠くならなくても他の事故を起こす可能性がありますので、入浴時間は10分~15分以内にしましょう。お風呂で寝るのを防ぐために、日ごろからしっかり睡眠をとって睡眠不足にならないようにしましょう。
お風呂で失神・死亡事故を防ぐ方法
お風呂で寝る・失神する・死亡事故を防ぐための方法をご紹介いたします。
お湯の温度は39℃~41℃
39℃~41℃のぬるめのお湯に入ると、副交感神経が刺激されて心身ともにリラックス状態になります。発汗や血圧上昇を防ぎ、筋肉もほぐれますので疲労回復の効果があります。また体内が適度に暖まることで消化が促進されて便秘の解消にも効果があります。
42℃以上のお風呂に長時間入ると血液がドロドロになり血栓ができやすくなりますので危険です。特に高血圧の方が42℃以上のお湯に入ると血圧が上がり心臓に負担がかかりますので注意しましょう。
入浴時間は10分~15分程度
疲労や体の冷えがある時は、血液の循環を良くしてリラックスするために39℃~41℃のぬるめのお湯に10分~15分程度入りましょう。また、お風呂に長時間入っていると水圧で血圧が落ち体温が上がるため白血球の数が減少し、免疫力が低下します。
熱めのお湯は3分程度
もしどうしても熱めのお湯に入りたい方は、42℃以上のお湯に入るときは3分程度にしましょう。5分以上入るのは血栓ができやすくなり心臓にも負担がかかりますので注意しましょう。
高血圧の人は半身浴が良い
高血圧の人が肩までつかると水圧で心臓や肺に負担がかかりますので胸または胸の下くらいの高さで入浴しましょう。特に息苦しくなるなどの症状が出たときは危険ですのでお風呂からすぐ出ましょう。
飲酒後には入浴しない
アルコールは血管を拡張、交感神経の麻痺、血圧降下、などを促進してしまいますので危険です。
深夜・起床後2時間は入浴しない
特に目覚めてすぐは血圧や脈拍の変動が大きいため入浴は注意しましょう。
脱衣所を暖める
寒い季節、服を脱ぐ脱衣所とお湯の温度差が大きいとヒートショックをおこす可能性があります。寒い脱衣所で血圧が急激に上がっている状態のまま、温かいお湯につかることで今度は急激に血圧が下がり、脳の血流の低下や酸素不足で心臓発作や脳梗塞や失神をおこす可能性があります。
高齢者の方や高血圧の方はヒートショック対策として、脱衣所に小型のヒーターや脱衣所専用のヒーターのご使用をおすすめします。
お風呂の正しい入り方
お風呂で寝る、お風呂で失神する、お風呂で死亡することが無いように正しいお風呂の入り方をご紹介いたします。
- お風呂に入る前にコップ1杯の水を飲む
- 脱衣所が非常に寒い時は暖めておく
- バスタブにお湯を入れてお風呂場を暖めておく
- お湯の温度は39℃~41℃のぬるま湯にする
- つま先からゆっくりお風呂にはいる
- 胸のあたりまでお湯に浸かる。半身浴がおすすめ
- 入浴中、手足を動かして血流を良くする
- 少しでも眠気がしてきたらすぐお風呂から出る
- 長くても15分以内にお風呂から出る
- お風呂からでたらコップ1杯の水を飲む
※手足をマッサージしたり、手の指と足の指を閉じたり開いたりするだけでも血行促進の効果があります。
お風呂に入ってはいけないケース
- 疲労が酷く睡眠不足で眠い時はお風呂に入らない
- お酒を飲んだ時はお風呂に入らない
- 起きてから2時間はお風呂に入らない
- 午前2時以降の深夜の時間帯はお風呂に入らない
まとめ
お風呂で寝る理由や危険性をご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
お風呂の温度と入浴時間によっては真逆の効果が出ます。41℃までは血液の循環が良くなって42℃度以上になると血液がドロドロになっていく…たった1℃の温度差が命の危険につながるということですね。
厚生労働省のデーターによると入浴中の死亡事故と考えられる死因は「浴槽内での溺死、及び溺水」及び「浴槽への転落による溺死及び溺水」で、約5,000件近く死亡事故があります。
しかし厚生労働省のデーターはあくまでも溺死や溺水で、入浴中の心筋梗塞や脳梗塞などは病死となるケースがほとんどですので、厚生労働省のデーターだけでは正確な入浴中の死亡事故数はわかりません。実際にはお風呂での死亡は年間約2万人いるといわれています。交通事故よりもはるかに多い数で驚きますね。