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栗が消化にいい理由
栗は消化にいい食材です。栗の可食部分100g中のカロリーは約165kcalと高めですが、炭水化物が約37g含まれているためです。他に多く含まれているのは水分が約59gと食物繊維が約4gです。
なぜか消化の悪いイメージを持たれてしまいやすい栗ですが、消化が悪くなるような栄養素は含まれていません。
栗のデンプンが消化を良くする
栗に含まれているデンプン(ブドウ糖やショ糖)には酵素が含まれています。胃腸の働きを促進し、消化を良くする作用があります。
“お腹を壊してしまったら焼き栗を食べるといい”と言われることもあるほどです。
栗が「食べ過ぎNG」と言われる理由
栗が消化の悪いイメージを持たれたり、食べ過ぎNGと言われることにはもちろん明確な理由があります。
栗の食べ過ぎは不溶性食物繊維の摂り過ぎになる
栗の可食部分100中には約4gの食物繊維が含まれており、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも含まれています。
しかし、ほとんどが不溶性食物繊維であるためバランスは決して良くありません。
不溶性食物繊維には腸の蠕動運動を促進する作用があり、適量を摂ることで排便がスムーズになったり便秘が解消されるなどします。
その一方で栗を食べ過ぎると消化不良を引き起こしたり、不溶性食物繊維が過剰に摂取されることで腸に強い刺激が与えられ腹痛を引き起こすことがあります。
軟便・下痢・便秘になってしまいやすいです。食べ過ぎると消化時間も長くなり、その分、胃腸にも負担がかかってしまうのです。
体に嬉しい栗の効果・効能
栗はカロリーの高い食材ですが、適量に食べれば健康にも美容にも嬉しい栄養素ばかりを踏んでいます。食べ過ぎなければ体に優しい食材なんです。
栗に含まれるビタミンCは熱に強い!
栗にはビタミンCが多く含まれています。抗酸化作用・血液中の白血球の働きをサポートする作用・免疫力を高める作用などが期待されます。ビタミンCは熱に弱く加熱することで減少してしまいやすい栄養素です。
しかし、栗に含まれているビタミンCはデンプンに包まれているため加熱しても壊れにくいです。
栗は加熱しなければ食べることができませんが、可食部分100g中に約33gものビタミンCを含んでおり、成人の1日の摂取量目安100mgを熱によって壊すことなく十分に補うことができます。
栗に含まれるカリウムは老廃物の排出をサポート
栗にはカリウムが多く含まれています。可食部分100中に含まれる量は約420mgです。摂取されたカリウムは腎臓の働きによって排出されるのですが、その際、老廃物の排出を促進します。
また、浮腫みも一緒に取り除く効果が期待されます。体の中のカリウムが不足することはほとんどありませんが、現代人の食生活やストレスによって不足する可能性が高まります。
心臓や筋肉の機能を調整する大切な栄養素ですので必要に応じて補うことも大切です。
栗に含まれる葉酸は女性に嬉しい栄養素
栗には葉酸が多く含まれています。可食部分100g中に含まれる量は約74㎍です。葉酸の主な働きは赤血球の生産をサポートすることです。血液を作り出し、貧血の予防と改善に役立ちます。
代謝の働きにも深く関わっており、細胞の生産と再生、体の発育にも重要な栄養素です。成人女性に必要な葉酸の1日の摂取量の目安は240㎍とされています。
妊活中・妊娠中・授乳中の女性にはより多くの葉酸が必要であるとされており、その量は400㎍~480㎍です。
基本的には食事から摂取することが望ましいのですが、間食やおやつに栗を食べることでも十分に補うことができる量です。
体を構成するアミノ酸が豊富な栗で体力の強化
グルタミン・ヒスチジン・アルギニンの3つのアミノ酸は免疫システムを正常な状態へと修復する効果が期待されます。
栗の可食部分100g中には、グルタミン約350g・ヒスチジン約61g・アルギニン約240gが含まれています。
その他にはアスパラギン約700gを含みますが、体を動かすためのエネルギー源として最も利用されるアミノ酸です。
さらには、メチオニン・イソロイシン(BCAA)・アラニン・グリシン・リジン・フェルアラニンなどの体を支えるアミノ酸も多く含まれています。
栗にも含まれるアミノ酸は私たちの体を作り出す生命の源であるとされていますが、約60%が水分、約20%がタンパク質、約15%が脂肪、約5%のその他で成り立っています。
その約20%のタンパク質を構成しているのがアミノ酸です。私たちの体の約20%はアミノ酸だ!と言っても過言ではありません。それくらい重要な栄養素だということです。
誰でも作れる簡単「栗ごはん」のレシピ
一度は作ってみたい栗ごはん。2人~3人前の栗ごはんの材料と繰り方の手順をご紹介します。初めてでも失敗なく作ることができるレシピです。
材料(2人~3人前)
- むき栗:400g(20個くらい)
- お米:2合
- 塩:小さじ1
- みりん:大さじ2
- 酒:大さじ2
- だし昆布:10cmくらい
- いりごま(黒)
作り方と手順
- お米をといで水気を切ります。
- 炊飯釜にお米と2合の目盛りまでの水を入れます。
- 塩・みりん・酒・だし昆布を入れてよく混ぜ合わせます。
- その上に栗を並べて炊き上げたら完成です。
- 炊き上がった栗ごはんをお皿に盛り、いりごまをパラパラと振りかけるとより美味しいです。
炊飯器で作る「栗+ホットケーキミックス」のケーキ
炊飯器で作ることができる栗ケーキをご紹介します。3合炊きの小さな炊飯器でもOKです。火を使わないので幼いお子さんとも一緒に楽しく作っていただけます。
材料
- むき栗(お好みでOK)
- ホットケーキミックス:200g
- 牛乳:150cc
- 卵:1個
- マーガリン、またはバター:15g
- メープルシロップ:大さじ3
○作り方と手順
- マーガリンまたはバターを常温に戻します。
- ボウルに卵を入れてよく溶きほぐします。
- 牛乳を加えて混ぜ合わせ、さらにメープルシロップを加えて混ぜ合わせます。
- ホットケーキミックスを加えたらダマにならないようによく混ぜ合わせます。
- 栗を加えます。丸ごと入れても良いですし、お好みの大きさにカットして入れても良いです。
- 常温に戻しておいたマーガリンまたはバターを炊飯釜に塗ります。
- ボウルで混ぜ合わせた材料を炊飯釜に入れて早炊きをします。
- しっかり加熱されているか確認し、必要であればもう一度早炊きします。
- しっかりと加熱され、半煮えなどがなければ出来上がりです。
- 出来上がった栗ケーキの上からさらにメイプルシロップをかけても美味しいです。
食べ過ぎにならない栗の1日の摂取量の目安
栗は食べ過ぎなければ消化にいい食材です。食べ過ぎると腹痛・軟便・下痢・便秘を引き起こすことがあります。
栗の1日の摂取量の目安を参考に食べることで食べ過ぎを防ぐことができます。
栗をおやつに食べるなら1袋まで
栗の食べ過ぎにならない1日の摂取量の目安は200g~250gくらいです。
大きめの栗10個くらいで200gくらいあります。また、コンビニやスーパーでおやつとして売られているむき甘栗は1袋150g~250gくらいです。
食べてみると分かりますが、1日で1袋を全部食べきるのはなかなかできません。家族3人~4人で食べて丁度おやつに良い量です。
栗の食べ過ぎはカロリーの摂り過ぎになる
栗の可食部分100g中のカロリーは約165kcalですから、食べ過ぎにならない1日の摂取量の目安は200gを食べた時の摂取カロリーは約330kcalです。
おやつや間食に食べるカロリーとしては高すぎるのではないでしょうか。
最後に
栗は消化にいい食材です。ただし、食べ過ぎると消化不良を引き起こすことがあります。
不溶性食物繊維の摂り過ぎによって腸が強い刺激を受け、腹痛・軟便・下痢・便秘の原因になることがあります。
体調不良を引き起こすことなく美味しく栗を食べることができる1日の摂取量の目安は100g程度がおすすめです。100gのカロリー165kcalを考えてもおやつや間食に良いカロリーです。
せっかく健康や美容に良い栄養素を多く含んでいる食材ですから、食べ過ぎることなく消化にいい量を食べるようにしましょう。