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かぼちゃは腐るとどうなるの?
比較的保存がきくかぼちゃですが、腐ると見た目の色やニオイ、触感などに変化が見られます。
状態によっては、かぼちゃが腐っているかどうかの判断が難しいこともありますが、まずは、かぼちゃが腐るとどうなるのか、特徴をご紹介します。
- 全体的に柔らかくなり溶ける
- 表面に白いカビが生える
- 中身のワタが変色してドロッとする
- 実が黒っぽくなる
- 切った時に糸を引く
- 嫌なニオイがする
- 酸っぱい味がする
このような特徴が現れていたら、かぼちゃが腐っている可能性が高いので食べずに捨ててしまいましょう。
《 ポイント 》
- かぼちゃは腐ると見た目の色やニオイ、触感に変化が現れる。
腐ったかぼちゃの見極め方
見た目の変化で判断する
腐り始めたかぼちゃは、包丁で切ると糸を引き始め、ワタや種が水分を吸ったようにドロッとしてきます。
そして、かぼちゃが腐るとワタや種にふわっとした白い綿状のカビが発生し、腐敗がさらに進むと赤緑色や黒いカビも生え、一目で腐っていると判断できるようになります。
かぼちゃが腐るとより酷くなり皮がぶよぶよしだして、表面にはべったりした汁が滲み出します。
このような状態のかぼちゃは傷んで腐っている状態なので、食べるのはあきらめて処分しましょう。ただし、ワタの部分に多少のとろみがある程度であれば熟れているだけの場合も考えられますので、見極めが難しい場合はニオイや触感も確認してみましょう。
また、カットした断面全体が白く粉っぽくなっているかぼちゃを、店頭で見かけることがまれにあります。これは、カビではなく、かぼちゃに含まれる「デンプン」が時間の経過とともに結晶化して白くなったことによるものです。
腐ってはいませんが、時間が経って乾燥して多少なりとも品質が低下していますので、早めに食べた方がよいでしょう。
ところで、表面の皮が深緑のかぼちゃの一部分だけ、黄色やオレンジ色になっているのを見かけたことはありませんか?
これはかぼちゃが腐っているのでも日焼けしたわけでもなく、畑の中で日が当たっていなかっただけなので、心配することなく普通に食べられます。
かぼちゃのニオイで判断する
かぼちゃが腐ると雑菌が増殖し、酸っぱいニオイがしてきます。また、カビが生えている場合はカビ臭さを感じることもあるでしょう。
ウリ科の仲間であるかぼちゃは、きゅうりや冬瓜などのような青臭さがあるものですが、これが腐りだすとウリ系のニオイがしなくなり、異臭が発生するので見分け方も分かりやすいでしょう。
かぼちゃの見た目に変化がなくても、このようなニオイのするかぼちゃは腐っている可能性がありますので、食べない方が無難です。
触感
かぼちゃが腐ると、手に持った時の触感にも変化が現れます。柔らかさを感じる他にも、表面にヌメリやベタつきなどがあった場合は傷みがかなり進行しています。
このような状態になってしまったかぼちゃは、既に異臭を発している場合がほとんどですので、感触に異変を感じたらかぼちゃを廃棄するようにしましょう。
味に変化
かぼちゃの見た目やニオイで判断がつかなくても、かぼちゃを食べた時に、カビっぽさや酸っぱい味がしたら腐っていると思って間違いありません。
かぼちゃで特に気をつけなくてはいけないのは、苦味を強く感じた時です。このような場合、毒性のものが関係しているかもしれませんので、充分注意してください。
この苦味は、かぼちゃのヘタ周辺に微量に含まれているククルビタシンという成分の影響からくるものなので、苦く感じた時は、食べないようにしましょう。
《 ポイント 》
- かぼちゃから白いカビが発生し、腐敗が進むと赤緑色や黒いカビも生え、一目で判断できる。
- かぼちゃが腐ると酸っぱいニオイやカビ臭さなど、異臭を発する。
- かぼちゃが腐ると柔らくなり表面にヌメリやベタつきなどができる。
- かぼちゃから苦味を強く感じたら毒性のものが関係している場合もある。
かぼちゃの保存期間の目安
ここでは、かぼちゃが腐るのを防ぐ為の正しい保存期間を紹介します。
常温保存した場合
かぼちゃは、常温に置いておくことで追熟が進み甘みが増すという特徴を持っています。
ですが、いくら保存がきくかぼちゃと言え、暑い時期や直射日光が当たる場所に放置していれば、腐る可能性は十分にあります。
また、かぼちゃをカットしたものと丸ごとの場合では、日持ちはずいぶんと違ってきます。丸ごとのかぼちゃであれば、冷暗所での存期間の目安は、2~3カ月程度ですが、カットしたものであれば、常温で放置すると腐りやすいので、必ず冷蔵保存か冷凍保存にしましょう。
冷蔵保存した場合
かぼちゃを丸ごと新聞紙に包んだ状態で1ヵ月は保存できますが、カットしたものを冷蔵庫で保存する場合は1週間程度が目安となります。また、かぼちゃを下ごしらえしてから冷蔵庫で保存しておくことも可能です。
冷凍保存した場合
かぼちゃを丸ごと1個消費できなかった時には冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存をする前に、下ごしらえとしてカットしたかぼちゃの種やワタをきれいに取り除いてから、ジップロックなどの保存袋や密封容器に入れて冷凍庫に入れます。そうすることで約1ヶ月は日持ちします。
また、冷凍する前に電子レンジである程度柔らかくしておくことで、解凍した時に使いやすく便利です。
調理したかぼちゃはどのぐらいの期間食べられる?
調理したかぼちゃは日持ちしません。蒸したり茹でたもので、3日ほど、ベースト状に調理したものだと1~2日が保存期間の目安となります。
かぼちゃの煮物やサラダは冷蔵保存で5日ほど日持ちしますが、念の為、お弁当のおかずにはしない方がよいでしょう。
ちなみに、かぼちゃを具にしたスープやカレーは日持ちがしないので、早めに食べるようにしてください。注意するポイントとして、調理後のかぼちゃは清潔な取り箸で分けるようにし、異変を感じたら食べないのがおすすめです。
《 ポイント 》
- 丸ごとのかぼちゃは冷暗所での存期間の目安は2~3カ月程度。
- かぼちゃをカットしたものを冷蔵保存する場合は1週間程度。
- かぼちゃを下ごしらえしてから冷凍保存した場合は1ヶ月程度。
- 調理したかぼちゃは日持ちしない。
かぼちゃの正しい保存方法
ここでは、かぼちゃが腐るのを防ぐ為の正しい保存方法を紹介します。
1個丸ごとを常温保存する方法
丸ごと1個のかぼちゃは常温で保存することが可能ですが、その場合、高温多湿を避け、風通しの良い場所に置くと腐りにくくなります。温度が高いとがぼちゃが腐る原因になりますので日が当たらない場所が適しています。
ただし、夏場はかぼちゃを涼しい場所に置いても日持ちしないので、野菜室で保存することをおすすめします。かぼちゃを新聞紙に包んでからポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
温度変化が激しいとかぼちゃは傷みやすいので、温度はできるだけ一定に保つように気を付けてください。
カットかぼちゃを冷蔵保存する場方法
カットしたかぼちゃは、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
種とワタには水分が多く含まれているため、それが残っていると傷む原因になりますのできれいに取り除きます。くり抜いた部分は洗うと傷むのが早まるので、洗わずに隙間がないようにぴったりとラップで包む必要があります。
かぼちゃの保存に最適な温度は10℃~13℃です。冷蔵庫の温度は0℃~5℃と低めなので、かぼちゃの保存に適しているとは言えませんが、冷蔵庫の野菜室であれば、5℃~10℃に設定されていますので、野菜室で冷蔵保存するようにしましょう。
かぼちゃを加熱してから冷蔵保存する方法
かぼちゃは先に下ごしらえしてから冷蔵庫で保存しておくことも可能です。
まずはかぼちゃを食べやすい大きさにカットし、耐熱容器に入れてラップをします。電子レンジを使って、かぼちゃ100gあたり2分ほど加熱したらラップをはがし、水気をきって冷めるまで置いておきます。
冷めたらジップロックなどの保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。
かぼちゃをマッシュしてから冷蔵保存する方法
マッシュしたかぼちゃを冷蔵庫で保存することもできます。
手順
- 上記の下ごしらえと同じく、カットしてからレンジで加熱します。
- 熱いうちにスプーンなどで実を皮からすくい取ります。
- 取り出した実は柔らかくなっていますので、ボールにいれてマッシャーでつぶします。
- 冷めてから使う分ごとにラップで包み、ジップロックなどの保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。
かぼちゃの実だけ使うので皮は余りますが、捨てるにはもったいないので他の料理に加えてみてもよいでしょう。
カットしたかぼちゃを冷凍保存する方法
カットしたかぼちゃは冷凍保存もできます。
手順
- かぼちゃは冷凍保存の場合でも腐る原因になるワタと種を取り除きます。
- あらかじめ切り分けて1回分の量に小分けにしておきます。
- ラップで包み、ジップロックなどの冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
かぼちゃを加熱してから冷凍保存する方法
かぼちゃを冷凍保存するときは、生よりも加熱調理してから保存した方が日持ちします。
生のままだとかぼちゃに含まれる酵素により腐敗の進行が早いのですが、あらかじめ加熱処理することでこの酵素を壊し、より保存性を高めることができるのです。
また、マッシュしたかぼちゃは冷蔵保存だけでなく、冷凍保存も可能です。マッシュして冷凍したかぼちゃを解凍してサラダやコロッケの種、デザートなどで使う場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しておくとよいでしょう。
時間がないときはレンジで解凍してもいいですが、くれぐれも加熱のし過ぎには注意してください。
冷凍したかぼちゃの解凍方法
加熱して冷凍したかぼちゃを解凍して調理する場合は、カチカチに凍った状態のかぼちゃを前日に冷蔵庫に移し替えて常温よりも低温下で自然解凍しておくとよいでしょう。
煮物や汁物で使う場合は冷凍のまま使うことができるので便利です。
かぼちゃで煮物を作ってから冷凍保存する方法
かぼちゃの煮物も冷凍保存することができます。調理した煮物が冷めてからジップロックなどの冷凍用保存袋に入れ、金属トレイの上にのせて冷凍庫で保存します。
冷凍したかぼちゃの煮物は冷たくてもおいしくいただけるので、前日に冷蔵庫に移し替えて自然解凍しておいてもよいでしょう。
もちろん電子レンジで温めなおしてもいいので、その場合はまずはいったん解凍し、耐熱容器に移してから温めなおしましょう。
《 ポイント 》
- かぼちゃを1個丸ごとを常温保存する場合は、高温多湿を避け風通しの良い場所に置く。
- カットしたかぼちゃは、冷蔵庫の野菜室で保存する。
- マッシュしたかぼちゃは、冷蔵でも冷凍でも保存できる。
- かぼちゃを冷凍保存する場合でも腐る原因になるワタと種を取り除く。
- かぼちゃの煮物も冷凍保存が可能。
まとめ:かぼちゃは腐っても見た目で判断できる
保存がきく野菜のひとつであるかぼちゃが腐るとどうなるのか、そして見た目、臭い、触感で腐っているかどうかの見極め方を解説してきました。
カロテンやビタミンC、Eが豊富なかぼちゃは、免疫力を高める効果があるので、積極的に食べたい野菜です。また、かぼちゃはさまざまな料理に使うことができる優れた食材です。
そんなかぼちゃを丸ごと上手に保存すれば、数か月にわたり日持ちさせることができることに驚いてしまいますよね。一方で、カットしたかぼちゃは水気を含んでいるワタと種を取り除くことで保存が可能です。
このように、かぼちゃが腐る原因となる環境や条件、腐った場合の見極め方を把握したうえで、上手にかぼちゃを保存してください。
常温保存、冷蔵保存、冷凍保存したカットしたかぼちゃやペースト状のかぼちゃなど、使いやすい方法で、ホクホク感や甘みを楽しめる料理に、ぜひ活用してみてください。