目次
睡蓮の花の由来
睡蓮は、朝に花が開き、夕方には閉じてしまうことから、「夕方に睡眠する蓮」という意味を込めて「睡蓮」と名付けられました。
現代において睡蓮の種類は多く確認され、夕方にも咲く睡蓮というのも多くあることが分かっています。
しかし、睡蓮という名がつけられた古い時代の日本の睡蓮は、夕方に閉じるものが多かったことが名前から分かるでしょう。
睡蓮はどんな花
睡蓮は水に浮かぶような形で花を咲かせるのが特徴です。よく蓮と混同されがちですが、蓮は水面より高い位置に花を咲かせるといった違いがあります。
また、睡蓮は葉にも特徴のある花です。睡蓮の葉は必ず切れ込みがあります。蓮との違いを上げるとなると、蓮の方が葉が丸いです。
さらに、睡蓮の葉が水面に浮かぶ「浮葉」と呼ばれる、他の植物にはあまりないものを持っています。
国花とする国
実は様々な国が睡蓮を国花としています。特にスリタンカ、タイ、バングラデシュとアジアに睡蓮を国花とする国が多いです。
他にはエジプト、ガイアナ、ギアナ、パプアニューギニアといった国が睡蓮を国花としています。エジプトではかなり睡蓮が愛されていると言うことは、後述にたくさん登場します。
また、国花ではありませんが、ロシア連邦の中にあるカルムイク共和国の国旗は睡蓮の花がデザインです。
睡蓮の花言葉特集全10選
ここからは、本題となる睡蓮の花言葉について紹介します。実は、睡蓮はたくさん花言葉がある花なのです。
その中から今回は、10種類の睡蓮の花言葉を紹介します。それぞれ代表的なもの、意外なもの、西洋で呼ばれているもの、怖い意味のものと分類しました。
どんな花言葉を意味するのか、さらにその花言葉にまつわる睡蓮のエピソードと併せて、それぞれ見ていきましょう。
代表的な睡蓮の花言葉6選
まずは睡蓮の花言葉の中から、特に代表的なものを6つ紹介します。有名なものから、ちょっとマニアックなものまで、ここで紹介される睡蓮の花言葉は実に様々です。
あなたの知っている花言葉があるのかどうかも、チェックしてみてください。
睡蓮の花言葉1:優しさ
睡蓮の花言葉には「優しさ」という意味があります。この花言葉は、睡蓮が愛されている国・エジプトに由来しているとのことです。
エジプト国民に愛されている、という象徴から睡蓮は同国で「ナイルの花嫁」と言われています。エジプトで花嫁、つまり女性は信仰心が深く、控えめな人が多いです。
このエジプトの女性像と睡蓮のイメージが重なることから、「優しさ」という花言葉が付けられました。
睡蓮の花言葉2:信頼
紫系、あるいはピンク系の色をした睡蓮の花言葉が「信頼」です。他の睡蓮よりも、紫やピンクの睡蓮はその色合いが強いことからこの花言葉が付けられました。
色合いの強さ、幅の広さは実に睡蓮の花の中でも圧倒的な存在感を放っています。シンボルのようであることが、この花言葉の由来です。
ピンクの睡蓮の花言葉については、後ほど詳しく後述します。「睡蓮の花色別の花言葉4選」の項目も併せて読んでみてください。
睡蓮の花言葉3:純粋
「純粋」な心は、白い睡蓮の花言葉の1つです。白い睡蓮の清らかなイメージが、この花言葉の由来とされています。
あまりの白さに、「どんな汚れた世界でも清らかな心を持った人」というのを彷彿とさせたことから「純粋」という花言葉が付けられたそうです。
その「純粋」なイメージは今日まで続いており、結婚指輪のモチーフにも多く使用されています。花嫁の白い姿と睡蓮がリンクするのは確かに容易です。
睡蓮の花言葉4:無垢
「無垢」も白い睡蓮の花言葉です。清らかなイメージを持つ睡蓮の中でも、白い睡蓮は特にその印象が強く、この花言葉が付きました。
また、古い時代から信仰の象徴とされてきた睡蓮は、汚れの無い心や、疑うこのとのない純真な心を連想させてきたと言われています。こういった理由も、「無垢」という花言葉の由来です。
確かに傷や汚れの1つもない、真っ白な睡蓮は「無垢」という言葉を連想させます。
睡蓮の花言葉5:愛くるしさ
睡蓮には「愛くるしさ」という花言葉もあります。これは睡蓮の習性から付けられた花言葉です。
睡蓮は、朝方に水面から出て花を咲かせます。そして、夕方に花びらが閉じる、ということの繰り返しです。この習性が、再生や豊穣を象徴すると言われていました。
さらに、この象徴が生命力をも彷彿とさせるため、「愛情」という花言葉が与えられたとされています。
生命の繁栄に必要不可欠な「愛情」は、まさに睡蓮にピッタリの花言葉です。
睡蓮の花言葉6:信仰
睡蓮の花言葉の中でもかなり有名とされているのが「信頼」です。その由来は、古代エジプトにおいて睡蓮が太陽のシンボルとされ、エジプト国内での装飾に使われたり、神話に登場することから来ています。
睡蓮は先程も紹介した通り、その多くの種類が朝に咲いて夕方に閉じる花です。その姿が、太陽のようであるとエジプトでは言われていました。
太陽のようである、つまり、崇める対象であったことから、「信仰」という花言葉が付けられたと言われています。
意外な意味を持つ睡蓮の花言葉
ここまでいくつかの睡蓮の花言葉を紹介してきましたが、どれも良い意味ばかりでした。しかし、睡蓮は他にも意外な花言葉を持つのです。
ここでは、意外な意味を持つ花言葉を紹介します。その花のイメージからは想像できない、驚きの花言葉が睡蓮にはありました。
睡蓮の花言葉7:滅亡
睡蓮にはなんと、「滅亡」という意味の花言葉があります。きっかけはギリシャ神話のニンフという妖精です。
学名は「Nymphaea」という睡蓮ですが、これはこのニンフが由来とされています。というのも、ニンフの生まれ変わりが、睡蓮であると言い伝えられているのです。
この睡蓮の花言葉とニンフがどう関連しているのかを、さらに詳しく紹介していきます。なぜ睡蓮が「滅亡」の花言葉が付けられたのかがよく分かるでしょう。
睡蓮の花に滅亡がついた理由
その昔、睡蓮を摘もうとした人が、生まれ変わったニンフによってなんと次々と水中に引きずられてしまったというのです。
人々がニンフの生まれ変わりである睡蓮によって滅亡させられてしまったことから、この花言葉が付いたと言われています。
また、睡蓮が「滅亡」の花言葉を持つようになったきっかけとなるニンフの話は後述しています。詳しくは、「怖い意味を持つ睡蓮の花言葉」を見てみてください。
西洋に伝わる睡蓮の花言葉
西洋、つまり英語にも花言葉というのがあります。そしてその中には、日本語と同じように伝わるものもあるのです。
さらに、西洋で言い伝えられている花言葉はより起源に近いとされています。というのも花言葉はもともと西洋の貴族が作ったものが明治時代に開国した際、日本に伝わったものだからです。
それでは、西洋で伝えられている睡蓮の花言葉を紹介します。睡蓮は、英語で次のような花言葉が付けられていました。
睡蓮の花言葉8:purity of heart(清らかな心)
西洋で睡蓮の花言葉は”purity of heart”と言います。これは日本語で「清らかな心」という意味です。日本語でも「純粋」という花言葉があります。
エジプト同様、西洋でも睡蓮は信仰の象徴として存在していました。というのも、その真っ白な見た目が清純さや信仰心を連想させるからです。
その清純なイメージから、「清らかな心」という花言葉が付けられたとされています。
怖い意味を持つ睡蓮の花言葉
睡蓮には意外に意味を持つ花言葉があると先程紹介しました。しかし、実は他にも怖い意味を持つ花言葉が、睡蓮にはあるのです。
ここからは、怖い意味を表す睡蓮の花言葉を紹介します。一体、睡蓮にはどんな怖い花言葉があるのでしょうか。
睡蓮の花言葉9:終わった愛
怖い意味を持つ睡蓮の花言葉の1つ目は、「終わった愛」です。由来は先程も紹介したニンフにまつわるエピソードにあります。
妖精のニンフはかつて、ギリシャ神話の英雄・ヘラクレスを愛していました。しかし、突然ヘラクレスはあっさりとニンフを捨ててしまうのです。
強いショックで立ち直れなくなったニンフはその後、ナイル川に身投げし、睡蓮に生まれ変わりました。このことから成就せずに「終わった愛」という花言葉が睡蓮に付けられたのです。
睡蓮の花言葉10:冷淡
もうひとつある、怖い意味を持つ睡蓮の花言葉は「冷淡」です。これはニンフのエピソードに登場する、英雄・ヘラクレスから由来していると言われています。
英雄のヘラクレスは、妖精のニンフと自分があまりにも身分が違いすぎることからニンフを振ってしまいました。
身分の違いというあまりにも酷い理由、そしてあんなに愛していたニンフをあっさりと捨てる、その「冷淡」ぶりからこの花言葉が付けられたのです。
睡蓮の花色別の花言葉4選
花の色によって決められた睡蓮の花言葉があることは先述の通りです。しかし、他にも睡蓮の色によって決められた花言葉があります。
ここでは、睡蓮の色ごとに分けられる睡蓮の花言葉をまとめます。これを読めば、色ごとにどんな花言葉を睡蓮が持っているのかを覚えられます。
花色別の花言葉1:白い睡蓮の花言葉
睡蓮の花言葉は白い睡蓮に由来するものが多いです。そんな白い睡蓮には、「無垢」、「純情」、「潔白」という花言葉が付けられています。
これらは、古代エジプトに生きた人々が、白い睡蓮を見て純粋さや信仰心などの象徴、清らかなイメージを持っていたこが由来です。
花色別の花言葉2:ピンクの睡蓮の花言葉
ピンクの睡蓮の花言葉は、「信頼」となっています。こちらも先述の通り、そのピンクの濃さが存在感を示し、信頼できることから名づけられました。
また、淡いピンクにも「信頼」という花言葉は付けられています。というのも、淡いピンクにも落ち着いた、美しい印象があり、「信頼」のイメージに相応しいとされているからです。
花色別の花言葉3:黄色い睡蓮の花言葉
黄色い睡蓮の花言葉は、「優しさ」です。はっきりとした色合いや淡い色などある黄色の睡蓮は、そのどれもが見る人の気持ちを明るくさせます。
そうしたことから、人の心の温かさを象徴する「優しさ」という花言葉が黄色い睡蓮に付けられました。
明るい気持ちにしてくれるだけでなく、落ち着かせてくれるので、とてもピッタリな花言葉であると言えます。
花色別の花言葉4:紫や青の睡蓮の花言葉
紫や青の睡蓮の花言葉にも、「信頼」という花言葉が付けられています。これもそれぞれの色合いの強さが由来です。
紫や青の睡蓮、特に紫の睡蓮はかなりハッキリとした色合いのものが多くあります。その色合いの強さが睡蓮の中でも圧倒的な存在感を放っているのが実態です。
その存在感の強さが、信頼感を持っていることからこの花言葉が付けられました。
睡蓮の誕生花
諸説ありますが、生まれた月日を象徴する花を表す誕生花は、ギリシャやローマがルーツと言われています。
睡蓮を誕生花とする日付は、4月27日、5月8日、7月1日、7日、23日、8月5日、8日、10月30日です。また、4月27日は白い睡蓮、5月7日と8日は黄色い睡蓮が誕生花とされています。
これらの中に身近な人の誕生日があったら、睡蓮を送るのも良いでしょう。
睡蓮の花の種類
一口に睡蓮と言っても、睡蓮には種類がたくさんあります。その種類というのはそれぞれ咲かせ方や花びらの形、色、咲く時間などまちまちです。
ここからは、睡蓮の花の種類とそれぞれの特徴を紹介します。これを読めば、睡蓮にどんな種類があるのかが良く分かります。
ブルー・ロータス
ブルー・ロータスとはその名の通り、青い睡蓮です。古代エジプトや西洋の貴族の間で古くからハーブの1つとして儀式や薬として用いられてきました。
その洗練された、神聖なイメージからも「ナイルのユリ」と呼ばれ愛されているのがブルー・ロータスです。
ハッキリとした色合いがかなり印象的ですが、乾燥させると淡い紫色になるという特徴もあります。
ヒツジグサ
ヒツジグサは睡蓮の中でもかなり珍しい、日本原産の睡蓮です。
未の刻、つまり午後2時から咲き出すことが名前の由来と言われています。しかし、実際のヒツジグサは朝から夕方まで咲く花です。
また、ヒツジグサは白い色でしかないことや、世界最小の睡蓮といわれていることも特徴に挙げられます。その直径は3~4cmしかありません。
ヨザキスイレン
ヨザキスイレンは午後7時頃に咲き始め、翌日の午前11時頃に花を閉じる睡蓮の一種です。この習性から、夜に咲く睡蓮ということで名づけられました。
花の色は白です。大きさは20~25cm、花弁が丸いのも特徴です。古くからある睡蓮と言われ、なんとエジプト神話にもヨザキスイレンの描写があります。
その当時からナイル川にも多く生えており、愛称も「ナイルの花嫁」です。
睡蓮の花の季節や原産地
ここまで睡蓮の花言葉やその意味、由来となるエピソードをたくさん紹介してきました。読んでいて睡蓮に興味を持つようになった方もいるはずです。
そこでここからは、睡蓮の花が咲く季節や、原産地など、睡蓮自体のことについて紹介します。これを読めば、睡蓮がどんな花なのかを理解することが可能です。
睡蓮の開花時期
睡蓮は、開花時期がとても長いです。その開花時期は、5月から10月とされています。開花時期が5か月と長いため、見る機会の多い花とされています。
この期間、岐阜県関市にある「モネの池」に咲く睡蓮もかなり見ごろです。クロード・モネという画家は睡蓮をモチーフとした作品を多く描きましたが、まるでその絵を生で見たかのような感覚になります。
また、都内の睡蓮スポットである上野恩賜公園の不忍池、葛飾区の水元公園は7月中旬頃が見ごろです。
睡蓮の名称・原産地
睡蓮の原産地は、主に世界中の熱帯、または温帯地域が中心です。また、熱帯と温帯によって睡蓮に違いが現れます。これをそれぞれ「熱帯性睡蓮」と「温帯性睡蓮」と呼びます。
熱帯性睡蓮は、水面より少し上に、立ち上がった状態で花を咲かせるのが特徴です。花の咲く時間は品種によって昼、夜、それぞれ咲くものがあります。
一方の温帯性睡蓮は、水面にほど近いところで花を咲かせるというのが熱帯性との違いです。花の色は淡い色が多く、ピンクや白、赤、黄色などがあります。
睡蓮の花言葉を知っておこう
今回は、睡蓮の花言葉について紹介してきました。睡蓮の花言葉は、紹介してきただけでもたくさんあります。
それぞれの花言葉が睡蓮と強い結びつきを持ち、その花の特徴をとらえていました。花言葉を詳しく知ることで、睡蓮をより深く知ることが可能なのです。花言葉をきっかけに睡蓮を知り、興味を持つことで、睡蓮自体の魅力を再認識できるでしょう。
睡蓮の花言葉をしっかりと理解し、より深く睡蓮への理解を示しましょう。