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寸志とは
寸志の書き方をご存知でしょうか?以前、寸志の書き方が分からず困ったことがありました。そもそも寸志はどのようなシーンで必要になるものでしょうか?
寸志とは、心づけとも呼ばれる、お世話になった方への御礼や感謝の形です。お祝い事の席、喜ばしいシーンで贈られる時に使用される表現になります。
漢字からわかる意味として、自分から相手への贈り物を「つまらないものですが…」という表現と同じく、控えめに表現する、へりくだった表現となり、金銭や品物でのお返しをこう呼びます。
シンプルな白地の封筒でお渡しすることもありますが、最近では、適した封筒がコンビニエンスストアや、100円均一ショップでも販売されていますのでチェックしてみてください。
また、品物で寸志をお渡しする際には、寸志と書かれた熨斗(のし)をつけます。主に、日本のビジネスシーンにおいて、良く登場するものです。
・歓送迎会で上司の方から部下の方へ
・慰労会で上司の方から部下の方へ
・結婚式でお世話になった方へ(「心づけ」と封筒に記載)
・ホテルや旅館などで、スタッフや仲居さんなどから特別な心遣いをしていただいた時
(この場合は「心づけ」と封筒に記載してお渡しすることが一般的です)
寸志の書き方
現金で寸志をお渡しする際は、シンプルな白い封筒を用意して使用するケースと、コンビニエンスストアや文房具店、100円均一ショップなどでも適した封筒が購入できます。
寸志や御礼用として売られている封筒を購入した際は、中袋も付いてくることが多いですので、それぞれの場合の表面や裏面、中袋について、それぞれの書き方について進めていきたいと思います。
寸志に使用する熨斗袋は、色々な種類がありますが、一般的に、封筒型を使用し、「花結び」と呼ばれる水引の、蝶々結びが印刷されたものを使用します。
花結びの印刷されている封筒型がない場合は、「赤棒熨斗袋」という、白封筒に赤い線が1本引いてある封筒を使用しますが、花結びの熨斗袋は手に入りやすく、手に入れるのに苦労はしないのでご安心ください。
どうしてもこれらを探す手間がなく、白い封筒を使用する場合は、きちんと表書きをしてお渡しすれば大丈夫なケースが殆どです。
表面の書き方
色の濃いサインペンや筆ペンを用意しましょう。お祝い事の席、喜ばしいシーンで贈られるものへは、必ず濃い色で記載します。
熨斗袋の水引の中央、または白い封筒の中央上部に、「寸志」と書きます。目上の方へ贈る際には、「御礼」「御挨拶」「謝儀」と書きます。熨斗袋の水引の中央、または白い封筒の中央上部から、寸志と記載したところから下の方に氏名を書きます。
会社名を入れる場合は、名前の右側に、名前よりやや小さめに書きます。この際、株式会社なども記載しましょう。品物で寸志をお渡しする際には、寸志と書かれた熨斗(のし)をつけます。書き方は熨斗袋の内容と同じです。
裏面の書き方
中袋がない場合・白い封筒で寸志を用意する場合
熨斗袋、または白封筒の裏面に、住所と氏名を記載します。
※基本的に、寸志や御礼はお返しを頂かないことが前提である場合が多いので、金額を記載する必要はありません。
中袋がある場合
中袋の表面の中心から少し外した所に、住所と名前を書きます。中袋がある場合は、表袋の裏面には何も書く必要はありません。
※中袋には、金額を記載する箇所がありますが、お返しを辞退することが前提になっている場合は、金額は記載する必要はありません。基本的に、寸志や御礼はお返しを頂かないことが前提である場合が多いので、金額を記載する必要はありません。
心づけの場合
心づけの場合は特に金額の記載はせず、小さなポチ袋を用意しておき、表面に心づけと記載し、裏面に贈り主の氏名を入れておく程度で良いでしょう。
むき出しで差し上げるのは、日本ではちょっと直接的すぎる印象がありますので、心づけを差し上げるようなシーンに出向く際は、ちょっと可愛いポチ袋を用意しておくことをお勧めいたします。
寸志の相場
どのようなシーンでお渡しするかにもよりますが、1,000円から10,000円程度が一般的です。贈る側の立場によって金額が異なります。考えられるシーンでの相場は以下の通りとなります。
寸志を渡すシーンごとの相場
歓送迎会や慰労会
このようなシーンで贈る場合は、下の立場の人は会費と同額程度、立場が上の人は会費の金額よりも少し多めに支払うことが一般的と言われています。
結婚式で贈る、心づけの相場(結婚式でお世話になった方へ贈る場合)
- ウェディングプランナー:5,000円~10,000円
- ヘア&メイクや着付け:3,000円~10,000円
- フォトグラファー:3,000円~10,000円
- 介添人:3,000円~5,000円
- 披露宴会場の責任者スタッフ:5,000円~10,000円
- 司会者:5,000円~10,000円
- 披露宴会場までやその他移動でお世話になったドライバー:3,000円~5,000円
ホテルや旅館などで、スタッフや仲居さんなどから特別な心遣いをしていただいた場合
日本のホテルや旅館においては、最初から料金にサービス料などが盛り込まれていますので、外資系のホテルも含めて、お渡しする必要はありません。
ただ、そうは言っても、特別な取り計らいをしていただいたり、心のこもったおもてなしをお受けした場合、文字の通り、「心づけ」をお渡ししたいと思うことがあるでしょう。
しかし、規則として、お客様から心づけをいただくことを禁止しているケースも多いため、そのような場合は、最近は比較的どこでもアンケートを用意している施設が多いですので、こちらのアンケートに、該当のスタッフの方のお名前を記載し、感謝の気持ちを書いてくることをお勧めいたします。
もし、受け取っていただける場合は、すでにサービス料は盛り込まれていますので、1,000円~3,000円程度が相場と言えそうです。
寸志の渡し方
特にこうしなければならない!といった鉄則はありませんが、渡すタイミングは大事だと思います。
歓送迎会や慰労会で渡す場合
会が開かれる前に幹事さんにお渡しすると良いでしょう。歓送迎会の最中や終了後に幹事さんにお渡しすると、お金の管理がややこしくなりますし、幹事の方から会に参加の皆さんに向けて、寸志をいただいたことを伝える機会を逃してしまいます。
結婚式でお世話になった方々へ渡す場合
この場合も、式や披露宴の終了後は時間も押している場合、スタッフの方はあわただしく、なかなかご挨拶ができずにお渡しできず終い…なんていうこともありますので、この場合も式や披露宴の始まる前、ヘアメイクや着付けは開始前にお渡しすることで、気持ちよく準備を始められるかと思います。この場合は、小さなポチ袋に現金を入れてお渡しすることが一般的です。
ホテルや旅館などで、スタッフや仲居さんへ渡す場合
この場合は、さりげなく、周囲になるべく気づかれないようにお渡しすることがスマートな渡し方となります。渡すタイミングとしては以下のような時が渡しやすいでしょう。こちらも可愛い小さなポチ袋に入れて差し上げると良いでしょう。
- お部屋に案内されたときや、部屋でお茶を入れてもらったとき
- 担当のスタッフや仲居さんが挨拶にこられたとき(夕食時に部屋係と会った時)
- 特別なサービスを提供していただいた直後
寸志の注意点
せっかく御礼や感謝の気持ちを込めていても、ビジネスシーンにおいて、寸志は、「目上の人から目下の人に対して渡す心付け」という位置づけになりますのでご注意を。
もし、自分がお相手よりも目下の場合、お相手の方に御礼や感謝の気持ちとしてお渡しする際は、「寸志」という表現は使用せずに、「御礼」「御挨拶」「謝儀」と表書きに記載し、品物をお渡しする際の熨斗にも、このように記載してください。
寸志とは「目上の方から目下の方へお渡しする」際の表現になりますので、決して目上の方へ贈る際には、「寸志」とは記載しないよう、ご注意くださいね!
まとめ
寸志はあくまでも目上の人から目下の人へ贈る場合の表現であり、目下の人から目上の人へ贈る場合は、「御礼」「御挨拶」「謝儀」になります。御礼や感謝の気持ちを贈るという点は同じですが、表現を間違えると、かえって失礼になりますので、十分ご注意ください。
寸志や心づけにまつわるまとめは以下の通りとなります。書き方のマナーやお渡しするタイミングを見計らい、気持ち良い時間を過ごしましょう。
- 目上か目下、どちらに贈るかで表現が変わるので注意が必要
- 贈る袋は、市販のものでも白封筒でも大丈夫
- 寸志も御礼も喜ばしいことなので、必ず濃い色の筆ペンやペンを用意する
渡すタイミングは、どのような場合も会や宴会が始まる前にさりげなく!宿で受けたサービスに対する心づけは、サービスをしてもらった直後にその場でお渡ししましょう。