目次
じゃがいもの旬と産地
じゃがいもは日本全国、さまざまな地域で栽培されています。
主な産地は北海道・長崎県・鹿児島県です。スーパーなどに並ぶじゃがいもは、時期によって産地も変わります。
じゃがいもを購入するときに、ぜひ産地を確認してみてください。
産地で旬の時期も変わる
じゃがいもは通年出回っている野菜ですが、産地が違えば旬の時期も変わります。また、植え付けの時期によって、新じゃがを収穫する時期もまちまちです。
春植え
産地 | 植え付け | 収穫 | 旬 |
北海道 | 4~5月 | 8~10月 | 9~12月 |
九州 | 1~3月 | 5~7月 | 6~9月 |
秋植え
産地 | 植え付け | 収穫 | 旬 |
九州 | 9月 | 11~12月 | 1~2月 (早春じゃがいも) |
冬植え
産地 | 植え付け | 収穫 | 旬 |
九州 | 10~12月 | 2~4月 | 2月下旬~5月 (新じゃがいも) |
その年の一番初めにスーパーに並ぶ新じゃがは、長崎県や鹿児島県の新じゃがです。
《 ポイント 》
- 北海道産じゃがいもの旬は「9~12月」
- 九州産のじゃがいもの旬は「6~9月」「1~2月」「2月下旬~5月」
新じゃがの主な産地は長崎や鹿児島
じゃがいもは通常、掘った後しばらく寝かせてから出荷されます。
一方で新じゃがは、長期保存させずに掘りたてをすぐに出荷したもの。新じゃがとして販売されるのは、暖かい地域である長崎や鹿児島で生産されたじゃがいもです。
長崎産や鹿児島産の新じゃががお店に並ぶのは、春になるちょっと手前くらいの時期。初夏の時分になると、北海道産のじゃがいもが店頭に並びはじめます。
早春じゃがいもの旬は1~2月
九州などの暖かい地域では、秋(9~10月頃)に植え付けたじゃがいもを、1月下旬頃から収穫します。春に出回る新じゃがよりも収穫が早いので、「早春じゃがいも」という名前がつけられています。
じゃがいもの品種ごとの旬と選び方
じゃがいもの品種により、旬の時期は微妙に異なります。じゃがいもの基本的な選び方と品種別の旬の時期、選び方について紹介します。
基本的な選び方
劣化しておらず、味の落ちていないじゃがいもを見極めるには、以下のポイントをチェックするといいでしょう。
- 芽が出始めていないもの
- シワがよっていない物
- かたいもの
- 緑っぽくなっていないもの
じゃがいもの皮は、日に当たると緑っぽい色に変色します。変色した部分には、じゃがいもの芽と同じソラニンなどの毒素が含まれるので避けましょう。
また新じゃがは、皮が薄ければ薄いほど新鮮です。購入する際は、パッケージに入ったじゃがいもの裏側も、しっかり確認してくださいね。
品種ごとの旬と選び方
じゃがいもには、さまざまな品種があります。品種によって味や食感に特徴があるので、向いている料理も異なります。じゃがいもを購入する際は、作る料理に合ったじゃがいもを選びましょう。
品種ごとの旬の時期と選び方をまとめました。
男爵
夏~秋に収穫量が多く、すぐに低温で保存され少しずつ出荷されます。翌年の冬までの間おいしく食べられるので、この時期が旬といえますが、一年中出回っているので旬の時期にこだわることもありません。
男爵は、北海道でもっとも多く栽培される品種です。ホクホクとした食感が魅力です。
【選び方】
- 表面がつるっとしているものを選ぶ
- しっかりと重みを感じられるものを選ぶ
- サイズは大きすぎないものを選ぶ
【向いている料理】
- ポテトサラダ
- フライドポテト
- コロッケ
メークイン
メークインは一年中出回っており、味も変わらずいつでもおいしく食べられるので、旬の時期はとくにありません。メークインの主な産地は北海道ですが、日本のさまざまな地域で栽培されています。煮ても形崩れしにくく、糖分が多めでなめらかな舌触りが特徴です。
【選び方】
- 適度な大きさがあるもの
- 表面がでこぼこしていないもの
- 傷や穴がなく、きれいな楕円形がベスト
【向いている料理】
- おでん
- グラタン
キタアカリ
キタアカリの旬は、秋(9~10月)頃です。しかし、ほかの品種と同様に一年中出回っているので、旬の時期はないと言ってもいいでしょう。
キタアカリの主な産地は北海道ですが、病気になりにくく栽培しやすいので、広い地域で栽培されています。切り口が黄色くて甘みがあり、煮崩れしやすいのが特徴です。
【選び方】
- 全体的に丸みを帯びているもの
- しっかりと重みのあるもの
- 皮が緑に変色していたり、シワが出ていたりするものは避ける
【向いている料理】
- 粉ふきいも
- フライドポテト
- ポテトサラダ
その他(インカのめざめ・アンデス赤など)
ほかにも、小さめサイズが特徴の「インカのめざめ」や赤紫の皮が印象的な「アンデス赤」など、珍しいじゃがいももあります。
インカのめざめの旬は秋頃で、アンデス赤の旬は夏のはじめ~秋の終わり頃です。両方とも、長期の保存には向きません。スーパーではあまり見かけませんが、もし旬の時期に見つけたら、購入してみてはいかがでしょうか。
【選び方】
シワがなく、芽の出ていないかたいものを選びましょう。
向いている料理
- インカのめざめ:炒め物、揚げ物、煮物など、すべての料理におすすめ
- アンデス赤:ポテトサラダ、コロッケ、揚げ物
《 ポイント 》
- 緑に変色したじゃがいもの皮周辺には、芽と同じ毒素が含まれるので注意!
- 男爵とメークインに旬はなく、一年中おいしく食べられる
- キタアカリの旬は9~10月頃!
じゃがいもの下ごしらえのコツ
じゃがいもは煮物や揚げ物、炒め物など、さまざまな料理に利用できます。じゃがいも料理を仕込むときに、ちょっとしたポイントを意識することで、グッとおいしくなります。
ここで、じゃがいもをおいしく食べるための、下ごしらえの手順を紹介します。
手順
- じゃがいもを流水で洗う
- タワシやブラシを使い、じゃがいもの溝に詰まった泥汚れなどを落とす
- ペティナイフかピーラーを使い、じゃがいもの皮をむく ※芽がある部分は、皮と一緒に根元から厚めにむく
- 料理に合わせて、好みの形にカットする
- 水をためたボウルにじゃがいもを入れる
- 10分ほど水にさらしたら、ザルにあげる
茹でる前に水にさらしておくとデンプン質が落ち、変色や煮崩れを防ぐことができます。炒め物に使用する場合は、調理の直前にサッと水にさらすだけでOKです。
茹で方のポイントは、水の状態で鍋にじゃがいもを入れ、火にかけることです。沸騰したらすぐに中火にし、やわらかくなるまで弱火でじっくり茹でましょう。
《 ポイント 》
- じゃがいもをカットした後10分ほど水にさらすと、煮崩れしにくくなる
- じゃがいもを炒め物にする場合は、調理の直前にサッとさらせばOK!
- 茹でるときは、水の状態からじゃがいもを入れ、火にかける
じゃがいもの切り方
じゃがいもを調理する際は、料理に適した形にカットしましょう。じゃがいもの基本的な切り方を紹介します。
皮のむき方
- じゃがいもをよく洗い、キッチンペーパーなどで水気を拭く
- 両側の皮を厚めに落としてから、その部分を起点にし同じ方向にむいていく
じゃがいもは丸みがあるので、指を切らないように気をつけましょう。
輪切り
- まな板にじゃがいもを横にして置き、5ミリ~1センチ幅で等間隔に切る。
※幅は調理によってお好みで!
輪切りが適した料理は、ポテトグラタンやソテーです。
半月切り
- まな板にじゃがいもを置き、縦に半分に切る
- 切った面を下にしてまな板に横にして置き、5ミリ~1センチ幅で等間隔に切る ※幅は調理によってお好みで!
半月切りは炒め物や煮物など、どんな料理にも合います。
棒切り
- お好みの幅に輪切りにしたじゃがいもを、まな板の上に重ねて置く
- 調理に合わせた幅で、等間隔に切る
棒切りは、ポテトフライにぴったりの切り方です。炒め物にもおすすめです。
《 ポイント 》
- どの切り方も、等間隔でそろえて切ると見栄えがよく、火の通り方も一定になる!
じゃがいもに関するよくあるQ&A
じゃがいもに関する、よくある疑問点に回答します。
A.じゃがいもの芽には、非常に毒素の強い「ソラニン」や「チャコニン」が含まれています。吐き気などの中毒症状を引き起こす危険性があるので、芽だけでなく芽の周辺もえぐるようにして皮ごと取り除いてください。
A.りんごと一緒に保存しておくと効果的です。りんごには、じゃがいもの発芽を阻止するエチレンガスを発する性質があります。また、室温が15℃以上になると発芽しやすくなるので、暖かくなってきたら冷蔵庫に保管した方がいいですね。
A.緑色に変色している部分の皮にも、ソラニンやチャコニンといった有毒な物質が含まれます。口に入れてしまうと、中毒症状を起こす可能性があります。皮には栄養が多く含まれますが、緑色の部分は厚めにむいてから調理してください。
じゃがいもを保存・調理するときの参考にしてくださいね。
じゃがいもの正しい保存方法
じゃがいもは、基本的に常温保存で大丈夫です。日が当たらないように注意してください。室内の温度が15℃を超えると発芽しやすくなるので、夏場は冷蔵庫の野菜室に保存することをおすすめします。
常温保存のやり方
- 新聞を敷いた段ボール、または麻袋などに入れる
- 発芽防止のため、あればりんごも一緒に入れる
- 風通しの良い冷暗所に置く
冷蔵保存のやり方
- じゃがいもを適量ずつ分けて、新聞紙やキッチンペーパーで包む
- 1をポリ袋に入れる
- 発芽防止のため、あればりんごも一緒に入れる
じゃがいもは、芽さえ出なければ3~4ヵ月もちます。正しい保存方法で、できる限り長持ちさせましょう。
《 ポイント 》
- 保存する際は日が当たらないように注意する
- 室内の温度が15℃以上になると発芽しやすくなる
- 夏場など気温が上がる時期は冷蔵保存にする
最後に
じゃがいもは家庭にあるとなにかと重宝する、頼りになる野菜です。旬の時期をとくに気にしなくても、通年手に入れることができ味も一定しています。
とはいえ、新じゃがには特有のおいしさがありますよね。採れたてのじゃがいもの味は、旬の時期にしか味わえない貴重なもの。
新じゃがの旬の時期を狙って、食べてみてはいかがでしょうか。