幸福度が低い人の特徴9つ…誰でも磨ける“幸せを感じる力”を解説

幸福度が低い人には共通する特徴があります。なぜ幸せを感じにくくなるのか、背景にある心理や日本人特有の傾向も解説します。さらに幸福度を高めるための具体的なヒントを紹介します。

幸福度が低い人には共通点がある

「特に大きな不幸はないはずなのに、心が満たされない」
「何をしても楽しめない」

と感じる人は少なくありません。これは単に気分の問題ではなく、考え方や習慣に共通点があることが研究からもわかっています。

また、国際調査では、日本人の主観的幸福度は対象国の中でも低い傾向が見られます。その理由の一つとして、日本では

「幸せについて考える機会が少ない」
「人前で幸せを語るのは気恥ずかしい」

といった文化的背景があると指摘されています。つまり、私たちは日常の小さな幸せを意識する習慣が弱く、そのことが幸福度の低さにつながっている可能性があるのです。

幸福度が低い人に共通する9つの特徴

幸福度が低い人に共通する特徴を整理しました。当てはまるものがあるかどうかを確認しながら読み進めてみてください。

①他人と自分をすぐに比べてしまう

幸福度が低い人は、他人と自分を常に比較する傾向があります。特にSNSで華やかな投稿を見ると、自分が劣っているように感じてしまいがちです。

人と比べること自体は自然な行動ですが、過剰になると「自分には何もない」という劣等感が強くなり、日常の喜びを感じにくくなります。比較の基準が上がり続けると、幸せの閾値が高くなり、どんなに環境が整っても心は満たされません。

②「自分なんて」と自己否定しやすい

自己肯定感が低いことも、幸福度の低さに直結します。

「どうせ自分なんて」
「自分には価値がない」

といった言葉を無意識に繰り返してしまう人は、褒められても素直に受け取れず、達成感や幸福感を味わいにくいのです。

小さな成功を認められないため、常に自分を責めるループに入り込みます。これでは前向きな気持ちが育たず、幸福度が下がってしまいます。

③嫌な出来事を長く引きずる

幸福度が低い人は、過去の失敗や嫌な出来事を長く引きずる傾向があります。完璧主義で「失敗してはいけない」と思い込んでいると、小さな過ちでも頭から離れません。

その結果、現在の生活に集中できず、心はいつも過去に縛られてしまいます。失敗を成長のチャンスと考えられる人は幸福度が高いことが多いのですが、その逆をたどるのがこの特徴です。

④人に頼れず孤独を抱えやすい

幸福度が低い人は、困っていても人に頼るのが苦手です。

「迷惑をかけるのではないか」
「どうせ理解されない」

と考えてしまい、問題を一人で抱え込みます。その結果、孤独感が強まり、幸福感はさらに下がってしまいます。信頼できるつながりを持つことは幸福の大きな要素ですが、それを避けてしまうことが特徴として現れます。

⑤心や体の不調をそのままにしてしまう

睡眠不足や運動不足、食生活の乱れなどが続くと、心も体も疲れやすくなります。幸福度が低い人は、この不調を軽視したり放置したりする傾向が強いのです。

体が疲れていると気持ちも沈みやすくなり、幸福を感じる余裕がなくなります。健康と幸福は密接に結びついているため、ここを無視することは大きなマイナス要因となります。

⑥時間の余白がなく常に忙しい

幸福度が低い人は、予定を詰め込みすぎて「自分の時間がない」と感じやすい傾向があります。

休息の時間を軽視し、効率や義務ばかりを優先してしまうと、心身が回復できずに疲労感が蓄積します。その結果、どんなに成果を出しても達成感が薄く、幸福感が伴いません。

時間の余裕がない生活は「時間の貧困」と呼ばれ、研究でも幸福度を下げる要因のひとつとされています。ほんの10分でも自分のために余白を作ることが、幸福感を保つ大切な鍵です。

⑦他人への親切や与える行動が少ない

幸福度の低い人は、他人に対して親切にしたり与えたりする行動が少ない傾向があります。

実は、人にプレゼントをする、困っている人を助けるといった「利他的な行動」は、自分の幸福度を高めることが数多くの研究で示されています。ひろゆき氏も「自分のためにお金を使うより、人に与えた方が幸福は長続きする」と語っており、これは科学的な知見とも一致しています。

利他的な行動を避けていると、人とのつながりや感謝の循環が生まれず、結果として幸福を感じにくくなってしまいます。

⑧未来を悲観的に考えすぎる

「きっと失敗するに違いない」
「将来は悪いことしか起きない」

といった未来への悲観が強い人も、幸福度が下がりやすい特徴があります。失敗を過大に予測すると、挑戦や行動を控えてしまい、達成感や成長の機会を逃してしまいます。

逆に、幸福度が高い人は「なんとかなる」と考え、困難を柔軟に受け止めることができます。未来を必要以上に暗く想像してしまう癖は、日常の幸福感を奪う要因のひとつです。

⑨他人の目を気にしすぎる

「周囲からどう見られているか」を気にしすぎる人も、幸福を感じにくい傾向があります。常に他人の評価を優先して行動していると、自分の本当の欲求や価値観を後回しにしてしまうからです。

その結果、やりたいことができずに不満が積み重なり、心の中に空虚感が残ります。幸福度が高い人は、自分の基準を持ち、自分らしい選択を優先します。

他人の目を意識しすぎると、日常の中で「自分らしさ」を失い、幸福度が下がってしまうのです。

なぜ幸福を感じにくくなってしまうのか?

落ち込んでいる様子の女性

幸福度が低い人の特徴を見てきましたが、その背後には共通する心理的・社会的な仕組みがあります。特別な不幸に見舞われていなくても、幸せを感じにくい状態に陥るのはなぜなのでしょうか。

幸せの基準が高すぎる

人は幸福を「絶対的な状態」ではなく「基準との比較」で感じます。例えば、給料が上がってもすぐに慣れてしまい、次はもっと欲しくなる。これを「快楽適応」と呼びます。

幸せの基準が高くなりすぎると、どれだけ生活が恵まれていても「まだ足りない」と感じやすくなり、幸福を実感しにくくなるのです。

他人との比較がやめられない

SNSやメディアによって、他人の華やかな生活が簡単に目に入るようになりました。幸福度が低い人は、この情報をそのまま比較の材料にしてしまいがちです。

自分の生活は十分であっても、他人と比べることで「自分は劣っている」と錯覚してしまいます。これは基準が外に置かれているためで、自分自身の価値観を持てないことが根本的な原因になります。

日本人特有の背景

国際的な幸福度調査では、日本は先進国の中でも下位に位置することが多いです。

理由の一つは、日本では「幸せを話題にする」こと自体が少なく、幸せを感じる機会を意識的に作っていないからだと言われています。

また、長寿を「幸せ」と結びつけにくい文化や、働きすぎによる時間の不足も関係しています。このような社会的背景も、幸福を感じにくい一因と考えられます。

感情の扱い方が未熟

幸福度が低い人は、ネガティブな感情を抑え込んだり、逆に爆発させたりすることが多い傾向があります。感情に飲み込まれると、小さな幸せに気づく余裕がなくなります。

幸福度の高い人は、ネガティブな感情も「自分は今こう感じている」と受け止めたうえで調整しています。感情をうまく扱えるかどうかが、幸福感に大きく影響しているのです。

幸福度を高めるためにできること

四つ葉のクローバーを摘む

幸福度が低い人でも、日常の習慣や考え方を少し変えるだけで、幸せを感じやすくなります。大切なのは、特別なことをしなくても実践できる小さな行動を続けることです。

以下では、効果が確認されている具体的な工夫を紹介します。

幸せの基準を下げる

高すぎる基準を見直し、今ある状況に満足する力を育てることが大切です。基準を下げることは「諦め」ではなく、「幸福のセンサーを繊細にする」ことにつながります。

  • 「特別なことがなくても幸せ」と言葉にする
  • 小さな目標を立て、達成したらしっかり喜ぶ
  • 他人の基準ではなく、自分の基準で満足を確認する

幸福度が高い人は「小さなことでもうれしい」と感じる感性を持っています。意識して基準を下げることで、日常の中にある幸せに気づきやすくなります。

小さな幸せを拾う習慣を持つ

日常の中にある喜びに気づく練習をすると、幸福度は確実に上がります。これは「幸せを感じる閾値を下げる」訓練とも言えます。

  • 寝る前に「今日の良かったこと」を3つ書き出す
  • 食事やコーヒーを丁寧に味わう
  • 朝の空気や天気を感じながら深呼吸する

研究では、こうした「感謝日記」を続ける人は数週間で気分が安定し、長期的にも幸福度が高まる傾向があると報告されています。

他人との比較を減らす

比較の対象が増えるほど、幸福度は下がりやすくなります。意識だけで止めるのは難しいため、環境を整える工夫が効果的です。

  • SNSの通知を切る、閲覧時間を制限する
  • 他人の成功を素直に祝う
  • 自分の得意なことや過去の成果を振り返る

「比べない」と決意するより、仕組みで比較の機会を減らす方が長続きします。

人とのつながりを強める

温かい人間関係は、幸福度を高めるもっとも強力な要素の一つです。孤独感を減らし、信頼を感じられる関係性が幸福の土台になります。

  • 家族や友人と過ごす時間をスケジュールに入れる
  • 「ありがとう」を具体的に伝える
  • 困ったときは一人で抱え込まずに相談する

「良好な人間関係こそ幸福の最大の予測因子」とする研究は世界的に有名で、これはハーバードの成人発達研究などでも裏付けられています。

利他的な行動を取り入れる

人に与える行動は、自分自身の幸福感を押し上げます。寄付や親切は小さくても構いません。

  • 小さな寄付や誰かへのごちそうをしてみる
  • 困っている人に声をかけてみる
  • 仕事や家庭で人を助ける役割を引き受ける

ひろゆき氏も「自分に使うより人に使った方が幸福は長続きする」と語っています。これは心理学研究でも裏付けられており、人を喜ばせることは自分の幸福をも高める行動です。

心と体を整える

心と体の健康は幸福感を支える基盤です。体調が崩れると気持ちが沈み、幸福を感じにくくなります。

  • 睡眠を7時間前後しっかり確保する
  • 軽い運動を週に数回行う
  • バランスの良い食事を意識する

体を整えることで精神的な安定が得られ、日常に前向きな感情が生まれやすくなります。

まとめ

幸福度を高める方法は特別なものではなく、生活のなかで少しずつ実践できるものばかりです。

世界幸福度ランキングで常に上位にあるフィンランドでは、華やかな成功よりも「家族との時間」「自然の中の静かなひととき」といった平凡な日常を大切にしています。

私たちも、小さな幸せに気づき、基準を見直すことで同じ力を育てることができます。幸福は未来のどこかではなく、いま目の前の生活のなかに潜んでいるのです。

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