カレーを冷蔵庫で保存するときのNG行為7つ…多めに作る家庭ほど要注意!

夕飯にカレーを作った日、「思ったより量が多くて余っちゃった」という経験を持つ人は多いでしょう。そんな時、カレーを冷蔵庫で保存することもあると思いますが、間違った冷蔵保存は食中毒を引き起こす危険があります。本記事では、カレーを冷蔵庫で保存する時のNG行為を確認していきましょう。

カレーの冷蔵保存に注意が必要な理由

鍋に入ったカレー

作った翌日のカレーは、「味が染みておいしい」と昔から言われています。そのため、意図的に多めに作って保存する方も多いでしょう。

ところが、カレーは意外と傷みやすく、間違った保存方法で食中毒を引き起こす危険があるのです。

その主な原因は、ウェルシュ菌という熱に強い細菌にあります。この菌は高温で調理したカレーの中でも完全には死滅せず、50℃前後の温かい状態で急激に増殖します。

特にカレーのように粘り気のある料理は鍋の底に空気が届きにくく、ウェルシュ菌が繁殖しやすい環境となってしまいます。

安全にカレーを楽しむためには、冷蔵庫での保存方法を見直す必要があります。普段の保存方法が間違っていないか、この機会にぜひチェックしてみてください。

カレーを冷蔵保存するときの7つのNG行為

家庭でよくやってしまいがちな「カレーの冷蔵保存に関するNG行為」をご紹介します。それぞれの理由をきちんと理解し、食中毒を防ぐよう心がけましょう。

1. カレーを常温で長時間放置する

調理後のカレーをそのまま鍋に入れて常温で放置すると、ウェルシュ菌が急速に増えます。特に夏場は室温が高いため、たった半日でも食中毒を引き起こす可能性があるのです。

冬場でも、菌はしっかりと増殖するため、調理後はできるだけ早く冷蔵庫へ入れるようにしてください。

2. 熱々のまま冷蔵庫に入れる

「常温放置はダメだから」と、熱々のままカレーを冷蔵庫に入れる人もいますが、これもNGです。

熱い鍋を冷蔵庫に入れると、庫内の温度が一時的に上がり、他の食品を傷める原因になってしまいます。また、熱がこもってしまい、かえって冷えるまで時間がかかります。粗熱を取ってから冷蔵庫に入れることが大切です。

3. 鍋ごと冷蔵庫で保存する

大きな鍋に入れたまま保存すると、中心部まで冷えるのに長い時間がかかります。冷蔵庫は中心部の冷却まで対応しにくいため、カレーの中心がなかなか冷えず、ウェルシュ菌が増殖する絶好のチャンスを与えることになります。

保存する際は、小さな容器に小分けにして保存しましょう。

4. 一度口をつけたスプーンを鍋に戻す

味見をしたり、お皿に盛りつける際に口をつけたスプーンを再び鍋に戻すことも、実は大きな危険です。口の中にいる細菌がカレーに入り込み、時間が経つにつれて繁殖していきます。

たとえ冷蔵庫に入れても、低温で増える菌もいるため安心できません。口をつけたスプーンは絶対に鍋に戻さず、清潔なものを使うようにしてください。

5. ご飯にかけたまま保存する

カレーとご飯を一緒に保存すると、ご飯に含まれる水分が菌の繁殖を加速させます。また、ご飯に付着するセレウス菌は熱に強い毒素を作り出すため、再加熱しても毒素は完全に消えません。

さらに、ご飯がカレーの水分を吸ってべちゃべちゃになり、食感も悪くなります。カレーとご飯は必ず別々に保存しましょう。

6. 何度も加熱と冷却を繰り返す

食べるたびに鍋ごと温め直して、残りをまた冷蔵庫に戻すような行為は、菌が増殖するリスクを高めます。加熱することで一旦は菌が減りますが、再び冷える途中で菌が復活し、さらに増殖するのです。

特にウェルシュ菌は芽胞を作り、加熱しても完全に死滅しないため、温度変化が繰り返されるほど危険性が高まります。食べる分だけを取り分けて温め、残りは冷蔵庫から出し入れしないようにしましょう。

7. 冷蔵庫で3日以上放置する

冷蔵保存しても、カレーが安全に食べられるのは2〜3日が限度です。特に4日目以降になると菌がゆっくり増え始め、知らない間に傷んでいることがあります。

見た目や臭いに変化がなくても、実は菌が増殖しているケースもあるため、冷蔵保存したカレーは3日以内に食べきるのが理想です。

カレーを安全に冷蔵保存するためのポイント

冷蔵庫

カレーの冷蔵保存では、ウェルシュ菌による食中毒を防ぐことが最重要です。ここでは、より安全かつおいしく冷蔵保存するためのポイントを解説します。

カレーを早く冷ます方法

カレーを安全に保存する最大のコツは、素早く冷ますことです。なぜなら、ウェルシュ菌が活発に増殖するのは12〜50℃という温度帯。この温度に長く留めないために、調理後すぐ冷却する必要があります。

鍋をシンクに置き、氷水に鍋底を浸け、清潔なヘラやおたまでゆっくりと混ぜながら粗熱を取りましょう。こうすることで、ウェルシュ菌の繁殖リスクを大幅に下げられます。

氷水で急速に冷やすことが難しい場合でも、鍋ごと放置するのは絶対に避けましょう。できるだけ浅くて熱伝導が良い容器(ホーローやステンレス容器)に小分けにし、空気が触れる表面積を増やして冷ますと効果的です。

保存容器はタッパーがおすすめ

カレーを鍋のまま冷蔵庫に入れると、カレーの中心部が冷えるまで時間がかかり、菌が増殖しやすくなります。さらに庫内のスペースも圧迫されますので、小分けにして保存容器に移すことが基本です。

保存容器は密閉性の高いタッパーが最適。ただし、カレーの色や匂いが容器に移る可能性があります。これを防ぐには容器の内側にラップを敷いてからカレーを入れ、空気が入らないよう包み込んでからフタをするようにしましょう。

また、タッパーを使うことで、食べる分だけ取り出して温められるため、衛生的にも経済的にもおすすめです。

ご飯とカレーは必ず別々に保存

保存時にはカレーとご飯を一緒に保存しないよう注意しましょう。ご飯に付着している可能性があるセレウス菌は、熱に強い毒素を作ります。ご飯を常温に放置したり、カレーをかけた状態で冷蔵すると、食中毒のリスクが上がります。

また、一緒に保存するとご飯がカレーの水分を吸ってべちゃべちゃになり、食感も悪化します。美味しく安全に保存するため、必ず別々にして冷蔵しましょう。

傷んだカレーの見分け方

鍋に入ったカレー

冷蔵庫で正しく保存したつもりでも、カレーが傷んでしまうことがあります。食中毒を防ぐためにも、傷んだカレーの特徴を知り、見極めることが大切です。

まず一番わかりやすいサインは酸っぱい匂いです。通常のカレーはスパイシーな香りですが、腐った場合には鼻をつくような酸味臭が漂います。異臭を感じたら、決して食べずに破棄しましょう。

さらに、白い膜や泡立ちも腐敗の証拠。これはカビや細菌が繁殖している状態であり、加熱しても安全に食べられるものではありません。見た目に違和感があったら、すぐに処分するよう心がけてください。

また、カレーに混ざった野菜(特にじゃがいも)が糸を引いていたり、ネバネバした食感に変化していたりした場合も、細菌の繁殖が疑われるため要注意です。

まとめ

カレーライス

カレーを安全に美味しく食べるには、調理後すぐの適切な冷却と保存容器の選び方が何より重要になります。

「なんとなく鍋のまま冷蔵庫へ」「翌日加熱すれば大丈夫」という意識を改め、ちょっとした工夫を実践するだけで食中毒のリスクはぐっと低くなります。保存方法を工夫することは食中毒予防だけでなく、カレー本来の美味しさをキープするためにも欠かせないポイントです。

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