オーブントースターで絶対に避けたいNG行為10選!火事に発展する可能性も

オーブントースターは誰もが手軽に使える家電ですが、誤った使い方をすると火災や発火の原因になります。本記事では、やってはいけない危険な行為を中心に「なぜ危険なのか」を詳しく解説し、安全に使う方法を紹介します。さらに寿命や買い替えの目安も補足し、安心して長く使うための知識をまとめました。

オーブントースターで絶対やってはいけないNG行為

オーブントースターで加熱

オーブントースターは便利ですが、使い方を誤ると一瞬で炎が上がることがあります。

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によれば、2018年から2022年の間に報告された事故は36件あり、その半数以上が火災でした。

数自体は多くはありませんが、家庭に広く普及している身近な家電で火災が発生しているという事実は決して軽視できないリスクです。

ここからは具体的に、どんな行為が危険なのかを解説します。

① 加熱中にその場を離れる

調理中にオーブントースターから目を離すことは、最も多い火災原因のひとつです。パンや餅、冷凍食品などは短時間で高温になり、焦げると炭化して自然発火につながる場合があります。

NITEの再現実験では、乾燥したぎょうざの皮を250度で加熱したところ、わずか3分で発火が確認されました。こうした事例は「ほんの数分の油断が大事故に直結する」ことを示しています。

加熱中は必ず近くで様子を見守り、焦げそうになったらすぐに電源を切ることが大切です。やむを得ず離れるときは家族に頼んで監視してもらうなど、誰かが常に見ている状態を作ることが事故防止につながります。

② 油や汁が落ちる食材を直置きする

鶏肉や魚、揚げ物、バターやジャムを塗ったパンなど、油や汁が出やすい食材を網に直接置くのは非常に危険です。

油がヒーターに滴下すると、煙や炎が発生し、周囲のパンくずや油汚れに燃え移る可能性があります。実際に、揚げ物を受け皿を使わずに加熱したことで、油がヒーターに落ちて火災になった事例も報告されています。

安全に調理するためには、必ず受け皿や耐熱皿を使って油がヒーターに触れないようにしましょう。アルミホイルを使う場合も、ホイル単独では漏れを防げないことがあるため、受け皿と併用するのが基本です。調理後は庫内や受け皿に油が残っていないか確認し、冷めてから掃除を行うことが重要です。

③ パンくずや油汚れを放置する

庫内にたまったパンくずや油汚れを放置すると、ヒーターの熱で炭化し、繰り返し加熱されるうちに発火点に達することがあります。

NITEの調査では、庫内にこびりついた食品かすや炭化物が出火原因になったケースが複数報告されています。特に油分を含む料理をした後は、目に見えなくても油が飛び散っていることが多いため注意が必要です。

掃除は本体が完全に冷めてから行うのが鉄則です。パンくずトレイを外して捨て、庫内の壁面やヒーター周辺の汚れを乾いた布で拭き取ることを習慣にしましょう。

掃除しやすい設計のモデルを選んでおくのも事故防止につながります。日常的に汚れをためないことが、火災を防ぎ寿命を延ばす最も効果的な方法です。

④ オーブントースターの上に物を置く・換気口を塞ぐ

オーブントースターは庫内だけでなく外側も高温になります。

特に天面は熱がこもりやすく、布巾や紙、プラスチック容器などを置くと「低温着火」と呼ばれる現象で自然発火する恐れがあります。実際に新聞紙や樹脂製のモップをトースターの上に置いて出火に至った事例も報告されています。

また、トースターには熱を逃がすための換気口がありますが、物を置いて塞ぐと内部の温度が異常に上がり、電子部品の故障や発火につながります。安全のためには、周囲や上部に物を置かず、壁やカーテンからも十分に距離をとることが大切です。

⑤ 非対応の紙・ラップ・容器を入れる

オーブントースターに不適切な素材を入れると、思わぬ火災に直結します。

一般的な紙コップやワックスペーパー、耐熱性のないクッキングシートは高温で燃える危険があります。ラップやプラスチック容器は熱で溶け、庫内にこびりつくだけでなく有毒ガスを発生させる恐れがあります。シリコン製容器もヒーター直下の強い熱には耐えられず、変形や破損につながります。

使う場合は、必ず「オーブントースター対応」と記載された製品を選び、ヒーターに直接触れないように置く必要があります。不明な場合は使用を避けるのが最も安全です。

⑥ 餅やチーズなど膨らむ・溶ける食品を網にのせる

餅やチーズなど、加熱により膨らんだり溶けたりする食品を直接網にのせるのは危険です。

膨らんだ餅が網から落ちてヒーターに触れると、一気に焦げ付いて火が出る恐れがあります。チーズやチョコレートも同様に溶けてヒーターに垂れると煙や炎の原因になります。

必ず受け皿やアルミカップを使い、食品がヒーターに接触しないように工夫することが重要です。調理中も膨らみ具合を確認し、必要に応じて取り出すなどの対応をすることでリスクを大きく減らせます。

⑦ アルミホイルやクッキングシートの誤使用

アルミホイルやクッキングシートは便利な道具ですが、使い方を誤ると危険です。

アルミホイルを庫内全体に敷いたりヒーターに近づけたりすると、スパークやショートを引き起こす可能性があります。クッキングシートも一般的なタイプは耐熱温度が約250度前後で、ヒーター直下では発火する恐れがあります。

使用する場合は、受け皿やトレイの上に敷き、はみ出さないようにすることが大切です。必ず「オーブントースター対応」と記載されたものを選び、ヒーターに触れない位置で使用するのが安全です。

⑧ オリーブオイルなどの油をかけすぎる

パンや野菜にオリーブオイルをかけて焼くと風味が増しますが、量をかけすぎると危険です。

加熱中に油が溶け出してヒーターに滴下すると、発煙や発火につながります。庫内の壁やトレイに油が飛び散って蓄積されると、次回の使用時に炭化して出火の原因になります。NITEの再現実験でも、油汚れを放置した状態で使用を繰り返すと発火に至ることが確認されています。

オリーブオイルを使う際は量を控え、必ず受け皿を併用しましょう。使用後は庫内が冷めてからパンくずトレイや壁面を拭き取り、油汚れを残さないことが重要です。

⑨ 連続使用でオーバーヒートさせる

忙しい朝に家族全員分のパンを続けて焼くなど、短時間で何度も連続使用すると内部が過熱し、センサーが誤作動したり火力が不安定になったりします。

内部の金属部品も膨張と収縮を繰り返し、劣化や変形の原因となります。場合によっては電子部品に異常な負荷がかかり、発火のリスクが高まります。

1回の使用時間は10〜15分を目安にし、続けて使う場合は数分間クールダウンさせることが望ましいです。調理の合間に扉を開けて熱を逃がすだけでも、内部の温度を下げてリスクを軽減できます。

⑩ 長期使用で寿命を超えても使い続ける

オーブントースターの寿命は一般的に5〜6年とされますが、使用頻度や手入れの有無で前後します。

10年以上使用した製品は、外観に問題がなくても内部の配線や部品が劣化している可能性が高く、火災の危険性があります。実際に、劣化したコードの断線やサーモスタットの不具合から出火した事例も報告されています。

焼きムラがひどい、加熱が遅い、異音や異臭がする、扉が閉まりにくいといった症状は買い替えのサインです。一度でも発煙や発火を経験した個体は内部に深刻なダメージがある可能性があるため、再使用せずに廃棄するのが安全です。

オーブントースターで発火や火災が起きたときの正しい対処

どれだけ注意していても、予期せず火が出てしまうことがあります。大切なのは慌てずに正しい行動をとることです。誤った対応をすると炎が一気に広がり、被害が大きくなる危険があります。

ここでは火が出た際の基本的な対処をまとめます。

電源を止めてプラグを抜く

まず行うべきは電源の遮断です。タイマーを止め、コンセントからプラグを抜くことで、これ以上の加熱を防ぎます。通電が続いたままでは内部で火が燃え広がる可能性があるため、最優先で電源を切りましょう。

扉は開けない

炎が見えたからといって扉を開けるのは危険です。扉を開けると酸素が一気に供給され、炎が勢いを増す恐れがあります。扉は閉じたままにして、内部で炎が自然に収まるのを待つことが重要です。

水をかけない

燃えているトースターに水をかけるのは感電やガラス破損の原因となります。急激な温度変化でガラスが割れ、破片でけがをする危険もあります。水ではなく、可能であれば消火器を使用するのが正しい方法です。

発火後は再使用しない

火が消えた後、外見が問題なくても内部の配線や部品が熱で劣化している可能性があります。再び発火する恐れがあるため、発火を経験した製品は再使用せず廃棄し、新しい製品に買い替えることを強く推奨します。

オーブントースターの寿命と買い替えの目安

オーブントースターを長く安全に使うためには、寿命や買い替えのサインを理解しておくことが欠かせません。見た目に異常がなくても、内部の部品は年月とともに劣化します。

ここでは寿命の目安と買い替えのポイントを紹介します。

一般的な寿命

オーブントースターの寿命は一般的に5〜6年とされています。使用頻度が高い家庭では3〜4年で劣化が進むこともあり、逆に使用頻度が少なく丁寧に手入れされていれば10年近く使える場合もあります。

買い替えのサイン

  • 焼きムラが増えた
  • 温まりにくい、
  • 異臭や異音がする
  • 扉が閉まらない
  • コードが劣化している

などの症状は寿命のサインです。これらが現れたら買い替えを検討すべきです。特に発煙や発火を経験した個体は内部が損傷しているため、再使用は危険です。

安全機能や清掃性も重視する

買い替える際は、自動停止機能や過熱防止センサーなど安全機能が搭載されたモデルを選ぶと安心です。また、パンくずトレイが取り外しやすく掃除しやすい設計のものは、日常の手入れが楽になり事故予防にもつながります。

まとめ

オーブントースターは身近な家電ですが、使い方ひとつで火災につながる危険があります。本記事で紹介したようなNG行為を避けることはもちろん大切ですが、それ以上に重要なのは日常の小さな習慣です。

調理後にパンくずを捨て、週末に油汚れを点検するだけでも、火災リスクは大きく減ります。また、製品を5年以上使っている場合は、安全性を見直すきっかけにしてください。

最新のモデルには安全機能が搭載され、掃除のしやすさも向上しています。安心して調理を楽しむためには、正しい使い方に加え、「点検」「清掃」「適切な買い替え」を生活習慣に取り入れることが欠かせません。

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