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夢のある宝くじ…1等をつかめるのは選ばれたごく少数
「宝くじが当たったら…」という夢は、多くの人が一度は持ったことがあるでしょう。わずかな金額で大きな賞金を手にできる宝くじは、まさに夢のある買い物です。
しかし実際には、宝くじで1等をつかむことができる人は限られています。その数はごく少数であり、宝くじを買う多くの人は「選ばれない側」になってしまいます。
宝くじは種類によって1等が当たる確率が異なりますが、どれも非常に低い数字になっています。ここからは、宝くじの種類ごとになぜ1等が当たりにくいのかを、その確率と仕組みを通じて解説していきます。
宝くじの種類別!1等が当たる確率
宝くじにはジャンボ宝くじ、ロト、スクラッチなど様々な種類があります。ここでは多くの人がよく購入する代表的な宝くじを中心に、なぜ1等が当たりにくいのか、その理由とともに詳しく説明していきます。
年末ジャンボ宝くじ(2,000万分の1)
宝くじの中でも特に有名なのが「年末ジャンボ宝くじ」です。年末ジャンボの1等当選確率は、約2,000万分の1(0.000005%)という非常に低い数字です。なぜこれほど当たりにくいのかというと、それは1ユニットあたり2,000万枚のくじが発行され、その中に1等はたった1枚しか含まれていないからです。
この確率の低さをイメージするなら、満員の東京ドーム(約5万人)が400回分集まった中からたった1人だけが選ばれるようなものです。これだけ多くの人の中から1人を選ぶ難しさがあるため、1等が当たるのは非常に難しいのです。
サマージャンボ・ドリームジャンボ(1,000万分の1)
サマージャンボやドリームジャンボなどのジャンボ宝くじも人気がありますが、年末ジャンボに比べれば少し当たりやすい確率となっています。それでも1等の当選確率は約1,000万分の1(0.00001%)です。
これらのジャンボ宝くじは1ユニットが1,000万枚の構成であり、その中に1等は1枚しかありません。年末ジャンボと比べてユニットの枚数が少ないために確率が高くなっていますが、それでも非常に難しい確率であることに変わりはありません。
1,000万分の1という確率を分かりやすく表現すると、日本の政令指定都市(例えば大阪市)の人口とほぼ同じです。つまり、政令指定都市の全人口の中からたった1人が選ばれる難易度ということになります。
ロト7(約1,030万分の1)
ロト7は1~37の数字から自分で7つの数字を選んで当てる数字選択式の宝くじです。その1等当選確率は約1,030万分の1(正確には1/10,295,472=約0.0000097%)となっています。
ロト7がなぜ当たりにくいのかというと、37個の数字から正確に7つの数字を選び、それらがすべて一致する必要があるからです。1つでも数字が違えば当たりにならない厳しさが、この低い確率を生み出しています。
たとえばサイコロを振って同じ目が9回連続で出る確率(約992万分の1)とほぼ同じ難しさです。毎週挑戦できる楽しさはありますが、やはり当てるのは簡単ではありません。
ロト6(約610万分の1)
ロト6は1~43の数字の中から自分で6つの数字を選び、その数字が全て一致すると1等に当選します。1等が当たる確率は約610万分の1(正確には1/6,096,454=約0.000016%)です。
なぜロト6はロト7より当たりやすいのかというと、選ぶ数字が1つ少なく、全体の数字も少ない(43個)ため、数字の組み合わせの総数がロト7より少なくなります。そのため確率が比較的高くなるわけです。
610万分の1という確率をイメージするには、たとえば札幌市の人口(約197万人)の約3倍分からたった1人が選ばれるようなものです。ロト7やジャンボ宝くじよりは当たりやすいと言われていますが、依然として非常に難しい確率であることに変わりはありません。
ミニロト(約17万分の1)
ミニロトは、1~31の数字の中から5つの数字を選ぶ数字選択式宝くじで、1等当選確率は約17万分の1(正確には1/169,911=約0.00059%)です。
なぜミニロトが他の宝くじより当たりやすいのかというと、選ぶ数字が5つだけで、数字自体の総数も31個と少なく、組み合わせ数が少ないためです。1等の賞金は約1,000万円と他のくじよりは低めですが、それでも高額であり、多くの人が狙いやすい宝くじとして知られています。
17万分の1というのは、人口17万人程度の中都市(たとえば東京都三鷹市や兵庫県芦屋市)の住民の中から1人選ばれるような確率で、宝くじの中では現実的な当選の可能性を感じやすいです。
ビンゴ5(約39万分の1)
ビンゴ5はビンゴのような形式で数字を選ぶタイプの宝くじで、1等当選確率は約39万分の1(正確には1/390,625=約0.00026%)となっています。
ビンゴ5が当たりやすい理由は、数字を選ぶ箇所が限られていて、1枚のくじで選べる組み合わせが少ないためです。ただし、賞金額は最高で約500万円前後とやや少額であり、当たりやすさとのバランスを取っています。
約39万分の1という確率は、中規模な地方都市(例えば奈良県奈良市の人口約36万人)から1人が選ばれるくらいの感覚です。比較的当選しやすい部類ですが、やはり簡単に当たるという確率ではありません。
スクラッチ(約1万分の1~10万分の1)
スクラッチは、買ってすぐその場で当たりが分かる宝くじです。種類によりますが、1等当選確率は約1万分の1~10万分の1(0.01%~0.001%)の範囲で設定されています。
スクラッチが当たりやすい理由としては、賞金額が他の宝くじより比較的低く設定されているため、当たりの本数が多めに設定される傾向があるからです。ただし商品によって確率や賞金額の差が激しいため、購入時に注意が必要です。
1万分の1という確率は、大型コンサートやスポーツイベントの来場者数に例えると理解しやすいです。例えば東京ドームが満員になったときの観客約5万人の中から5人が選ばれる感覚に近く、比較的現実的に当たりを狙える宝くじといえるでしょう。
宝くじで「1万円」や「10万円」が当たる確率はどれくらい?
1等は夢のある賞金ですが、実際に「1万円や10万円が当たれば嬉しい」と考える人も多いはずです。では、1万円や10万円の当選確率はどのくらいなのでしょうか。
宝くじで「1万円」が当たる確率
年末ジャンボ宝くじの場合、「1万円」(5等相当)の当選確率は約0.1%(約1,000枚に1枚)です。なぜ1万円が比較的当たりやすいかというと、賞金額が低めで多くの本数が用意されているためです。
ただし、この確率は宝くじの種類や販売回によって多少変動することに注意が必要です。連番やバラ買いなどの買い方によって、1枚ごとの当選確率自体は変わりませんが、連番購入の場合は末尾番号が連続しているため、当選番号に近い番号を狙いやすいという楽しみがあります。
宝くじで「10万円」が当たる確率
年末ジャンボ宝くじの「10万円」(組違い賞相当)の当選確率は約0.001%(約10万枚に1枚)となっています。10万円の当選本数は1万円より少ないため、確率がぐっと低くなります。
この確率は、大都市の人口規模をイメージすると分かりやすく、10万人規模の街の住民の中から1人だけが選ばれる感覚に近いです。1万円よりは難易度が上がりますが、それでも1等賞金よりは当たりやすく、ちょっとした幸運として喜べる額でもあります。
宝くじを楽しむための「期待値」と注意点
宝くじは夢を買うものと言われますが、購入する際に「期待値」を知っておくと、節度を持って楽しむことができます。
宝くじの期待値とは、「平均して1枚の宝くじを買った時に戻ってくる金額」です。ジャンボ宝くじの期待値はおよそ45~50%程度で、これは1枚300円の宝くじを買った場合、平均で150円前後が返ってくるという意味です。つまり、買えば買うほど平均的には半分ずつ損をすることになります。
そのため、宝くじはあくまで余ったお金や余剰資金で楽しむことをおすすめします。確率が非常に低いことを理解し、当たったらラッキーという気持ちで購入するのが最も健全な楽しみ方と言えます。
まとめ
宝くじを買う人の多くは「もし当たったら何を買おうか」と夢を膨らませますが、実は心理学的にはこの「もし当たったら」と考える時間自体が幸福感を生むことが知られています。
実際に当選するかどうかにかかわらず、「買う楽しみ」と「結果を待つ楽しみ」が日常にささやかな刺激を与え、人生の満足度を高めることもあります。当選確率は低くとも、夢を見るための“楽しみ代”として少額を使うことには、心理的な価値があるのです。