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飛行機には持ち込みできない食べ物がある
飛行機での移動時間が長いとき、飲食物を持ち込むことを考える人も多いでしょう。しかし、飛行機は電車やバスとは異なり、持ち込めないものや避けた方がよい食品があります。
特に国際線は、国内線より持ち込み制限が厳しくなっています。液体物には「100ml以下の容器に入れ、1リットル以下の透明な袋に入れる」というルールが一般的です。また、LCC(格安航空会社)などでは、航空会社独自のルールを設けていることがあります。
次から、飛行機内で食べるべきではない食品とその理由を詳しく解説します。
飛行機内で食べるべきではない食べ物
飛行機の機内は密閉空間のため、他の乗客への配慮が欠かせません。自分では気にならなくても、周りの人は不快に感じることがあります。また、安全上や衛生上の理由からも避けるべき食べ物があります。
1. においの強い食べ物
飛行機内で最も迷惑とされるのはにおいの強い食べ物です。機内は空気が循環しているとはいえ狭い空間のため、においが広がりやすく、他の乗客が気分を悪くすることもあります。
以下の食べ物はにおいが強いため避けるべきです。
- 納豆やキムチなど発酵食品
- カレー系食品
- ハンバーガーやフライドポテトなどファストフード類
- 豚まん
- するめ・干物
- たこ焼き、焼きそば、お好み焼きなどソース系食品
特にたこ焼きなどのソース系食品は、機内の棚に置くと漏れる恐れがあるため、足元に置くなど配慮が必要です。
また、アルコール飲料もにおいが強く、飲酒量が多いと周囲に迷惑をかけることがあります。国際線では、機内で提供されるアルコール以外は飲酒禁止の場合がほとんどです。
2. 液体・ゼリー状の食べ物
液体やゼリー状の食品は、安全対策の観点から国際線で特に厳しい持ち込み制限がされています。以下は液体扱いされる食品例です。
- 飲料水・ジュース・スープ
- ゼリー・プリン・ヨーグルト
- はちみつ・ジャム・味噌などペースト状食品
これらの食品は、100ml以下の容器に小分けし、合計1リットル以下の透明な袋に入れる必要があります。保安検査後に免税店で購入したものは持ち込みが可能ですが、乗り継ぎがある場合は注意が必要です。
乳児用ミルクや離乳食は例外として認められていますが、必要最低限の量を持ち込むことが求められます。
3. 機内で危険物と判断される食品
食品の中には意外にも飛行機内で「危険物」として扱われるものがあります。なぜなら機内は上空という特殊な環境のため、普通は安全なものが危険になることもあるからです。
代表的な例が加熱式弁当(紐を引いて温めるタイプ)です。この弁当は生石灰という物質を使って加熱しますが、生石灰が水と反応すると非常に高温になり、機内で火災を起こすリスクがあります。
そのため、国内線・国際線ともに、機内への持ち込み・預け入れ荷物への収納が禁止されています。空港内で購入した場合でも、搭乗前に必ず食べ終えるようにしましょう。
また、密封された缶詰や瓶詰め食品も注意が必要です。上空は気圧が低くなるため、中の圧力が高まり、開封時に飛び散ったり、容器が破裂したりする危険性があります。
4. 生もの・腐りやすい食べ物
飛行機の旅では、食べ物が傷みやすい状況が生まれます。特に生の魚や肉などは、細菌が繁殖しやすく食中毒のリスクがあります。また、生鮮食品を長時間機内に持ち込むことは衛生的にも好ましくありません。
国際線の場合、刺身や生肉は入国時の検疫に引っかかり、持ち込み禁止となる場合がほとんどです。果物や野菜も検疫対象であり、違反すると没収されるだけでなく、罰金の対象となる場合もあります。
5. お腹が張りやすい食べ物や飲み物
飛行機の機内は地上より気圧が低いため、お腹の中のガスが通常より約30%膨らみやすくなります。その結果、腹痛や不快感の原因となることがあります。特にお腹が張りやすい食べ物や飲み物は避けるのが無難です。
例えば以下のような食品です。
- 炭酸飲料(ソーダ類、ビール)
- 豆類(枝豆、大豆製品など)
- ブロッコリー、キャベツなどの繊維質の多い野菜
- さつまいもなど繊維が多い食品
また、ガムを長時間噛み続けると無意識に空気を飲み込みやすくなり、お腹の張りを引き起こすことがあります。耳抜き目的で噛む場合も、適度な時間に留めるようにしてください。
飛行機で食べ物を持ち込むときのマナーと注意点
機内での飲食は自分だけの問題ではありません。周囲への配慮を十分に行うことが求められます。安全や健康面だけでなく、他人への思いやりをもって飲食物を選びましょう。
機内で食べるタイミングを考える
飛行機の機内食は、離陸後およそ1~2時間後と着陸前の1~2時間前のタイミングで提供されることが多いです。自分で持ち込んだ弁当やおにぎりなどの食事は、できればこの機内食の提供時間を避けて食べるとよいでしょう。そのほうが、客室乗務員のサービスと重ならず、周囲の乗客も休息している場合が多いため、迷惑になりにくいです。
食品の収納場所に注意する
特にソースがかかっている食品(たこ焼き、焼きそばなど)や水漏れの恐れがある食べ物は、頭上の荷物棚に置くのは避けましょう。万が一液漏れした場合、自分だけでなく周囲の荷物にも影響を及ぼします。密閉容器やジッパー付きの袋に入れて、足元に置くようにしてください。
食後のゴミ処理のマナー
食べ終わった後のゴミは、自分でまとめて席のポケットや机に放置せず、客室乗務員が回収に来たタイミングで渡すか、降機時に持ち帰るようにしましょう。座席周りをきれいに保つことで、次の乗客や客室乗務員への配慮にもなります。
知っていると役立つ機内食の豆知識
飛行機で食事をするときに知っておくと面白く、役に立つ豆知識を紹介します。機内での食事がもっと楽しめるようになるでしょう。
空港で人気の「空弁」とは?
「空弁(くうべん)」という言葉を聞いたことがありますか?空弁とは空港内で販売されているお弁当のことで、地域の特産物を使ったものが多く販売されています。例えば北海道の海鮮弁当や、大阪の串カツ弁当などが有名です。
空港で販売されている空弁は、機内での飲食を想定して作られているため、においや汁漏れに配慮したものが多いのが特徴です。飛行機内で手軽に食事を取りたいときは、空弁を選ぶのも良いでしょう。
飛行機内は味覚が変化する
飛行機が飛ぶ高度(約8000フィート・約2400メートル)では、気圧が低くなります。その影響で地上より味覚が約30%鈍くなり、特に甘味や塩味を感じにくくなります。そのため、航空会社は機内食の味付けを地上より濃いめにしています。
自分で食べ物を持ち込む場合は、少し味の濃いものを選ぶと、機内でも美味しく感じられるでしょう。
パイロットの食事が違う理由
航空会社では、機長と副操縦士が同じ食事を食べないというルールを設けていることが多いです。これは、万が一どちらかの食事に食中毒などの問題があった場合、もう一方の操縦士が無事でいるための安全対策です。乗客の安全を守るための、意外な工夫と言えるでしょう。
特別な機内食が注文できる
食物アレルギーや宗教上の理由で食べられない食品がある人は、特別機内食を事前に注文することができます。ベジタリアン用、グルテンフリー、ハラール対応食など、さまざまな種類があります。予約時に航空会社に伝えておくと安心です。
水分補給がとても大切
機内はとても乾燥しており、湿度は10~20%程度です(通常の室内は40〜60%)。長時間フライトでは特に体が脱水しやすいため、こまめな水分補給が必要です。水やお茶など、糖分や塩分が多すぎない飲み物を選び、意識的に水分を摂取しましょう。
まとめ
飛行機での食事は、ただ「食べるだけ」ではなく、機内での安全や快適さを考えることがとても重要です。機内の環境は私たちが普段過ごしている地上とは異なり、思いもよらない問題が起きることがあります。
食べ物選びには安全や規制だけでなく、自分自身や周囲の体調や快適性を考えることがポイントです。自分だけではなく、みんなが気持ちよく旅を楽しめるように配慮した食事選びを心がけてくださいね。