喪主挨拶で絶対に避けるべきタブー表現７つ！失敗を防ぐポイントを解説

喪主の挨拶は参列者への感謝を伝える機会

家族が亡くなると、遺族は悲しみの中でも葬儀を整え、参列者に向けた挨拶を準備しなければなりません。しかし、葬儀で喪主を務める機会は人生で数えるほどしかなく、何を話せば良いか迷う方も多いでしょう。

喪主の挨拶は、故人を悼むと同時に、参列してくださった方々への感謝を示す重要な機会です。この挨拶が不適切な表現によって参列者を不快にさせないよう、注意が必要です。

喪主の挨拶で絶対言ってはいけない7つのタブー表現

喪主の挨拶においては、避けるべき言葉や表現があります。これらは参列者が持つ文化的な感覚や感情に配慮し、適切な挨拶を行うために重要です。次に挙げるタブーをしっかりと確認し、参列者に対する礼を欠かない挨拶にしましょう。

1. 不幸を連想させる「重ね言葉」

重ね言葉とは、同じ言葉を繰り返す表現で、日常会話でも使うことが多い「重ね重ね」や「くれぐれも」などが該当します。こうした表現は、普段は感謝や念押しの意味として問題なく使用されますが、葬儀の場面では全く異なる意味合いを持つことがあります。

なぜなら、不幸が「重なる」「繰り返される」といった暗いイメージを参列者に連想させるからです。喪主の挨拶において、こうした重ね言葉は避け、よりシンプルで伝わりやすい表現にすることが大切です。

重ね重ね
くれぐれも
いろいろ
つくづく
近々

こうした重ね言葉は、日常で無意識に使ってしまうことが多いため、特に注意が必要です。挨拶の内容を事前に確認し、問題となりそうな表現が含まれていないか再度チェックすることをおすすめします。

また、何度も「感謝を申し上げます」と表現するのではなく、「心からお礼申し上げます」と一度で気持ちが伝わる言葉にまとめると、洗練された印象を与えることができ、参列者にも好意的に受け取ってもらえるでしょう。

2. 不幸が続くことを想起させる「続き言葉」

続き言葉は、何かが「続く」「再び起こる」といったニュアンスを持つ言葉で、葬儀の挨拶には適さないとされています。具体的には、「追って」「再び」「続いて」などの表現がこれにあたります。普段なら単なる接続詞として用いられるこれらの言葉も、喪主の挨拶の中で使用すると、悲しみが再度訪れるといった不吉な連想を生む可能性があるため、避けるべきです。

追って
再び
続いて
引き続き
繰り返し

こうした続き言葉は、無意識に使ってしまうことも多いため、注意が必要です。参列者に不安や気まずさを感じさせないためにも、できるだけ柔らかく、一度でしっかりと伝わる表現にする工夫が大切です。「この場をお借りして」や「心より感謝申し上げます」といった簡潔で温かみのある表現に置き換えると、挨拶全体の印象が穏やかで心に響くものになるでしょう。

3. 縁起が悪いとされる「不吉な言葉」

葬儀の場で「消える」「落ちる」などの縁起が悪いとされる言葉は避けるべきです。これらの表現は、人生の終わりや運が途絶えることを連想させ、参列者が不安に感じる可能性があります。

特に日本の文化では、こうした表現が大切な場面で避けられるのが一般的です。喪主の挨拶も例外ではなく、柔らかく穏やかな印象を持つ言葉にすることで、配慮の行き届いた印象を与えることができます。

消える
落ちる
流れる
終わり
「四（死）」や「九（苦）」の数え方

参列者の中には故人と同年代の方もいるかもしれません。縁起の悪い言葉は、不安や不快感を与える可能性があるため、できる限り避けることが望ましいです。「これまで温かく見守っていただきましたこと、心より感謝申し上げます」といった表現にすることで、丁寧さと共に故人への敬意が伝わるでしょう。

4. 宗派ごとの禁忌表現に注意する

日本には多様な宗教・宗派が存在し、それぞれに独自の考え方や儀礼が存在します。喪主の挨拶においても、宗派ごとに適切な言葉遣いが異なるため、故人が生前に信仰していた宗派に合わない表現は避けるべきです。

例えば、仏教の中でも浄土真宗では「ご冥福」や「霊前」といった言葉を使いません。また、神道やキリスト教にはそれぞれ異なるタブー表現があるため、慎重に言葉を選ぶことが大切です。

仏教（浄土真宗）では「ご冥福」「霊前」を避ける
神道では「成仏」「供養」などを使わない
キリスト教では「ご冥福」「お悔やみ」など避ける表現がある

宗派によって敬意を表す言葉が異なるため、喪主としての挨拶を準備する際には、故人が属していた宗派のマナーや儀礼に沿った表現を心がけましょう。特に故人が宗教を大切にしていた場合、宗教的なタブーを避けることが参列者への礼儀ともなり、安心して挨拶を聞いてもらうことができます。

5. 直接的な「死」や「亡くなる」という表現

「死ぬ」「亡くなる」といった直接的な表現は、葬儀の場では強い悲しみや痛みを伴い、聞く側にとって衝撃を与えることがあるため、喪主の挨拶ではできる限り避けるべきです。代わりに、「ご逝去」「ご他界」といった柔らかい言葉を使うことで、哀悼の意を丁寧に伝えることができます。

このように、悲しみを穏やかに表現することで、参列者の心に重い負担をかけない配慮が求められます。

「死ぬ」「亡くなる」→「ご逝去」「ご他界」に言い換え
「急死」「自殺」など詳細に触れない

さらに、「生きていた頃」「元気だった頃」といった表現も、故人が亡くなった事実を強く思い起こさせる可能性があるため、配慮が必要です。喪主の挨拶は、穏やかに故人の人生を称える場であることを意識し、できるだけ心に寄り添うような言葉で表現すると良いでしょう。

6. 故人の死因や病状への言及

故人の死因や病状に触れることは、喪主の挨拶においては控えるべきです。葬儀の場では、悲しみを共有し故人を悼むことが目的であり、死因や病状の具体的な言及は、かえって参列者を不安にさせたり、不快感を与えることになりかねません。

喪主の挨拶では、故人の人柄や思い出を語ることで哀悼の意を伝えることが優先されます。

死因や病状の詳細に触れない
あくまで故人の生前の人柄や思い出を語る

参列者が不快に感じないよう、哀悼の意は故人の温かい人柄や日常のエピソードを中心に伝えることで、悲しみの中にも穏やかな空気を作ることができます。故人の死を悼む心が伝わるように、不要な詳細に触れず、あくまで故人の生きた証を讃える言葉でまとめましょう。

7. 過度に悲壮感を強調する表現

喪主の挨拶において、悲壮感を強調しすぎる表現は避けた方が無難です。「深い悲しみに暮れる」「大きな喪失感を抱えている」などの表現は、参列者に対して過度な悲壮感を感じさせ、気まずい雰囲気を生む可能性があります。悲しみを控えめに表現しつつも、故人への哀悼と感謝を伝えることが大切です。

「深い悲しみに暮れる」「大きな喪失感」など強調しすぎない
淡々とした言葉でありながら、感謝や敬意を表す

例えば、「お別れの時を迎えましたが、皆様の支えに心より感謝申し上げます」といった、さりげなく哀悼の気持ちを表す言葉にすることで、静かで落ち着いた挨拶になります。参列者の心に負担をかけることなく、穏やかな空気の中で故人を偲ぶことができるでしょう。

喪主の挨拶における注意点と心構え

喪主の挨拶では、避けるべきタブー表現だけでなく、細やかな配慮や心構えが求められます。言葉遣いに細心の注意を払いながらも、堅苦しすぎず、参列者が穏やかな気持ちで故人を偲べるような雰囲気を作ることが大切です。また、喪主としての挨拶は多くの方が初めて経験するもの。予め知っておくべき配慮について確認しておきましょう。